初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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気がつくと前回から一年半経っていたことに驚きつつ申し訳なさで一杯の作者です。

今更ダンまちにハマったりFF7やポケモン剣盾やU-NEXTで昔のアニメなどを見てました。


悪虐皇帝と怪事件と

生徒会の新人であるエリカ・ムラサキの偵察を終えたその日の放課後。俺たちのクラスのクリパの出し物、お化け屋敷についての話し合いの時間がやって来た。

 

 

進行は発案者である杉並が行なっている、普段なら有り得ないと思える光景だが今回は特別だ。

 

 

担任もことの成り行きを黙って見ていた、委員長は不満げな表情を浮かべながら杉並を見ていた。

 

 

委員長からすれば杉並が真面目に司会進行をやるとは思えないのだろう、いや委員長に限らず大体のクラスメイト達もそう思っているだろう。

 

 

まあ、結果的に話し合いは話題が時々横にそれたり杉並の発案に委員長が突っ込んだりして時間は掛かったが。お化け屋敷についての話し合いは無事に済んだ。

 

 

なお、杉並考案のライド式お化け屋敷は好評ではあったが委員長の判断により却下された。何せ値段が値段だからな。

 

 

 

ちなみにだが、次からは杉並は来ない。計画の準備を進めてもらわなければならないからな。次回からは俺が進行役を行う事となっている。まあ、だからと言ってお化け屋敷の準備の方も怠らず杉並は杉並で準備をするそうだ。

 

 

本格的な準備は明日からになる、なので今日はこのまま下校となる。

 

 

学校を後にした俺はそのあしで商店街へと足を運んでいた、以前の様な個人的な買い物ではなく食材や調味料を買い足しに来たのだ。

 

 

今朝無くなりかけている調味料や食材が有るのに気付きこうして買いに来たのだ、商店街は多くの人々で賑わっていた。

 

 

ここの商店街は店舗の種類もとても豊富だ、本屋や喫茶店に服屋は勿論のこと。CDショップや楽器屋、スポーツ用品を扱っている店。

 

 

更にはゲームセンターやお手伝いロボットμの販売店なんかもある、ここに来れば大体なんでも揃うので商店街は多くの人で賑わっている。

 

 

現在の時刻は既に夕方、そのせいか主婦の方々が目に付く。この時間ならスーパーでタイムセールが行われる時間だ。おそらくそれ目当ての方々だろう。

 

 

タイムセール品を横目に俺は目的の物を買い物籠の中にいれていく、目的の物を入手すると俺は真っ直ぐレジに向かう。

 

 

やはり夕飯前の時間であるせいかレジはちょっとした列が出来ていた。そこそこ時間は掛かったものの無事に買い物を済ませ商品を袋に詰めていると。

 

 

「ねぇ、聞いた?昨日また車の事故があったらしわよ?」

 

 

「嘘、もう今月に入って何度目?嫌だわ。私達が若い頃はこんな事故なんて全然無かったのに。」

 

 

「本当にね、しかもまた原因不明らしいわよ?怖いわね〜、こんな事いつまでも続いたら堪らないわね。」

 

 

隣の主婦の会話を横目に俺はその場を後にする、先程二人の主婦の会話でもあった原因不明の事故。

 

 

これは俺が物心ついた頃からこの初音島で頻繁に起こるようになったそうだ、例を挙げるとキリが無い。

 

 

車の事故や看板が頭上から落ちて来たり、いつ死人が出てもおかしくない事が起きているにも関わらず、怪我人は出ているが死人はいまだに出ていないそうだ。

 

 

それはそれで不思議でならないが、事故の原因も不可解なものや不明なものがあるというのも噂が広がる一因となっている。

 

 

平和だった初音島でこれ程事件が頻繁に起こるのだ注目されないわけがない。まあ、今までが平和すぎた、というのもあるが。

 

 

俺たち非公式新聞部もこの件に関しては日夜調査を続けているが結果は芳しく無い、せめて法則性などがあればよいのだが。

 

 

被害者などに共通するものも特になく年齢、職業に出身地に至るまで法則性なども無く。言ってしまえば完全に手詰まりだった。

 

 

それでも諦めずに事件の真相を探ろうと動いている部員たちも大勢いる、杉並もそうだがこういった怪事件好きな奴ばかりだな非公式新聞部は。

 

 

前世の記憶を持っている俺も大概な存在であるが。

 

 

買い物も無事に済ませバス停に向かう、そこでふと先日出会った露店の彼女を思い出す。あの見た目で俺たちの先輩だというのだから驚きだ。

 

 

商店街の一角、そこに彼女は今日もいた。並べられている木のおもちゃはあまり売れていないようだ。

 

 

人が多いこの時間、にも関わらずその露店に足を止める者、様子を見る者が誰一人として居なかった。まるでそこだけ認識されいないように。

 

 

そんな事を考えながらも俺はその露店に近づき、店の前に立つ。アイシアさんは俺が近づく間もずっと顔を伏せたままでおそらく俺の存在に気づいて居ないだろう。

 

 

ここまで近づいても気づかないとは、まさかとは思うがこの寒空の下寝ているのでは?と思ったが、見た感じそうでもない。

 

 

ただ俯いているだけであった、ここまで気付かれないとは。流石にここまで来てさよならわ味気ない。なので。

 

 

俺は鞄の中にしまっていた未使用のカイロを取り出すと、アイシアの顔にカイロを当てる、すると。

 

 

「ひゃあああ!!な、何?!ってルルーシュ君?」

 

 

「ええ、昨日ぶりですねアイシアさん。」

 

 

「う、うん。って、いきなり何するのよ。ビックリしたじゃないもう!」

 

 

「すみません、店の前まで来たのに全然気付いてくれませんでしたのでつい出来心で。」

 

 

「もう、普通に声を掛けてくれれば良かったのに。それで今日はどうしたの。私に何か用かな?」

 

 

「いえ、これといって用はないのですが最近原因不明の事故が多発して物騒ですからね。会って間もないと言っても心配でしてね」

 

 

「そうなんだ、ふふっ。ルルーシュ君は紳士だねぇ。でも大丈夫だよ心配してくれてありがとうね。」

 

 

 

そう言ってアイシアさんは笑みを浮かべた。まあ、他人の俺があまり干渉しすぎるのも良くないか。まあ、一応。

 

 

そう思い、俺は鞄から追加のカイロと手袋を取り出すと。

 

 

「気休めにしかならないかもしれませんが良かったら使って下さい」

 

 

そう言ってアイシアさんに手渡す。手渡された物を見てアイシアさんは。

 

 

「えっ、悪いよ。カイロならさっき私に使った奴だけでいいし、それにその手袋はルルーシュ君の物だし。」

 

 

「いえ、問題ないですよ。俺はバス通学ですから。マフラーとカイロが有れば事足りますので。手袋は念の為持ち歩いているだけなので。」

 

 

 

「うーん、でも・・・。」

 

 

「遠慮しなくてもいいですよ?カイロは兎も角手袋はまた今度会った時にでも返して貰えばいいですしね。」

 

 

「っ!!」

 

 

何気なく言ったこの言葉にアイシアさんの表情が曇る、しかしそれもほんの一瞬だけで直様いつもの表情に戻る。

 

 

「そ、そうだね。初音島は広い様で狭いし何処かで偶然会うこともあるよね。と言うわけでこの手袋はその時まで私が預かっておくね。」

 

 

「ええ。お願いします。おっとそろそろバスの時間ですね。」

 

 

商店街に設置してある時計を見るともうすぐ帰りの方のバスが来る時刻が迫っていた。

 

 

「では。俺は失礼しますね。」

 

 

「うん、バイバイルルーシュ君。風邪には気をつけるんだよ?」

 

 

「アイシアさんこそお気を付けて。ではこれで失礼します。」

 

 

俺はアイシアさんに別れの挨拶をするとバス停へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度会った時か・・・今度会った時君は私を覚えてるのかな。」

 

 

去って行くルルーシュ君の後ろ姿を眺めながら私はそう呟く、もう何度目になるか分からないくらいしたやり取り。

 

 

また今度、この言葉は今の私にとっては結構きつい言葉だったりする。けどこれは私の招いた事。私の過ち。私への罰。

 

 

魔法という奇跡を信じ過ぎた純粋過ぎた私の失敗。

 

 

私はルルーシュ君から借りた手袋をおもむろに着ける、うん、温かい。

 

 

その温かさ何処かで心にもくるものだった。

 

 

 

 

 

 




来年もこんな不定期更新の作品ですがよろしくお願いします。


それでは皆さん良いお年を
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