ようこそ!ダヴィンチちゃんの素敵な聖杯戦争へ!   作:はむらび

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第六章、実装されましたね。やっぱりダヴィンチちゃんはキャラが立ってて良い。
あとメシェド。


第八話「主人公とはかくあるべき」

結局、なんだかんだで押し切られ、彼等を泊めることになってしまった。これは不味い。

フラット・エスカルドスが関わる物事は大抵ロクな事にならない。今回だって工房をどう弄られるか分からないし、あのサーヴァントが腰の日本刀で寝ぼけて家を両断するかもしれない。

そんな荒唐無稽な出来事が予想されるが、それを鼻歌混じりで飛び越えていくのがフラットだ。

いつもの状況で有れば夜逃げ&野宿も辞さないのだが、今は聖杯戦争中。そんな中、丸腰の魔術師が野宿なんぞしているものなら、間違いなく魂を喰われる。寝ていても暴漢などを勝手に撃退してくれる程度の簡易結界など、ド三流の文化系サーヴァントでも突破できるだろう。

かと言って、コイツらを今更追い出す訳にもいかない。

いい口実がないのだ。

「男を家に呼ぶなんて!」でも「聖杯戦争中にサーヴァントを家に匿うなんて危ない!」でも、あの問題児の呼んだサーヴァントは「私が守るのでなんとかなります!」の一点張りだ。

全く、安心出来ない。

一体、コイツらは聖杯戦争をなんだと思っているんだ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

私たち『人理保証機関 フィニス・カルデア』は、世界を救うという目的のために発足した、文字通り規格外の組織だ。48人のマスター候補。そのすべてをサポートし、人類史の存続のために戦わせる。その規格外の量のバックアップを、先輩は一身に受けている。それにより、通常の英雄であれば基本「6騎まで」十全に動かすことが可能になっている。先輩一人に負担をかけておいて悪いのだが、実は「マスターが一人しかいない」ということは、サーヴァント間で作戦行動がとりやすい、ということにもつながる。

作戦行動をとる6騎のサーヴァントと私たち2騎のデミ・サーヴァント。さらにそれを十全に動かす魔力供給に毎日一画回復する令呪とは、反則もいいところだ。

「ところで先輩、今回の作戦としてはどうなるんですか?」

最悪作戦行動をとらなくても何とでもなりそうではあるのだが、あいにくそれでは目立ちすぎる。

目立つということは狙われる確率が高いということで、そしてカルデアのサーヴァントから犠牲者が出やすくなるということでもある。

「とりあえず、まずは偵察からだよね。」

「はい。当然ですね。」

となると、アサシンクラスの誰かだろうか。いや、こういう場合はやはりエドモンさんだろうか。逃げることに特化した宝具を持つ彼なら、『偵察』という面には向いているだろう。

 

「やっぱ偵察といえば威力偵察に限るよね!」

「えーっと、はい。」

何かおかしいがまあそれはいい。この先輩が言いだすことの中ではまだ極めて常識的な方だ。カルデアの存在が気づかれることや攻撃によって相手が警戒心を持つことなどのデメリットがあるが、言うだけ無駄だろう。

 

「威力偵察…すまない(ジークフリート)さんとかでしょうか?」

あの人は優秀な仕事人だ。命令には忠実に従い、冷静に戦況を見極め、相手の情報をきちんと持ち帰ってくる。そのうえ引くべき時にはきちんと逃げ帰ってくるし、倒せるサーヴァントはきちんと倒してくる。

言わなければ何もできないが言ったことは完璧にこなす。腰の低い指示待ち大英雄。

 

「いや、あの人は目立つでしょ。なにせ♰舞い降りし最強の魔竜♰(だいえいゆう)なんだよ?」

「では、誰が…?」

 

 

清姫(きよひー)だよ。」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ま す た ぁ ♥」

実際、私の悪い予感は的中した。

敵サーヴァントが攻め込んできたのだ。

まあ、敵襲とともにフラットが起きてきたのは予想外だったが。

「まあ、さすがに警戒くらいはしてるよね。」

「なんのことですか?」

まさか格好よさそうだから見物に降りてきたとかじゃないと思いたい。

「とりあえずアヴェンジャー(・・・・・・・)!頑張って殺さない程度に追い返してください!」

「マスター!斬りたいんですけどダメですか?」

「なんでアンタらはそんなに余裕があるんだ!」

 

「いや…だって…

 

 

ステータスがほぼオールEですし…」

なるほど。ステータスはマスターにしか見えない。しかしサーヴァントとは歴戦の勇士。相手の力量を見定めるなど造作もない。油断するなと言うべきだが、まあ油断してしまうのが人の性だ。

「じゃあ、斬りますね!」

痺れを切らした『アヴェンジャー』は、『殺さない程度に』というオーダーすら忘れて、ただ構えた刀を、相手の脳天に向け、振り下ろした。私は来たるべき惨劇から目をそらした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「なんで清姫さんなんですか?」私は疑問を口に出した。

清姫さんはバーサーカーだ。暴走の可能性が極めて高い関係上、作戦行動には向かないはず。

「なに?きよひーを信頼してないの?」

「いえ。そう言うわけでは…」

清姫(きよひー)はね?ヤンデレなんだよ?」

「はい。その程度なら私も理解しています。」

「ヤンデレは命令に忠実だからね。」

それに、とマスターは付け加えた。

「相手を油断させることは諜報(スパイ)の第一歩だからね!」

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ガキン!と金属音が鳴る。驚いて目を開けた私のもとに飛び込んできたのは、鱗に覆われ、二倍以上に膨れ上がった腕。その持ち主は、真っ二つになったはずの少女だった。

「ほう、なかなか斬り甲斐がありそうですね。」

アヴェンジャーは笑う。純粋に、そして無邪気に。

まるで無策を晒すかのごとく、彼女は懐に入り、一閃、一閃。策など必要ない。

「ですがわたくし、斬られるわけにはいきませんので。」

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実際、私の悪い予感は的中していたようだ。それも最悪のカタチで。

ひとつ。工房を兼ねる我が家の半壊。

ひとつ。守ってくれるはずだったアヴェンジャーの暴走。

ひとつ。侮っていたバーサーカーがEX宝具を開帳。逃げ場はない。

 

「ますたぁの為に、死んでください♥」

目の前に立ちふさがるは巨龍。私が人質に取られたことにより暴走していたアヴェンジャーも身動きが取れない。私ごと巨龍を両断するのはたやすいだろう、というかそうしたくて彼女自身はウズウズしているようだが、彼女は割かし律儀だったらしく、「全力で守る」といった手前斬り捨てるわけにはいかないのだろう。

 

ああ。どうしてこうなった。たぶん全てフラットのせいだ。いや。そもそもが私は何をしていた?適当で無謀な正義感から街を徘徊し、結局為したことは大きな魔力反応があった地域から暗示を使い一般人を避難させたこと。それだけだ。そうやって正義の味方ぶったうえで、本物の敵が現れた時には『守ってくれなかった』。

どっからどう考えても甘ちゃんだ。

 

それじゃダメだ。正義の味方になろうなんて思わない。フラットのせいだと思うのも止めない。だけど!結局自分ひとりじゃ何もできないなんてのは嫌なんだ!

 

 

突然、一陣の風が、私と龍の間に吹いた。ズキリと痛む右肩の痛みとともに、白銀の風は『お守り』を中心に収束する。

 

 

そこに立っていたのは黒い甲冑に身を包んだ金髪の青年。その姿はまるで、龍を退治するお伽噺の騎士の様で。

一閃。その漆黒の大剣で白銀の龍を切り裂き、私に背を向けたままこう言い放った。

 

 

「俺はシールダー(・・・・・)。嬢ちゃん、てめぇがオレのマスターか?」




主人公の座を乗っ取られたロマニ!
陰気な少女が呼び出したのは漆黒の騎士!
だが、アーサーではない。オルタでもないから!
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