S級ヒーローの中にハジケリストたちがいる。   作:にゃもし。

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左目に三本の傷がある男のお話

   

 

「我が名はG4 “ 組織 ” によって作られた機神なり」

 

 

こんにちは皆さん。俺はしがない一般人の一人です。風格のある見た目のせいで「キング」と呼ばれています。真昼の住宅街、ゲームソフトを買った帰り道。俺の目の前には中世の騎士みたいな格好の怪人がいます。どうもロボットっぽいです。背丈はそこら辺の住宅ぐらいありそうです。大きくて強そうです。その怪人が身の丈ほどの大剣を背中から取り出すとその切っ先を俺に突きつけて言いました。

 

 

「最強ヒーローのボーボボだな、貴様を抹殺する!!」

 

 

俺は今、人生最大の危機に陥ってます。大ピンチです。

 

 

 

 

 

 

 

 

人類最強と名高いS級ヒーロー7位、キング・オブ・ハジケリスト「ボボボーボ・ボーボボ」

彼は身体を使った攻撃は元より、鼻毛を伸ばしたり、変身したり、他のS級ヒーローである首領パッチ、天の助と合体して強化したり、致命傷のキズが一瞬で治ったりします。

これだけ聞くとヒーローというよりは怪人っぽいのですが彼は一応、歴としたヒーローです。

 

 

「ヒーロー、ボーボボだ! ボーボボがいるぞ!」

「じゃあ大丈夫じゃん!」

「ボーボボ、やっつけろ~~~!」

 

 

そのヒーローに俺は間違えられています。因みに俺は背は高い方ですがアフロはしてません。サングラスもかけてません。寧ろ共通点を探せという方が難しいです。一応、本人にはない三本の傷が左目にあるのですが…

 

 

「あの~、すいませんが俺はボーボボじゃなくて別人なのですが――――」

 

「惚けてても無駄だ。俺の高性能AIが99.8%貴様をボーボボ本人と判断している…」

 

「捨ててしまえ! そんな高性能AI!」

 

「それだけの元気があれば今から戦闘しても支障はあるまい、行くぞ」

 

「ひぃぃぃ――――――――っ!!!? 誰か助けてぇ――!!!!」

 

 

怪人が片手で大剣を横に薙ぎ、体が上下二つに分断される寸前に鋼鉄の腕を持った金髪の青年が大剣の腹を叩き割って阻止する。

 

 

「お前はS級のサイボーグのジェノスか……何故、邪魔をする?」

 

「G4と言ったか? その男はボーボボではない。左目を見てみろ」

 

 

機械音を鳴らしながら一つしかない目で直視するG4

 

 

「むっ、ボーボボなら多少の傷でも再生する。左目に傷のあるこの男はよく似た別人か!?」

 

「お前らの判断基準そこだけ!?」

 

「よくも我に恥を掻かせてくれたな、貴様には死を以て償わせてくれる…」

 

「俺そこまで重罪!?」

 

 

だがG4が襲ってくることはなかった。ジェノスが上腕を切り離して発射させ、G4を突き飛ばしたのだ。

 

 

「こいつは俺が食い止める! お前は安全な場所に避難するんだ!」

 

 

ジェノスに言われるまでもなく、俺は彼らに背を向けて逃げ出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『緊急避難警報! M市上空に巨大な黒鳥が出現、災害レベルは鬼!』

 

 

ロボットの怪人から逃走中に、その警報が流れると同時に巨大な黒い鳥が一直線にこちらに向かって飛来してくる。

 

 

「ぎゃぁぁ――――――――っ!? 何か来たァ――!?」

 

 

今からでは避けようにも間に合わない。もうダメだと両目を閉じる。しかし、いつまで経っても衝撃が来ない。

 

 

「おい、怪人はもう倒した。安心していいぞ」

 

 

どこかで聞き覚えのある声に恐る恐る目を開けていく。前方には頭を失った巨鳥が道路に仰向けで倒れていて、俺の目の前には衣服を赤く染めたハゲ頭の男が立っていた。S級の新人サイタマ。髪の毛こそないがそれは紛れもなく以前助けてもらった恩人、他ならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前には災害を引き寄せる何かがあるのかもしれないな」

 

「はい、昔からこういう体質で仕事も怪人のせいで長続きしなくて…」

 

「それはなんというか災難だな…」

 

 

怪人騒ぎのあと公園のベンチに並んで座って話をしていた。

 

 

「先生、その話が本当ならメルヘンチック遊園地に行ってみてはいかがでしょうか? あそこはS級の天の助やボーボボがいるようですし、従業員の募集広告を出してるみたいですよ」

 

「ジェノスか、随分と手こずったみたいだな」

 

 

ロボットの怪人と死闘を繰り広げたのだろう。片腕を失い、金属を剥き出しにしたジェノスが近づいてきた。

 

 

「どうせ暇だし、行ってみるか? メルヘンチック遊園地」

 

 

 

 

 

 

 

 

遊園地園内にある飲食店の一つにボーボボはいた。オープンテラスになっている店の外、植木の中で両手に枝を持って彼は静かに立っていた。

暫く無言で観察していると従業員らしき制服を着たスキンヘッドの男がボーボボに近づいて…

 

 

「お疲れ様、ボーボボさん。もう上がっていいですよ」

 

「「それ仕事だったの!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「話は聞かせてもらった」

 

「俺は一言も喋ってないんですけど?」

 

「そういうことなら、このメルヘンチック遊園地でスタッフとして働くといい。天の助には俺が言っておこう」

 

「いえ、そんな急には決められません」

 

「時給2()0()0()0()円からのスタートになるんだがいいか?」

 

「是が非でもやらせてください」

 

 

時給2000円と聞いて真顔で答えるとボーボボさんは「はい、これ仕事道具ね」と二本の木の枝を手渡してきた。

 

 

「…………………………」

 

 

かくしてメルヘンチック遊園地のスタッフになった俺だが未だに仕事の内容や意味がわかっていません。でもS級ヒーローがいて、時給2000円なので聞く度胸がありません。今日も俺は二本の木の枝を持って立っています。

 

 




 
 (´・ω・)にゃもし。

 次のボロス編で終わりにしようと思うんだ。原作が進んでいないし…
 ここまで読んでくれて、ありがとう。
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