ようこそ!ダヴィンチちゃんの素敵な聖杯戦争へ!   作:はむらび

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第五話 「聖杯大戦 ~私達はこれからどうすべきか~」

ボクはグレイを連れて柳洞寺地下、龍洞の真上に作られた工房に駆け戻った。

 

「大変だキャスター!今すぐシステムを止めてくれ!」

「無理だね。もう呼ばれてる(・・・・・)。」

「本当かい?」

「本当だ。どちらかと言えば、私達ももう呼ぶべき(・・・・)だと思うけどね。

 

 

 

 

もう一騎のサーヴァントを。」

 

 

聖杯大戦。7騎のサーヴァントを呼び出す『聖杯戦争』に組み込まれたもう一つのシステム。7騎すべてが一つの団体に属し、聖杯戦争が成立しなくなった場合のために作られた最終安全装置。もう7騎のサーヴァントを呼び出し、聖杯戦争を強制開始させる機能。

 

それにより、キャスターひとりでは心許ない分、もうひとりのサーヴァントを召喚が可能だ。

 

本来ならそんなことをせずとも、原作通りにアサシンあたりのマスターから令呪を強奪して違反召喚をすればよかっただけなのだが、『アサシンが見当たらない』。

原作には『本来のアサシンとそのマスター』は登場していないし、どこにいるかの情報などもない。十中八九ハサンでは有るのだろうが、そもそも存在しているのか不明なレベルで手がかりがないのだ。

そのくせ、ダ・ヴィンチちゃんが道具作成スキルと聖杯へのハッキングによって作り上げた「偽・霊器版」にはアサシンの反応が有る。ちなみにこれは「正規の7騎+違反の7騎+ルーラー1騎の15騎分」に対応しているため、実は本来の霊器版よりも高性能である。やっぱ元の代物の格が低いからね。仕方ないね。

 

アサシンは見当たらない。大聖杯の暴走時のために誰か一人がここに残らなければならない。そして「レオナルド・ダ・ヴィンチ一人では英雄王(ギルガメッシュ)鞘持ち騎士王(アルトリア)に対して安定した勝率を叩きだせない。」

 

なら仕方ない。聖杯大戦の術式を起動させて新しくサーヴァントを呼び出してしまおう。

そもそも原作には6人しか聖杯戦争に参加表明したマスターが居らず、衛宮士郎を含めて七人なのだから、聖杯大戦を起動してもほかにマスターは増えないだろう、と思っていたんだ。

 

 

「まだ正規の七騎は剣士(セイバー)が呼ばれてないから聖杯戦争は開幕してないけど・・・なんだこれ?治療兵(ヒーラー)に・・・銃兵(ガンナー)?」

 

どこにそんなにマスターが居たんだよ。

今この冬木に思い当たる該当者は三名。

『沙条綾香』『岸波白野』『フラット・エスカルドス』。

だが、沙条綾香と岸波白野は令呪を持っていなかった。露出していない部位にある可能性や、今日帰ってきてからの三時間で呼んだ可能性もあるにはあるが、それよりもマスターはまだいる(・・・・)という方が考えやすい。

 

 

「おい、大丈夫か?こっちもある程度の触媒とか用意しないと・・・」

「触媒・・・ですか?」

グレイちゃんが首をかしげた。

「ああ。サーヴァントって言うのは、本来呼んだ人間に性格が似てるやつ(英雄)が召喚される。ここまではいいよね?でもこれには重大な欠陥があったんだよ。わかるかい?」

「拙は魔術師ではありませんので、それはわかりかねます。」

「ああ・・・これは魔術とかの話じゃないんだよ。」

「というと?」

「魔術師なんてたいていが人の道に反したクソだし引きこもりだ。僕も魔術師だしそれを咎める気はないけど、そんな奴に似た精神構造の奴が呼ばれたらどうなる?キャスタークラスならまっとうな奴が来るかもだけど、他のクラスでやってくるのは大抵がロクデナシだろう?」

「まあ、否定はしません。」

「だから、その英雄ゆかりのアイテムを媒介にすることで、『そのアイテムの持ち主を呼び出せばいい』って理屈に達したんだね。

 

 

 

 

そこにあるじゃん!最果てにて輝ける槍(英霊ゆかりのアイテム)が!」「ダメです!」「どうしてだい?本当にちょっと借りるだけなんだから。」そうして彼女の方を見ると、フードを深くかぶってうつむいていた。

 

「わかったよ。まだ方法はないわけじゃないんだ。」

「どういう方法ですか?」

彼女は顔を上げた。

 

呼ぶ人間(マスター)の方を仕立て上げてしまえばいい。」

 

 

 

 

 

「はい?」

 

割り込んでキャスターが答える。

「例えばだけど、一般的な魔術師がサーヴァントを呼んだらたいていは魔術師が来るわけだよね?だったら簡単さ。英雄がサーヴァントを呼んだら英雄が来る。当然の帰結だろう?」

「だからフラットの奴は厄介なんだよ。自由奔放でおおらか、大雑把で社交的で善良なトラブルメーカーの馬鹿。だからこそ、イスカンダルとかアキレウスみたいな規格外のサーヴァントを相性召喚で呼び出して、潤沢すぎる魔力供給で圧勝してくのが目に見えてるんだよ。」

キャスターは、だからこそ、と言ってから付け加える。

「私みたいなサーヴァントがサーヴァントを召喚すれば、ある程度スペックは絞りこめるわけだ。私が召喚するんだ。ノイマンやアインシュタイン、ゲーテとかなら呼べるんじゃないかな?」

 

「とりあえず、その場合ボクらは邪魔(・・)になるから退いてよう。ボクに似た誰かとか出てこられたらロクなことにならない。」

ボクはグレイを連れて工房を後にする。最悪彼女が居ればロンゴミニアドが触媒になってしまうかもしれない。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。

 

手向ける色は"赤″

 

降り立つ風には壁を。

 

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する。

 

――――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

 

万が一にも『正規のセイバー』を呼び、聖杯戦争を開始させることがないように、聖杯大戦において『陣営』を定めるための一節を加える。これにより、呼ばれるのは『非正規の七騎』側に限られる。

 

 

聖杯の真上、霊脈の中心に置いて、魔力A++のわたし(ダ・ヴィンチちゃん)が召喚する。その過剰な魔力が収束した後、そこには武器を持たない(・・・・・・・)屈強な男が立っていた。髪は剃りあげられ、筋肉は今までの戦いの激しさを表すように傷だらけだった。その僧兵のような背格好の男は、いや、漢は私にこう問うた。

 

 

 

「サーヴァント、拳闘士(ファイター)。召喚に応じ参上した。問おう。お前が俺のマスターか?」

 

 

 

 

 

流石の私もこれは予想外だったかな…




ダ・ヴィンチちゃんのステータス表記をしていなかったことに気づいたので

クラス:キャスター
真名:レオナルド・ダ・ヴィンチ
筋力:E 耐久:E 敏捷:C 魔力:A++ 幸運:C 宝具:EX
保有スキル 陣地作成:A 道具作成:A 天賦の叡智:EX 黄金律(体):B 星の開拓者:EX
備考:マスターの影響を受けて少しステータスが変化

クラス:ファイター
真名:?
筋力:B 耐久:C 敏捷:A++ 魔力:B 幸運:D 宝具:C
保有スキル:?

エクストラクラス ファイター
武器を『持ち込まない』英雄が該当するクラス。
多くの英雄が該当するが、このクラスで呼ぶ価値は基本的に無い。原作サーヴァントにおける該当者はベオウルフ、ヘラクレス、李書文など。

多分この人の正体はすぐにバレる。まあ、是非もないかな。
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