出撃!マシンロボレスキュー ギャラクシーと共に   作:ザルバ

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 レスキューの最中に手の甲に怪我を負った誠は病院に来ていた。自分で自分を責めた誠は病院内がK-BOYが使えないことに気づき電源を落とそうとした。

 K-BOYを見ていると先日父と話したことを思い出した。

 マシンロボレスキューの活躍を見て警視庁でもマシンロボ部隊の設立を計画することとなった。その候補として挙がったのが誠であった。誠は嬉しい反面、戸惑いもあった。

 マシンロボレスキューとしてこれから生きていくか、それとも父の下でマシンロボ部隊として働くか、板挟みになっていた。

 誠はポリスロボに相談するがポリスロボは誠に言った。

「これは君自身が決めることだ。」

 誠にとって、それは人生を左右する決断でもあった。

 そんなことを思いながらK-BOYの顔と睨めっこをしていると女性が声を掛けて来た。

「すみません。病院内では携帯電話の電源をお切り下さい。」

 誠はそう言われると慌てて電源を切った。

「すいません。っ!」

 誠は白衣を着た同い年の女性に見とれてしまった。

「私もたまにするんですけど、医療機器に影響を与えちゃいますから。」

 その子の言葉がまるで耳に入ってないかのように誠は頬を赤らめていた。

 誠にとって初めての来いという感情が芽生えた瞬間ともいえよう。

 

 誠は担当医である女の子、早乙女亜紀の短刀病室へ案内され、椅子に座っていた。

「貴方が愛川誠さんですね?私が担当医の早乙亜希と・・・・・・・あっ!」

 亜希は何もない所で転んでしまい、トレイに乗せていた注射やハサミを誠に向け飛ばしてしまう。だが誠は持ち前のサバイバルナチュラルで回避する。

 顔スレスレの注射器を回避すると誠は安堵する。

「ご、ごめんさい!」

 亜希が謝ると看護婦の女性が入ってくる。

「早乙女先生、またやっちゃったんですか?」

 亜希は苦笑いすると誠は「また?」と疑問に思う。

「大丈夫ですよ。こう見えても早乙女先生はとっても優秀なお医者様―――」

 看護婦が説明をするが亜希はまた転んでしまった。

「—―――なんです。これでも。」

 看護婦も若干苦笑いをしていた。転んでいる亜希は誠を心配する。何故か頭にスリッパを乗せて。これができる方がすごいが。

「あの、傷を拝見してもよろしいですか?」

「は、はい。」

 誠はそんなドジなところも惚れてしまっていた。そんな時病室に一本の電話が入った。看護婦がその電話に出た。

「はい?はい、わかりました。受け入れの準備をします。」

 看護婦がそう言うと血相を変えて亜希に言った。

「先生!」

 その言葉を理解している亜希は頷くと誠に言った。

「ごめんなさい!少しの間待っててください!」

 そう言うと二人は救急搬送される患者の元へと向かった。

 

 場所が変わって急患を受け入れる場所では亜希が搬送員から患者の状態を聞いていた。

「三十代男性、現在JCS300。血圧81の62。パルス40。呼吸は不正!」

「挿管の準備を!」

「はい!」

「ソリタT1の500でライン取って。それから安否を!」

「血圧60に落ちました!」

「ボスミントを入れて、早く!」

 先程までとは違い、適切な処置に適切な対応をしているのを誠は影から見て、

感心していた。

 

 急患の処置が終わると亜希は誠の処置をし、そして誠は待合場で亜希を待っていた。

「すみません。今日は後回しにしてしまって。」

 頭を下げて謝る秋に対し誠は顔を赤くしながら言った。

「いえ。あの患者の方が緊急度が高かったですし、それに、僕の処置も本当に見事でした。」

 その言葉を聞いて亜希は笑顔で言った。

「ありがとうございます。」

 その笑顔に誠は本当の意味で心を奪われ、顔を赤くした。それを勘違いしてか亜希は誠の額に手を当てる。

「どうかしましたか?まさか傷口から雑菌が!」

 急接近され、鼻からジェット噴射の勢いで鼻息を噴いた誠は少し距離を取って敬礼をしていった。

「な、なんでもありません!自分は、大丈夫であります!」

 明らかに恋の病にかかっている誠であった。

 そんなところへ子供の患者が来た。

「亜希先生!」

「桂君。」

「僕もう決まったよ。」

「何が?」

 亜希は桂が言っている意味が分からなかった。

「来週の誕生日の。先生は?」

「来週?あっ!」

 桂の言いたいことを思い出した亜希は苦笑いしながら答えた。

「大丈夫よ。もうばっちり。」

「やったー!楽しみにしててね!」

 桂はそう言いながら手を振って去って行った。

「受け持ちの患者さんですか?」

「え?ええ・・・・あの、愛川さん。」

 亜希は恥ずかしそうに誠にあるお願いをした。

 

 治療を終えた誠が大志館に戻ると一人上の空であった。

「どうしたんだ、こいつ?」

「帰ってからずっとこうなのよ。」

「怪我したのは頭じゃないよな?」

 太陽が頬を引っ張り、エースがペンで頭を突くが全く反応しない。鈴は太陽に今の誠の状態を説明した。

 そんな時誠のK-BOYが鳴った。誠は驚きながら緊張気味に出た。

「はい!愛川誠であります!はい!明日1300了解しました!」

 誠は電話を終えると緊張が解け、一息吐いた。

「亜希さん・・・・」

「あきって誰?」

「亜希さんと言うのは本日誠君が行った臨海総合病院です。治療したのは・・・・」

 鈴の問いに答えるように海が興味本位に調べていた。職権乱用である。それを面白がっているケン、ショウ、進、強

「早乙女亜紀、13歳。特殊才能育成法により11歳で医師免許資格を取得。」

「これは・・・・」

「ええ。あのクールな誠君の壊れっぷり。」

「うん。」

「間違いないな。」

 一同ある結論に至った。

『デートだね。』

 他人のことを楽しむ子がいるのは怖い話である。

 

 翌日、太陽とアリス以外の全員が誠の恋の武運を祈って見送った。

(仕事をしていなくて大丈夫なのか?)

 太陽はそう思いながらグラウンドを見る。グラウンドに真マシンロボ一同誠へのエールを描いた旗を広げていた。

(まぁ・・・・・・・・あの誠が恋をするんだから応援したいのはわかるが・・・・・・)

 少しやりすぎなところに太陽は呆れていた。

 そしてみんなでデート中継の鑑賞会をしていた。

(そういや、俺あっちの世界でも恋したことなかったな。)

 太陽はそう思いながらK-BOYの手入れをしていると鈴が太陽に話しかけて来た。

「ねえ、太陽。」

「なんだ、鈴?」

「太陽はさ、その・・・・・・・・す、好きな人とかいたの?」

(鈴/遙君が直球的質問をしてきた!)

 まさかの直球な鈴の質問に皆は誠のデートを気にしながら耳を傾ける。

「なかったな。第一、俺はずっと宇宙で生活してたから。それに恋とか愛とかって経験がからっきしなんだよ。」

「そ、そうなんだ。」

 少し嬉しそうな顔をする鈴。しかし太陽はそんな鈴を見ずに黙々とK-BOYの手入れをする。

(あの鈍感が無かったらいい物件なのに・・・・・)

 その場にいる誰もがそう思った。

 

 翌日、誠がデートを終えて少し有頂天になっている時に出場指令が入った。

〈火災指令!東京湾岸発電所にて火災発生!出場、レッドウィングス及びサイバトロン!〉

 MRR基地からウィングライナー、コンボイ、ソニックボンバー、ファングウルフが出場する。

 MRR基地では火災による二次被害を予測していた。

「火災の影響で臨海地区に15万世帯で停電が発生しています!」

「公共の施設などで混乱が起きてないか確認して。」

「はい。」

 小百合が報告し、マリーが状況確認を頼んだ。その時誠はあることに気づいた。

「臨海地区には亜希さんの病院が!」

 誠は心配したが病院には非常用の発電設備があり、病院長も心配はしていなかった。

 だが、非常用とは言えで定期メンテ前だったのが仇となってしまった。

 非常発電設備に不具合が発生し爆発が発生、臨海病院は爆発火災を起こした。

 亜希は一人桂を逃がして病院内にいた。誠はレスキュー隊員としてではなく一人の男として亜希を助けたい一心で向かっていたがそれをアリスが止めた。

 普段クールな誠がこうも取り乱すこと自体、アリスたちブルーサイレンズ、マシンロボレスキューにとって危険極まりなかった。

 そんな時亜希から誠に連絡が入った。亜希自身、不治の病に侵され、治ることはないことはわかっていた。彼女自身、諦めていた。しかし誠はそんな亜希に諦めるなと言った。

 その時の誠はレスキュー隊員としてではなく、彼女を愛する一人の男性として話していた。

 そして誠はアリスたちのサポートの下、亜希を救出に成功した。

 だが、彼女自身の寿命が来てしまい、誠の目の前で彼女は息絶えた。

 

 亜希が埋葬される日、ブルーサイレンズに出場要請が掛かった。

 誠は彼女を救えなかった悲しみを乗り越え、目の前の命を救おうと懸命にレスキューをしていた。

 

 夜の大志館で一人誠は食堂で椅子に座り、月を眺めていた。そこへ太陽が二つのコップとブドウジュースを手に近づいて来た。

「誠、隣いいか?」

「太陽・・・・・・ああ。」

 太陽は誠の隣に座るとコップにブドウジュースを注ぎ始めた。

「俺たちはまだ子供だから、ジュースで我慢だ。」

「・・・・・・・・・・・すまない。」

そう言ってブドウジュースの入ったコップを差し出す太陽に誠は礼を言って受け取る。

「いいって。俺もさ、あっちの世界で大事な仲間が死んでしまった時は悲しくて少し酒を飲んだよ。宇宙じゃ酔いが早く回るから少ししか飲めなかったんだけどな。」

「そうか。」

 誠はブドウジュースを口に運んだ。

「なあ、太陽。」

「なんだ?」

「亜希さんは・・・・・・・・幸せだったのかな?俺にはわかんないんだ。レスキュー隊員になって全ての命を救えないのはわかってる。でも・・・・・・・」

「・・・・・・・」

 そう語りながら涙を流す誠に太陽はこう告げた。

「少なくとも、俺は幸せだったと思うぜ。だってよ、死ぬ前に心から愛してくれる人に見守られてもらえたんだ。幸せじゃないわけがない。」

「・・・・・・・・・・そうか。」

「・・・・・・・・・・今日は付きあってやるぜ。」

 太陽はそう言うと空になった誠のコップにブドウジュースを注いだ。

 

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