出撃!マシンロボレスキュー ギャラクシーと共に   作:ザルバ

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 MRR基地で各隊員に成績表が渡された。

 太陽はA+、誠はA、エースはA-であった。エースは自分の成績に納得がいかず、宮島に抗議をしたが宮島はA-の意味は自分たちの願いであると伝えた。しかしエースは納得はしなかった。

 

 格納庫でエースはファイヤーロボに愚痴を言っていた。

「たく教官たちったらさ、その欠点が何か教えてくれないんだぜ。」

「心当たりはないのか?」

「全然さ。僕と来たら頭良し、顔良し、運動神経も抜群。性格もいいと来てるんだから。」

「それは普通自分で言わないじゃないのか?」

「そうだな。」

 太陽からプログラミングを受けているファーストが相槌を打つ。そこへ双眼鏡を持った鈴、海、ジェイが来た。

「アンタのはね、性格がいいんじゃなくて、いい性格してるって言うの。」

 鈴の言葉にジェイが疑問を持つ。

「正確がいいといい性格はどう違うんだ?」

「正確がいいのは、アタシみたいに素直で優しくて思いやりのある事。いい性格って言うのは――――」

「この二人の様に自分の性格がいいと恥ずかしげなく言える人のことを指します。」

 ジェイへと海がそう言うと鈴は海のほっぺを横へ思いっきり引っ張る。

「・・・・・・・・・・なんとなくわかった。」

 ジェイは何となくだが理解した。

「相変わらずここは賑やかだね。」

 そう言いながら通が格納庫前に来た。

『通さん!』

「やあ。今日は非番かい?」

「いえ、マリー教官と佐々木教官が出張なんで授業の時間が開いたんです。」

 鈴が説明すると通はあることを思い出した。

「ああ。世界防災会議だっけ?長官も出席しているみたいだね。ところで、なんでそんなもの持ってるの?」

 通が鈴たちが持っている双眼鏡に目が行った。

 

 鈴たち(太陽を除いた)は浜辺で双眼鏡を覗き込みながらある船を探していた。

「あ!見えた!」

 大地が誰よりも先に見つけた。

「え?どこどこ?」

「二時の方向。距離、3280m。」

 アリスの疑問い大地が答えるとそこには豪華客船が航行していた。

「いた!あれが!」

「ポセイドン三世号ですよ!」

 鈴も見つけ海が船の名前を言う。

「はー、すっごいっすねー!」

「なんだ。ただの船じゃないか。」

 ショウが感心し、ジェイが呆れると海が説明を入れる。

「ただの船?それは大きな間違いです!」

「電磁推進システムにより、最高速度70ノット、時速129kmのスピードを誇る最新の超豪華客船さ!」

 そう言ってから説明しようとした海の場面をエースに取られる。

「電磁推進って?」

「それはですね―――」

 鈴の疑問に海が答えようとすると進が邪魔をする。

「スクリューじゃなくて、巨大な磁場を作って進んだよ。」

「つまり―――」

「リニアモーターカーの船だってかんじさ。」

 ことごとく自分の出番を潰されて海は涙目になる。

「あんな船で一緒に旅が出来たら素敵でしょうね。ねえ、鈴さん?」

「え!なんでアタシなのよ!」

「うふふ、さあ、どうしてでしょう?」

 小悪魔な小百合である。

 そんな時大地が気付いた。

「あれ?船の進行方向にタンカーが。でも、なんか加速してる!」

「まさか、コントロールを失っているのか!」

 エースがそう言った途端、まるで引き寄せ合う様にタンカーとポセイドン三世は衝突した。

「っ!今の音は!」

「え?何か言聞こえた?」

 格納庫にいるジェットロボがそう言うと通が聞いた。

「巨大なものが・・・・」

「衝突した音だった。」

 それはファーストにも聞こえていた。

 そしてポセイドン三世の電磁推進に異常が発生する。推進装置が暴走し、高い音が鳴り響いた。

「っ!」

 太陽は耳を抑える。

「どうしたんだ、太陽?この音なのか?」

「ああ・・・・・・・・・・これってどこかで聞いたような・・・」

 太陽は耳を抑えながらファーストに返事をする。近くにいたボンも耳を抑えていた。

 すると突然森にいた野鳥が一斉に飛び立った。

「海難事故か?なら僕の出番だ!」

「待て。まずはじょう・・・・・・・・きょう・・・・うぉ・・・・・」

「ファイヤー?」

「どうしたんだ?」

 通とファーストが尋ねるがファイヤーは全く返事をしない。それどころか格納庫にいた全てのリーダーロボが動かなくなってしまった。

 宮島が出場指示を出そうとした時に通がそのことを伝え。メンテナンスチームが再起動を試みるが全く反応が無かった。唯一の救いはサポートロボとコンボイ、ソニックボンバー、ファーストなどのサイバトロンが動くことであった。

 非常コンテナに太陽たちは乗り、現場を確認する。

「幸いにもタンカーがほとんど空だったのが救いだ。」

 宮島はそう口にした。

 現場には避難船が避難していたが、それでもまだ大多数の人が船内に取り残されていた。

 宮島が船長に避難状況を聞く。

「避難状況は?」

「第三から第九デッキまでは確認しました。ですが、浸水している第二デッキから下と避難している第十、十一デッキのお客様がまだ・・・・」

 報告を聞くと宮島は指示を飛ばす。

「進、重傷者を。」

「了解!」

「誠、そっちはどうだ?」

『タンカー乗組員全員確保。負傷者無し。基地に搬送次第すぐに戻ります。』

『アタシたちもすぐに現着します。』

 誠、鈴の報告を受けて宮島は次の指示を飛ばした。

「俺たちは突入して人命検索を行う。」

「エースに任せな!」

 エースがそう返事をした時であった。二人のサバイバルナチュラルが働いた。

「危ない!」

「上だ!」

 そう言った途端、当然船上部が爆破し、瓦礫が落ちてくる。瓦礫の真下には兎の人形を抱き抱えた女の子がいた。

 誰よりも宮島が動き、少女を庇った瞬間に宮島にへと瓦礫が降り注いだが宮島が少女を抱きしめた事で少女に怪我はなかった。

 だが宮島は倒れてしまう。

『宮島教官!』

 太陽はすぐに宮島のケガを確認する。

「瞳孔両目左右対称問題無し。頭部出血少量。これなら簡易処置で間に合う。」

 太陽は救急パックの中から水とガーゼと包帯を取り出して応急処置を施した。

 そしてそのことはマシンロボレスキュー隊員全員に伝達された。

搬送される直前、宮島はエースにあることを言った。

「エース、ここから先はお前が指揮を取れ。」

 搬送される宮島を見送っているエースに大地と誠が話しかける。

「話は聞いたよ。」

「頼むぞ、エース。」

 だがエースはパニック状態になっていた。突然任された全体指揮、避難が出来ていない要救助者。そんなエースに太陽が近づくとヘルメットを取った。

「エース、ヘルメットを取ってこっちに向け。」

「え?」

 エースは言われるがままヘルメットを取る。その後に…太陽の頭突きを喰らった。

「痛っ!なにをするんだ!」

「しっかりしろよ!災害に関する知識はお前が一番なんだろ!いつもの自信で、指示を出せ!それが指揮を取る立場ってもんだろ!」

「太陽・・・・・ありがとう。」

 太陽に励まされエースは正気を取り戻す。

「鈴、スカイロボに冷凍弾を搭載。ソニックボンバーと共に原油の処理に当たらせろ。」

『了解。』

「海はエイダ―ロボとギャラクシーコンボイ共に消火を。」

『了解です。』

「強、ヘリコプターロボで上部デッキのチェック!」

「了解!」

「ショウは海面下からアクアロボで船体の損傷を確認。」

「了解っす!」

「アリスはサイレンギャリーで救命ボートの収容。」

『アリスにお任せ!』

「小百合とケンはドーザーロボとバイクロボ、でギアダンプ上からファーストと一緒に消火に当たれ。」

『了解!』

 エースは的確に指示を飛ばす。

「ジェイ、太陽、大地、誠。僕らは船内の人命検索を行う。」

『了解!』

 エースの指示に太陽と誠以外は返事をした。そこで誠が異議を唱えた。

「一つだけマズくないか?」

「え?」

「指揮官がこの場から離れることだよ。」

 誠の言葉を太陽が代弁した。

「コンボイみたいに戦場なら指揮官が前線に出てもおかしくないが、これはレスキューだ。お前がここから離れたら緊急時に対応が取れなくなっちまうだろ?」

「そ、そうだな・・・・・・訂正する。太陽とジェイは第九デッキから上を捜索。誠と大地は下の人命検索に当たってくれ。」

「「了解。」」

 エースの指示で四人は人命検索を行う。だがエース自身は動けないもどかしさに手に持つK-BOYを握り締めていた。

 

 その頃通は格納庫でマシンロボの再起動を試みていた。

「ダメだ。どうして目覚めない?」

 悩む通。その側でボンが悲鳴を上げていた。

「ボン君、少し黙っててもらえないか?さっきからどうしたんだ?」

「だってさっきから変な音が聞こえるんだよ。こう・・・キーンって感じの音が。」

「音?」

 通がボンの言葉に疑問を持つと海上なので待機していたライガージャックとファングウルフ、サイドスが言った。

「確かに俺たちにも聞こえるな。この嫌な音。」

「モスキート音と言うのだっけな?高すぎて我々アニマトロスには痛いものだ。」

「事故からずっとこの音が耳に入ってまともに待機できそうにないわい。」

 それを聞いて通はある仮説に辿り着いた。

 

 その頃現状では着実に作業を行っていた。

 ジェイと太陽は船内上部の人命検索を行っていた。

 そんな時、エースに通から通信が入る。

『ジェイ君!』

「はい?」

『大至急確認して欲しいことがある。』

 

 その頃船内では要救助者の捜索が行われていた。

「マシンロボレスキューです!」

「誰かいないか!助けに来たぞ!」

 太陽とジェイがそう呼びかけると通路の奥から一人の男性が姿を現した。

「大丈夫か?」

「しっかりしてください!」

 ジェイと太陽が駆け寄る。

「この先の、ロムナードに、まだ子供が・・・・」

 要救助者の男性は咳をする。

「・・・・・・・・・・・ジェイ、この人を頼む。俺はもう一人の要救助者の方に向かう。」

「人命検索は最低でも二人必要だと教わったぞ。」

「わかってる。けどさっきの爆発がもし予兆だとしたら、とんでもないことになる。その前に人命救助をするんだ。」

「・・・・・・・・・・・わかった。」

 太陽に説得されジェイは承諾する。

「これを持っておけ。少しはマシになるはずだ。」

 ジェイは消火銃を太陽に手渡すと男性を担ぐ。

「恩に着る。」

 太陽はそう言うと奥へと人命検索に当たった。

 

 その頃誠と大地はコントロールルームに急いで向かっていた。

「エース、コントロールルームに着いたぞ。」

『モーターは?』

「フルパワーで動いているよ!」

『すぐに停止させるんだ!』

 通が通信越しで仮説を述べる。

「動物にしか聞こえない超音波、動き続けていた電磁推進モーター。注手起動不能になったマシンAI。僕の考えが正しければ・・・・・」

「あったよ、メインスイッチ!」

『切れ!』

 エースの指示の元、メインスイッチを全て切る。それと共に電磁推進モーターは停止する。

「再起動!」

 通が指示を飛ばし、メンテナンスの人たちが再起動プログラムを動かす。

 すると全てのマシンロボが再起動をした。

 エースは進にすぐに基地に戻るように指示を出し、マシンコマンダーにファイヤーロボ、ジャイロロボ、ドリルロボを搭載するように指示を飛ばした。

 エースはジェイに通信を取ろうとするがすでにジェイはエースの元に要救助者を運んでいた。エースは太陽がいないことに気づきジェイに問うと要救助者を助けに1人で行ったとジェイは素直に答えた。

 その時太陽から通信が入った。

「太陽!お前―――!」

『エース、マシンロボは全機動けるか?』

「は?お前何言って・・・・」

「いいから!」

『ぜ、全機動ける。どうかしたのか?』

「要救助者を発見した。けど脈が弱ってて通常経路で戻ったら間に合わなくなる可能性がある。俺が窓を少しレーザーで溶かすからジェットかステルスに窓を壊して救助に当たらせてくれ。」

『わかった。ジェット!』

「了解!」

 太陽はペンダントを前に突き出しレーザーを放った。それによって窓に穴が開いた。

「あそこか!」

 ジェットは窓に近づき拳を突いて窓を壊す。太陽は子供を抱えてジェットの掌の上に載った。

「今だ、エース!」

「了解!マシンコマンダー!」

「ステルス!」

「サブマリンロボ!」

 エース、ジェイ、ショウが自分のK-BOYを掲げる。

「「Vモード、合体はじめ!」」

「ハイパーモード、合体はじめ!」

 三人のK-BOYの顔が開き、目が光る。

「「Vモード、合体はじめ!」」

「ハイパーモード、合体はじめ!」

 それぞれVモードとハイパーモードへ合体を完了する。

 船底にいたハイパーサブマリンロボがポセイドン三世を離す。そこへマシンコマンダーロボVがデュアルトルネードを放ち船内の火を吹き消した。

 アリスはその光景に「無人の船だからできる荒技ね。」と苦笑いをしていた。

 それを見届けた後にエースは慣れない指揮のせいか倒れてしまった。

 

 救助を終えた太陽たちに通が今回の事態のことを説明した。

「今回のトラブルの原因はこれだよ。」

 通は音叉を叩く。するともう一つあった音叉が揺れた。

「成程。共振によってこうなったんですね。」

「どういうこと?」

 納得する太陽に鈴が尋ねる。

「固有周波数って言う・・・・・・・・・・簡単に行ったら相性の方がいいかな?その相性のいいもの同士が互いに振動する。それが共振だ。モスキート音みたいにものすごく歌界音だったから耳にキーンって来るんだ。」

「え?でもアタシたち聞こえなかったわよ。」

「多分聞こえにくくなったとしかもしくは耳掃除してないかのどちらかだな。ボンなんかの動物は人間に比べて何十倍も耳がいいから聞こえるんだ。人間で例えるとずっと頭を揺らされてるんだ。動くこともできなくて当然だ。」

「今回はボンとアニマトロスチームのおかげで解決できたんだ。今回は僕のミスだ。確率が数百万分の一とはいえど、予想するべきだった。約束するよ、二度とこんな事故を起こさないと。」

 

 その頃エースは保健室で宮島の隣で横になっていた。

 そこでエースは宮島から答えを聞かされた。

 エースは何でもできてしまう。だがその反面人に頼ろうとしない点がある。レスキューはチームでやるべき問うことを改めて教えられたのであった。

 

 夜、海風が吹くテラスで鈴は太陽から耳掃除を受けていた。

「は、恥ずかしいじゃない///////」

「黙ってなさい。ほら、こんなにおっきいのが取れた。いくら耳垢が自然と外に出ると言ってもお前のは堅いんだからこまめにしておけって。」

 その光景を小百合とアリスがにやにやしながら写真に収めていた。

 後日、二人が鈴を弄る材料にしたのは別の話である。

 

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