MRR基地大志館の食堂で太陽たちは食事を取っていた。
今日はジェイにとって初めての休暇であるが、ジェイ自身一般常識に欠けていることをみんなすっかり忘れていた。
「なあ、ジェイ。今日は初めての休暇だけど何か予定はあるのか?」
「なにするの?」
太陽がジェイに尋ねると大地も気になって聞いて来た。
「休みは戦いに備えて休むものじゃないのか?」
それを聞くと一同は騒いだ。
「自分の好きなことをしていいのよ。」
「自分の好きなこと?」
鈴の言葉を復唱するジェイ。
(そういえば・・・・・・バトル脳だったっけ。)
太陽は改めてジェイのことを思い出した。
ジェイはデザスターに洗脳されていたため戦い以外は休むべきと言う考えしか持ってなかった。
普通の人は休みの日はごろごろするか外出するか、もしくは自分御好きなことをするかのどれかであるがジェイにはそのどれも当てはまらなかった。
そんな時、善次郎とさとこの声が厨房から聞こえてくる。
「おまえさん、買い置きの塩知らないかい?」
「いっけねぇ。使っちまったんだった。」
「晩御飯、おにぎりにしようと思ってたのに・・・・・・塩が無いんじゃ無理ねぇ。」
おにぎりと来てジェイは表情が明るくなったが無理と聞くなり悲しい表情になった。
その時ジェイがあることを思いついた。そんなジェイの表情から何となく太陽にはそれが分かった。
「それじゃあ5kg入りの塩を一袋お願いね。」
「わかった。」
大志館お玄関前でさとこはジェイにお使いを頼んだ。
「気を付けて行くんだよ。はい。」
さとこはジェイに財布を渡すとジェイはそれをしっかり受け取った。
そんなジェイは影でこっそり鈴たちが見ていた。
「ジェイ君、初めてのお使いだね。」
「皆さんから学んだことを活かせる時が来ましたわ!」
大地がそう言う小百合は嬉しそうにそう言った。
買い物に行こうとしているジェイに太陽が近づいた。
「おーい。」
「太陽?何か用か?」
「ああ。これ持っていけ。」
太陽は小型のナビを手渡した。
「なんだ、これは?」
「小型のナビだ。K-BOYだと周りの子供に気づかれて買い物が上手く行かないかもしれないからな。ほら、K-BOYって身分証だし。」
「成程・・・・・ありがたく使わせてもらう。」
「ああ。俺はファーストのテストがあるから一緒に行けないが・・・・・・・・・・変なこと起こすなよ。」
太陽はそう心配しながら去った。
誰もいない採掘場。
特別に許可をもらいファーストのテストが行われていた。
「んじゃ最初は機動性からだ。目の前にあるポーンを避けながら航行してくれ。」
「わかった。」
ファーストのコックピットで太陽が指示を出すとファーストはホバリングをして高い機動性を活かしてポーンを避けながら進む。
「どうだ?」
「う~ん、当たりかけているのが何回かあったな。もし現場の障害物だったら掠っただけでもタイムロスになる。安全を配慮しつつも確実に早く行けるようにしておかないといけないな。」
「そうか・・・・・難しいな。」
太陽がファーストと話していると太陽のK-BOYに電話がかかってきた。
「悪い。はい、もしもし?」
『あ、太陽。実はジェイのことで・・・・』
「何か問題を起こしたのか?」
『ううん。ジェイがひったくり犯を捕まえたの。その際にひったくりに暴力を加えようとしたんだけどおじいさんが止めたの。』
「そのおじいさんには感謝しないとな。てか・・・・・・・・・お前仕事は?」
『し、してるわよ!ジェイを見ながら・・・・』
「あー・・・・・そっか。うん、そうか。わかった。」
鈴の返答に太陽は呆れ顔でそう返すと電話を切った。
「なんだったんだ?」
「ただの親心からの電話だ。気にするな。次はこの砲台を使った放水だな。あの的に放水してくれ。射程距離はわかってるよな?」
「もちろんだ!いくぞ!」
ファーストは言われた距離に接近すると的へと向けて放水を始める。
「どうだ?」
「うん。射程距離は申し分なし。威力も十分だ。後は他に消火弾が放てるかどうか確かめたいものだな。じゃあ俺一旦降りるから。」
「わかった。」
ファーストは放水を止めるとコックピットを開けて太陽を降ろす。
「んじゃ、トランスフォームしてくれ。」
「わかった。トランスフォーム。」
「違う!」
「え!」
ファーストがトランスフォームと叫ぼうとすると太陽が怒鳴り声を上げる。
「声には気が無い!もう一度!」
「と、トランスフォーム!」
「全然足りん!もう一度!」
「トランスフォーム!」
「気合が足りない!もう一度!」
しばらくの間ファーストはトランスフォームの掛け声の練習をさせられた。
ちなみにこれはトランスフォーマーにとってとっても大事な面です。ご理解ください。
しばらく練習をしていると今度は大地から電話がかかってきた。
「今度はなんだ?」
『ジェイ君がおじいさんと一緒に行動して蜂に大量に刺されたんだ。』
「買い物じゃなかったのか?」
『ええっと・・・・・・いろいろあって・・・・・・』告げられた事に思わず呆れて聞く太陽に聞かれた大地は言葉を濁す。
「まあ・・・・・・・・・・次アナフィラキシーになったらたまったもんじゃないからどの蜂に刺されたか種類を特定しておいてくれないか?」
『うん、わかった。』
ふーと息を吐いてそう指示を出した後に太陽は電話を切る。
「なんだったんだ?」
「大したことじゃないと思うぞ・・・・・・・・・・・・多分。」
「今すっごい間を開けなかったか?」
返答にファーストは気になったが太陽の反応から聞くのは止めて訓練に戻った。
「じゃあ次はフォースチップのテストだな。一応チップスクエアはあるから。気合でやってみろ。」
「き、気合!そんなもんで出来るのか!」曖昧な指示にファーストは驚いて聞く。
「いや~・・・・・・正直フォースチップはどうやったら使えるようになるのかわかってないんだ。前に可哀そうなサンダークラッカーが気合でやって見せたって言ってたからな。」
「可哀そう?なんでなんだ?」
太陽はサンダークラッカーがサイバトロンに入ったにも関わらず新デストロン(仮)に拉致られたことを話した。するとファーストは同情した。
するとまた電話がかかってきた。
「今度は・・・・・・・・・ステルス?」
太陽は電話に出る。
「今度はなんだ?」
『川でワニを捕獲したんだがどうしたらいい?』
「ちょっと待て!どこをどうしたらそうなった!?」またも予想外な報告に太陽は叫んだ。
『ジェイの買い物を追っていたらワニに襲われそうになっていたんだ。とりあえずどうしたらいい?』
「えーっと・・・・・近くに動物園はないか?」
『ちょっと待て・・・・・・・・・・・ここから直線距離で20Km離れたところに動物園がある。』
「よし。まずそこに連絡を入れてワニの受け入れ要請をしてくれ。てかそこ以外思いつかない。」手で顔を抑えながら太陽そう指示する。
『了解した。』
ステルスの返事を聞いてから疲れた顔でジェイが遭遇したのを思い返しながら太陽は電話を切る。
「なんだか、お使いが大冒険になったな。」
「ああ、全くだ。」
ファーストの言葉に太陽は呆れながらそう言った。
「とりあえず、続きをしよう。」
「わかった。ふんぬぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ファーストは気合を入れる。
(まずはどんな機能が解放されるのか・・・・・・・・そこを見極めないといけないからな。)
太陽がそう考えているとまた電話が入った。
「今度はなんだ。はい、もしもし?」
太陽は切れながら電話に出る。
『太陽、今ジェイがイカロスでイカロスⅠに向かってるんだけど・・・・・』
「エース、何がどうなってそうなった!買い物はどうした!」次のに今までのもあって太陽は思わず叫んでしまう。
『それが・・・・・・・ジェイがおじいさんに振り回されているんだ。』
「・・・・・・・・・もうお爺さんが原因とみていいか?」
『・・・・・・間違いなく。』
その言葉を聞くと太陽がガックシした。
「とりあえず・・・・・・・・・・これ以上何か問題が起きないことを願うわ。」
『僕も同感だよ。』
太陽はそう言うと電話を切った。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・今度はなんだって?」
「ジェイは今イカロスⅠにいるって話だ。」
「買い物はどうした?」
「なんかトラブルに巻き込まれるのがアイツは好きらしい。ここまで行くと流石って言いたくなるな。」
「そうだな。」
呆れる太陽にファーストは相槌を打った。
「で、出来たか?」
「それが・・・・・・」
ファーストはフォースチップを未だ使えていない状態であった。
「何かいい策はないか・・・・・・」
太陽は顎に手を当てて考える。すると一ついい案を思いついた。
「なあ、ファースト。鈴たちをあの時守った感覚は覚えているか?」
「ん?まあ覚えてるぜ。何しろハザードなんかにあいつらを殺させてたまるかって思ったからな。それがどうした?」
「その感覚でやってみてくれ!」
「わかった!むむむ!」
ファーストはBLハイパーポリスロボに乗っているハザードをイメージする。
「お前なんかに・・・・・・・お前なんかに人々の袷を壊させてたまるものか!」
するとファーストの身体が赤く発光。そして空から赤いフォースチップが舞い降りてファーストにイグニッションされる。
「フォースチップ、イグニッション!」
ファーストの砲台からブレードが出てくる。
「ブレードストライカー!」
ファーストは一気に岩に向かいブースターを吹かしブレードストライカーを突いた。
ブレードストライカーが岩に刺さると縦一線に岩を斬った。
「やった・・・・・・・・・・・やったぞ太陽!オレ、遂に使えるようになった!」
「ああ。これで今後の活用が考えられるな。」
太陽がファーストにそう話していると電話が入った。
「え~っと・・・・・・今度は宮島教官か。問題ないと思うけど・・・・・・はい、こちら太陽。」
『おお、太陽か!太陽発電実験衛星ひので一号が地球へと落下しつつある状況だ。制御を受け付けず、いまだ原因も不明だ。大気圏突入時の破片で広範囲に甚大な被害をもたらす危険性がある。太陽はギャラクシーコンボイとソニックボンバーと共にひので一号を元の軌道に戻してくれ。マシンコマンダーとVステルスにも出場要請を出した。』
「了解です!こちらで待機しておきます!」
太陽は通信を切るとファーストに言った。
「ファースト、実験は中止だ!お前はすぐに基地に帰投して出場態勢で待機していろ!」
「了解!」
ファーストは敬礼をするとトランスフォームをしてMRR基地へ帰投した。
しばらく待っているとコンボイとソニックボンバーが太陽を迎えに来た。
「太陽!」
「ギャラクシーコンボイ、ソニックボンバー。時間が無い、リンクアップだ!」
「「了解!!」
「「ギャラクシーコンボイ!」」
「ソニックボンバー!」
「「「リンクアップ!!ソニックコンボイ!!!」」」
ソニックコンボイは一気にひので一号に向かい高速で向かう。
「太陽、少しGがきついかもしれないが我慢してくれ。」
「大丈夫・・・・・それにこれくらいへっちゃらだ!」
「よし!」
ソニックコンボイがひので一号に向かっているとエースから通信が入った。
「どうした、エース?」
『管理局からのデータでひので一号から地上に向けてマイクロ波の送信準備に入ったとの報告があった!』
「なんだって!」
マイクロ波。電子レンジなどに応用されているもので物体に振動を与えて一気に過熱する者のことである。これがもし地上に向け、人に向けて放たれたら見るも無残な光景が生まれてしまう。
「ジェイは?」
『今ガラゴロ二機と交戦している。鈴たちも向かっているが急いでくれ!』
「了解!」
ソニックコンボイは更に加速してひので一号へと向かった。
ひので一号に向かっているとマシンコマンダーと合流した。
「太陽、ひので一号のことは聞いた?」
「ああ。とにかく何とかするぞ!」
太陽と鈴が話しているとハイパーVステルスロボがガラゴロによって吹っ飛ばされ、宇宙を浮遊していた。
「ジェイ!鈴!」
「ええ!マシンコマンダー、リーダー合体はじめ!」
鈴が叫ぶとマシンコマンダーは合体する。
「イエローコマンダーよし!」
「ブルーコマンダーよし!」
指揮者塔に鈴が入る。
「起動、各部異常なし!リーダー合体、マシンコマンダーロボ!」
マシンコマンダーロボはハイパーVステルスロボを受け止める。
「しっかりしろ、Vステルス。」
「うう・・・・・・・」
操縦席に乗っているジェイは何か決意があるかのように叫んだ。
「俺たちが!」
「体を張ってでも止める!」
ハイパーVステルスロボはジェットを一気に吹かし、ひので一号へと向かう。
「ジェイ!」
ハイパーVステルスロボの後を追う様にソニックコンボイとマシンコマンダーロボは追う。そんな中マシンコマンダーロボはハイパーVステルスロボに言った。
「Vステルス、Vモードだ!」
マシンコマンダーロボがそう言うと鈴とジェイはK-BOYを掲げて叫んだ。
「「Vモード!リーダー合体、はじめ!」」
二人のK-BOYの顔が開き、目が光る。
「「Vモード、合体はじめ!」」
「パワーウィング、左右よし!クエンチャーガン、よし!Vステルス、メガブースターよし!起動、各部異常なし!リーダー合体、マシンコマンダーロボV!」
マシンコマンダーロボVはひので一号のマイクロウェーブ送信機の前に立つ。
刹那、マイクロウェーブが放たれるがマシンコマンダーロボVはレスキューシールドで受け止める。
その間にソニックコンボイはガラゴロ二機の内の一機に近づきひので一号から離す。
「なんだお前は!」
「君は今レスキューの障害となっている。」
「よって俺たちが排除する!」
ソニックコンボイはガラゴロを突き放すとフォースチップをイグニッションする。
「「フォースチップ、イグニッション!ギャラクシーキャリバー!」」
「ぎゃぁあああああああああ!」
ガラゴロが一機破壊される。
「相棒!だがマシンコマンダーはマイクロ波で自滅した。これで・・・・・」
「残念だが・・・・・・私は自滅などはしていない!」
マイクロ波が放たれていた場所にはレスキューシールドに先程まで放たれていたマイクロ波を全て吸収したマシンコマンダーロボVがいた。
「さっきのマイクロ波は、すべてここに吸収してある!受け取れ!」
マシンコマンダーロボVはそう言うとフリスビーの要領でレスキューシールドを投げる。レスキューシールドはひので一号を縛っていた謎の赤い光を断ち切り、ガラゴロを切裂いた。そしてガラゴロは爆発した。
「戦闘による二次災害、無し!」
マシンコマンダーロボVが周りを見渡して確認する。
「よし、次は人工衛星の救助だ!」
マシンコマンダーロボVとソニックコンボイはひので一号を元の軌道に戻す。
そして地上でジェイはマシコマンダーロボVで店に塩を買いに行った。
「ありがとうございました。」
店員がジェイにそう言うとジェイは店から出てくる。
「任務完了。」
ジェイはそう呟いた。
「ま、昼間じゃないだけよかったか。」
上空でギャラクシーコンボイに乗ってその様子を見ている太陽はそう呟いた。
「しっかし・・・・・・・・・・どこで買い物がこんな大冒険になったんだ?」
「「さあ?」」
太陽の言葉にコンボイとソニックボンバーはそう言った。