初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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circus二十周年記念作品D.C.4の公式サイトが11月11にオープン!!今から待ち遠しいですね。

発売までこの小説はどこまで進めるんでしょうか?


悪虐皇帝と少女

さて、俺たちのクラスの出店物がお化け屋敷に決定し、これで一安心かと思うが実際はそういう事は無い。

 

 

決定が遅れたせいで準備期間がその分無くなっていきかなりぎりぎりの状態なのだ、お化け屋敷をやる際に必要な物なども手配しなければならない。

 

 

まあ、提案者はあの杉並だ。その辺りは既にアテがあるのだろうからそんなに心配はしてはいない。

 

 

その後、昼休みに何処かへ行った杉並と義之は昼休みが終わり帰って来たときは何処か興奮を隠しきれずにいる杉並と、頬が腫れくたくたになっている義之と。両者反する有様であった。

 

 

一体昼休みの内に何があったのだろうか?

 

 

そして現在俺たちは体育館にいた、今日は全校集会があり。風見学園全生徒たちは体育館に集められていた。

 

 

まあ、主な内容はクリスマスパーティーの事だろう。この時期になると毎年やっている事だ、代わり映えしない説明会であるが今年は若干違っている。

 

 

その理由が現生徒会長である朝倉音姫である、容姿もさることながら成績優秀であり誰に対して平等に接する。

 

 

更には料理や家事も完璧にこなせる(義之談)これ程出来た人はなかなかいないだろう、そんな全校の憧れとも言っても良い人が生徒会長をやっているのだ。

 

 

そんな生徒会長だ、男女問わずの人気がある。そんな生徒会長に好意を抱かない男子がいない筈もなく、本校、付属問わず朝倉会長を狙っている人は少なくない。

 

 

しかし、朝倉会長は本校生であり付属の生徒からすればなかなか直接御目にかかる機会は少ない。なので付属生にとって全校集会は又とない機会であるのだ。

 

 

『それでは皆さん楽しいクリスマスパーティーにしましょう』

 

 

そうこうしているうちにどうやら朝倉会長の話は終わっていた、終わると同時に朝倉会長が放った笑顔に至る所から男子生徒の深い溜息が聞こえてきた。

 

 

「はぁ〜、やっぱいいよなぁ〜音姫先輩〜、あぁーくそ!」

 

 

「痛って、何すんだよ渉」

 

 

前の方から渉と義之の話し声が聞こえてきた、いや、なにやら何かを殴った様な鈍い音も聞こえてきた。

 

 

義之の反応を聞く限り渉の嫉妬による攻撃を受けた様だ、先程も言ったが付属生が本校生と関わりを持つのは難しい。しかし、我がクラスには全男子生徒の憧れの的である朝倉会長と親しい関係にある人物がいる。

 

 

それが義之だ、家が隣同士で幼少の頃からの長い付き合いで俗に言う幼馴染というやつだろう。その為か義之は朝倉会長から弟君と呼ばれ可愛がられている。

 

 

付属の男子生徒たちからすると羨ましいとしか言えないだろう、その証拠に。

 

 

「うるせぇ、お前はこれくらいあまんじて受ける義務があるんだよ!」

 

 

渉のこの言葉に周りの男子生徒たちがとても力強く頷いていた、この反応を見る限りではどれ程の男子生徒が朝倉会長にご執心なのかが充分にわかる。

 

 

しかし、いくらなんでも飢えすぎではないだろうかと思わなくもない。かつての俺たちのアッシュフォード学園でも此処までの熱気は無かったはず。

 

 

いや、あれだ。ミレイ会長の卒業イベントのキューピッドの日あれは凄まじかった。人気のある生徒は男女問わず大勢の生徒に狙われていた。

 

 

開幕直後に大勢の女生徒に襲われたのは中々に凄まじかった、ロロの助けが無ければどうなっていた事やら。

 

 

そうこうしているうちに集会も終わり本日の授業も終わり俺は学園を後にした。若干一名男子生徒の集団に拉致られたが・・・まあ、大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

帰る途中、俺は用を思い出しバス停で杏と茜と別れ俺は一人商店街を歩いていた。用というのは生活用品の買い出しだ。

 

 

現在両親は海外にいるため家の事は全て俺一人で行なっている、まあ、前世と幼少の頃から家事はやっていた事もあり苦ではない。

 

 

むしろ出来すぎて幼少の時両親に驚かれたりはしたが。

 

 

さて、目的の物も買えた。早々に帰宅するとしよう。

 

 

そうしてバス停の方に歩き出した俺はその途中に見慣れないものを視界に捉える。その光景に思わず足を止める。

 

 

それはこの寒い冬空の下商店街の端の方にひっそりと広げられていたレジャーシートに並べられている木彫りのおもちゃであった。

 

 

こういう言い方は悪いが今時木彫りのおもちゃとは珍しい、しかも丁寧な事に遠目から見てもそのおもちゃには尖ったり角ばったりしている部分が無く。

 

 

相手への思いやりの心が見て取れる、それらを見て俺はそこへと足を進める。

 

 

目の前まで来ると更に驚く事に販売している人物が俯いているが銀髪で小柄な女性であった。

 

 

「すみません、少し良いでしょうか?」

 

 

「えっ?」

 

 

俺に声をかけられ顔を上げる、その声は何処か驚きが混ざってたように聞こえた。更にルビー色の大きな瞳を見開かせていた。

 

 

「いきなりすみません、見ていっても構いませんか?」

 

 

「えっ、ああ。うん!いいよ遠慮しないで見ていってよ」

 

 

そう言ったので俺は品物を手に取って改めて見る、子供が怪我をしないように角は全て丸く削られており、金属生のパーツなども一切使っておらず相手に対する配慮を忘れていない。

 

 

大手の企業でもこういう所を手間だと言って削らずそのままという事も珍しくないと言うのに、恐らく制作者である彼女の優しさが伺える。

 

 

「ねぇ、君。その制服って風見学園のだよね?」

 

 

「ええ、はい。そうですがもしかして貴方も?」

 

 

「うん、そうなんだ。あっでも風見学園にいたのはほんの少しだけだったんだけどね」

 

 

俺がおもちゃを見ていると女性の方から話かけてきた、それに驚いた事に彼女も風見学園の生徒だったそうだ。

 

 

これも何かの縁なのかもしれないな。

 

 

「すみません、これ一つもらえますか?」

 

 

そう言って俺は木彫りの馬?いや角らしき物が頭に生えている為恐らく鹿だろうを手に取る。

 

 

「えっ、いいの?」

 

 

「ええ、一目で気に入りましたこの鹿?のおもちゃ。」

 

 

「ああ、これ鹿じゃなくてトナカイなんだ」

 

 

「そ、そうですか。ああではお願いします」

 

 

何となく空気が悪くなってしまったので早々に会計を済ます、値段が思ったより安かったのは驚いたが。この出来であればもう少し高くても良いと思ったのだが。

 

 

「ああ、そうだ。折角なので名前教えて貰っても宜しいですか?これも何かの縁だと思うので」

 

 

「えっ・・・うん、良いよ。でもこういうのはやっぱり訪ねてきた方からだよね?」

 

 

少しいたずらっぽい笑みを浮かべて言ってきた、しかし、確かにそうかもしれないな。

 

 

「ルルーシュ・ランペルージです、今は風見学園付属三年生です。」

 

 

「私はアイシア、一応ルルーシュ君の先輩OBになるのかな?」

 

 

互いの自己紹介を終え俺はアイシアさんの元を後にする、別れの際アイシアさんが。

 

 

「またね?ルルーシュ君」

 

 

そう言ってきた、俺はそれに普通に返した。がその時俺は別れ際のアイシアさんの表情が酷く脳裏に焼き付いた。

 

 

只の別れの挨拶に何故彼女はあそこまで悲しそうな、今にも泣き出しそうな顔をしていたのだろう。そしてまたね?あの言葉に込められていた感情は一体何だったのか?

 

 

釈然としないものを感じながら俺は今度こそ帰路についたのであった。

 

 




アイシアとの出会いのパートもう少しどうにか書けなかったのか、これが限界でした。

察しの良い方ならわかったかも知れないですがルルーシュのヒロインはアイシアを予定しております。


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