夜のMRR基地から少し離れたところで鈴は黄昏ていた。
「・・・・・・・・・・・・」
鈴は何も言わぬままその場を去った。
翌日もMRR基地の大志館。レッドウィングスはひそひそと話していた。
「どうだ、いたか?」
「寮にはいなかったよ。」
「・・・・・・・・・多分出て行ったんだと思う。」
『っ!?』
太陽の言葉に二人は驚いた。
「責任を感じているんだと思う。俺も似たような経験があるから。」
そんな時アリスが太陽に話しかけてきた。
「ねえ太陽、鈴どうしてる?」
「え?い、いや分かんねーな。あはははは・・・・」
太陽はわざとらしい笑いをした。
MRR基地格納庫ではジェットロボの修理が終わっていた。
「ジェット、調子はどうだい?」
ドリルロボがジェットロボに問う。
「俺の方は問題ないが、スカイロボたちはもう少し時間が掛かる。」
「ステルスとかいう奴、かなり手ごわいようだな。」
「俺は負けたわけじゃない。」
ポリスロボの言葉にジェットロボは言った。
「にしちゃあ、しゃっきりしねぇな。」
ドリルロボが突く。
「雪崩が起こった時、俺は助けに行けなかった。」
ジェットロボは悔やんでいた。そのことにファイヤーロボたちも共感していた。そんな時エースを先頭にレッドウィングスが格納庫にくる。
「グッモーニン、ファイヤー。」
「なあジェット、鈴来てないか?」
「いや、今日はまだ見ていないが。」
その言葉に太陽たちは反応する。
「やっぱりこれって・・・・・」
「家出決定じゃないですか。」
「鈴がいないのか?」
ジェットロボが問う。
「ジェットに怪我させたと思って責任を感じてるんだ。俺も少し・・・・・・・・・・・・いや、大分わかる。俺も自分のせいで大事な仲間を傷つけたことをあってさ、その時自分を恨んだ。でも・・・・・・・・」
太陽はそこから先を言おうとしたがその時警報が鳴った。
〈火災指令!大渕谷ロープウェイ乗り場にて火災発生!宙吊りのロープウェイに乗客数名が取り残されている模様。出場、レッドウィングス、ファイヤーチーム!〉
「何もこんな時に火災を起こさなくても!」
「災害は我々の都合に合わせてくれない。行くぞ、エース!」
ファイヤーロボの言葉にエースは敬礼し、「イエッサー。」と答えた。
「でも三人で大丈夫でしょうか?」
「海、心配するはいいがやるべきことをやるぞ。俺は宮島教官に前もって話しておいたから、今から鈴を探してくる。」
太陽はそう言うと町へ駆け始めた。
「全く、お前は手際が良いというか・・・」
格納庫の陰に隠れていた誠が姿を現すとブルーサイレンズ、イエローギアーズの面々がいた。
「ゴメン、話し聞いちゃった。」
大地が謝罪する。
「水臭いじゃないの!」
アリスが起こる。
「皆さん・・・・」
「海、緊急レベルSと判断し出場する。」
ジェットはそう言った。
ウィングライナーにファイヤーチームが搭載され、ウォーターブリッジがかかり、ウィングライナーは現場へ出場する。
ジェットも発進準備をしていた。
「ジェット、待て!」
「ロボマスターが確定した今、出場は許可できない!」
「ジェ―――――――――――ット!」
宮島と佐々木の言葉を無視してジェットチームは出場する。
「全く、太陽から報告は受けていたが・・・・・海、今からお前がロボマスターだ。」
「え!」
そのことに海は驚く。
「海君、バックアップとロボマスターを入れ替えるわ。K-BOYを出して。」
「はい。」
海のK-BOYにジェットチームのエンブレムが現れる。
「僕がジェットのロボマスター・・・・・っ!」
海は決意を固め操縦桿を握る。
ジェットチームが上空を通り過ぎるのを鈴はブランコから見ていた。
「よかった。ジェット直ったんだ。でもアタシは・・・・・」
その時悲鳴が聞こえた。鈴は悲鳴が聞こえた方を向くとそこには赤ん坊が今に干している布団から落ちようとしていた。
「危ない!」
その頃太陽は鈴の似顔絵(激似)を人に見せては聞き込みを行っていた。
「確かこっちの公園だよな?」
その時、太陽のサバイバルナチュラルが反応した。
「まさか!」
太陽が向くとそこには落ちようとしている赤ん坊を必死に助けている鈴の姿があった。
「あのおバカ!」
太陽は急いで駆け付けた。
数分後、何とか鈴と赤ん坊は助けられ、母親には感謝された。
「よかったな、鈴。助けられて。」
「ええ・・・・・・・・・ねえ、太陽。私ね、マシンロボレスキューを辞めようと思うの。」
「それはジェットを傷つけちまったからか?」
太陽の言葉に鈴は頷いた。
「そっか・・・・・・・・鈴、先に謝っとく。悪い。」
太陽はそう言うと鈴をビンタした。
「太陽・・・・・・・」
「己惚れるな!俺も、コンボイも、みんな一人でレスキューをやってるんじゃない!」
太陽はそう言うとサイバトロンのペンダントを取り出し。コンボイを呼ぶ。
「ギャラクシーコンボイ、来てくれ。現場に急行する。」
「わかった。すぐにそちらへ向かう。」
一方その頃ジェットチームはロープウェイ乗り場の消火作業を行っていた。
「消火弾、投下!」
ジェットチームから消火弾が投下され、乗り場の火を消すが再び火がぶり返した。
「消火弾だけではダメです。あっ!」
その時海はロープウェイに取り残されている乗客に気づいた。
「ジェット、先に要救助者を!」
「了解!モードチェンジ!変形完了!」
ジェットロボのコックピットから海が出てメガホンで声を掛ける。
「マシンロボレスキューです。これから皆さんを救助します。」
海はそう言うとロープウェイに飛び移り、天上の扉を開ける。
「怪我をした人や具合の悪い人はいませんか?」
そのころエースは消火作業に当たっていた。
「ファイヤーチーム、これより消火作業を開始する。」
「モードチェンジ!変形完了!」
ファイヤーロボはロボットモードに変形する。
「放水はじめ!」
『放水!』
エイダ―ロボと共にファイヤーロボは消火作業に入る。
その光景をジェイが高い位置から見下ろしていた。その上には待機しているビークルモードのステルスロボがいた。ステルスロボはジェットロボへと向かう。ジェットロボはステルスロボに気づき避ける。
しかし、ステルスロボが通り過ぎたことによってロープウェイが揺れる。
「これでは救出活動ができません!」
ステルスロボは変形するとジェットロボを見下ろす。
「ジェットロボ・・・まだ動けたとはな。」
「ステルスロボ・・・邪魔はさせない!」
ジェットロボがロープウェイを守る様に立ちふさがる。
「これで・・・・最後だ!」
ステルスロボはビームガンをジェットロボに向ける。
「行くぞ!」
ジェットはステルスロボに突っ込む。
「シューティングバレッド!」
ステルスロボはジェットロボにビームを放つがジェットはそれを巧みに回避する。
「全機、モードチェンジ!」
ジェットロボはスカイロボに指示を出し、ロボットモードに変形させる。しかし各スカイロボとも完全ではなかった。その証拠として各スカイロボの関節にスパークが発生していた。
「海、合体指令コマンドを!」
ジェットが海に頼む。
「え?あ、そうか!」
応急処置を行っていた海が気付く。海は窓を開け、合体指令を出す。
「ジェットロボ、ハイパーモード、合体はじめ!」
海のK-BOYの顔が開き、目が光る。
「ハイパーモード、合体はじめ!スカイロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!合体準備よし!四番機よし!五番機よし!二番機よし!三番機よし!合体完了!レスキュー合体、ハイパージェットロボ!」
ジェットはハイパーモードに何とか合体した。
「やりました!」
ハイパージェットロボとステルスロボは雲より上の上空で戦う。ハイパージェットロボはステルスロボに拳を放つがその瞬間、ハイパージェットにダメージが来た。
「ダメだ。スカイリボの修理はまだ完全じゃない!戦闘には耐えられない!」
佐々木が指令室で事実を告げた。
その光景はフライトモードのギャラクシーコンボイに乗っている鈴にも中継されていた。
「ジェット・・・・・・・・・アタシのせいで!」
「鈴、ジェットもお前を助けられなかったことに後悔している。」
「なんで?」
鈴にはそのことが分からなかった。
「俺さ、前の、ギャラクシーコンボイの世界で小さいころに迷惑を掛けたんだ。その時はまだコビーたちとも会う前でさ、やんちゃだったんだ。でも、それでドレッドロックに怪我を負わせてな。俺も少し怪我をしたんだ。ドレッドロックは俺に怪我を負わせたことを悔やんでた。なんでだと思う?」
鈴に太陽は当が鈴は首を振った。
「誰かが安心して暮らせる世の中にしたい。鈴だってそんな気持ちでマシンロボレスキューに入ったんだろ?」
「うん。」
「サイバトロンのみんなも同じだ。誰かが傷つき、悲しむ姿ってのは見たくない。だから彼らも、俺たちも命を救う。今日と言う日、明日と言う日を救うことが明るい未来につながると信じているんだ。」
「じゃあ・・・・・・・・」
「ああ。自分のせいで誰かが悲しむ姿を見たくない。それが答えなんだ。」
太陽はそう言うと鈴を抱きしめた。
「だからさ、一人で頑張ろうとせずみんなで頑張ろう。辛いときは皆でやろう。それでいいんだ。お前は一人じゃない。俺たちはチームなんだ。」
「太陽・・・・・」
鈴は涙を流す。
「二人共、山野火災を消火する。準備はいいか?」
「ああ。」
「もちろん。」
「うむ、では消火作業を開始する。」
ギャラクシーコンボイは上空から放水を始め消火作業を開始する。
「ああ、それとこれ。忘れ物だ。」
そう言うと太陽は消防服とK-BOYを差し出した。その時太陽のK-BOYに通信が入る。
「どうした、海?」
「ロープウェイの車輪が外れそうなんです!このままでは・・・・」
「なに!鈴、一旦降りてくれ。俺はギャラクシーコンボイと一緒にロープウェイの救助に入る!」
「わかったわ!」
太陽は鈴を下ろし、コンボイをトランスフォームさせる。
「スーパーモードでなくても飛べるのっていいよな。」
「そうだな。こちらギャラクシーコンボイ。海、これよりそちらの救助活動に入る。」
コンボイがそう言うとロープウェイに近づき、下から支え、外すと麓へと進み始める。
「下の方はまだ火災の眠り火があるかもしれない。少し離れたところに下ろすぞ。」
「わかりました。それと鈴さん、ジェットのパートナーは鈴さんが適任だと思います。」
海はそう言うと鈴のK-BOYにジェットのロボマスター権を送った。
鈴はエースの元へ向かっていた。
「エース!」
「鈴!」
「ファイヤーの手を貸して!」
「無茶だ!こっちは消火や救助でジェットの手も借りたいくらいなんだ!」
「それだ!」
「「え?」」
太陽の言葉に二人は間抜けな声を上げる。
「全てのマシンロボの合体ジョイントは同じ!なら理論上腕の交換も可能だ!」
その言葉に誠は驚く。
「何を言ってるんだ・・・・」
「かっこいいかも。」
大地はそう言う。が、佐々木は否定する。
「無茶だ!そんな使い方は想定されていない!」
「佐々木教官、人間の予想を超える事態が起きるのが災害であるならば、それに順次適応していくのが俺たちではないのですか?」
「アタシ、あの子たちが見つけた可能性に賭けてみたい!」
「子供たちを信じましょう。」
マリーとブラッドが応援する。
「ファイヤー、エイダ―ロボを貸して!」
「しかし!」
「僕からも頼む!」
「皆で無事に帰るためなの!」
エースと鈴がハイパーファイヤーロボを説得する。
「私のレディたちに傷を付けたら、許さんぞ。」
「ありがとう!」
その時エースと鈴のK-BOYに“EXCHANGE NO.?”と表示される。
「サポーターロボの番号よ!」
二人は2と3のボタンを押す。と“EXCHANGE NO.2、NO.3?”と表示される。
「ジェットチーム!」
「ファイヤーチーム!」
「「交代、はじめ!」」
「「了解!」」
スカイロボ二番機三番機とエイダ―ロボ二番機三番機が分離する。
「スカイロボ二番機、三番機、分離よし!」
「エイダ―ロボ二番機、三番機、準備よし!」
「「Xモード、合体はじめ!」」
ジェットロボにエイダ―ロボが合体する。
「X合体、完了!ジェ――――ット!」
ジェットはX合体すると雲を抜けステルスロボに姿を見せる。
「っ!」
「ステルス、二度とレスキューの邪魔はさせない!」
「なんだ・・・・・・・こいつは?」
Xジェットロボの姿にステルスロボは戸惑う。
「ステルス、油断するな。あんなデータはなかった。姿を消して様子を見るんだ。」
ジェイがステルスロボに指示を出す。するとステルスは姿を消した。
「っ!また消えた。」
「消火剤を使え!」
「ジェット、消火剤をぶちまけて!」
「ジェット、エイダ―ロボだ!」
「了解!」
ジェットは三人の言葉に従い消火剤を巻くとステルスロボに当たり、ステルスロボの姿を見せた。Xジェットロボはステルスロボにけりを喰らわそうとするがすぐさま回避される!
「ああ、もう!あと一歩なのに!」
「鈴、乗れ!」
スーパーモードのコンボイに乗っている太陽が声を掛ける。
「え?なんでよ?」
「アイツを倒して次のレスキューを邪魔されないようにしたいんだろ?一緒にやろう!}
「太陽・・・・・・・・・・・うん!」
鈴はコンボイに乗る。ふと鈴は太陽の方を向いた。
太陽の顔はまっすぐ、人を助ける目をしていた。そんな太陽を見て鈴は顔を赤くする。
「ギャラクシーコンボイ、鈴。行くぞ!」
「ああ!」
「ええ!」
コンボイはXジェットの元まで飛ぶ。
「ジェット、フィンガーフラッシュよ!」
「了解!フィンーガーフラッシュ、パー!」
Xジェットロボのフィンガーフラッシュがステルスロボに向かって放たれるがステルスロボは避ける。
「今だ!行くぞ、鈴!」
「ええ!」
「「「フォースチップ、イグニッション!」」」
コンボイにフォースチップがイグニッションされる。
「「「ギャラクシーキャノン、フルバースト!」」」
ステルスロボにギャラクシーキャノン・フルバーストが放たれ直撃する。
「ぐああああああ!バカな・・・・・・・・・何故・・・・・・・・・・戦うために生まれた俺がマシンロボなんかに・・・・・・・」
ステルスロボは身体中からスパークを起こしていた。
「ステルス、撤退しろ!」
「ジェイ?」
「マシンロボを倒すために、体勢を立て直すんだ!」
「・・・・・・・・・・・くっ!ジェットロボ、勝負は預けておくぞ!」
ステルスロボはそう言うとビークルモードに変形してその場から去って行った。
「ステルス・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・これは、厄介なことになったな。」
ジェットの後に太陽が続いて言った。
「鎮火確認!」
「戦闘による二次災害・・・・」
「「「なし!」」」
『レスキュー完了!』
ジェットロボ、ファイヤーロボ、コンボイ、鈴、そして太陽が敬礼をした。
基地に戻って長官直々の話があった。
「レスキューが完了したとはいえ、小隊の不行き届きには目を瞑れません。よって、宮島教官、レッドウィングス及びサイバトロンには格納庫の掃除をしてもらいます。」
ブラッドの言葉に「えー。」と太陽以外は声を上げた。
(ま、そうだよな。)
太陽だけは納得していた。
「ただし、その前に!」
マリーが言うと善次郎とさとこが料理を乗せた車輪付きトレイを運んでくる。
「みんな、お帰り!」
「パーティーの準備は出来てるぜ!」
「「ロボマスター決定、おめでとー!」」
小百合とアリスが祝う。
「僕たちのためにこっそり準備してくれてたのか?」
「ありがとう。」
「僕、頑張るよ!」
「アタシも!」
パーティーが開かれ少し疲れた太陽は外で休んでいた。
「すっげーハイテンション。こうやって見るとみんな別の意味でもすごいなー。」
太陽が感心していると鈴が来た。
「どうした、鈴?お前もあのテンションに疲れたのか?」
「え?え、ええ・・・・・・・・・・・まあ・・・・・・」
鈴はそう言うが顔が赤かった。
「あ、そうだ。鈴に渡すのがあるんだった。」
太陽はそう言うとサイバトロン見習いのマークが施されたペンダントを渡す。
「私に?」
「ああ。みんなで決めたんだ。鈴は己の弱い面を知った。それを受け入れ、乗り越えた。だからそれを渡そうと思ったんだが・・・・・・・・・・・嫌だったか?」
「う、ううん!全然!あ、ありがとう・・・・・・・太陽//////////」
鈴は顔を赤くした。
その光景を中からみんなが見ていた。
「なんかあの二人い感じね。」
「でも太陽の奴は気づいてないようだね。」
「ですが誰にでも優しく接する太陽さんは素敵だとわたくしは思いますわ。」
アリス、エース、小百合はそう話をした。