S級ヒーローの中にハジケリストたちがいる。   作:にゃもし。

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ガンバれ! ゾンビマンと天の助さん!

  

 

ヒーローの中には副業を営む者もいる。有名なところでは喫茶店を経営している「バネヒゲ」マジシャンを兼任している「テジナーマン」普段はホテルの料理人をやっている「ブッチャー」そして中でもS級ヒーローの「天の助」――彼は少々風変わりな店を開いていた。

 

そんな彼の元に妙な縁で天の助と知り合いになった一人の男、元実験体サンプル66号ことゾンビマンが訪ねる。

 

 

「確かここら辺に天の助が経営している「ぬ」の店があるハズなんだが…」

 

 

目的の店はすぐに見つかったが、件の店――看板に「ぬ」と書かれた店は地震がきたかのように潰れて、その隣に建っている「ね」と書かれたお店には人だかりができて繁盛していた。天の助の姿はどこにもない。

 

 

「 “ ぬ ” の店が潰れて代わりに “ ね ” の店が繁盛しているゥ――――っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度こそ、ここに天の助がいるんだよな…?」

 

 

ゾンビマンが次に向かった場所は「メルヘンチック遊園地」彼は周辺の聞き込みの調査の結果、ここを探り当てることができた。そこに天の助がいるということも。

 

 

「えーと、俺は天の助の知り合いなんだが天の助はいるか?」

 

 

園内にいる人間の毛髪を刈りそうなコスチュームを着用した従業員らしき男に声をかける。後頭部に刃物でも刺されたことがあるのか大きな絆創膏を貼ったハゲ頭の大男。強面の見た目に反して彼は快く案内をする。その案内した先が…

 

 

「公衆便所にしか見えないんだが…?」

 

「それじゃ俺は仕事がありますんで」

 

「え、ちょっと!?」

 

 

そのままゾンビマンを残してスタスタと去っていく。どうしたものかと悩んだあと彼は公衆便所に入ることにした。

 

 

「何をやっているんだお前は?」

 

 

天の助はすぐに見つかった。彼は便所内にある巨大な大釜に入ってグツグツと煮込まれていた。その近くには彼の部下と思われるハゲ頭の従業員二人が何とかして大釜から彼を出そうと奮闘していたが当の本人は「イヤーン、エッチぃ!」と意味不明で無意味な抵抗をしている。従業員が必死なところを見ると天の助が自ら大釜に入ったようだ。心底どうでもいいが…

 

天の助はゾンビマンの気配に気づくと「久しぶり」と片手を上げて声をかける。便所内で会話をする気がないゾンビマンは親指で外を指して外へと促す。

 

 

「どうでもいいんだが何でお前が経営している「ぬ」の店が潰れて「ね」の店が繁盛しているんだ? おかげで探すのに手こずったぞ…?」

 

 

園内にあるベンチの一つに並ぶように腰かける二人のヒーロー。天の助は事の顛末を静かに語り始める。

 

 

「ぬの店のことを知っているなら話が早い。あの店は奴ら “ ね ” の者の裏工作で潰されたんだ…」

 

 

「あ、そう…」と興味がなさそうに相槌を打つ。

 

 

「奴らのせいで住む場所を失った俺を見かねてボーボボがこの遊園地を建ててくれたんだ」

 

「随分とお人好しなんだな」

 

 

まるで他人事のように答えるゾンビマンに天の助は言った。

 

 

「一日で」

 

「ええぇぇ――――――――っ!? スゲェな、おい!?」

 

 

予想外の工事期間の短さにゾンビマンはバカみたいに口を開いて驚いた。

 

 

「気をつけろゾンビマン。あの店は「ね」の怪人が絡んでいる」

 

「お前、怪人のせいにすれば何でも許されると思ってないか?」

 

 

その時に緊急避難警報が流れる。災害レベルは「鬼」街一つが壊滅する恐れのある災害だ。

 

 

「園長、大変です! 平仮名の「ね」の形をした怪人が「ね」の店から現れて暴れまわってます! しかも複数です! 駆けつけたヒーローたちもすでに何人かやられています!」

 

 

先ほどゾンビマンを案内した大男が二人の元に駆けつけて報告する。その背後には文字通り体が「ね」の形をした怪人が数体、口から炎や氷、雷を吐き出しながら園内の人間を襲い、そのうちの一体が彼のあとを追いかけていた。

 

 

「マジだった!」

 

「呆けてる暇はないぞゾンビマン!? 俺たちがやらなくて誰がやる!?」

 

 

青いオーラを纏って地面すれすれを滑空、体ごと怪人にぶつかる天の助。数体の怪人が天の助の攻撃を受けて断末魔を残す暇もなく塵と化す。

 

 

「よし、このまま「ね」の店まで突っ込むぞ! おそらくそこが奴らの本拠地になってるハズだ!」

 

 

天の助の活躍で活気づく園内。ゾンビマンはそんな彼を見て「天の助のくせにカッコいい」と嫉妬した。

 

 

 

 

 

 

 

 

数名のヒーローの手助けもあったお陰か、さほど時間をかけずに怪人たちを倒して遊園地に戻った天の助たち。

 

 

「そういやゾンビマンは何しに来たんだ? 遊園地に遊びに来たの?」

 

「んなわけないだろ。とりあえずこれに目を通せ」

 

 

天の助に新聞を手渡して記事の一部を指差す。そこには新人のヒーローが活躍したことが書かれていた。事件を解決したヒーローたちの顔写真も同時に載せられている。ハゲ頭のサイタマと金髪のサイボーグ、ジェノス。

 

 

「何々新人のヒーロー二人、進化の家を壊滅させてS級に昇格? へぇ、スゴいね」

 

「それだけか? 進化の家だぞ?」

 

 

額に青筋を浮かべて詰問する。天の助は何のことかと暫くキョトンとした表情をしていたがやがて「あ」と声を出して思い出す。天の助はどこか遠い目をして…

 

 

「進化の家か…手強い相手だったな…」

 

「俺たちは何もしてないぞ。それに壊滅したと決めつけるのはまだ早い」

 

「何でだ?」

 

「クローンの死体は見つかったが肝心のジーナス博士のは見つかっていないらしい」

 

「それはつまり…」

 

「進化の家はまだ滅びていない」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――んでここが進化の家の拠点なのか?」

 

「ああ、何度も拠点を変えて調査が難航したが間違いない」

 

 

確認のためにゾンビマンに問う天の助。彼ら二人が移動したのは何の変哲もない一軒のタコ焼き店。その店頭。

 

 

「貴様らも今日で終わりだ! 進化の家!」

 

 

タコ焼きを作っている最中のゴリラの怪人に銃口を向けるゾンビマン。その隣には看板娘のつもりか昆虫と人間を合わしたような女性の怪人もいる。両手両足が義手義足なのは過去の戦闘で失ったのか…

 

 

「え、進化の家を倒しに来たヒーローの人? すいません進化の家はもう壊滅しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「……………………えっ?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

                         ワンパンマン、進化の家編。終劇。

 

 

 

 




 
 (´・ω・)にゃもし。

 ここまで読んでくれて、ありがとう。
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