初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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お久しぶりです。

今回は本編では無く番外編です。

こんな風に番外編をちょくちょく更新していく予定です。

前編と後編に分けて投稿します。


番外編
風見学園演劇部の名作 前編


「私はこの作品に負けないものを作りたいの、だからお願い皆んなの力を貸してほしいの。」

 

 

俺たちの目の前の少女、雪村 李【ゆきむら すもも】は頭を下げながらそう言った。

 

 

さて、どうしてこんな事態になったのかというと時間を少し遡らなければならない。あれは昨日の放課後のことであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

期末テストも終わり夏休みを目前に控え7月も中旬に差し掛かりっており、クラス全体の空気が緩んでいる様に感じる。

 

 

目前に控えた夏休みをみんな今か今かと待ち構えて過ごしている。

 

 

 

俺。芳乃 清隆【よしの きよたか】はそんな中自身が所属する部活動に向かう為に支度をする、すると。

 

 

「兄さん」

 

 

「先輩」

 

 

二つの声に呼び止められる、声の方を向くとそこには二人の女子生徒がいた。俺と同じ部活に所属している幼馴染の葛木 姫乃【かつらぎ ひめの】と飛び級生である瑠川 さら【るかわ さら】がそこに居た。

 

 

「兄さん、部活に行くのでしたらご一緒してもいいですか?」

 

 

「ああ、俺は良いぞ。さらはソフト部の方は大丈夫なのか?」

 

 

「あっ、はい。大丈夫です。」

 

 

さらは、俺たちが所属している部活の他にソフトボール部に所属している。ソフト部に所属するまでに色々な部活を見学したがサラの希望でソフトボール部に所属する事とになった。

 

 

そろそろ向かうかと思い席を立つ、歩き出した俺を見て二人も俺の後に続き歩き出した。

 

 

廊下に出るとそこは多くの生徒で溢れていた、部活に行く者と帰る者。あるいはそれ以外の理由で。多くの生徒が廊下にいた。

 

 

この風見学園はイベントに事欠か無い学園だその為本島から態々編入してくる者もいるくらいだ、因みにさらも本島からやって来た編入生だが理由は違うのだがこれは言わなくても良いだろう。

 

 

 

生徒たちの波を掻い潜りながら部室に向かっていると聞き慣れた声が俺を呼び止めた。

 

 

「おーい、清隆」

 

 

「耕助」

 

 

後ろから聞こえた声の主は同じクラスの江戸川 耕助【えどがわ こうすけ】だった。普段から女子にモテたいと公言する程でイベント時には他校の生徒をナンパしたりもしている。

 

 

まあ。だいたい姉の江戸川 四季【えどがわ しき】さんに見つかっては折檻されているのだが。

 

 

しかし、俺の記憶が正しければ耕助はHRが終わって最初の方に教室を出て行っていた筈だが、まさかまだ校舎に残っていたとは予想外だった。

 

 

 

「あっ、そうそう清隆たち公式新聞部に伝言があるんだ」

 

 

「伝言?」

 

 

「そうそう、雪村から頼まれたんだよ」

 

 

先程耕助の言った通り俺と姫乃とさらは公式新聞部に所属している、他にも後3人ほどいるのだが。

 

 

それよりも今は雪村からの伝言の方が先か。

 

 

「雪村はなんて?」

 

 

「ああ、ちょっと美琴を借りるってさ。だから立夏さんたちによろしく伝えといてくれってさ」

 

 

美琴、本来公式新聞部の部員では無いのだが先日行われた春季体育祭において行われたとある賭けに俺たち公式新聞部が勝利したため相手のとある部活から一時的に借り受けているのだ。

 

 

騒がしい奴だが決して悪い奴では無いし、公式新聞部に来てなんだかんだ言ってるが結構馴染んできている。

 

 

俺と会話する時だけ刺々しいのだが揶揄ったりすると、予想以上に良いリアクションをしてくれたりするので揶揄うと面白いやつなんだよな美琴って。

 

 

公式新聞部の面々も美琴のあの性格を把握しているので普通に接している。本人は否定するだろうが美琴も公式新聞部に馴染んでいるように見える。

 

 

その後耕助と別れた俺たちは公式新聞部の部室に向かう、部室が近付いていくと周りの音もなくなり始め最終的には外から運動部の掛け声のみとなる。

 

 

そして部室に到着する、部室の扉を開けるとそこには既に三人の部員が椅子に座っており俺たちを視界に捉えると。

 

 

 

「あら、三人とも今日は来れたのね」

 

 

「タカくん、姫乃ちゃん、さらちゃんいらっしゃーい。丁度紅茶を淹れる所だったんだよ」

 

 

「皆さん、こんにちはです。」

 

 

一番に声をかけてきたのがこの部活の部長でり、この公式新聞部の創部の立役者である森園 立夏【もりぞの りっか】さんである。

 

 

容姿端麗、成績優秀。そのうえ人望と人気も兼ね備えており側から見れば絵に描いたような高嶺の花という他ない。

 

 

親しくなった今でもその認識は変わらないが、意外にもツッコミ属性も兼ね備えてたりもするのでとても親近感が湧く。

 

 

次に声をかけてきたのは芳乃 シャルル【よしの】俺の従姉妹で今現在は俺の暮らす団地で一緒に住んでいる。俺はるる姉と呼んでいる。

 

 

俺の事をタカくんと呼びどこでも構わずに俺の事を甘やかしてくる、立夏さんに負けず劣らずのスタイルの良さに加え人気者で立夏さんと同じく生徒会にも所属している。

 

 

これまた非のうちどころのない完璧超人に見られがちであるが、唯一料理だけが壊滅的に下手なのだ。掃除や洗濯、はては裁縫も完璧なのに。

 

 

初めて口にした時は走馬灯のようなものが見えた、しかもタチの悪い事にるる姉自身はその料理を口にしてもケロッとしている為自覚が無いのが俺たち公式新聞部の悩みの種の一つだ。

 

 

最後は陽ノ下 葵【ひのもと あおい】ちゃん。年齢で言えばさらと同い年なのだがさらは飛級生な為学年では一番下になる。

 

 

身体が弱く良く体調を崩し気味であるがそれを感じさせないくらい明るく元気な子であり、見てるこっちも元気をもらっている。

 

 

ただ幾つものバイトを掛け持ちしておりそれが体調を崩す一因にもなっているので少し心配である。

 

 

先ほど紹介した姫乃、さら。そして俺の六人が公式新聞部の全部員である。

 

 

 

挨拶もそこそこに全員が指定の席に座る、そのタイミングを見計らってかるる姉が紅茶の入ったカップを置いていく。

 

 

全員に行き渡ったところで立夏さんが姿勢を正すと。

 

 

「みんな揃った訳だし会議の方を始めます、と言っても特に会議にするほどの事も無いので自由にお喋りでもしましょうか」

 

 

立夏さんがそう言うとみんな姿勢を崩す、夏休み特集の新聞は先日完成させて既に校舎の掲示板に貼っている、その為今現在我ら公式新聞部は急ぎの仕事などが無く放課後は予定が無ければ部室に集まって駄弁っている事が多い。

 

 

勿論予定があればそちらを優先している為実は全員がこうやって揃うのは最近では滅多になかったりする。

 

 

立夏さんやるる姉は生徒会、葵ちゃんはアルバイト。さらはソフトボール部、俺もさらと同じ様にソフトボール部のマネージャーとして参加する事も有る。姫乃はクラスメイトたちに誘われて遊びに行ったりなど。

 

 

最近では集まっても二、三人、多くても四人だったりする。

 

 

「最近皆んな変に忙しかったのよね、合宿の打ち合わせが終わった後で良かったわ」

 

 

「そうだね、ふふっ。今から楽しみだね」

 

 

「はい、楽しみです。皆さんとりょこ・・・んんっ。もとい合宿」

 

 

「葵ちゃん、もう無理に言い直さなくても良いと思いますよ。」

 

 

「あはは、でもやっぱり楽しみですね。こういった旅行前特有のわくわく感は私は好きです」

 

 

「確かにな、このわくわく感は幾つになっても良いモンだな」

 

 

「清隆、なんかじじ臭いわよ」

 

 

そう、俺たち公式新聞部は夏休みが始まる初日の七月二十三日に合宿という名の旅行に行く事になっている。

 

 

泊まる予定の宿はさらの別荘となっている、一度行った事があるのだが。とても良いところであった、これがセレブかと思ってしまうほどに。

 

 

立夏さんの要望により借りれないかと相談した際に許可が下りた為今回ご厄介になる事とになった。

 

 

勿論此処にはいないが美琴も参加する。なんだかんだ言ってはいたが雪村からのタレコミで楽しみにしているのは知っているし・・・。

 

 

「あっ、美琴。」

 

 

「「・・・あっ!」」

 

 

ここで美琴に関して雪村から伝言を預かっていた事を思い出す、さらと姫乃も忘れていた様で俺が名前を呟くと思い出した様だ。

 

 

「そうでした、すっかり美琴さんのこと忘れてました。」

 

 

「あら、美琴がどうかしたの?貴方達何も言わないからてっきり今日は来ないのかとおもったのだけど。」

 

 

「あー、そのですね。」

 

 

俺たちは預かった伝言の内容をそのまま伝える、それを聞いた立夏さんたちは少し呆れた表情をしていた。

 

 

「全く、折角伝言を預かってたのに今の今まで忘れてたなんてちょっと気が緩みすぎてないかしら三人とも」

 

 

「「「はい、すみませんでした。」」」

 

 

「まあまあ、立夏。三人とも反省してるみたいだし。ねっ?」

 

 

「はぁ、まあ、いいわ。次からは気をつける事。良いわね三人とも」

 

 

るる姉の仲裁で立夏さんがそう言う、まあ。忘れた俺たちが全面的に悪いのは事実なのだから。

 

 

「けど驚きましたよ私は」

 

 

立夏さんのお説教も終わるのを見計らった様に葵ちゃんがそう言う。

 

 

「葵ちゃん。何が驚きなのでしょうか?」

 

 

「さら先輩そんなの決まってますよ」

 

 

そう言って葵ちゃんは一呼吸おくと。

 

 

「あの美琴さんに清隆さんたち以外にお友達が居たなんて!!」

 

 

「それはどういう意味よ陽ノ下 葵!!」

 

 

葵ちゃんが言い終わるのとほぼ同時に部室の扉が開いたと思ったらそこには美琴の姿があった。

 

 

「ひゃあ!?」

 

 

「み、美琴さん?!いつから?」

 

 

「陽ノ下 葵が今さっきのセリフを言った時によ!!私が居ない間に好き勝手いってくれたじゃないの!!」

 

 

「い、いや〜。だ、だってホントに美琴さんが私達や杉並さん以外と一緒にいるところとか見た事ないですし・・・。」

 

 

「ガルルルルッッッッ!!」

 

 

葵ちゃん言葉を聞き少々お冠な様子な美琴、流石に葵ちゃんにそろそろ助け船を出さないといけないだろう。

 

 

「ところで雪村の用事ってなんだったんだ?」

 

 

ひとまず話題を逸らすために話を振ってみる、すると。

 

 

「ああ、その件ね。一応済んだけどまた頼み事をされたのよ。」

 

 

先程まで怒り狂っていた美琴が落ち着きやや取り戻し。そう言って美琴は俺たちの顔を見渡す。

 

 

「あ、アンタたち明日の予定はあ、空いてるかしら?」

 

 

美琴が言葉に詰まりながら予想外の言葉を俺たちに投げかけてきた、まさか美琴に予定を聞かれるなんて事があるなんて。

 

 

「私は無いわ、他のみんなは?」

 

 

真っ先に答えたのは立夏さんであった、それに続いてみんなも予定がない旨を伝える。

 

 

それを聞いた美琴は。

 

 

「そ、そう。な、なら明日の十三時ごろにすももの家に来てほしいの」

 

 

「雪村の家にか?」

 

 

「ええ、詳しい話はすももが直接したいから私からは要件は言えないけど。」

 

 

「何の話かは当日のお楽しみって訳ね、所で清隆たちはその雪村さんの家の場所は知ってるの?」

 

 

「はい、俺は詳しい場所は知らないですけどさらと姫乃は行った事があったよな」

 

 

「ええ、何度か」

 

 

「なら当日は私たちが雪村さんの家まで皆さんをご案内します、待ち合わせは何処がよろしいでしょうか?」

 

 

立夏さんの質問にさらと姫乃が答える、その過程でさらと姫乃が案内役を買って出てくれた。

 

 

その後待ち合わせの時間や場所もとんとん拍子に決まった、その様子を見届けた美琴は。

 

 

「決まったみたいね、それじゃ私は帰るわ」

 

 

「えっ、もう帰るんですか?」

 

 

「まだ来たばかりじゃないですか。」

 

 

さらと姫乃がそう言うが美琴は。

 

 

「すももの頼み事のせいでクタクタなのよ、此処に来たのも伝言を伝える為だし。それじゃ、明日絶対来なさいよ!来なかったら私がすももに怒られるだから!!」

 

 

そう言ってすももは部室を後にした、俺たちはしばらく部室に残っていたがその後早々に解散した。

 

 

雪村が俺たちに何の用事があるのだろうか?その事を考えながら俺はるる姉と姫乃と共に帰路についた。

 

 




番外編は主にD.C.Ⅲが舞台です、色々ネタも考えていますのでお楽しみに。
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