深海。そこは人類が行くには無理がある世界。水圧によって圧縮され、やがては死に至る。
そんな世界にマシンロボ開発者である水道橋通とマリーとブラッドは新型マシンロボと共に潜水艦でそこにいた。潜水艦の周りには観測用コンテナがもあった。
「そろそろ、観測用コンテナの限界深度です。」
通がそう言うと観測用コンテナが水圧によって潰された。そのことにマリーとブラッドは驚く。
「世界広しと言えど、この深さに耐えれるのはこの耐圧キューブと、彼らサブマリンチームだけです。」
「ほ、本当に大丈夫なの?」
マリーは心配になる。マリーが見る先には水圧に耐え、なおも起動しているサブマリンチームがあった。
「サブマリンチームの性能なら、さらに深く潜ることだって可能ですよ。さ、いよいよ最終実験です。」
通たちは実験に入ろうとしていた。
MRR基地では太陽たちが水中での救助訓練を行っていた。
ショウはダントツで得意ではあったが、要救助者を残したことからイエローギアーズはやり直しとなった。二番目は太陽である。太陽の場合は宇宙での訓練があったためだ。
宇宙では何が起こるかわからない。酸素が予想以上に消耗することだってある。そのため酸素の薄くすることで生存可能時間を延長するためにも太陽はこっそりと訓練をしている。
「どうだったんだ、太陽?」
「ああ。訓練の成果は出たよ。ただ・・・・・・・」
「どうかしたのか?」
MRR基地の沿岸で太陽はファングウルフと話していた。
「ショウが・・・・・・」
「ショウ?あのイエローギアーズのか?」
ファングウルフの言葉に太陽は頷いた。
太陽は話した。ショウは昔、姉に潜水の特訓を受けていた。そのおかげもあってショウがいた学校では100m泳ぐのが誰よりも早かった。だが表彰状を貰った日、姉は水難事故で死んでしまった。そんな悲しい思いをさせたくないがために彼はマシンロボレスキューに入隊したのであった。
「そうか・・・・・・・・・だがなんだか捕らわれているようだな。」
「ああ。」
ファングウルフの言葉に太陽は相槌を打った。
「でもさ、大事な家族が死んでるのは俺も同じなんだ。」
「太陽・・・・・・・・」
「でも、俺はその時のことを覚えてない。でも、仲間を失う辛さだけだったら・・・・・・・・・多分、同じじゃないかな?」
「・・・・・・・・・・そうだな。」
二人はベクタープライムのことを思い出した。あの世界が無事に済んだのも、彼の犠牲があってこそであることに違いはなかった。
「ベクタープライムとまた会えたらいいのにな。」
「ははは、それは宇宙に危機がある時じゃないかな?」
「そうだな。」
太陽の言葉にファングウルフはそう答えた。
その頃三人キューブの中でテスト結果を見ていた。
「サブマリンチーム、依然異常なし。最終実験は大成功です。」
「おめでとう、通君。」
「これでいよいよ、サブマリンチームもマシンロボレスキューに配属ですね。」
「起動用プログラムを組み込めば、いつでも出場できますよ。長官、サブマリンロボをよろしくお願いします。」
通はブラッドに手を差し出すとブラッドはその手を握った。
「君のその成果は、必ず多くの人の命を救うでしょう。水道橋通博士。」
感傷に浸った時であった。突如海流が変化し。キューブを揺らす。そしてケーブルを一本切ってしまった。
「突発的な海流異常です!ケーブルが切れました!これじゃあ、キューブの引き上げができません!」
「そんな・・・・」
そのことはすぐにMRR基地に入電した。
〈マシンロボレスキューに出場要請!深海実験艇キューブ01が深海で孤立!要救助者、三名!〉
「なんてことだ!マリーさんが!俺もすぐに現場に!」
「落ち着け!我々は長官の留守を預かっているのだぞ。」
宮島は焦る気持ちを必死に抑え込んだ。
「ギアダンプ、出場準備。」
誠が冷静に対処する。
「キューブ引き上げの力仕事なら、お前が適任なんだろうが・・・・でも、気を付けろよ。」
「後さき考えず海に飛び込むんじゃないぜ。Youは泳げないんだからな。」
ファイヤーロボとジャイロロボがドリルロボに注意をする。
「心配すんなって!いざとなったら、根性で何とでもならぁ!」
「それがいかんと言うのに。」
ドリルロボの言葉にポリスロボは頭を抱える。
MRR基地の塔の手がグーを形作る。
「ドリルロボ、並びにドーザーロボ二番機から五番機は大回転ベースへ。」
「三番通路にギアダンプが入ります。」
「ドリルチーム、ギアダンプへ搭載はじめ。」
アリス、鈴、エースがアナウンスをする。
「姉ちゃん、見ててくれっす!今度こそ・・・・絶対に守って見せるから!」
ショウのK-BOYの待ち受けにはショウの姉が映っていた。
そしてギアダンプは現場に向かい発進する。
その頃キューブでは酸素濃度が低下していた。
「酸素の残りは、あと1時間分しかありません。」
「たしか、緊急用の酸素ボンベが積まれていたはずよ!」
通の言葉にアリスは焦りながら言う。
「だが、緊急用の酸素ボンベは持ってあと30分でしょう。」
「残り1時間30分・・・・その間に救助が来るのは不可能に近い。もうお終いだ。僕たちはこのまま・・・・死んでしまうんだ!」
通は絶望しているがブラッドは違った。
「まあまあ、こういう時こそプラス思考で行きましょう。あ、そうそう。せっかくこんな深海にまで来たのですから・・・・」
ブラッドは深海魚図鑑を手に取った。
「このチャンスに、深海魚の観察なんてどうでしょう?博士は、竜宮の使いと言う魚を知っていますか?」
「パパ!」
マリーが声を上げる。
「まずは落ち着きましょう。慌てたって、なんにもいいことは有りません。」
ブラッドの冷静な判断に通は驚かされた。
その時大地からの通信が入った。
『こちらマシンロボレスキュー。キューブ01、現状を報告してください。』
『現在キューブ内に怪我人無し。みんな無事よ。でも酸素は一時間くらいしか持たないみたい。』
「一時間!」
「ドリルロボの力で引き揚げるんじゃ間に合わないよ!」
大地が驚き、ケンが事実を述べる。
『緊急事態です。が、レスキューの方法がないわけではありません。』
「指示をください、長官!」
ショウがブラッドに指示を求める。
『海王研究所にある予備のキューブを使うんです。それがあれば、実験中の新型マシンロボも救助できます。』
「よし・・・・・・・・了解したっす!」
ケンはMRR基地に通信を入れる。
「現場より、第二出場の要請。ギャラクシーコンボイ、発進スタンバイ!」
MRR基地からコンボイがフライトモードで出場準備に入る。
「この中でパワーとスピードがあるのはギャラクシーコンボイだけなんだからね。アタシとジェットでもアンタらより少し遅れちゃうんだから。」
「わかってる。サイバトロン、出場する。」
ショウは実験艇の甲板の上で起動プログラムのディスクを貰っていた。
「マシンロボの起動プログラムです。くれぐれも気を付けてください。」
作業員の声にショウは頷いた。
「酸素カートリッジも準備できたよ。」
「これを持っていけば、マリーさんたちの酸素も少しは持つはずですわ。」
ケンと小百合が説明する。
「おう。丁度出前も来たようだぜ。」
ドリルロボが見る先にはキューブを運んでいるコンボイの姿があった。
「予備のキューブを持って来た!至急、運用準備を頼む!」
『了解!』
そのころ深海では激しく揺れるキューブの中で、マリーが倒れていた。
「マリーさん!」
ブラッドが寄り添う。
「だ、大丈夫よ。落ち着いて、通君。」
刹那、再びキューブが揺れた。
実験艇の上に載っているキューブにはショウが乗ることになった。
「ショウ、お前が乗るのか?感情に流されず、レスキューをしろ!」
「そんなことわかってるっす!もう失敗しない!もう何もできなかったなんてしないっす!」
「過去に囚われてたら何時まで経っても進まないぞ!俺がやる!」
太陽が乗り込もうとするとショウはハッチを閉め、キューブを起動させる。
「ショウ!」
「大丈夫っす!今度こそ、必ず成功させるっすから!」
ショウがそう言うとキューブは潜水を始めた。
「・・・・・・・・・・・あのバカ!」
その頃キューブ内では予備の酸素ボンベで呼吸を繋いでいた。
ブラッドはキューブの操作を行っていた。
「ショウ君が来てくれるようですね。」
「あの子が一人で?そんな・・・・・・・・彼には無理よ!」
「自分の隊の隊員を信じられないんですか?」
「そ、そんなことはないけど海は彼にとって特別な場所なのよ。技術の問題じゃない。私は彼の心の方が心配なの。」
マリーは不安そうに外を見つめた。
ショウはキューブのアームを操作しカートリッジ交換作業に入る。
「ショウ君、レスキュー隊員はいつも冷静に、貴方自身が冷静ならないといけないのよ。」
通信が十邸内キューブ内でマリーはショウに向け言った。
ショウは古いカートリッジを外し、新しいカートリッジを付けようとするが失敗してしまう。
「冷静に、冷静になるっす芦川ショウ!」
自分に言い聞かせるようにショウは作業を行った。そして二度目で成功した。
キューブに新しい酸素が送りこまれる。
「カートリッジ、接続確認。」
通は一安心する。
「さ、次はマシンロボの起動っす。」
ショウはサブマリンチームの元へ向かう。
「新型マシンロボ・・・・・・・・・・・・おいらに力を貸してくれ!」
だが、それを許さない者がいた。
「マシンロボの反応を確認!」
「海の藻屑にしてやるぜ!」
水中用の二機のガラゴロがサブマリンチームとショウの元へ向かい始めた。
その頃ショウはアームから機械を伸ばし、サブマリンロボとラインを繋いだ。
「接続完了。プログラムの積み込み開始。」
ショウがディスクを取り出し、挿し込んだ。インストールが開始される。ショウは唇を舐める。
「芦川・・・ショウ君?」
「誰っす?」
「そのサブマリンロボの開発責任者、水道橋通だ。」
「サブマリンロボ?このマシンロボ、サブマリンロボって言うんっすか?」
「指令は全部君に任せる。サブマリンロボを、よろしく頼む。」
「ロボマスターの登録をするから、K-BOYを出して。」
マリーに言われショウはK-BOYを取り出した。すると画面にサブマリンロボのロボマスターの証が表示される。
「了解っす!」
「ショウ君、くれぐれも――――」
マリーが言おうとした途端、キューブが揺れ、ショウは倒れた。
「何が起こったっす?」
『また海流異常です。作業を中断して離脱して下さい。でないと君も!』
「そんなことできないっす!」
その時であった。マリーが乗っているキューブのケーブルが切れてしまった。
そのことは会場の太陽たちにも伝えられた。
「ギャラクシーコンボイ!」
「ああ。」
「そうするおつもりですの?」
「ギャラクシーコンボイで海に入る!」
「無理だよギャラクシーコンボイは・・・・」
「大丈夫。前にも深い深海に入ったことあるから。」
太陽は大地にそう言うとギャラクシーコンボイに乗り込んだ。
「「ギャラクシーコンボイ、トランスフォーム!ギャラクシーコンボイ、スーパーモード!」」
コンボイはマリー達を救助するために深海へと向かう。
その頃ショウはサブマリンロボの起動を急がせていた。が残り数パーセントのところでガラゴロに気が迫ってくる。
「ガラゴロ!こんなところまで!早く、早く!目を覚ませ、マシンロボ!」
絶体絶命の瞬間、一機のガラゴロはサブマリンロボ、もう一機はコンボイが止めた。
「な、なんだと!」
「このマシンロボは水中でも活動できたのか!」
「サブマリンロボ?ギャラクシーコンボイ?太陽君?」
「ショウ!モードチェンジだ!」
「よし!モードチェンジ!」
サブマリンロボはロボットモードにモードチェンジするとガラゴロをさらに深くへと落とす。
「こっちも!」
コンボイは拳を振り下ろしガラゴロを落とす。
「やあ、おはよう。僕はサブマリンロボ。海を愛する、水中用のマシンロボだ。そして彼らは、サポーターのアクアロボたちだ。」
サブマリンロボは暢気に自己紹介をする。
「やや、君はマシンロボレスキューの・・・ショウ君だね?」
「そんなことは後でいいから!緊急事態っす!要救助者三名を乗せたキューブをレスキューするっす!時間がない!」
「ちょっとちょっと、僕はまだ起きたばかりなんだぜ!」
「ふざけるな!」
太陽が声を上げる。
「そんなわがまま言ってる場合じゃないだろ!お前はレスキューをするためにここにいるんだ!どんな状況だろうと関係ない!人命優先!二次災害無しを心掛けろ!」
「・・・・・・わかったわかった。」
サブマリンロボは救助に向かおうとする。が、それをガラゴロ二機が止めに入った。
「「そうはさせるか!」」
「ははーん、なるほど。どうやら君は、海の平和を乱す悪者のようだな。」
「「だったらどうした!」」
ガラゴロは爪を振り下ろすがサブマリンロボは回避する。
「僕とは気が合いそうにない。」
サブマリンロボはマイペースに行動する。
「ショウ、合体指令を出せ!」
「おいらがっすか!」
太陽の言葉にショウは驚く。
「お前しかいないんだ!」
「・・・・・・・・・わかったっす!サブマリン!レスキュー合体っす!」
「なかなかイカしたアイディアだ。あ、でも現状での合体は初めてなんだけどなぁ・・・・」
「大丈夫、海が君をきっと守ってくれるっす!」
「ようし、合体の指示をくれ!」
サブマリンロボがショウに合体指示を求める。
「サブマリンロボ!ハイパーモード、合体はじめ!」
ショウのK-BOYの顔が開き、目が光る。
「ハイパーモード、合体はじめ!ダーイブ!アクアロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!合体準備、よし!二番、三番機よし!四番、五番機よし!起動、各部異常なし!レスキュー合体、ハイパーサブマリンロボ!」
ハイパーサブマリンロボはガラゴロの一気に接近し、アームで掴む。ガラゴロは暴れる。
「静かな海で騒ぐのも、そろそろ終わりにしようじゃないか。」
ハイパーサブマリンロボは泡でガラゴロの動きを封じる。
「バブルスマッシュ!」
バブルスマッシュがガラゴロに炸裂し、ガラゴロは爆発した。
「サブマリンの言葉には同感だな。ギャラクシーコンボイ!」
「ああ!」
「「フォースチップ、イグニッション!」」
コンボイにフォースチップがイグニッションされる。
「「ギャラクシーカノン、フルバースト!」」
コンボイのギャラクシーカノンがガラゴロに炸裂し、ガラゴロは爆発した。
海上に戻ると太陽は空を見上げた。
「どうした、太陽?」
「俺たちはさ、広い宇宙のことを“ソラ”って呼んでるけど、さっきの海も同じように“そら”って呼べるんじゃないかなって?」
「そうだな。だがソラとちがってそらは圧力がかかるがな。」
そんな二人をブラッドと通は見ていた。
「ブラッド長官、あの資料にあったトランスフォーマーとは・・・・」
「ええ。太陽君と共に行動しているのがその一人です。ですが彼だけは、太陽君がいなければ動くことも、レスキューすることもできません。彼らはかけがえのないパートナーなのです。」