初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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お久しぶりです。今回は後半になります。駆け足な部分やおかしなところもあるでしょうが温かい目で見ていただけるとありがたいです。


風見学園演劇部の名作 後編

翌日俺たち公式新聞部は全員揃って雪村の家に向かっていた、行きの道中では何の用事であるかを皆んなで予想しながら歩いていた。

 

 

そしてそうこうしているうちに俺たちは雪村の家えとたどり着いた。

 

 

「すげーな」

 

 

「うん、立派だねー。」

 

 

俺と隣に居たるる姉は呆然としながら雪村の家を見ていた、さらや姫乃から話は聞いていたがこれ程とは予想していなかった。立派な門にそこから石畳のから玄関に繋がっており旅館か?と思わず思ってしまった。

 

 

見事な日本家屋というやつだろう。

 

 

そんなさらと姫乃は何とも言えない表情で俺たちを見ていた、恐らく二人とも最初は俺たちと同じ様な感じっだったのだろう。

 

 

 

「ほらほらみんな、玄関先でボーッとしてないで早く入るわよ」

 

 

いち早く立ち直った立夏さんが全員に言う、こういった所は流石としか言いようがない。

 

 

立夏さんに言われ俺たちはインターホンを鳴らす、少ししてインターホンのスピーカーから。

 

 

『はい』

 

 

俺たちを招いた雪村の声が聞こえて来る、それと僅かだが雪村以外の声も多少聞こえる。どうやら俺たち以外にも呼ばれた人たちが居るみたいだ。

 

 

「あっ、雪村さん姫乃です。」

 

 

『公式新聞部の皆さんね、ちょっと待ってて』

 

 

インターホン越しの雪村の声は途切れ、しばらくすると。石畳の先の玄関から一人の私服姿の女の子が出てきた、その女の子が今回俺たちをこの家に招待してきた雪村 すもも【ゆきむら すもも】である。

 

 

俺たちと同じクラスで美琴とは以前より交友関係にあったらしく葵ちゃんほどではないが驚いたものだ。

 

 

「公式新聞部の皆さん今日は私の我儘を聞いていただき有難うございます。」

 

 

そう言って雪村は頭を下げた、その様子に俺たちは驚くのと同時に雪村のお願い事は余程大事な事というのがわかった。

 

 

「取り敢えず頭を上げて雪村さん、詳しい話しを聞きたいから先ずは家に上げてもらっても良いかしら?」

 

 

こういった場面ではやはり立夏さんの復帰は早かった、頼りになるなホントに。

 

 

 

立夏さんの言葉で頭を上げ、俺たちは雪村の家に上がらせてもらう。そして玄関に入ると幾つか靴があった、その中の二つはサイズが大きかったので恐らく男物のだろう。

 

 

「私たち以外にも声を掛けた人たちがいたみたいね。」

 

 

立夏さんも靴に気が付いたのか雪村に話しかけていた。その言葉を聞き他のメンバーもそういえば、と言う。

 

 

「はい、私のお願い事の内容上。人手が必要で。それ以外にも理由があるんですけど今は。」

 

 

「そうね、他の人が待ってる部屋に行ってからね。お願いの内容を聞くのは」

 

 

「はい、皆んな居間に居るので。」

 

 

雪村の案内で俺たちは居間まで案内される、目的地に近づく程に聞き慣れた声が幾つも聞こえてきた。

 

 

「ねぇ、兄さん。この声ってもしかして」

 

 

「ああ、間違いなくあの人だ。」

 

 

「で、ですよね。もしかして雪村さんの美琴さんへの用事って」

 

 

「そういう事だろうな」

 

 

俺と隣にいる姫乃とそんな会話をする、例の声を聞いた他の公式新聞部面々のリアクションはさまざまだ。

 

 

そうこうしていると雪村が居間の襖に手を掛け襖を開く、するとそこにはよそう通りの人物と予想外の人物たちが居た。

 

 

「はーはっはっは。遅かったな我が宿敵森園 立夏、そして同志芳乃よ!」

 

 

腕を組み仁王立ちをしながら此方に話しかけてきた彼の名は杉並。名前以外の事は殆どが謎に包まれている人物で俺たち公式新聞部とは一応ライバル関係にある。

 

 

その理由は杉並先輩の所属する部活が関係している、それは非公式新聞部。半世紀以上続くこの風見学園において学園創設時より続く非公式の部活である。

 

 

非公式の部活でありながら歴史は長く、学園のイベント時には必ず騒動を起こす問題児たちであり杉並先輩はその筆頭で一応美琴も非公式新聞部所属だ。

 

 

生徒会に所属しつつ公式新聞部部長である立夏さんとは事あるごとに対立している。

 

 

後何故か俺の事を同志と言い目を付けられている、美琴が公式新聞部に一時的に所属する事になった原因も杉並先輩が俺を非公式新聞部に引き抜こうとしたからである。

 

 

そんな問題児の筆頭である杉並先輩が雪村の家に呼ばれているという事は雪村の頼み事がなんなのか俺は予測できない。

 

 

そしてそんな杉並先輩の傍には美琴が座っていた、それから。

 

 

「皆様、こんにちは」

 

 

「おー清隆たちも来たんだな」

 

 

「あんた達遅いわよ」

 

 

「耕助に四季さん、二人も呼ばれてたんだな。それに美琴も居るんだな」

 

 

江戸川 四季【えどがわ しき】さん。耕助の実の姉で立夏さんやるる姉とは同級生で風紀委員である。

 

 

俺はあまり話した事は無いのだが耕助曰くかなりの毒舌家であるそうだ、耕助は四季さんの話しになると必ずこう言っている。

 

 

『家での毒舌はヤバいんだよ、外じゃセーブしてんだよ姉貴は。』

 

 

との事だ、俺はあまり四季さんのそういった場面に出くわさないので立夏さんやるる姉にこの話をすると。

 

 

『そう・・・あれで抑えてるのね。』

 

 

『あれでなんだ〜。』

 

 

思い当たる事があるのか終始微妙な反応だった、取り敢えず耕助の言っている事はあながち嘘では無いという事は確かな様だ。

 

 

そんな事もあり俺の中では四季さんは侮れない人という認識である、そんな人物まで呼ぶとは雪村のお願いとは?

 

 

雪村の案内で全員が思い思いの場所に座る、公式新聞部の面々は誰が俺の両隣に座るかで少し揉めた。

 

 

その様子を見て耕助が『この幸セレブ野郎が!!』といつぞやの様に憤慨していたが四季さんによって鎮められていた。

 

 

それに面白がって杉並先輩も立候補してきた時は当然の様に遠慮した、しかし、その様子を見ていた葵ちゃんと美琴の視線が何か期待に満ちていたのは気のせいだと思う。

 

 

結局ジャンケンの結果俺の両隣は右が立夏さん、左が姫乃になった。俺の正面には美琴、杉並先輩、耕助。耕助の右隣には四季さんと雪村が。

 

 

姫乃の左にはさらとるる姉、そして葵ちゃんが座っている。全員が座ったのを確認すると徐に雪村が話し始めた。

 

 

「みんな、今日は集まってくれて有難うございます。今回みんなに集まってもらったのは私作の演劇部の作品に実演して欲しいという実演依頼です。」

 

 

雪村の言葉を聞き俺を含めた殆どの人は驚きの声をあげるが数名だけ動じていなかった。立夏さんと杉並先輩、あと美琴。

 

 

「私の作品は来年の卒パで上映の予定です、期間は長い様で短くもあります。」

 

 

「けど、私は私の目標の為にできる事は全部やりたいんです。」

 

 

「その最初の努力がキャスティング。私達に対しての実演交渉って訳ね。」

 

 

雪村の話しに立夏さんが反応する、普段の雪村を知ってる俺たちからすると今の雪村の様子は真剣そのものだ。何が雪村をこれまで真剣にさせるのか。

 

 

「私には成し遂げたい事があります、私は私を育ててくれた杏さんの作品を越える作品を作りたいの。」

 

 

杏さん、本名は雪村 杏さん。雪村の里親で職業は確か作家さんだった筈。彼女の名前は知らなかったが作品は知っている、4人の悪童というシリーズ作品だった筈だ。

 

 

「そういえば、雪村さんのお母さんは確か風見学園のOBなんでしたっけ?」

 

 

「ええ。そうよ。20年前の卒業生で生徒会長も勤めてたそうよ。」

 

 

「そうなんですか、生徒会長だったという事はとても優秀な方だったのですね。」

 

 

「くくくっ、それだけでは無いぞ。その当時の生徒会には元非公式新聞部のとあるお方も居られたのだぞ。」

 

 

杉並先輩の言葉に全員が驚きの声を上げる、まさか生徒会に敵対組織である非公式新聞部のメンバーが居たとは。

 

 

「はいはい、話が脱線し始めてるわよ。雪村さん話の続きを。」

 

 

「ああ、はい。」

 

 

立夏さんのフォローで話が元の話題に戻った、杉並先輩の言葉ば気になるが今は雪村の話が優先だ。

 

 

「杏さんは演劇部に所属していて私同様に付属三年の卒パでシナリオと監督を務めたの。」

 

 

「そうだったんだ。どんな作品なの?」

 

 

「えっと、スレイプニルバレー殺人事件です。」

 

 

「ミステリーものだったんですか。という事は雪村さんもミステリーを?」

 

 

「いや、雪村杏嬢は恋愛ものやコメディ色の強い作品も手掛けていた筈だ。雪村すもも嬢もそれは知っているだろう。」

 

 

「へぇー、色々やってたんだな。因みに作品のタイトルはなんて言うんだ?俺たちでも知ってる作品?」

 

 

「恐らくは一度は耳にした事はある筈だ。真夏の卒業式と怪盗プリンセス・雪月花を狙え。というタイトルだ。」

 

 

杉並先輩の答えに俺は頭にはてなを浮かべるが周りはどうもそうでは無いみたいで。

 

 

「えっ!そうなんですか。真夏の卒業式演劇部の部活見学で見ました。」

 

 

「私も見ました、あれ雪村さんのお母さんの作品だったんですね。」

 

 

「俺も俺も、めっちゃ感動した」

 

 

「そうですね、ボロボロに泣き崩れて演劇部の人が対応に困るくらいには感動してましたね愚弟?」

 

 

「うぐっ・・・。」

 

 

四季さんの指摘に耕助が吃る、耕助の例は異常だが姫乃やさらの反応を見る限りでは良い作品だったのだろう。

 

 

「外観を見た時から思ってたんだけど怪盗プリンセスが忍び込もうとした屋敷ってもしかしてこの家かな?」

 

 

「はい、そうです。」

 

 

「やっぱり〜そうだったんだ。」

 

 

「シャルルさん怪盗プリンセス見た事あるんですね、私プリンセスと旦那さん役の人との新婚さん的なやり取りが凄く羨ましいと思って見てました。」

 

 

「あっ!私も憧れるよねあのやり取り。今度タカくんに頼んでやってもらおうかな〜。」

 

 

「あー、シャルルさん狡いです私も清隆さんにしてもらいたいです!!」

 

 

るる姉と葵ちゃんは何やらよくわからない会話で盛り上がっていた、というか怪盗なのになんで新婚というワードが出てくるのだろうか?謎だ。

 

 

 

「一先ず、全員静かに。雪村さんの話がまだ途中よ。」

 

 

立夏さんの言葉でまた場が静まる、そして雪村が話し始める。

 

 

「杏さんの作品はどれもとても完成度も高くて面白い作品ばかりです、けど私が勝ちたいと思ってる作品は先ほど挙げた中にはありません。」

 

 

雪村の言葉に少し騒めきが起こる、しかし、杉並先輩と立夏さん。そして美琴は黙っていた。

 

 

立夏さんや杉並先輩はともかくあの美琴がここまで大人しいというか静かなのを見るともしかすると美琴は幸村が言う杏さんの作品に心当たりがあるのかもしれない。

 

 

「となると、やっぱりあの噂の作品なのかしら。」

 

 

「ほう、流石俺のライバル森園立夏だ。かの作品の事を知っていたか。」

 

 

「まあね、以前枯れない桜のことを調べてた時に偶然知ったんだけどね。」

 

 

「立夏さん。その作品って?」

 

 

「まあ、まて同志芳乃。ここはこの俺が件の作品について語ろうではないか。」

 

 

杉並先輩が何処か嬉々とした表情を浮かべながらそう言ってきた。杉並先輩にしては珍しく興奮しているように見える。

 

 

「そう言うのは当人の雪村さんがするべきじゃ無いのかしら?」

 

 

「ああ、いえ。森園先輩気にしないで下さい。恐らくですけど私より杉並先輩の方が詳しいと思うので」

 

 

「雪村嬢の許可も降りた、ならばこの杉並皆に懇切丁寧にお教えしよう。」

 

 

そう言って杉並先輩は立ち上がると態とらしく咳払いを一つすると語り始めた。

 

 

「諸君、我が風見学園演劇部には実しやかに語られる噂があるのをご存知か?」

 

 

杉並の問いかけに立夏さんや雪村を除いた面々はハテナを浮かべる、どうやらみんなも知らない様だ。

 

 

「こほん、風見学園演劇部には幻と言われる名作がある。そしてその名作の監督。そしてシナリオを考えたのが雪村杏嬢と言われている。」

 

 

「更にはキャスティングも豪華で当時の風見学園生で知らぬ物など殆どいないと言っていい程の豪華な面々が揃っていた。」

 

 

「当然噂を聞きつけた生徒たちはこれでもかと期待をしていた、そしてそして。上映した結果は大・大・大成功と言える結果を残したのだ」

 

 

杉並先輩が態とらしくオーバーな動きをしながら話す、話を聞いた限りでは何故その作品が幻と言われているのか分からないな。

 

 

「しかぁし、問題はここからだった。雪村杏嬢達が卒業し数年後その作品を見た一人の人物が風見学園に入学したのだ。」

 

 

「その人物は演劇部に赴き、件の作品をもう一度見せて欲しいと頼んだのだ。」

 

 

「その時の演劇部員たちも雪村杏嬢の事は知っていたらしく直ぐに撮影した作品の保管場所に向かい雪村杏嬢の作品を出してきた。」

 

 

「しかし、頼んできた人物は作品の内容をある程度しか記憶に残っておらずタイトルも覚えていなかった。その為態々雪村杏嬢の作品の冒頭部分だけ全て見ることになったのだ。」

 

 

 

「だが此処で問題が起きたのだ、見た作品がどれも自分の記憶に残っている作品とは違ったのだ。」

 

 

その後杉並先輩は延々と態とらしい演技を繰り返しながら話した、長かったので要約すると目的の作品が見つからず映像研も捜索するも空振りに終わり。

 

 

そして、OBに連絡すると何代か前の卒業生から探している作品を見た事があるとの情報を手に入れるも結局は見つからず収穫は実在するという事実のみ。

 

 

それが校内中に知れ渡りいつしか誰が言ったかは不明だが風見学園演劇部幻の名作と呼ばれる様になったそうだ。幻というか、失われたの方がしっくりくるが。

 

 

話が終わり誰もが口を噤む、沈黙を破ったのは。

 

 

「あのぉ〜無くなって見ることの出来ない作品をどうやったら超えたことになるんですか?」

 

 

葵ちゃんが皆んなの心境を代弁するかの様に言う、それはそうだ。見ることの出来ない物をどう超えるのか。そして誰が超えたと判断するのか。

 

 

そんな俺たちだったが。

 

 

「大丈夫よ葵、作品はちゃんとあるわ。そうよね雪村さん?」

 

 

立夏さんが確信めいた顔を雪村に向ける、その視線を受けて雪村は。

 

 

「はい、これがその杏さんの作品よ。」

 

 

ポケットからケースに入った一枚のDVDを取り出した、表面の白い面には作品のタイトルと思われる文字が書かれていた。

 

 

「ええっ!!無くなったんじゃなかったんですか?!」

 

 

雪村の手にあるDVDを見て葵ちゃんが叫ぶ、他の面々も似た様な反応であったが。

 

 

「葵。その言葉は語弊があるわね。杏さんの作品は無くなってなんてなかったのよ。」

 

 

立夏さんの言葉に全員が首を傾げる、先程の杉並先輩の話を聞くと杏さんの作品は無くなっていた筈。なのにその無くなったはずの作品を雪村は持っている。それよりも無くなってなかったとは?

 

 

「杉並の言っていた話は本当の話よ、けどそれはちゃんと調べてたら話の様にはならなかったのよ」

 

 

「どういう事ですか?」

 

 

「まあ、簡潔に言っちゃうとこの作品は演劇部としての作品ではなく雪村杏さん個人の作品という事よ。」

 

 

立夏さんの言葉を聞き俺と姫乃、さらにるる姉そして四季さんが「ああ」と声を上げる。確かにちゃんと調べればわかったことだ、しかし。

 

 

「えっ?えっ?どういう事ですか?皆さんだけで納得してないで教えてくださいよ」

 

 

「そうだぜ、俺たちだけ置いてけぼりにして。ちゃんと説明してくれよ。」

 

 

わかっていないのが二名ほどいた。俺たちは苦笑いを浮かべて二人を見た。

 

 

「いいですか、葵ちゃん。江戸川君。元々あの作品は個人出展の作品なんですよ。」

 

 

「「個人出展?」」

 

 

「はい、部活動なんかの活動とは別に個人で何か出し物をする事は生徒会の許可を得ることができれば個人で出展する事が出来るんです。」

 

 

「そう、さらの言う通りよ。当時の資料を見ると雪村杏さんは個人出展の形でこの作品を上映していたの。」

 

 

「ええっと、つまり演劇部として作品を作ったわけでは無いから演劇部には無くて当然って事ですか!!」

 

 

「はい、その通りです」

 

 

さらと立夏さんの説明で葵ちゃんが答える。それを聞いてようやく耕助も理解した様だった。

 

 

恐らくだけど杏さんが演劇部に所属していた事が原因でこの作品も演劇部としての作品だと思われたんだろう。

 

 

「そんで、その作品のタイトルってなんなんだ?」

 

 

俺がそう問いかけると雪村が答える。

 

 

「ええ。この作品のタイトルは・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『コードギアス 反逆の皇子』

 

 




もう少し色々やろうかと思いましたがぐだぐだになりそうだったのでここまで。


D.C.5発売されましたね。私はのんびりプレイしてます。ヘブバンやニケFGOが面白いんだ。
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