デート・ア・ライブ 王花ディバイナー   作:メカレン

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王花デスティニー
1章


私の目の前には少女がいた――その少女の格好を、もし普通の人が見たら"おかしな格好をしている"と思うだろう。

しかし、普通ではない精霊の私には、その格好の意味がすでにわかっていた……

 

「では、自己紹介致しましょうか。初めまして橘王花さん、私は【時崎 狂三(ときさき くるみ)】と申します。

()()()()()()()()()()()……それで、会ったばかりで悪いのですが――」

 

そう私に挨拶をした少女は黒と赤のドレスを身に纏い、手に持った銃をこちらに向けて――

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう言い放った瞬間、一つの弾丸が私の胸を貫いた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四糸乃ちゃんの事件から時は流れ、気づけば梅雨が多くなってくる六月へと突入していった。

 

「少し、暑くなってきたかしらね?」

 

そう言いながら、定食屋さんでの仕事を終えた私は銭湯へと歩いている最中だった。

定食屋で働き、銭湯で汗を流し洗って家へと帰る……少しばかりだがこの生活にも慣れてきたようだ。

 

(でも、こうしてこの世界にいると前の世界が少し恋しくなってきたわね……ふふっ、ホームシックかしら?)

 

そう冗談を思えるほど、この世界でも余裕ができたようだ……ただ、さっきからどうにもこちらを見つめる視線を感じる。

例の組織の人間かと思ったが周りには、老夫婦と男子高校生が二人そして、親子連れが一組歩いているだけだった……

 

(少し、人気のない裏路地にでも入ってみましょう。一応、〈神秘創造(ラドゥエリエル)〉の起動と【アレ】を先にを仕掛けておいて……カマでもかけてみましょうか。)

 

そう思い、人気のない裏路地へと入っていったが、まだ視線を感じるので私は――

 

「いいかげん、こそこそするのはやめてもらえないかしら?もしこれ以上するというのなら、こちらもそれなりの対応をさせてもらうわ。」

 

もし、あの視線が勘違いだったとしたら、私は誰もいない空間に話しかけている痛い子になってしまう。お願いだから勘違いではないように……その願いが通じたのか、私の目の前には少女が現れた。黒と赤のドレスを身に纏い、二丁の銃を手に持ちながら……

 

「(精霊っ!)――例え、同じ性別でも人をつけ回るのは感心しないわよ。」

 

「正直ばれているとは思いませんでしたが……やはり、只者ではないようですね。」

 

「あなたもね……」

 

こちらも私服に変えていた霊装を〈神威霊装・小径(パス)〉に戻して相手の対応をうかがっていた。

正直、四糸乃ちゃんとは違いどこか得体のしれない相手だ……

 

「では、自己紹介致しましょうか。初めまして橘王花さん、私は【時崎 狂三】と申します。()()()()()()()()()()()……それで会ったばかりで悪いのですが、貴方を食べさせてもらいますわ。」

 

そう言いながら、彼女は手に持った銃でこちらを狙いを定めて、迷うことなく引き金を引いた。

そして、銃口から出た弾丸は見事に私の胸に突きささり貫通していった……そして、私は血を流しながらそのまま地面に倒れた——

 

「……やけにあっけないですわね。もしこれで終わりだとしたら正直、興が覚めまし「じゃあ、これはどうかしら?」――っ!?」

 

そう少女は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……

 

「――ぐっ!……ど、どういう手品を使ったのか教えてほしいですわね……」

 

「自分から手品の種を教える手品師なんていると思うかしら?」

 

とはいえ、その手品の種は、私が裏路地に入るときにあらかじめ仕掛けておいた【(ムーン)】の〈幻惑〉で作った()()()()というだけなのだが……裏路地に入った私は〈幻惑〉の力で幻影を作り出して、本物の私は【隠者(ハーミット)】のカードを使って姿を隠して、幻影で彼女と会話をしていただけという種さえ知ってしまえば何ということはないものだった。

 

「きひひ、ひひ、確かにその通りですわね。メインディッシュをいただく前に前菜を……などと軽い気持ちで挑んだわけではありませんが、どうやら【私】ではかなわないようですわね。」

 

「メインディッシュ……?一応聞いておくけど、私が前菜としてそのメインディッシュとやらは一体誰なのかしら?」

 

「秘密ですわ……ただ、そうですわね。ヒントを差し上げるとしたら――とても()()()()()()ですわ。」

 

「魅力的……ね。一度でいいから私も会ってみたいわね。」

 

「大丈夫ですわ。貴女もいずれその方と出会うはずですわ。とはいえ、先に私が食べてしまうかもしれませんが。」

 

?……彼女には何か確信めいたものがあるのだろうか。まるで、私がその人と会うのが必然だというような顔をこちらに向けている。というか、そんな魅力的な人ならぜひ会いたいが……まずは、目の前にいる彼女をどうにかしなければならない。

 

「あらあら、とても怖い顔をしますわね。そんな、怖い顔では殿方が逃げてしまいますわよ。」

 

「そうね、あなたが私に倒されればこんな怖い顔をしなくても済むのだけど。」

 

「それはいけませんわね。でも、私もやることがあるので倒れるわけにはいきませんの……それに、そろそろ日も落ちてきたころですし……ここらへんで失礼いたしますわ。」

 

「くっ!待ちな――」

 

私がカードを使って動きを止めようとする前にその場を立ち去られてしまった……

しかし、彼女が言っていたメインディッシュとは一体誰のことなのだろうか。私を狙ったことから考えて精霊がらみなのは間違いないだろうが、女性なら同じ精霊である四糸乃ちゃんや十香などは思いつくが男性で心当たりのある人物といえば……シドーくんとやらだろうか?

 

(ただ、そのシドーくんがどこの誰だかすらわからないのよね……四糸乃ちゃんのときに見かけたとはいえ顔は確認できなかったし。吹雪のドームが晴れた時も一瞬だったからほとんど確認できなかった……そもそも、本当にシドーくんとやらが狙われてるのかすら、本当かどうかわからないわけで――)

 

完璧な手詰まりだ……というか、何故私はこんな厄介ごとに巻き込まれてるのだろうか……明日は気分転換にどこかに遊びに行こうかしら?幸い明日はお暇を頂いたからリフレッシュするにはちょうどいいだろう。

……けど、何か忘れているような、何かしら?

 

 

「あっ、そういえば銭湯に行く途中だった……急がないとっ!?」

 

そんなわけで、このあと無事に銭湯へとたどり着いた私は、今日の一日の疲れを銭湯のお湯で洗い流すのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方のメインディッシュは何をしていたかというと……

 

「トリプルブッキングなんて無理だろこれ……」

 

明日行われる十香、狂三、折紙の三人とのデートのことで頭を抱えていたのだった――




狂三ちゃん可愛いっ!
でも、あなたのテンション上がるとセリフが非常に書きにくいんですよね……
でもそんな狂三ちゃんも可愛いっ!
それに四糸乃も十香もみんな良い子すぎて、作者にダメージが……グフッ!
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