夜、大志館で太陽は一人部屋に閉じこもっていた。何もすることなく、外を眺めていると修理を完了したジェットロボが飛んでいた。
「・・・・・・・・・・・」
太陽は無力さを悔やみ、シーツで身体を覆った。
その大使館をジェットロボに乗っているエースが見ていた。
「エース君、始めてくれ。」
「了解です。」
通の指示にエースは返事をし、ロボットモードのジェットがゾーンに入る。
「シュミレーション1、開始!」
ゾーン内では建物が爆発した。
「行くぞ、エース!」
ジェットは訓練に入る。
大志館では進と強が食事を取っていたが、いつもよりも多く残していた。
「「ごちそうさま。」」
「随分残しているじゃないか。」
誠が気付いた。
「でも・・・」
「あんまり食欲無くて・・・・」
そんな食堂にアリスとさとこが入ってくる。
「太陽は?」
誠の言葉にアリスは首を横に振る。
「太陽ちゃん好物ばかりを持ってったんだけどねぇ・・・・・」
さとこですら手を焼いていた。そのことにイエローギアーズも肩を落とした。
「アイツ・・・・・・・・・やっぱりバカだ!」
誠はそう言うと食事を腹に収め始めた。
「こういう時こそ食べるんだ!何もできなくても、エネルギーをため込んでおくんだ!」
太陽は一人、外を歩いていた。
「そういや・・・・・・・・ギャラクシーコンボイと出会ったのもこんな空だっけな。」
太陽は初めてコンボイと出会った日のことを思い出した。
あの頃は人間と言う存在が珍しく、セーバートロン星で当時謎のエネルギー、スペースブリッジの反応に急行。そこで太陽とボンを見つけた。
太陽が目を覚ました時に目に入ったのは大きな部屋であった。
「ここ・・・・・・・・・どこ?」
太陽は辺りを見回すと自然は無く、機械だけの部屋であった。
「総司令官、目を覚ましたようです。」
「ありがとう、ドレッドロック。」
コンボイは太陽に近づく。
「やあ。初めまして。私の名はギャラクシーコンボイ。セイバートロン星のサイバトロン総司令官を務めている。」
「セイバートロン星?サイバトロン?」
「君の名を、教えてはくれないか?」
「太陽・・・・・・・・・・・大空太陽。」
それがトランスフォーマーと人間の最初の出会いであった。
大志館の食堂でアリスは誠に話をしていた。
「でもちょっと意外。誠もっと嫌がるかと思ってた。」
「何が?」
「ステルスとマシンロボたちのこと。長官にわざわざ聞きに行ったんでしょ?」
「俺は本当のことが知りたかっただけさ。」
その言葉にアリスは驚き、誠は微笑んだ。
「確かにショックは受けたさ。でも例えば銃、警察も犯罪者も銃を使う。でもその目的は正反対だ。マシンロボも力だって同じさ。大事なのは、どう生み出されたかじゃない。そう使うかなんだ。」
誠の言葉に肝を抜かれる一同。正しい言葉であった。
結局力は力。近い道によっては善とも悪ともなる。
「俺はポリスを信じる。ポリスも俺を信じてロボマスターにしてくれた。それで充分さ。」
誠の目は迷うことなくその言葉を告げていた。
太陽は格納庫にいた。格納庫には訓練を終えたジェットとエースもいた。が、太陽はコンボイの側で話していた。
「なあ、ギャラクシーコンボイ。」
「どうした、太陽?」
「その・・・・・・・・ステルスと同じように力を持ってて、怖いって思ったことはなかったか?」
「・・・・・・・・・・何度もある。だが私は、サイバトロンである前に一人のトランスフォーマーとして、私はこの手でその命を救いたいと思う。」
「っ!」
その時太陽は思い出した。自分がマシンロボレスキューに入ったのは、誰かの手を取り、そして助けるためであると。
「太陽、空を飛んでみないか?」
「・・・・・・・ああ!」
太陽はコンボイに乗り、空を飛び始めた。
「エース、すまないが・・・・」
「わかってる。宇宙でのレスキューは、太陽が適任だ。」
コンボイと太陽は雲の上を飛んでいた。どこまでも広がる青い空に白い雲。空の向こうに広がるのは広大なソラ。
その光景に太陽は感動する。
コンボイは急降下し、水平線上を飛行する。
太陽を出迎えるように太陽が姿を現した。
「綺麗だな。空から見る景色って、こんなにきれいだったんだ。」
「ああ。この星は美しい。だからこそ、我々は守るんだ。」
太陽とコンボイが飛んでいる姿を遠くからエースが見ていた。その顔は、清々しい顔であった。
「たく・・・・」
エースが振り向くとそこにはみんながいた。誠が先頭に立ち話す。
「二人だけで勝手に話進めやがって。でも・・・・俺もお前たちに賛成だ。今の不安定な状態を差し引いても、太陽が行った方が成功率は高い。」
「僕たちもそう思うよ。」
「おいらたちとマシンロボの繋がりっていうのは・・・・多分・・・・」
「理屈じゃないんだよね。」
誠の言葉に進が共感し、ショウの言葉を大地が代弁する。
「ファイトですわ、太陽さん。」
「アタシたちもできるだけバックアップするから。」
「頑張ろうよ。」
小百合、アリス、ケンが太陽を応援する。
「教官たちは多分大丈夫ですじゃ納得しない。重大な命令違反を犯すことになるんだぞ。覚悟はあるのか?」
エースの言葉に進、強、大地、ショウは頷いた。そんな光景にエースは笑った。
「よくもまあムチャクチャな連中が集まったもんだな。」
そんなエースに誠は言った。
「安心しろ。お前も立派なその一員だ。」
その光景を宮島が影で見て、そしてその場から去った。
太陽が克服したことを心から喜んでいた。
レッドウィングスシャトルチームの出場準備の際、佐々木に入れ替わりがバレそうになったが宮島が止め、太陽が新たなシャトルロボの姿、シャトルロボに搭乗する。コクピットにはこの世界で作られた四足歩行動物用の宇宙服を着たボンがいた。
「なんでそっちにしたんだよ!」
「だってこっちの着たことないんだもん!」
そしてシャトルロボはスペースロボと合体して宇宙へと出場した。その際に宮島に命令違反としてかかわった全員に基地内全ての掃除が言い渡された。
その頃軌道上では12便の酸素残量が一時間を切っていた。
「酸素の量が、後一時間を切りました。」
海がそう言うと鈴は冷や汗を掻き始める。
「やはりこないな。結局、奴も弱い人間だったって事だ。」
太陽を見下すジェイに鈴は言った。
「太陽は貴方とは違う!どんなに強くても、その力の使い方が間違っているあなたなんかと太陽は違うわ!アタシは太陽を信じてる!」
「黙れ!」
その時ハイパーステルスロボがジェイに告げた。
「ジェイ、高速で熱源が接近中だ。」
そのことにジェイは驚く。ハイパーステルスロボは熱源の方を振り向いた。
「あれは!」
ハイパーステルスの目に映ったのは合体しているシャトルチームの姿であった。シャトルチームは全機分離すると12便を守る様に前に出る。
「鈴、海!無事か!」
「「太陽(君)!」」
二人は太陽の無事に喜んだ。
「貴様!その姿は!」
「シャトルロボだ!もう宇宙はお前たちだけの物じゃない!」
シャトルロボの言葉にジェイは挑戦と受け取った。
「ふん、やる気十分と言うわけか?なら・・・・・・・決着を着けようじゃないか!」
「ヤダね!」
ジェイの言葉をたった一言で太陽は否定した。
「なんだと?」
「俺は戦いに来たんじゃない!みんなを助けに来たんだ!」
「俺との戦いなど、どうでもいいと言うのか!」
「ああ、俺たちはマシンロボレスキューだ!俺たちの力は皆を助けるためのものだ!」
ジェイたその言葉に悔しがる。
「でも、そっちがその気と言うなら・・・・・・・・・」
「俺たちは全力で、レスキューの障害となるものを排除する!」
シャトルロボはハイパーステルスロボを指さした。
「出来る物ならやってみろ!」
ハイパーステルスロボはビームとミサイルを放つが宇宙用に特化したシャトルロボにとってそれをかわすことは容易かった。
「太陽!」
「シャトルロボ!ハイパーモード、合体はじめ!」
太陽のK-BOYの顔が開き、目が光る。
「ハイパーモード、合体はじめ!スペースロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!ブースト!ナックルブースター分離!合体準備よし!ナックルブースター二番機よし!三番機よし!起動、各部異常なし!レスキュー合体、ハイパーシャトルロボ!」
宇宙レスキューのマシンロボ、ハイパーシャトルロボが姿を現した。
「ハイパーシャトルロボ?」
鈴はその光景に驚きを隠せなかった。
「喰らえ!」
ハイパーステルスロボはビームを放つがハイパーシャトルロボはそれを避ける。
「早い!」
ハイパーシャトルロボの拳がハイパーステルスロボに炸裂する。が、ハイパーステルスは態勢を立て直し蹴りを喰らわせる。
「今だ、ステルス!」
「バーストテンペスト!」
ハイパーステルスロボのバーストテンペストが放たれるとハイパーシャトルロボは武器を取り出しそれを防いだ。
「ビームアンカー!」
ハイパーシャトルロボは爆煙に包まれる。
「太陽!」
鈴が声を上げる。が、爆煙が晴れてもハイパーシャトルロボは健在であった。
「全部、落とされた!」
ジェイは驚く。
「いくぞ、シャトル!」
「シャトルパンチャー!」
ハイパーシャトルロボのシャトルパンチャーがハイパーステルスロボに炸裂する。
さすがのハイパーステルスロボも分が悪くなり、ジェイに撤退を勧めた。
「このままじゃマズイ。退くぞ、ジェイ!」
「まだやれる!俺は、あんな奴に負けない!」
「退くことは恥ではない。生き残ることこそ、次の勝利へ繋がる。」
ハイパーステルスロボはそう言うとミサイルを放った。ハイパーシャトルロボはビームアンカーを使い全てのミサイルを撃ち落とした。
そして全てを撃ち落とした後でそこにハイパーステルスロボの姿はなかった。
「・・・・・・・・・今日は助かったな。」
太陽が呟いていると鈴が通信を入れてくる。
「太陽!」
「鈴!海!遅くなって悪い!」
「本当よ。ドキドキだったわよ。」
「あれ、そうなんですか?絶対来るって大見え切って・・・・・」
海が余計なことを負うとしたので鈴は海の首を絞め、睨みつける。
目は言っていた。もし行ったら本気で殺す、と。
海はそれを理解したのか頷いた。
「よろしい。」
そんな時太陽が言った。
「見えて来たぜ。国際宇宙ステーション。」
一同の目の前には国際宇宙ステーションがあった。
「そう言えば、最初の目的地ってあそこだったのよね。」
鈴が当初の目的を思い出した。
「盛大な遠回りでしたけど。」
「それじゃあ、いつのもいくか!」
「戦闘による二次災害、無し!」
『レスキュー完了!』