出撃!マシンロボレスキュー ギャラクシーと共に   作:ザルバ

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 ハイパーステルスロボはスペースロボの妨害工作に身動きが取れなかった。

「ええい、この!ジェットを追わせろ!」

 ハイパーステルスロボはバーストテンペストを放ち煙幕を作るとジェットロボを追いかけ始める。

 ジェットロボはダメージにより身動きができず、南飛島に落ちようとしていた。しかしそんなジェットロボを負傷したスカイロボが姿勢を安定させ地上への衝突を最小限に留めようとする。

 だがスカイロボもまたダメージを追っているためブースターは弱かった。

 そして南飛島にジェットチームが落ち、大きな土煙と衝撃によって津波が発生した。

 

「ジェットロボ、南飛島に不時着しました!」

 小百合が報告する。

「太陽、応答して!太陽!」

「太陽君!」

 マシンロボレスキューの全員が呼びかける。しかし太陽からの返事はなかった。

「ステルスロボ、降下してきますわ。目標は・・・・・南飛島です!」

「まさか奴ら・・・・・長官!」

 佐々木が切迫した表情でブラッドを見る。するとブルーサイレンズとイエローギアーズが起立し、ブラッドを見る。

 ブラッドは少し考え、そして決意する。

「ブルーサイレンズ、イエローギアーズ、サイバトロン緊急出場!」

『はい!』

 MRR基地からギアダンプとサイレンギャリーが南飛島に向かい出場する。

 

 その頃エースはイカロスⅠで事後報告を行っていた。

「延焼は有りません。おそらく鎮火したと思われます。」

「そうか。ご苦労だったな、エース。」

 宮島がエースの働きを労う。

「それでみんなは?」

「鈴たちの12便は周回軌道に入ったようだ。だが・・・・」

 宮島の表情が一変し、深刻な顔になる。

「太陽は南飛島に不時着後、通信が途絶えている。」

「えっ!」

 エースはそのことに驚きを隠せなかった。

「心配するな。もうブルーサイレンズ、イエローギアーズが救出に向かっている。とにかく俺たちは、一旦基地に戻るぞ。」

「了解。」

 宮島は口ではそう言っていたが誰よりも太陽の身を案じていた。

「太陽・・・・」

 エースもまた、太陽の身を案じていた。

 

 南飛島ではジェットチームがクレーターの中で行動不能になっていた。太陽はジェットロボの中で頭から血を流し、気を失っていた。しかしそんな中でもあの日の記憶を思い出していた。

 事故に遭ったあの日の直前、太陽はサバイバルナチュラルが飛行機に乗ることは危険だと告げていた。が、そんな話を信じてはもらえなかった。

 だがそれは的中し、太陽が乗っていた飛行機の右翼が突如爆発。それによって飛行機は真っ逆さまに落ちてゆく。太陽の両親は太陽を守ろうと抱きしめる。太陽は落ちて行く恐怖に泣いていた。

 そして墜落した。

 次に意識を取り戻した時、そこに両親はいなかった。太陽は何度も“父さん、母さん”と呼んだ。だが二人は返事をしない。そんな時、何の因果で生まれたかは不明だが、スペースブリッジが開き、太陽とボンを吸い込んだ。

 

 その頃ハイパーステルスロボは南飛島上空で不時着したジェットチームを捕らえ、ロックオンしていた。ジェイはその光景に微笑む。

「そこか。」

 ハイパーステルスロボはビーム砲をジェットロボに向ける。

「あばよ。」

「Stop!」

 危機一髪の瞬間、ジャイロロボがハイパーステルスロボの前に立ちはだかる。

「Heyステルス!ジェットはやらせないぜ!」

 ジェイは苦虫を噛潰した表情になる。

「貴様らは!」

 その時投影ディスプレイに他のマシンロボが映し出された。

「弱い奴はすぐ群れるか!」

「卑怯者め!抵抗できないものを撃とうとするとは!」

 そんなジャイロロボの言葉にジェイは言った。

「戦いに卑怯もあるか。あるのは、強いか、弱いかだ!」

 ジェイがそう言うとハイパーステルスロボがビーム砲を放った。

「させるか!」

 ソニックボンバーがフラップソードでビームを相殺する。

「貴様は!」

「余所見をすんじゃねえ!」

 ライガージャックが尻尾の鞭を使いハイパーステルスロボを叩き落とす。

「このハエ共!」

 ハイパーステルスロボが攻撃しようとした途端、後ろからビークルモードのドリルロボがアタックをする。

「「うぁあああああああああ!!」

 ハイパーステルスロボが大勢を崩すとビークルモードのモールダイブが体当たりをする。

「喰らっとけ!」

 ハイパーステルスロボは海へ落される。

 そこにはすでにサブマリンチームがいた。

 ジェイは分が悪いと思い、海上に出る。

 すると陸をドリル、海をサブマリン、空をジャイロチームが包囲していた。

 ジェイは状況に困惑する。

 

 その頃誠はジェットロボの中に乗り、太陽の安否を確認していた。

 誠が脈を確認すると脈はあった。息をしているかと耳を傾けると呼吸する音すら聞こえなかった。

 誠はそのことに驚愕する。

「大丈夫だ!太陽は生きている!でも呼吸をしてない!すぐに応急処置をしてくれ!」

 すぐに小百合とアリスが応急処置に入った。

「やいやいやい、ステルス野郎!いい加減に観念しやがれ!」

「無駄な抵抗は止めて、Hold upだ!」

「もう逃げ場はないぜ!」

 ドリルロボとジャイロロボとサブマリンロボが降伏するようにハイパーステルスロボに言う。

「誰が降伏など、するか!」

 ジェイが声を張り上げるとステルスロボはミサイルを放つ。

「させるかよ!」

 ソニックボンバーがガトリングでミサイルを撃ち落とす。

「皆、早く!」

『了解!ハイパーモード、合体はじめ!』

 ポリス。ドリル、ジャイロ、サブマリンロボはハイパーモードへと姿を変える。

「誠、ゾーンによる戦闘を許可してくれ!その間に、太陽の救助を!」

「わかった。ゾーン展開、はじめ!」

 誠が指示を出すとハイパーポリスロボはゾーンを展開する。

「ゾーン、展開!」

 ゾーンが形成されようとしている時、ジェイは笑っていた。

「ふふふふふ、ふははははは!ステルス、ゾーン展開!」

「ゾーン、展開!」

 ハイパーステルスロボは左腕でゾーンを展開する。

 ハイパーポリスロボが発したエネルギーが戻ってくるのと、ハイパーステルスロボが発したエネルギーがぶつかり合い、ゾーンを相殺する。

「そんなバカな!」

「「ポリスの出したゾーンが・・・!」」

「ステルスが出したゾーンに・・・・」

「「消されちゃった!」」

 誠、進、強、大地、ケン、ショウが衝撃を受けた。

「ゾーンを操れるのは、お前らだけじゃないのさ!」

 その時であった。突如空に穴が開き、そこから黒いライガージャックが姿を現した。

「なんだと!」

 ライガージャックは驚きを隠せなかった。

「驚いたか?デザスターの技術で作りだした疑似トランスフォーマー、ダークライガージャックだ。」

「なっ!なんでお前がそんな言葉を知っている!」

 ライガージャックは驚きながらもジェイに問う。

「アイツが教えてくれたのさ。」

「アイツ?」

 その言葉にサイバトロン一同疑問を持つ。

「そう・・・・・・・・・・・マスターガルバトロンからな。」

『マスターガルバトロン!?』

 サイバトロン一同驚きを隠せなかった。

「ステルス、撤退シロ。」

 ダークライガージャックがステルスロボに言う。

「了解した。ジェイ、分が悪い。撤退するぞ。」

 ハイパーステルスロボはジェイにそう言うとミサイルを放ち、煙幕を作り光学迷彩で姿を消した。ダークライガージャックも空間に空いた穴から姿を消した。

 マシンロボたちは辺りを探すがハイパーステルスロボの反応はなかった。

 そんな中一同は疑問に思った。

「どうしてステルスロボがゾーンを!?」

「あれはマシンロボにしかできないはずじゃ・・・・」

「の、はずっすよ。」

 そんな中誠はこのことを知っているであろう人物を考えていた。

 

「ん・・・・・・・・・・・・ここは?」

 太陽が目を覚ますとそこは知らない天井であった。

「っ!」 

 太陽は勢いよく体を起こす。

「大丈夫、心配しなくていいよ。ジェットも無事さ。」

「え?」

 ベッド近くの椅子に座っていたボンが太陽に話しかける。

「水道橋博士がいて修理してくれている。」

「そうか・・・・・・よかった。」

「皆に知らせてくる。勝手に出てくるなよ。」

 ボンはそう言うとワンワンと鳴いた。

(・・・・・・・・・・・・・思い出した。あの日のことを。でも・・・・・)

 太陽は不安なことがあった。

 

 その頃地球周回軌道上に12便は浮遊していた。

 海と鈴はMRR基地指令室の宮島とマリーと通信をしていた。

「そうか。ステーションとのランデブーも不可能か。」

「ええ。燃料も脱出の時に使い切ってしまいましたし。酸素が持つのは後24時間くらいのだと思われるのですが・・・・」

「こちらでも状況は確認しているわ。今救助の便を手配中よ。大丈夫、十分間に合うわ。」

 マリーの言葉に海は安堵を吐く。そんな中、宮島は本田の身を案じていた。

「で、本田の具合はどうだ?」

「瀕死の重傷だ。」

 ドアップで映し出された本田の姿に宮島は驚くが生きていることを確認して安心する。

「そんな減らず口が叩けるなら、まだまだ大丈夫だな。とにかく、もう少し辛抱してくれ。」

「了解しました。」

 鈴がそう言うと通信が終了する。

「でも心配だな。太陽君・・・・・・・」

「・・・・・・・・大丈夫。アイツはこういうのを何度も切り抜けてるからきっと大丈夫よ。」

「遙さん・・・・・」

 鈴は口ではそう言うが心の中では。太陽のことを心配していた。

(太陽・・・・・・・・大丈夫よね?きっと・・・・・・・・大丈夫よね?)

 

 病室で太陽はMRRの制服に着替えていた。側には宮島がいた。

「宮島教官、俺、思い出したんです。」

「思い出したって・・・・・・・・・まさか!」

「はい。あの日の記憶を。それで・・・・・・・・・・ワガママ聞いてもらえませんか?」

「ワガママ?」

「はい、実は――――」

 太陽は宮島に頼み、格納庫からプロペラ飛行機引っ張り出してもらった。

 宮島が操縦士、太陽が後部座席に乗る。

「本当にいいのか?」

「はい。お願いします。」

「・・・・・・・・・・・・わかった。」

 宮島は決意を固め、飛行機を飛ばす。飛行機は徐々に高度を上げ。ついにはMRR基地が小さく見えるほどまでの高さ来ると太陽は恐怖した。

「行くぞ、太陽!」

 宮島は急降下を始める。すると太陽の脳裏に飛行機事故の恐怖が湧き上がってきた。

「うわああああああああああああ!止めて!止めてよー!」

 いつもの太陽からは想像もつかない言葉が口にされた。

 太陽は心的外傷を負ってしまったのだ。

 

 宮島はそのことをブラッドに報告した。

「そうですか・・・・・・・・・太陽君が・・・・・・・・・」

「はい・・・・」

 二人は深刻な顔をする。そんな時長官室の扉が叩かれた。

「失礼します。」

 誠が部屋に入ってきた。

「長官にお伺いしたいことがあります。」

「なんだね?」

「はい。ステルスロボについてです。」

 誠の口から発せられた言葉に意表を突かれる一同。

「ゾーンを展開できるのはマシンロボだけのはずじゃなかったんですか?」

 ブラッドはこの日が来ることを太陽の口から言われていたため覚悟していたが、それでも辛かった。

 

 その頃太陽はギャラクシーコンボイに乗り、自分の今の状況を話していた。

「そうか・・・・・・・・・君はあの日の記憶の恐怖から・・・・・・」

「ああ。もうレスキューは・・・・」

 そんな時MRR基地全体に放送が入った。

「緊急ミーティングを行います。マシンロボレスキューの全隊員は長官室に集まってください。」

 

 マシンロボレスキュー全隊員は長官室に集まっていた長官室にはブラッドと教官たち、そして通もいた。その光景を各のこでマシンロボたちも見ていた。

「今から10年前、水道橋博士を中心に人工知能を持った自立型ロボットの研究、つまりマシンロボプロジェクトが開始されました。その目的は、人間のパートナーとしてのロボットの可能性を追求すること。・・・・・・・・・・・・・その筈でした。」

 ブラッドは過去を顧みる。

「しかし、様々な意見の対立があり、思惑が絡み合い、プロジェクトの開発は軍事用の開発に変わったのです。そして数年後、プロジェクトは一つの成果を生み出しました。それが、プロトタイプとして作られたマシンロボ、ステルスロボなのです。

『えっ!』

 太陽以外の全員が驚く。

「じゃあ、アイツは・・・・」

「我々と同じ・・・」

「マシンロボだと言うのか。」

 ポリス、ファイヤー、ジェットがその事実を口にする。

 そんな中誠があることを否定した。

「違う!たしかにステルスは軍事用に作られた!だが君たちは違う!」

「私も含め、プロジェクトに参加した者たちは、やがて気づかされました。自分たちの犯してしまった、大きな過ちに。」

 それによって、ブラッドは掛け替えのない友を失ってしまったのだ。

「それでプロジェクトは人々を救うためのレスキュー専門のマシンロボを作ることに変更されました。」

「僕は祖父が残した設計図を基に開発を引き継いだからよく知っている!君たちは兵器なんかじゃない!純粋に人を救うための存在なんだ!」

 通が強く語る。

「我々プロジェクトに携わった人間が、君たち託した思いを、どうか受け取って欲しい。」

 ブラッドはそう言うと頭を下げた。

「この通りだ。」

 その言葉に一同唖然とした。

「そんな・・・」

 マリーですら驚きを隠せなかった。そんな時長官室に電話が入り、マリーが出る。

「はい・・・・・・・・・・・なんですって!」

 マリーはその知らせを聞いて驚く。

「ステルスが、12便付近に現れました!」

 

 その頃12便でもアクシデントが発生していた。

「ダメだ!ステルスが強力な妨害電波を発していてどことも連絡できないよ!」

 そんな中、鈴はあることを考えた。

「なら、ステルスと通信は出来る?」

「え?」

 海は試みるとステルスに乗っているジェイと通信が開いた。 ジェイもそのことに驚く。

「貴様が乗っていたのか。」

「こんなところに出てきてどういうつもり?」

「ふん、理由は簡単だ。お前らを使ってマシンロボを誘き寄せる。どうせそこの空気は長くは持つまい。そんなお前らを殺しても、何も面白くないからだ。」

 ジェイの言葉に鈴は怒りが込みあがってくる。

「そして思い知るのさ。弱い者を助ける考えは・・・・・・・・・・・どんなに無駄かと言うことをな!」 

 ジェイはそう言うと通信を切った。

 

「クソッたれが!」

 太陽は拳で壁を叩いた。助けに行こうにも心的外傷によって空を飛ぶことに恐怖し、宇宙へのレスキューにすら行けない太陽。その無力さが太陽を追い込んでいった。

「畜生・・・・・・・・・・・・畜生・・・・・・・・・・・・チクショ――――――――――――――――!」

 

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