人里離れた山奥に建てられている観測場で観測員がある彗星を観測していた。
「どうだ、タルタロス様のご機嫌は?」
コーヒーを持って来た同僚が聞く。
「ああ、すいません。やっこさん、相変わらずです。」
そう言うとコーヒーを飲む。
「この分なら、火星軌道を横切ってバイバイ、ですね。」
「しっかり見張ってろよ。今のところ監視できるのはうちだけなんだから。」
「いい加減、直してほしいですよねー。月と国際ステーションの天文台。」
「ぼやくなよ。あちらさん方も少ない予算で・・・・・」
突然モニターが死に、観測アンテナが爆発した。
マシンロボレスキューに出動要請が掛かり、ファイヤーチームとジェットチーム、マシンコマンダーが出場した。
太陽と鈴は救助した要救助者から話を聞いていた。
「頼む・・・・・まだ一人、中に・・・」
その話を聞くと鈴はマシンコマンダーに搭乗しているエースに通信を入れる。
「エース、まだ中に人が!」
「なんだって!」
「倒壊の可能性がある捜索は許可できない。」
「ああ・・・・」
その時太陽が通信を入れる。
「マシンコマンダー、モールダイブから瞬間凝固のコンクリート材を貰ってる。少しの時間なら稼げるから捜索してもいいか?」
「ダメだ。それがあったとしても危険だ。」
「くっ・・・・・」
太陽が歯を噛み締めていると通信が入った。
「だったら地下から助けりゃいいだろ。」
「モールダイブ!」
モールダイブの通信に太陽は喜ぶ。
「今大地と一緒に地下から救助活動を試みてる。太陽、安心してくれ。」
「ああ。」
その言葉を聞くと太陽は安心した。
今回の救助活動でも要救助者全員確保できたことは喜ばしかったが、マシンロボレスキュー一同にはそれよりも気がかりなことがあった。
それはデザスターの基地である。
マシンロボレスキュー活動開始と同時に現れたデザスター。今までその基地が特定されなかったことが全員気になっていた。
太陽は誠が持ち帰ったデータを解析していた。
「どう、太陽?」
鈴が太陽にコーヒーを差し出してきた。
「ああ、ありがとう。まだまだ。分かったのはこいつがでっかいロボットってところだけだ。」
太陽はそう言うとコーヒーを飲む。
「ねえ、太陽。」
「ん?」
「あの時のレスキューもだけど・・・・・・無茶しようとしてなかった?」
「まあな。俺もさ、手が届くのに救えないってのが嫌なんだ。無茶をしてでも助けたいって気持ちはあるけど・・・・・・・・・それで誰かを泣かせるのは嫌なんだ。」
太陽がそう言うと、鈴は少し顔を赤くしながら聞いた。
「その・・・・・その泣かせるのがアタシでも?」
「当たり前だろ。何言ってんだ?」
そんなことを言った太陽に「何でもない。」とぶっきらぼうに答えた鈴であった。
(にしても・・・・・最近の出場は観測所が多いよな。・・・・・・・・・・観測所?まさか・・・・・)
太陽はあることに気づいた。
その頃ブラッドは長官室で過去の事故の資料とデザスターの基地の画像を見ていた。そしてデザスターの基地の中にある施設を見るとあの頃を思い出した。
若かりし頃、ブラッドはカイザーとバスケットゴールの前で話を聞いていた。
「つまりコイツが実現すれば、地球規模で自然災害を無くせるって事さ。」
「理屈はわかる。だが・・・」
「おいおい、自分たちが作っているものを信用できないのか?マシンAIは、それだけの力があるのさ。」
その頃は純粋に、人の役に立ちたいと思っていた。だが現実はそんな夢すらも打ち砕いてしまう。
「何故兵器なんか!マシンAIは、人類に安全と平和をもたらすものではなかったのですか!」
「すまん諸君。わしをさげすんで構わんよ。」
「水道橋先生!」
カイザーが水道橋に掴みかかろうとするとブラッドが止める。
「やめないか。水道橋先生も苦渋の末の決断だったんだ。研究を続けるためには・・・・・」
「ブラッド!お前まで!」
やがてカイザーは孤立した。誰も信じず、自分だけを信じ、自分の理想を実現するために自分だけで動き始めた。
「開けてくれ!いつまで閉じこもってるつもりだ、カイザー?」
「認めさせてやる!マシンAIの本当の力を!」
「カイザー、頼む!」
「うるさい!お前ももう俺の敵だ!」
(原因不明の事故であの町は消滅し、彼はその犠牲になった。)
ブラッドが持っている資料にはあの時の事故の町がまるで抉り取られたかのような光景を写した写真があった。
(そのはずだ。)
その頃デザスターの基地ではカイザーGがハザードに確認を取っていた。
「いよいよ我が宿願が果たされる時。抜かりはないな、ハザードよ?」
「シュタ!モチのロンです!」
その頃BLハイパーポリスロボは豪雨負の中、火山高に爆弾を設置しエキゾーストボンバーを放っていた。
〈マシンロボレスキューに出場要請。小笠原諸島要島にて、火山が噴火!〉
「待ってください。要島って・・・・」
海は気象データからある推測を教官たちに話した。
「なに!?接近している積乱雲の中にデザスターの基地が!?」
「はい、あくまで推測なのですが・・・・」
誠がそう口にした。
「水道橋博士、そちらはどうなのです?」
『もう少しだけ時間を下さい。』
ブラッドは悩んだが、今助けを求めている人のことを考えると悩んでいる暇はなかった。
「マシンロボレスキュー大隊出場!」
『はい!』
MRR基地から各マシンロボとサイバトロンが出場した。
マシンロボレスキューが要島に現着すると各自、担当エリアで役割を始める。
各マシンロボはハイパーモードになり救助、もしくは障害物の排除を始める。
「通さん、解析は?」
『丁度終わったよ。今ブラッド長官にもデータを送るから待ってて。』
太陽とブラッドにデータが送られる。
「これは、カイザー博士の!そんな・・・・・まさか!」
ブラッドは指令室で現実を受け止められなかった。
「積乱雲の分析結果が出ました!重力偏差、0.762・・・・・前と同じく、周囲に重力の歪みがあります!」
海の報告を聞くとブラッドは声を荒げて指示を出した。
「その積乱雲を上陸させてはなりません!彼らの狙いは火山です!カイザー博士の研究は、重力制御装置の開発と、それをコントロールするマシンAIの研究で、地球規模の環境管理システムを開発することでした。デザスターがそのテクノロジーを受け継いでいるのなら、要島の噴火口内からマントルに侵入して太平洋プレートを操作し、環太平洋のすべての火山を噴火させることが可能なのです!」
その言葉に一同衝撃を受ける。
その頃デザスターの基地の上で高笑いをしているハザードは高笑いをしていた。
「最後の仕上げだ!やれ!」
突如空から導火線を付けられたガラゴロ達が落ちてくる。額にはすべて✖が付けられていた。飛んでいたハイパージェットロボとハイパーVステルスロボ、コンボイとソニックボンバーは避ける。するとガラゴロは地面に着くなり爆発した。
「こいつら・・・・・・俺と同じ廃品扱いの奴らか!」
ファーストはそう口にした。
「見たか!これぞ廃品利用、ガラゴロ爆弾だ!」
その光景に太陽は怒りが爆発しそうであった。
「ソニックボンバー、落ちてくるガラゴロを受け止めてくれ。エース、エイダ―ロボとファーストで導火線の消火を頼めるか?」
「なんでそんなことを・・・」
「あのガラゴロはハザードが勝手に回路がイカれてるって判断したやつだ。裏を返せば・・・・・」
「好戦的じゃない!」
エースが気付くと太陽は頷いた。
「まだこっちの方に引き込める見込みがある。それに、デザスターだからって救わないのはマシンロボレスキューとしてはマズイだろ?」
太陽がそう言うとエースは指示を出した。
「マシンコマンダー、ソニックボンバーは上から落とされてくるガラゴロをキャッチ。太陽とエイダ―ロボで爆破解除に当たってくれ。」
「了解。鈴、お前も・・・・・て、何やってんだ鈴!」
太陽がハイパージェットロボに乗っている鈴の方を向くとデザスターの基地へと向かっていた。
「今アイツを食い止めないと日本全体で大災害が起こるわ!そうなる前にアタシが止める!」
「止せ、鈴!・・・ああ、クソ!ジェイ、サポートに回ってくれ。内部はお前の方が詳しいだろ?」
「ああ、了解した。」
ハイパーVステルスロボはハイパージェットロボを追う。そんなVステルスに通がデータを送りながら説明をする。
『Vステルス、君のデータからデザスターの基地の図面を解析した。おそらく基地のコアになる部分はこの辺りだろう。』
その座標を見てジェイは言った。
「俺が絶対に近寄ってはいけない場所と言われていた場所だ。」
『ならほぼ間違いないだろう。向こうも必死で来るはずだ。気を付けて。』
通の言葉に鈴は頷いた。そして鈴たちにもようやく目視が出来た。
「あれが・・・・」
「ああ。」
「デザスターの基地だ。」
ハイパージェットの言葉にハイパーVステルスロボとジェイが答えた。
鈴とジェイがコアへ向かっている最中、太陽たちはガラゴロの爆弾解除と島民のトランスポーターへの搭乗を終了させていた。
「こちら太陽、爆弾をすべて解除。」
「こちらアリス、島民の搭乗を完了。」
「了解。トランスポーターは避難を開始してくれ。」
エースが指示を出すと各トランスポーターは島から離れる。
その頃鈴とジェイはデザスターの心臓部へと侵入したが、警備のガラゴロが一機も姿を現さなかった。
だがジェイのサバイバルナチュラルも反応しないことから鈴はハイパージェットロボにフィンガーフラッシュを打つように指示を出した。
ハイパーVステルスロボと協力してダブルフィンガーフラッシュが穴に放たれる。
デザスターの基地を覆っていた雲は消え、その姿を現した。
しばらくの沈黙。そしてその時が来た。
「「っ!?」」
ジェイと太陽のサバイバルナチュラルが反応した。
「鈴!ジェイ!今すぐそこから脱出しろ!」
『え、ええ!』
『了解!』
鈴とジェイはその場から脱出した。
直後、デザスターの基地が崩れはじめ、中からウィングライナーよりも巨大な白い悪魔が姿を現した。
「褒めて遣わすぞ!貴様らのおかげでカイザーGの最後の起動に必要なエネルギーを全て得られたんだからな!」
「なんですってー!」
「止せ、鈴!ジェット!」
ハザードの言葉に怒り鈴はカイザーGへと接近するがカイザーGは右手をかざし犯重力でハイパージェットを弾き返す。
「鈴!」
ハイパーVステルスロボもハイパージェットロボの方へと向かおうとするがカイザーGの犯重力によって弾かれる。
「鈴!」
マシンコマンダー、ハイパーサブマリンロボ、ハイパージャイロロボが援護に向かおうとするがカイザーGの重重力によって押さえつけられる。
「なんだ、これ!?」
「すざまじい・・・・・・重力だ!」
「動けない・・・・」
圧倒的力の前に為す術の無い鈴たちは恐怖する。
カイザーGの口が開き、光線が街へと放たれた。一瞬にして町は火の海へと姿を変えた。
「我はカイザーG!この星のすべての命を握りし者!」
燃える町を真下にカイザーGは宣言した。
(あと少し、待てばいい。そうすれば俺の野望が始められる。)
陰で見ているマスターガルバトロンはそう心に秘めた思いを叶えることに微笑んでいた。