MRR基地のグラウンドには太陽たち候補生とマシンロボ、そしてチームサイバトロンのメンバーが整列をしていた。
(すでに何度可能出場を経験して、みんなにもレスキュー隊員としての自覚が出てきたようだ。でもまだ一人前には程遠い。)
朝礼台でブラッドがメガホンを使って皆に話しかける。
「二週間後、全国防災週間で我がマシンロボレスキューのお披露目があります。そこでは、正式な所属と共に君たちのことが大々的に紹介されます。みなさん、胸を張ってパレードに臨んで下さい。」
「正式な所属?」
エースがブラッドの言葉に疑問を持つ。
「マシンロボのロボマスターがその日までに決定されるって事か。」
誠はその言葉に納得した。
(ま、俺はサイバトロンだけどね。)
「そっか、いよいよ決定ね!」
鈴は手を拳で叩く。鈴はジェットの方を見る。
「では定期講習はこれで――――」
ブラッドが言おうとした時に警報が鳴った。
〈災害救助指令発令!加賀山噴火により山野火災発生!地元住民には避難命令発令!マシンロボレスキュー、大隊出場!〉
MRR基地の棟の手が三を形作る。
「大隊出場!しかも火山だって!」
「普通の火事とはちょっと違うようだけど・・・・」
「ちょっとどころじゃないぞ。火山噴火は広範囲に及ぶ被害と長期的被害もある。物資も準備しないと!長官!」
「わかっています、太陽君。マシンロボレスキュー大隊出場!各小隊はすぐに準備に取り掛かりなさい!」
『了解!』
ウィングライナー、サイレンギャリー、ギアダンプにそれぞれのマシンロボが搭載され、ジェットには鈴が乗っていた。候補生たちと共に三人の教官も乗っていた。
「火山の溶岩によって大規模な火災が発生しています。被害の規模は一万人に及んでいます。」
「一万人・・・・・・・町、一つ分ですね。」
海は冷静に分析をする。
「さすがの僕も手に余るかな?」
エースが今回ばかりは弱音を吐いた。
「被害地区、及び山岳付近ではかなり広範囲です。」
「兄ちゃん・・・・・・」
「へ、平気さ。訓練通りにやれば。な?」
進が誠に意見を求めるが誠は答えない。
「この大災害には、持てる力のすべてで臨まなければなりません!」
「これは大地君じゃなくても・・・」
「お腹の痛くなる状況かもね。」
ショウとケンがそう言った。
「ファイヤーチーム、積み込み完了。」
「ポリスチーム、積み込み完了。」
「ドリルチーム、積み込み完了。」
海、アリス、小百合が報告をする。
「マシンロボレスキュー、大隊出場!全員で、救助活動に当たります!」
ブラッドの指示で一斉に出場するマシンロボレスキュー。
「ギャラクシーコンボイ!ソニックボンバー!ライガージャック!」
「ああ!」
「わかってるって!」
「やるぜ!」
チームサイバトロンも出場する。
ジェットに乗っている鈴は不安な気持ちになった。
「どうした、鈴?いつもの鈴らしくないな。」
「っ!」
「これほどの大災害ともなると鈴でも不安か?」
「それは・・・・・・・・・」
そんな鈴に太陽が通信を入れる。
「鈴、大丈夫だって。」
「太陽・・・・・・・」
「俺たちでやればできる!そうだろ?」
「太陽・・・・・・・・・・・うん、そうだね!弱気は禁物!人命優先!二次災害注意!」
「「そうだ!」」
現場では火山噴火によるパニックしていた。それによって道路は渋滞に避難が遅れていたが、町の避難広場に徐々に人が集まっていた。
「ご家族の方を確認し、避難して下さい!」
レスキュー隊員が誘導する。そんな時、ウィングライナーがいち早く到着した。
「よし、至急各自持ち場に―――」
「よお、マシンロボレスキューの皆さん、聞こえるかい?被害地区の状況はこの俺が連絡する。よろしく頼むぜ。」
「状況を連絡って・・・・・・アンタいったい何者なんだい?」
「俺かい?地震観測二十年。加賀山科学大学の地震バカ!近衛トオルとは俺のことよ!以後よろしく!」
「ふざけてる場合か!こっちは真剣に―――」
「悪かった悪かった。そんなに怒るなよ。おらぁ今山頂付近の測候所にいる。で、そうだんなんだが・・・」
「近衛さん!」
「ん?」
近衛の後ろにいた眼鏡の男が話しかける。
「や、ヤバイっすよ!このままじゃ・・・・」
「ギャーギャーうるせえな、半人前!怪我人は怪我人らしく大人しくしてろい!」
近衛は男に怒鳴り散らす。
「たく・・・」
「おい、どうしたんだ?」
「っ!ああ、すまねぇ。こっちから指示を出すから、あんたらにはちょっと協力してもらいたいんだよ。」
「情報をくれるのはありがたいが・・・・・」
「決まりだな。じゃまずは、全体的な状況の確認だ。」
ポリスチームがウィングライナーから出場する。それに続きポリスチーム、ドリルチームと出場する。
「一回目の噴火が起こったのは今日未明。現在は小康状態にあるが、いつ二回目の噴火が起こってもおかしくない。二回目の噴火が起きる前に、出来る限り手を打っておきたい。そこでだ、溶岩流によって東側の山岳地帯に火災が発生しているんだが・・・・」
「了解。木を切り倒してこれ以上火が広がるのを阻止するんだな。」
ファイヤーロボが答える。
「変形完了!」
「木を切るのなら、俺も協力できるぜ。ソニックボンバー、トランスフォーム!」
ファイヤーロボは変形、ソニックボンバーはトランスフォームする。
「次に中腹にある火山湖が地震によって決壊する恐れがある。」
「よっしゃ!今の内に防護壁の突貫工事でい!」
ドリルロボが張り切る。
「避難住民が乗り捨てた車が、道を塞いで緊急車両を通れなくして困っている。」
「放置車両撤去。車線を確保する。」
「俺も手伝うぜ。」
ポリスチームと共にライガージャックが撤去作業に入る。
「あらかじめ設置された観測カメラだけじゃどうも情報不足だ。上空からの映像を送ってくれねぇか?」
「わかりました。ジェット!」
「了解!スカイロボ二番機から五番機、上空から旋回して被害地区の情報を収集せよ!」
『ジェーット!』
スカイロボはジェットの指示通り動く。
「ああ、それから、手が開いたらこっちにも寄ってくれ。頼みてえことがあるんだ。」
近衛は男の方を見た。男は折れた左手に手を添え、痛みに耐えていた。
「もちろん。俺とギャラクシーコンボイがおじさんの救助に向かうよ。」
「ああ、いや!俺のことはいいんだけどよぉ・・・・」
「?」
「太陽、急ぐぞ。」
「ああ!」
二人は急いで測候所へと向かった。
ウィングライナーには避難をしてきた人が次々と乗車していた。近衛の協力もあり、避難は確実に進んでいた。
が、再び地震が発生、二回目の噴火は目前に迫っていた。
太陽とコンボイが測候所に着くと太陽が扉に向かった。すると奥から声が響いて聞こえてきた。
「とっとと出ていけ!半人前がいくらいても、邪魔なだけなんだよ!」
近衛はそう言うと男を雑に出した。それに太陽も巻き込まれた。
「っ!丁度お迎えも来てくれたみてぇじゃねぇか。レスキューさんよ、こいつを頼むぜ。」
「て、おじさんはどうするの!」
太陽が近衛に聞いた。
「俺はここに残る。火口の状況はここからじゃないと観測できねぇからな。」
「近衛さん!どうして何でも一人でやろうとするんですか!いい加減、俺のことも一人前のパートナーとして認めてくださいよ!」
「うるせぇ!早々に怪我なんかしやがって!それが半人前の証拠だ!」
近衛はそう言うと双眼鏡を男に投げ渡し、背を向けた。
「忘れもんだ。それを持って、とっとと山を下りやがれ!」
近衛はそう言うと扉を閉めた。
「・・・・・・・・ギャラクシーコンボイ、負傷者を優先しよう。」
「そうだな。そこのお方、すまないが私に乗ってくれ。」
「・・・・・・・・・・」
男はただ茫然と双眼鏡を眺めていた。
二人がコンボイに乗車するとコンボイはウィングライナーへ向け飛行する。
「それは?」
「火山観測用に使う双眼鏡だよ。近衛さんが、一番大切にしていた持ち物だ。」
「でもそれは・・・・・・・・・」
「俺が一人前になった時にくれるって約束してたんだ。」
近衛は一人測候所でモニターを見ながら言った。
「一人前なら、俺の代わりに生き残って見せやがれ。」
「やっと、パートナーとして認められたのに・・・・っ!」
その時男は気づいた。火山が動く音が、コンボイに乗っていても聞こえてきたのである。
そして二度目の噴火が始まった。溶岩柱が立ち、火山弾が宙を舞った。人々はその光景にパニックになる。そしてその火山弾の被害は近衛のいる測候所にまで被害が及んだ。
「火山が!」
「来た、再噴火だ!」
「いかん!測候所が!」
太陽は急いで鈴に通信を入れる。
「鈴!測候所の近衛さんの救助を頼む!」
「わかった。ジェット!」
「了解!」
ジェットロボと鈴は測候所に向かった。
一方その頃避難誘導をしているウィングライナーでも噴火の光景は目にしていた。
「再噴火により溶岩流が発生!ものすごい勢いで来ているわ!」
マリーが報告するとソニックボンバーが動いた。
「俺が消火弾で時間を稼ぐ!坊主共、その間に何か考えろ!」
ソニックボンバーはそう言うと溶岩流上空で溶岩流のせき止めを行った。
「エースに任せな!ファイヤー、溶岩流との勝負はパワーとスピードだ!」
「了解!」
「ファイヤーロボ!ハイパーモード、合体はじめ!」
「ハイパーモード、合体はじめ!エイダ―ロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!ハイパーモード、合体準備よし!レスキュー合体!ハイパーファイヤーロボ!」
「よし、こっちも!ポリスロボ、ハイパーモード、合体はじめ!」
「ハイパーモード、合体はじめ!ダーッシュ!バイクロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!合体準備よし!四番、五番機よし!二番、三番機よし!レスキュー合体、ハイパーポリスロボ!」
「負けてらんねぇぞ、大地!」
「わかってる!ドリルロボ、ハイパーモード、合体はじめ!」
「祭りだ!祭りでぇい!ハイパーモード、合体はじめ!」
『よっしゃ!』
「ドーザーロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!合体準備よし!二番機よし!三番機よし!四番、五番機よし!レスキュー合体、ハイパードリルロボ!」
三チームのマシンロボがそれぞれハイパーモードになる。
「ハイパーファイヤーロボ、放水はじめ!フルパワーだ!」
エースがハイパーファイヤーロボに指示を出す。
「よし、作戦開始だ!ポリスロボ、このビル一体に逃げ遅れた人たちはいないか?」
誠がビルの屋上から指示を出す。ハイパーポリスロボはサーチを開始する。
「生体反応なし!確認した!」
大地は連なって並ぶビルを見て策を考える。
「あのビルは40メートルで、こっちが38.4メートル。二つのビルの間がぞれぞれ・・・・・・・・・あ、そっか!ビルさんごめんなさい!」
大地はビルに謝るとドリルロボに指示を出す。
「この三つのビルを倒せば、溶岩流をせき止められるよ!」
「よぉし、合点でい!」
迫りくる溶岩流。時間は刻一刻と迫ってきていた。
「早くしろ!さっきから撃ってるが焼け石に水程度だ!」
「まかせな、ソニックボンバー!このビルはおいらが引き受けた!」
「では自分はこっちを。」
「私はこっちだ。」
三機のマシンロボがぞれぞれのビルを受け持つ。エースたち三人は少し離れたところで指示を出す。
「カウントをするぞ!」
「タイミングを少しでも間違えば、せき止められなくなる!」
「よーし。5!」
「4!」
「3!」
『2!1!0!』
三人のカウントと同時に三機はビルを倒し始める。
「どぉおおおおら!」
「はぁあああああああ!」
「おぉおおおおおおお!」
三つのビルを倒したことにより土煙が舞う。
「これで最後だ!」
ソニックボンバーはありったけの消火弾を溶岩流に向け放った。そして溶岩はせき止められた。
『やった!』
火山弾の被害があった測候所から咳をしながら近衛が出てきた。
「畜生・・・・・・・・・・これもくたばっちまいやがった!」
近衛はそう言うとトランシーバーを投げ捨てる。そして暑さによって大量くが消耗し、壁に身を預ける。
「へ、いよいよダメか・・・・ま、噴火の中での最後も地震バカにはお似合いかもな。」
その時ロボットモードのジェットが測候所に降りてきた。ジェットのコックピットが開き、鈴が顔を出す。
「マシンロボレスキューです!近衛さん、救助に来ました!」
「この状況で来るなんて・・・・・・・・・嬢ちゃんも相当なバカだな。」
「レスキュー隊員としては当然です。そうでしょ、ジェット?」
「ああ。」
「そうか・・・・・・・じゃあ、レスキューバカか。」
近衛はそう言うとジェットの元へと向かった。
そのことはウィングライナーで男を下ろした太陽にも通信が入った。
「太陽、近衛さんを救助したわ!」
「了解。すぐに――――」
その時であった。第三の噴火が起こった。
「きゃっ!」
「鈴!ギャラクシーコンボイ!ライガージャック!ソニックボンバー!」
『了解!』
チームサイバトロンはジェットたちの元へと向かう。
「鈴、合体をしろ!」
「え?」
「合体した時の推進力でそこから脱出するんだ!」
「そっか!ジェット、ハイパーモード、合体はじめ!」
鈴のK-BOYの顔が開き、目が光る。
「ハイパーモード、合体はじめ!スカイロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!合体準備よし!四番機よし!五番機よし!二番機よし!三番機よし!レスキュー合体、ハイパージェットロボ!」
ハイパージェットが一気に上空に上がるとハイパージェットロボ程の直径の溶岩弾が飛んできた。
「くそ・・・・・・・・大物か。だが・・・・・行かせてもらう!」
「そうだ!」
ライガージャックが溶岩弾の前に位置する。
「フォースチップ、イグニッション!プラティナムクロー!」
ライガージャックが溶岩弾に亀裂を入れる。
「フォースチップ、イグニッション!ギャラクシーキャリバー!」
ソニックボンバーが溶岩弾に更に亀裂を入れる。
「「ギャラクシーコンボイ、スーパーモード!」」
ギャラクシーコンボイはスーパーモードになる。
「「フォースチップ、イグニッション!ギャラクシーキャノン、フルバースト!」」
コンビの攻撃で溶岩弾は破壊された。
「・・・・・・・・・・・終わったの?」
「ああ。こちら太陽、宮島教官。要救助者一名と共にそちらへ帰還します。」
その光景をデザスターの基地でジェイがモニターで見ていた。そしてステルスロボの元まで行くと共に下を見下ろした。
一方、基地深くの研究施設で白いトランスフォーマーがカイザー博士と話していた。
「これで、必要なデータは揃ったな?」
「いいや、まだだ。」
「ほお・・・・・・まだ足りないと?」
「あの三機のマシンロボをベースに新たな我がデザスターのマシンロボを作る。完成すればマシンロボレスキューなど敵ではない。」
「な~るほどな。ま、使えるコマは多いに越したことはないからな。」
白いトランスフォーマーはそう言うと高笑いをした。
そして二週間後の全国防災週間。道路の淵には「GO!!MRR」「MRR」と旗やプレートが掲げられていた。
うぉんぐライナーを先頭にマシンロボが花道を進んでいた。
〈さて、いよいよパレードも大詰めになってきました。いよいよマシンロボレスキューの登場です!〉
(ついに、ロボマスターが決定された。
ドリルチームのロボマスターには大地。突っ走りがちなドリルロボと控えめな大地は、あれでいて中々のコンビだ。
ポリスチームのロボマスターには誠。正義感の塊同士、正にお似合いのパートナーだ。
ファイヤーチームのロボマスターにはエース。暑すぎるエースを、ファイヤーロボの冷静さがフォロー、ここもいいコンビだな。
ジェットチームには鈴。まっすぐにレスキューを通す者同士、相性抜群だ。
そして太陽もチームサイバトロンのロボマスターとして選ばれた。
これからチームのパートナーとして試されるぞ。)