デザスターの一件から日が経ったMRR基地グラウンドでは一年生の社会科見学のために太陽たちが現場着姿でグラウンドにいた。
「集合!」
宮島が号令をかけると太陽たちは一列に整列する。
「これより、小型ポンプ走を開始する!各員は、待機線に着けー!」
宮島は緊張しながらも指示を出す。太陽たちは「はい!」と返事をして待機線に着く。
(今日の太陽たちは、消火活動の訓練。でも、いつもとは違って小学校の生徒たちが社会科見学に来ているんだ。変な失敗をしなきゃいいんだけど・・・・)
ボンは耳を掻きながらそう思った。
太陽たちが位置に着くと宮島が指示を出す。
「想定火点、前方の赤旗!すぐに、右後方の防火水槽!—――」
そんな中鈴はデザスターのハザードのことを考えていた。そんなことに没頭していた鈴はホースを渡すのを忘れ、結果として小学生たちの前で大地、誠を巻き込んで大失敗をしてしまった。
その頃デザスターの基地ではジェイが四肢を拘束され晒し者にされているステルスロボを見ていた。
「俺のために・・・・ステルス、お前は・・・・・」
ジェイは自分の無力さを悔やんでいた。
「いい格好でアール?」
ジェイはハザードの方を向いた。
「これで自分たちの無力っぷりが身を染みてわかっただろ?」
「貴様!」
「このハザード大佐に感謝したまえ。BLマシンロボが間に合ってなけりゃ今頃ステルスはスクラップ同然。ガラゴロの部品になってたかもしれないんだぜ?」
そう言われるとジェイは言い返せなくなった。
「シュタ!」
ハザードは敬礼をすると言った。
「これからはBLマシンロボに任せて大人しくしているんだな、ジェイ君。」
「ステルスがここまで手こずった相手を貴様らごときが簡単に――――」
そこから先を言おうとするとハザードが腰に備え付けていた鞭の先をジェイに向ける。
「最高司令官に対してその態度はよくねーなー。つーかムカつく。テメェは俺の犬になったんだ。言うこと聞いてりゃいい子ちゃんよ、ぼくぅん?」
自分の立場にジェイは悔しがる。
「まぁ見ておけ。さえた戦略と言うものを教えてやる。何しろ俺様は大佐なんだからな。」
ハザードはそう言うとBLマシンロボの方へ歩き始める。
そしてハザードは姿を消した。
その頃太陽、エース、誠、大地、鈴の五人は格納庫の掃除をしていた。太陽は監督役である。
エースたちは訓練での失敗を愚痴っていた、そこへ純が一人で格納庫に来た。
エースたちはそんな純を見て自慢をしまくるが大地はそれを宥めようとする。すると今度は大地に矛先が向けられた。そんなエースたちに太陽は言った。
「まあ、かっこよく見せ湯って思う気持ちはわからなくないぜ。」
太陽がそう言うとジェットロボが意見をする。
「太陽!レスキューにかっこよさは必要ないだろ!」
「ジェット、言いたいことはわかる。でもな、子供にとって俺たちの職業は憧れなんだ。このマシンロボレスキュー志願者を増やすためには、多少なりともかっこいい姿を見せるってのも必要なんだ。仮に働いて辛いことばかり綴ったら誰だって仕事をしたくなくなる。結果として人員不足といくつもの不祥事によって廃業ってのがオチだ。ある意味レスキューはビジネスでもあるんだよ。」
太陽にそう言われると誰もが言い返せなかった。
「ま、俺たちはそれを知った上で仕事するのが本業なんだけど。」
太陽がそう言うと警報が鳴った。
〈火災指令!臨海コンビナートにて火災発生!出場、マシンロボレスキューレッドウィングス!サイバトロンギャラクシーコンボイ、ソニックボンバー!〉
「行くぞ!エース、鈴!」
「ええ!」
「ああ!ファイヤー、出場準備!」
「了解!」
「俺たちは指令室でサポートだ!」
「うん!」
各々持ち場に着こうとする中、ボンは気づいた。
(あれ?純君は?)
「ボン、急げ!」
「みんなのところに戻ったかな?」
ボンはそう言いながら太陽の方へと向かった。
「ファイヤーロボ、並びにエイダ―ロボ二番機から五番機は大回転ベースへ。」
小百合がアナウンスする中純は基地内でまた迷子になってしまっていた。
「また迷っちゃった。っ!」
そんな時純はウィングライナーに気づいた。純はそうとは知らず好奇心から近づく。
「ファイヤーチーム、並びに化学用消火剤、積み込み完了。」
海が確認をする。
「ウィングライナー、出動!」
鈴がK-BOYを使い指示を出すとウィングライナーは現場に向かい出場する。
その頃臨海コンビナートではBLファイヤーロボが火災現場を歩き、火災を引き起こしていた。その光景をハザードが高笑いをしながらガラゴロの上で見ていた。
「燃えろ!燃えろ!燃え上がれ!派手な炎で盛り上げてくれぇ~~~~~~~~~~~~~っ!」
「おいおい、こんなことしてたら俺の能力の無駄遣いだぜ。」
BLファイヤーロボがハザードに言うとハザードは言った。
「な~にを言ってる?これは、お前のための作戦でもあるのだぞ。」
ハザードのその言葉にBLファイヤーロボは理解できなかったが、ウィングライナーが来た。
「来やがった。」
そのことにハザードは笑みを浮かべた。
ウィングライナーが臨海コンビナートに到着するとファイヤーチームが降ろされる。
「ここどこ?」
タイミング悪くウィングライナーに乗ってしまった純が外に出てしまった。
「モードチェンジ!変形完了!」
ファイヤーロボがエイダ―ロボ各機に指示を出す。
「貯蔵した燃料が完全に燃え尽きるまで鎮火させるのは困難だ。まずは、延焼を防ぐことに専念しよう。」
『了解!』
エイダ―ロボたちは延焼を喰止め始める。
「放水はじめ!」
コンボイとソニックボンバーも空から延焼を防ぎ始める。
「なんて炎だ!」
「火の怖さを思い出したか、エース?」
「ああ。確かに僕は勘違いをしていたよ。この炎は恰好着けてて勝てる相手じゃない!」
「そうだエース。気を引き締めて行くぞ!」
「ああ!」
エースはファイヤーロボと共に火災現状の中を走り始める。
「鈴!海!ウィングライナー変形!第十三浮島への延焼を阻止しろ!」
「了解。海、ウィングライナー変形よ。」
「わかった。」
ウィングライナーは救急機動を始め、ロボットモードに変形すると消火作業を始めた。
その頃太陽は指令室に通信を入れていた。
「こちら太陽!燃焼を防ぐことで精いっぱいの状況です!ジェットチームの第二出場を要請します!」
『わかった。第二出場、ジェットチーム!』
MRR基地からジェットチームが出場する。
ファイヤーロボが消火剤を巻き火を消そうとするが火の勢いは止まらず、逆に増すばかりであった。
「なんだ!全く効いていないぞ!」
「効かないどころか、火の勢いが増しているのか?」
「エースはウィングライナーの方まで下がれ。このままでは君の命にかかわる。」
「ファイヤー!」
ファイヤーロボの言葉にエースは突っかかった。
「私たちは生身の人間ではない。だから、灼熱の炎には耐えることができる。しかし、我々マシンロボは君たちロボマスターを失ってしまったら、何も出来なくなってしまうんだ。」
仲間として、そして一人のパートナーとしてファイヤーロボはエースに言ったのだ。
「ファイヤー・・・・」
「私は大丈夫だ。」
「・・・・・・・・・・・・・わかった。ここでかっこつけてる場合じゃない、そうだろ?」
「そうだ。」
「頼んだぞ、ファイヤー。」
エースはウィングライナーの方へと戻って行った。
その途中、エースは純の鳴き声が聞こえた、エースが向かうと火の中で泣きじゃくっている純の姿があった。
「大丈夫ですか!」
エースは駆け寄る。
「君は!」
「ごめんなさい。僕・・・・いつの間にかウィングライナーに入っちゃってて、ドアが開いたから、帰ろうと思ってて・・・・」
「いいよ、大丈夫。(あの時僕がちゃんと対処していれば、この子は危険にさらされずに済んだんだ。)」
エースがそう思っているとファイヤーロボがいる辺りから激しい爆発がした。
「危ない!」
エースが純を押し倒す形で庇うと火の中からBLファイヤーロボに吹っ飛ばされたファイヤーロボが出て来た。
「貴様は!」
倒れているファイヤーロボの前には自分と瓜二つでありながらも対照的存在、BLファイヤーロボの姿があった。
そんな状況でもエースは冷静に対処していた。エースは純に酸素マスクをかぶせ順に言い聞かせる。
「こういう時に焦りは禁物だ。」
「うん。」
「K-BOY、最も安全なルートを検索してくれ。」
エースはK-BOYを使ってルート検索をさせる。
その頃ファイヤーロボはBLファイヤーロボと火と水を撃ちあっていた。互いに相殺している。
「やるじゃねぇか。偽者のクセに。」
「この火災は貴様のせいか?」
「だったらどうした!」
BLファイヤーロボがファイヤーロボに向かい飛び蹴りを喰らわせる。ファイヤーロボは倒れる。
「許さん・・・・・悪意のある炎は、絶対に許さん!」
ファイヤーロボはBLファイヤーロボを指さす。
「ほざけ偽者!」
BLファイヤーロボが火炎放射をしようとするとエイダ―ロボがBLファイヤーロボに放水をする。
「なんだ!」
「エイダ―ロボ!今だ!」
ファイヤーロボは下がるとゾーンを展開する。
「ゾーン、展開!」
ゾーン展開の光景をハザードは見逃さなかった。
「あれがゾーンか。」
ハザードは片目を録画モードにしてゾーン展開を録画する。
その頃ゾーン内部ではファイヤーチームがBLファイヤーロボと対峙していた。
「寒い寒い、火が足りねぇ!」
BLファイヤーロボがファイヤーチームに火炎放射をする。
エイダ―ロボたちが悲鳴を上げる中、ファイヤーロボはエースに通信を入れる。
「エース、レスキュー合体だ!ハイパーモードで一気にケリを着ける。」
「・・・・・・・・・」
「どうした、エース?」
タイミング悪くエースのK-BOYはルート検索のため、エースの手元から離れていた。
「どうした、エース?早くレスキュー合体の指示を!」
さすがのファイヤーロボも焦っていた。
「マズイ・・・・・・・・ソニックボンバー、ここは任せた!」
コンボイはトランスフォームからのスーパーモードでゾーンに入ろとする。
「フォースチップ、イグニッション!デスマシンガン!」
「「なにっ!?」」
マスターガルバトロンのデスマシンガンがコンボイに炸裂し、コンボイは落ちる。
「これは・・・・・・・・・・・まさか!」
「マスターガルバトロン!」
太陽たちが見る方向には腕を組んでそこに君臨しているマスターガルバトロンの姿があった。
「ちょうど面白いものが見れるんだ。邪魔しないで貰おう。ハザード、やれ!」
「シュタ!了解しました、マスターガルバトロン。作戦開始だ!」
ハザードは黒いK-BOYを突き出す。するとハザードのK-BOYの顔が開き、目が光る。
「BLファイヤー!ハイパーモード、合体開始!」
BLファイヤーロボの目が光るとそれを見たエイダ―ロボたちがBLファイヤーロボの方へと歩き始める。
「どうした、レディたち?そんな、まさか!」
「成程。作戦ってのはこのことか。
ハイパーモード、合体開始!エイダ―ロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!合体準備よし!起動、各部異常なし!完了!BLハイパーファイヤーロボ!」
そのことにファイヤーロボも驚いた。
「エイダ―ロボたちが・・・・・」
「奪われちまった!」
鈴と宮島が声に出して驚く。
「ふざけるな!何がBLハイパーファイヤーロボだ!」
ソニックボンバーがゾーンに入ろうとするがそれをマスターガルバトロンが殴り落とす。
「ぐぁああああああああああ!」
「ふん。所詮この程度か。まあ、少しは憂さ晴らしになるな。」
マスターガルバトロンが鼻を鳴らす中、ハザードは高笑いをしていた。
「だーい成功!さあ、お前の力を見せつけちゃってくれ!BLハイパーファイヤーロボ!」
その言葉に応えるかのようにBLハイパーファイヤーロボはファイヤーロボに火炎放射をする。ファイヤーロボは悲鳴を上げる。
その頃エースは身を低くし、煙を吸わないようにしていた。
「もう少しの辛抱だ。」
エースがそう言った直後、K-BOYが戻ってきた。
「K-BOY。」
K-BOYの画面にルートが出される。
「よし、そっちか。ん!」
その時エースのK-BOYの画面にBLハイパーファイヤーロボが映し出された。
「な、なんだこれは!」
エースは驚きを隠せなかった。
ゾーン内では倒れているファイヤーロボをBlハイパーファイヤーロボが踏みつけていた。
「どうした?どうした?仲間を返して欲しくりゃ、力づくで奪い返してみろ!」
BLハイパーファイヤーロボはそう言うと再びファイヤーロボに火炎放射をする。ファイヤーロボが悲鳴を上げる。
「ファイヤー!離脱だ!ハイパーモードの相手じゃ!」
「し、しかし!」
太陽がK-BOYで通信していると画面にエースが映し出された。
「太陽!これは一体どういうことなんだ!」
「敵にエイダ―ロボを取られた!それよりそっちは何をしているんだ!」
「要救助者一名を確保!これより帰還する!」
エースがそう言うとモニターに火炎放射に苦しむファイヤーロボの姿が映しされていた。そして画面が砂嵐になった。
「ファイヤー!」
エースが叫ぶと同時にゾーンが解除され、ファイヤーロボが落ちてくる。そして高笑いをしながらBLハイパーファイヤーロボが舞い降りる。
「こんの!」
「舐めるな!」
コンボイとソニックボンバーが銃火器を放ち、マスターガルバトロンに一矢報いようとするがマスターガルバトロンのデスマシンガンが二人を叩き落とす。
「ぐぁあああああああ!」
「クッソ――――――――!」
その光景をハザードは高笑いをしながら見ていた。
「強ぇ!強ぇ!BLハイパーファイヤー最高!でも、そろそろ火も弱まっちまってきちまったな。今日はこれぐらいで引き揚げるぞ。」
「なんだよ?面白くなってきたところだってのに。」
「お前には、次の災害を引き起こしてもらわなければいけない。」
ハザードはそう言いながらガラゴロでBLハイパーファイヤーロボを回収する。
「本当の楽しみは後で取っておくもんだ。」
「わかったよ。今日は合体できただけで良しとしといてやらぁ。」
「そうそう、本当の楽しみはこれからなんだよ!シュタ!」
ハザードは倒れるファイヤーロボを見下ろしながら高笑いをし、その場を去った。
「じゃ、俺も行くか。トランスフォーム!」
マスターガルバトロンもその場から飛び去った。