突然の空間の歪みと共に現れた者たち、それはレイが元々いた世界で海賊でも略奪を認められている、王下七武海の一人。ドンキホーテ・ドフラミンゴだった。
そしてレイの周りを取り囲むように立っている者たちはCP,0(サイファポール・イージス・ゼロ)。世界政府直属の諜報機関のなかでも最も危険な任務を遂行するという者たちだ。
「なぜ、お前がここにいる。ドフラミンゴ!」
「フッフッフ・・つれねぇなレイ・クローリー。政府の上層部はよほどお前の首が欲しいらしくてな、あの時お前が消えたことで俺はお前を探すはめになったんだぞ?」
「でも、もう俺はあの世界には戻れない。俺があっちの世界にいなければ問題ないだろう。」
「フッフッフ、確証がないだけで戻ってこれねぇってわけじゃないだろう」
「くッ!・・・じゃあ、どうやってこっちの世界にきた?見たところ俺の悪魔の実の能力に似ていたようにみえたが?」
だが、ドフラミンゴが答えるよりも早くレイを呼ぶ声が聞こえてきた。
「レイっ!・・・これは、騒ぎを聞いてもしやと思ってきてみましたが・・」
騒ぎを聞いて駆け付けたクローディアだった。周りを見てみれば先程まで決闘を見ていたギャラリーたちは、もう避難が終わったあとだった。そして残っているのは綾斗、ユリス、クローディアの三人だけだった。綺凛は鋼一郎に連れられこの場を去ったようだった。
「こっちの世界でも、仲良くやってるようだな。被検体21号様」
「ッつ!」
レイはその言葉ですべてを察した。自分がなぜ追われなければいけないのか、どうしてドフラミンゴ達がこの世界に来ることができたのか。
「・・・・そういうことか。ようやくわかったよ俺が狙われる理由も、お前たちがこの世界にノーリスクでこれる理由も・・・俺たちからとった実験データから完成させたんだな」
「ああ、そうさ。だからある意味お前たちのおかげでもあるな・・まあ、話はこれくらいにしておいて。悪いがお前の首は貰っていくぞ」
そしてレイを取り囲んでいた三人のCPがレイに襲い掛からんとばかりに構える。
その三人はだれも武器などは構えていない。数秒睨みあった後、周囲にいる三人同時に突っ込んでくる。
だが、その攻撃はレイに届く前に止められる。
「事情は分からないけど、友達が前で襲われてるんだ。助けないわけにはいかないよね」
「前に助けてもらったからな、これで貸し借りはなしだ」
「・・・わたしの大切な人は傷つけさせません」
煌式武装と純星煌式武装を展開した綾斗とユリス、クローディアだった。
「だめだ!お前らじゃ勝てない!俺なら大丈夫だからお前らも逃げてくれ!」
「フッフッフ・・ここではたいそう周りから愛されているみたいじゃねぇか。あっちと違ってな。まあ所詮お前らは実験体にされるために生まれようなもんだからな」
「それ以上言うな!俺たちはそんなことのために生まれたわけじゃ―――」
その言葉を最後まで言い終わらないうちに、レイは先端が黒く染まった糸によって腹部を貫かれた。
「っ・・・・!ガハッ・・!」
口から血を吐き、膝をつくレイ。
「おいおい、感情に身を任せて冷静さを欠くとは中将らしからぬ行動だな」
そおして、膝をついていたところをドフラミンゴに壁際まで蹴飛ばされ、壁にめり込むレイ。
「「「レイ!」」」
CPと戦っていた三人が、吹き飛ばされたレイを心配そうに呼ぶ。しかしその三人もたった少し戦っただけでもうボロボロだった。綾斗にいたってはそろそろ限界時間が近いのか手が震えている。
「フッフッフ、お前らもう限界だろ。こいつをおいてさっさと逃げろ、別にお前らはどうでもいいからな・・・」
そんな中、ドフラミンゴのもつ電伝虫がなる。どうやらこっちの世界でも、あちらの世界とつながる空間の歪みがある限り電伝虫もつながるようだ。
「なんだ、そうか。わかった早急に終わらせる――――もう時間がないんでそろそろこいつを連れて帰るとするか」
そこで、今まで黙っていたレイが立ち上がる。
「やはり完成した能力でも、空間の歪みをずっと作れるわけではないんだな」
「まあ、そおいうことだな。わかったんならさっさと降参しろ」
「それは嫌だね、前は白ひげとの戦いの後だったが今度は前のようにはいかないよ」
「フッフッフ、それはどうだろうな、これを見てもまだそんなことが言えるか?」
そしてドフラミンゴが指したほうを見ると綾斗が気を失っている。そんな綾斗をかばったのかユリスも負傷していて二人とも拘束されている。クローディアは二人が拘束されていて手が出せないのか少し距離をとったところで悔しそうに唇を噛んでいる。
「すまん、レイ。お前の忠告を無視して、お前の足手まといになってしまって・・・」
「くっ・・・わかった。お前の言うとおりにするから・・・あいつらには手を出さないでくれ・・」
「フッフッフ、いいぜ。じゃあまずこっちに来い。そおしたらあいつらを解放してやるよ」
レイはドフラミンゴの元まで歩いていく。レイがドフラミンゴの元まで行くとユリスたちは解放され、クローディアはそれを庇うように立つ。CPの三人はドフラミンゴの元まで戻ってくると、うち二人がレイを両側から挟み込むように拘束する。そして歪みも限界が近いのか徐々に薄れ始めてきている。
「フッフッフ、そおいえば。持ち帰るのはこいつの首だけでいいんでな、ここで殺してから持って帰ってもいいんだよな」
その言葉に目を見開き、驚きに顔を歪ませるユリスとクローディアだったが次第に二人の表情は怒りに染まっていく。
ドフラミンゴはレイを自分のほうに向かせると顔面や腹部、鳩尾などに蹴りを入れていく。
蹴られるたびに鈍い音がなり、くぐもった声が聞こえてくる。
そしてついにレイの頭にドフラミンゴの指先が向けられる
「じゃあな、レイ・クローリー」
「・・・ハァ・・ハァ・・・・」
クローディアはできるならば助けに行きたかったが、少なからず距離があるこの位置からではおそらく動いた瞬間レイは殺されてしまうだろう。
ドフラミンゴの糸がレイを貫かんとレイに向かっていく。だが、あたる寸前でレイはまたしても消えた。レイはクローディアの前に現れる。だがそれはもう立つのがやっとのような状態だった。
「・・ハァ・ハァ・・その空間の歪みは俺の能力でもう維持できないようにしてある。・・もってあと十数秒ってところだ。どうする?俺を追いかけてきて戻れなくなるか、諦めて元の世界に戻るか。早くしないと閉じちまうぞ」
「くっ・・・・いずれまた来るからなレイ・クローリー」
そう言い残してドフラミンゴは戻っていった。
ドフラミンゴがいなくなると、糸が切れたように倒れるレイ。それをクローディアが受けとめる。
「レイ・・・本当によかった。あの時、あなたがいなくなってしまうのではないかと・・・・」
レイの頬に手をあて、泣きそうになりながら言うクローディア。
「心配・・かけたな。クローディアたちのおかげで助かった。さすがにあれを俺一人ではむりだったよ」
そんな二人の空気にユリスがわざとらしく咳払いをする。
「こほん。私は綾斗を連れていく。いちゃいちゃするのもいいが、レイお前は腹を貫かれたうえに、全身傷だらけなのだから早く治療することだ。・・・あと、さっきのやつらのことあとで教えてもらうからな」
「ああ、二人もありがとな。助かった」
それだけ言ってユリスは綾斗を抱え去っていった。
「なあ、クローディア」
「はい、何でしょう?」
「その・・顔が近いんだけど・・・・」
「あら、でしたらこの先もしちゃいますか?」
「えっ、」
その言葉に途端に顔を赤くするレイ。そのすきにクローディアは頬にキスする。
「ふふっ、次はレイからしてもらえるのを待っていますね」
レイがぼーっとしているとクローディアはレイの肩に腕をまわし、立ち上がった。
「さあ、お腹を治療しないと。行きますよ」
そおして、レイたちは医務室に向かった。
レイは治療中も治療が終わった後も、ぼーっとしては時々口元をにやつかせていたという。
どうも、だいぶ時間がたってしまいましたが久しぶりに投稿できました。
レイの能力の秘密は、次回書こうと思います。
ちなみにレイの能力は一応超人系になります
あと感想まってます!。