二日前に〈ハーミット〉を取り逃がしたASTメンバーは、本拠地である天宮市駐屯地でブリーフィングを行っていた。
その内容は、人員の補充……といっても、たった一人だけ。しかも、まだ年端もいかぬ少女のようだが実力は相当なものだろう。その証拠に、彼女は単独で
「さて……と、前回私たちはハーミットをおしくも取り逃がしてしまったわ。そして、その原因が……」
燎子が操作したスクリーンに映っていた画像の中には、〈プリンセス〉と〈ディバイナー〉の二人の姿が映し出されていた。
特に〈ディバイナー〉には多くの隊員がやられたため、ほとんどの人間が画面に移る〈ディバイナー〉に視線を集中させていた。
「前回苦汁をなめさせられた〈ディバイナー〉なんだけど、みんなに報告しなければならないことがあるわ……〈ディバイナー〉の総合危険度をAAAからSへと上げるそうよ。」
その報告にASTの隊員たちのみならず、補充要因である少女も動揺を隠せないでいた。
(あいつと同じくらい危険だってことですかっ!……厄介なことになったじゃねーですか。)
(私には関係ない……危険度が上がろうとやることは同じっ!)
これで大まかな報告は終わったらしく、あとは些細な報告を伝えた後に彼女たちのブリーフィングは無事終了した。
そして。〈ディバイナー〉こと橘王花は二日経った現在、一体何をしてるかというと銭湯へと足を運んでいた。しかも、かなりの上機嫌だということが窺える……
(しかし、毎度のことながら銭湯のことを考えると気分が高揚するわ。確かにお風呂に入れるのは嬉しいし、私自身もお風呂が大好きだけども、肝心なのはそこじゃないのよ……私にとって一番重要なのは【
もし、この少女が前世では男だということを知っているものがいれば、どう考えても変態のそれであるが、どうやらそうではないらしい。
(前世では、当然ながら女湯には入れず男湯に入るしかなかったから男湯に入ろうとしたら、周りから「えっ?男なの?」という反応が毎回返ってくるから行きづらかったのよねぇ……しかし!今の私は女なので、堂々と入ることができる。あぁ、感謝するわ神様!)
おそらくこんな感謝をされた神様も困惑してるだろう……「こいつに感謝されてもあんまり嬉しくねえな……」などと、どこからともなく声が聞こえてきたが気のせいだろう。
「四糸乃の封印も無事終わったことだし、次は〈ディバイナー〉……いえ、橘王花をどうにかしなければならないわね。」
「ふむ、しかし十香達と同じようにうまくいくとは限らんぞ。」
「それは重々承知してるわ。今回のことだって四糸乃を救うという利害の一致で共闘したわけで、次も同じように……とはいかないでしょうし。ただ、あまり好意的ではないようだし、どうにか穏便にことを進めたいわね。」
などと、どこか気だるげな女性と赤い髪の少女は、精霊である王花についての話し合いをしていたようだ。
「まぁ、結局のところシンに任せるしかないわけだが。」
「えぇ……でも、今度は絶対無茶なんてさせないんだから。」
(そう、もしもの時は私が……)
「とはいえ、逆にこちらが無理をして倒れたら本末転倒だぞ。」
「わかってるわ、夜遅くまでありがとうね。それじゃあ、おやすみなさい。」
「あぁ、おやすみ。」
精霊である王花について話し合っていた二人だが、この精霊はとんでもない曲者だということには、まだ誰も気づいていないまま、【時計の針は時を刻んでいった……】
というわけで次から……どうしましょうかねぇ?
とりあえず、狂三ちゃん可愛いっ!