ようこそ!ダヴィンチちゃんの素敵な聖杯戦争へ!   作:はむらび

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ダ・ヴィンチちゃんのマテリアルが読みたい。
とりあえず万能の人(ウォモ・ウニヴェルサーレ)の効果だけでも。


第三話 「聖杯戦争で勝ち残りたいなら私を呼びなさい」

素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。

 

祖には世界を見通した夢魔(マーリン)

 

降り立つ風には壁を。

 

四方の門は閉じ、王冠(グランド)より出で、王国(ブリテン)に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する。

 

――――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

魔(術的)改造を加えた呪文を唱え、魔力を注ぎ込む。

 

注ぎ込んだ魔力や霊脈が、部屋の中に複雑にカタチ作られた回路を通り、魔法陣の上に収束していく。そして、その魔力が根源との間に針先ほどもない穴をこじ開けると、その穴の奥からは、この工房に集めた量を優に超えるエネルギーが放出された。その余剰エネルギーは閃光と風へと形を変え、僕の視界を塞いだ。

 

 

 

「あいにく私は誰かに仕えるという認識が薄いんだけどね・・・まあ、オーソドックスに聞くか。問おう。君が私のマスターかい?」

人間として完璧なバランスに体を作り変えて現界した超人。芸術家らしく、彼女(カレ)の作り替えた肉体は完全に均整が取れている。しかし、肩に載せた黄金色の機械製の鳥や、右腕に着けた異様に巨大な鉤爪の様な籠手などが明らかにその黄金比を崩しているのはいいのだろうか(反語)。

唖然として数瞬後、答えを返していなかったことに気がつく。

「ああ。僕が君のマスターのロマニ・アーキマンだ。僕のことは気軽にロマンとでも呼んでくれればいいよ。『ダヴィンチ』。」

そう、形式だけの真名確認も兼ねて言った。

「ああ。私が君のキャスターのレオナルド・ダ・ヴィンチだ。私のことは気軽に『ダヴィンチちゃん』とでも呼んでくれ、『ロマニ』。」

 

 

上手く返せなんて言ってない。

 

 

「あ」

「どうしたロマニ?なにかこの私に不都合でもあったのかい?」

そう不機嫌な顔をするキャスター(ダヴィンチ)

「いや、不都合はない。どころか好都合なんだけどね?」

そう、僕は冷や汗を流しながら答えた。

カレは自分を『キャスター』と答えた。

確かカレ、ダヴィンチにはライダークラスの適性があったはずだ。FateGOでは「ライダークラスで現界していたならいくつか乗り物に乗せてあげられていた」とか言っていたと思うし。

キャスタークラスで無ければ、場合によっては聖杯をなんともできなかったかもしれなかったわけで…

考えが甘かったのかな。反省しなければならないだろう。

 

ん?『ライダークラスにも適性がある?』

 

「なあ、キャスター。」

「なんだい?私のことはダヴィンチちゃんと呼べと言っただろう?」

不機嫌なままそう答えたカレに対し、僕はアポクリファな世界線で語られた設定を思い出す。

「もし、君がライダーで来てたら、ヘリコプターとか持ってたのかい?」

「ああ、アレかい?まさか飛ばないとは思って・・・はいたんだけどね?実験したあたりで。だからあれはただの失敗作だよ。」

「そうか…」

「ただ、もし宝具として持ってこれたなら、飛んだとは思うよ?強引に。」

僕が思いついていたのは、セミラミスが『実際には持っていなかった』空中庭園を、現物を用意することで強引に宝具化したように、クラスの都合で持ち込めなかったダ・ヴィンチのヘリコプターを宝具化できないかということだった。

「なら、あの設計図通りの代物を用意したとして、キャスターは飛ばせる?」

ダヴィンチは口を閉ざした。

これはダメそうだ。

「ダメならいいよ。すまないね。」

 

「飛ばせるかじゃない。飛ばすんだよ。(・・・・・・)

「え?」

「私は万能人だ。つまるところ、私にできないことなどないし、あってはならない。」

何かの琴線にでも触れたのだろうか。まるでその言葉は、僕ではなく自分に語りかけているようだった。

「『できるかどうか』と『やるかどうか』は別問題だけどね。」

 

「つまるところ本気を出せと?」眉間にシワを寄せながらそう言った後、一拍置いてカレは目に炎を灯しながらこう言った。

「よろしい。そのオーダーに答えましょう!」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ねえロマニ。」

「なんだいキャスター。あいにく僕だってサボってるわけじゃないんだけど。」

「この状況がわかってるのかい!?」

この状況って言われても…僕の「本来の」工房に過ぎないんだけど…

「よく考えて見なよ。魔術師ってのは普通科学を忌避するものだろう?いや、忌避するのには反対だし、私達の時代はまだそんな風潮は無かったけども。」

「つまりどういうことなんだキャスター?」

「だからといってこれはやりすぎだということだよロマニ!なんで魔術師(わたしたち)が揃ってパソコンの前に座ってるのさ!」

「でも出来るんだろう?」

「まあそうだけども…私に最初に頼むの本当にこれで良かったのかい?」

「ああ。不服?」

「そういう訳では無いけども。言っとくけど、私の『黄金律(体)』は『黄金律』と違って金運系スキルじゃないんだよ?」

大丈夫。知ってる。

「大丈夫だよキャスター。株でお金を稼ぐ分には、必要なのは『黄金律』じゃない。『天賦の叡智』の方だ。」

もし黄金律だと勘違いしてたなら、わざわざ手間のかかる株なんかじゃなくて馬券でも買ってた。その方が早い。

「まあ、良いけど。ロマニの方は何やってるの?」

「色々とね。その稼いでくれたお金を『使う』方とか。とりあえず工房を作るための資材とか。そうそう、アレも発注が済んだよ?」

「アレってなんだいアレって。」

「『ヘリコプター』だよ。」

「外部発注なのかい?私は完璧主義者だ。生半可な代物は認めないよ?」

まあ、完璧主義者なのはそうだろう。史実上でも、モナリザには「筆の跡」が残っていないことなど、ダヴィンチの完璧主義を伝えるエピソードは数多く残っている。

「ああ、それは大丈夫だよ。『設計図通りに木を加工』するだけなんだろ?そういうものに長けた職人なら、実際案外いるもんなんだ。最悪の場合は君に手直ししてもらうかもだけどね。」

「ああ、それならいいよ。どうせアレ(ヘリコプター)は飛びもしなかった失敗作だ。自力で作れなかった物を他人に完璧に作れなんて言えないからね。多少なら妥協するよ。ところで、資材の方はどんなものを買ってるんだ?霊地は何処を確保した?」

「柳洞寺を。拠点にするんだ、魔力が多い方が良いだろう?それに、聖杯にアクセスがしやすいからね。」

「私は聖杯から冬木市の詳細な地理情報を得ているんだけど、そこは流石に魔力が濃すぎないかい?私なら兎も角、あそこまでの霊地は身体に害だと思うけど…」

「ああ。知ってる。だけど僕はちょっと『燃費が悪い』からね。それくらいで丁度いいのさ。」

「というか、あそこは私有地だろう?どうやって工房を作る気なのかい?」

そう聞いてきたキャスターの方に、僕はパソコンの画面を向けた。

「ショベルカーに削岩機、ボーリングマシン?また変なことを考えるね君は。」

「まさかコレだけで分かったのか!?」

 

「『寺の境内に何か建物の建築計画を偽装して持ち込んで、地下にある聖杯のところまで掘り進んでいき、その真上に工房を建築する』ということで良い?面白いねロマニ。」

そう言ったカレは、興味深そうに笑っていた。




順風満帆な準備期間は敗北フラグ
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