水道橋ラボ。そこには太陽と通が対峙して座っていた。
「しかし、こうして君と話すのは初めてだね。」
「そうですね。俺もレスキューとかで忙しかったですし。でも急にどうしたんですか?俺と話がしたいなんて。」
太陽はテーブルに置かれたコーヒーを飲む。
「ああ。今日は君の意見を聞きたくてね。」
「俺の意見?」
通の言葉に太陽は首を傾げる。
「どうして彼らのレスキューは危なっかしいのかとね。マシンロボレスキューを行いながらも常に危険が付いて回っている。彼らはマシンロボレスキューが何たるかを改めるべきではないかと思ってるんだ。」
「そうですか・・・・・・・・・でも皆自分がなりたくてなっているんです。その必要はないかと思いますよ。」
「どうしてそう言えるんだい?」
太陽の言葉に通は疑問に思う。
「どうしてって・・・・・・・・う~ん、見てきたからですかね?」
「見てきた?それなら僕もデータを――――」
「そう言うんじゃないんです。科学者的考えで言えばそれも見てきたと言えます。でも現場だと違うんです。データは結果論ですけど現場は経験論。いつ予想できない二次災害や敵、そんなものを俺たちは相手にしています。そんなのを見ているとわかってくるんです。みんな本気なんだって。」
「・・・・・・・・・・・・・成程。太陽くんの言い分はわかった。でもマシンロボの性能は120%発揮してほしいと僕は思っている。」
「それ、科学者が言う言葉じゃないですよ。」
「はは、そうだね。」
通はそう言うとコーヒーを飲んだ。
「しかし・・・・・・どうも緊張感を感じられないな。」
「無理もないですよ。いくらマシンロボレスキューに努めているとは言えど子供です。イクラ特別才能育成法で職業に就けるとは言えど中身は子供なんです。緊張感よりも好奇心なんかが勝ってしまいますし。」
「そうか・・・・・・・・・よくよく考えればそうだったね。みんな当たり前に大人と同じ扱いをしているけど、君たちが子どもだと言うことを忘れてしまったよ。」
通はそう言うと窓の外を見た。
「僕はね、こんな体だから君たちとは違って研究所で缶詰の生活をしている。だけど君田と同じようにレスキューに対する思いは強いつもりだ。起こりうる災害を最小限に防ぎ、増える要救助者を一人でも多く救うことを目標としている。」
「その思い、分かります。俺も向こうの宇宙で救えなかった仲間がいます。中には仕方なく犠牲が発生したのもありました。」
太陽はカップを両手で握り、俯く。
「頭ではわかっているんです。全てを救えないって。でも・・・・・・」
「救いたい、かい?」
通の言葉に太陽は頷いた。
「そうだね。どんなに頑張っても現実は残酷だ。それでも僕らは理想を求める。その理想を実現するのは無理かもしれない。だが限りなく近づけることは出来る。頑張っていこう。」
通はそう言うと手を差し出し、太陽はその手を握った。
「ええ、お互い頑張っていきましょう。」