fate/restart story   作:fate好き

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少し設定は弄ってます。
すいません。
セイバーと士郎を再開させる話が書きたいのです。


時代を超えた奇跡

遠坂と士郎は高校を卒業した時点でそれぞれ別の未来へと歩み出した。

だが、それまでの間、遠坂は時折、学生1人が住んでいるとは思えない武家屋敷に訪れていた。

あの時の士郎と言ったらすごく痛々しかった。

「ああーー未練なんてないさ。」

そんな言葉を口にしていたのを覚えている。

でも、それはからっきしの嘘で、心に空いた大きな穴を探すように生きている感じがした。

彼がどこか、寂しそうで辛そうで苦しそうで悲しそうな虚ろな目をするところを度々目にしていた。

それは、武家屋敷に集まる沢山の彼を慕う人を見た時、1人、土蔵で魔術の鍛錬をしている時、結局片付けられなかったあの少女が使っていた素っ気ない質素な部屋を見た時。

それは、聖杯戦争で手に入れた日常。

あの、出来事で彼の周りはすごく変わった。

仲間と言える人も増えたし、彼が望んでいた夢に近づく手段もてにいれた。

それは聖杯戦争が終焉した後も、ほとんど変わらなかった。

しかし、1つだけ、いや、1つだけという言葉が似合うほど彼にとっては、小さいものではないが。それは、私も含め、あの少女の事を知っているものならば誰もがそうであろう。

セイバーという1人の存在が、その日常から欠けた。

彼が最も愛した女性。彼の中の自分より護りたい人という席に座っていたあの少女が、ふと、それはまるでもとから居なかったように消えたのだ。

それは、凄く悲しいことだろう。そんな事は、人であれば誰でも想像できる。そして、人であれば、その悲しみを負う事を馬鹿にしたりしないだろう。

それなのに、彼はそれを隠そうとする。

彼はあの時、未練なんてない、と言った。でも、それが本音じゃないのは分かっている。分かっているからこそ、悔しくて、腹が立った。

何も隠さなくて良いではないか。

共に戦い抜いた仲間として、魔術を教える師匠として、そして何より友人として、その悲しいという気持ちを自分に言って欲しかったのだ。

と、そんな事を考えていると、ある日気付いたことがある。

彼はそんな気持ちを他人にではなく、自分から隠そうとしているのではないかと。

彼は彼女と別離を決意した。そこには、紛れもなく嘘は無く、あったのは2人の誇りと未来だった。

その別離を悲しむと言う事は、別離を否定すると言うことになる。別離を否定すると言う事は、他にないあの彼女の誇りを否定する事になる。

それは、予想では無く、確信だった。確かに、最初は予想だったが、

彼を見ていると、虚ろな目をすると、すぐ様無理に明るく振舞っているという事に気付き、それは予想では無く、確信に変わった。

「もう、全く馬鹿なんだからーー。」

そういう経緯があり、師匠として、友人として彼と彼女を引き合わせて上げようと思い、魔術の勉強の片手間にその方法を考え、調べてきたのだ。

そして、最近ある事に気付いた。それは、単純明解な答え。

『英霊を召喚する際には、英霊、少なくともセイバーは時を超えてきたんだから、こっちも同じ事をしたら、同じとは至らなくても似たようなことは出来るのではないか。』と。

「っていうことなんだけど、どう?衛宮くん?」

「ああーでもそんな事本当にできるのか?」

いつも思ってたけど、遠坂って人に言えないくらいお人好しだよな。まあ、でもここまで考えてくれてたんだからそれは、黙っておこう。

「そりゃあ、世界ほどの魔力がある訳じゃないから、単純に召喚するのは無理だろうけど。」

「じゃあ、どうするんだ?」

「空間転移の応用よ。何かしらの触媒を用意して、セイバーとこの時代にパスを作るの。でも、私達の魔力じゃ足りないからあっちに戻ったセイバーが了承しないと、この方法は失敗に終わるわね。」

「ああ、それなら大丈夫さ。元々、強引に連れ戻す気はない。で、触媒だがーー」

「あるじゃない。そこに。」

そう言って遠坂は俺に指をさした。

「え、俺?俺で大丈夫なのか?」

「大丈夫って…別に衛宮くんだけじゃどうにもならないんだけどね。貴方、持ってるじゃない。」

「俺が持ってる?ーーぁ」

 

ーー全て遠き理想郷

セイバーが持っていた聖剣の鞘にして、5つの魔法にすら干渉を許さない宝具。

「そういえば、返し損ねたな。」

セイバーは生前、その鞘を盗まれた。それがどういう事か、周りに回って今、俺の体に溶け込んでいる。

この偶然が、セイバーとの出会いを生んでくれた。これは偶然なのか、はたまた運命なのか。それは、誰にも分からないが俺は運命だと信じたい。

「そう、それ。それを使ってセイバーを呼び出すのよ。どうする?もう、今からする?」

「ああ、そうしよう。こういう事は早くやっとかないと落ち着けないからな。」

「じゃあ、ちょっときてくれる?」

そう言って連れて行かれたのは土蔵だった。セイバーと、俺が初めて出会った場所。思えば、あの時から俺はセイバーに惚れていた。

「うんしょっと。」

そう言って埃を立てながら遠坂が退かした小物の下には誰が描いたかも分からない、魔法陣が会った。

「へえ、こんなものが会ったんだ。」

「って、知らなかったの!?じゃあ、誰が描いたのよ!」

「いや、ごめん。全くわからない。まあ、じいさん位しかいないだろう。」

「はあ、貴方本当によく聖杯戦争を勝ち抜けたわね…」

そう言って、落胆したが、まあ結果オーライって事でまあいっかと1人で問題を解決する遠坂に聞いてみる。

「で、どうするんだ?」

「ちょっと待ってね。ん…やっぱり霊道が残ってるわ。」

遠坂が言うにはセイバーがこの時代にきた道が薄っすらとだが残っているらしい。

「いい?衛宮くん。とりあえず、この霊道が分かる?」

「ああ、言われてみればだけど分かる。」

俺も魔術師として、それなりには成長した。そう、魔力の痕跡を感じ取れる位には。

「じゃあ、この霊道に沿って、貴方の身体にある聖鞘をこの霊道の行き先まで届けてあげて。そこには、貴方がセイバーに言いたい事も込めてね。そしてこの時代への戻り方も。」

「ああ…分かった。

ーー投影開始ーーー」

 

 

■■

 

 

 

 

ーーベディヴィエール。無事、王の命令をはたしたことを誇るがいい。今度の眠りはー少し、長くーーー」

吹き抜ける風。薄れ行く意識。とても心地良い。

このまま、眠りに着いたらまた、あの夢を見れるでしょうか。

「…シロウ」

たった数日の事だったが凄く充実した日々だった。

心まで温めてくれる食事。決してする事が無いと思っていた逢い引き。何気無い思い出すべてが、尊いものだった。

ああーー

シロウーーーー

その名前だけが頭を過る。

願わくば、もう一度だけーーー

そう思った矢先、目の前で何かが発光した。

見覚えのあるそれは紛れもなくかつてこの手を離れた聖鞘だった。

「貴方は、貴方は私の願いを叶えてくれるのですか?」

風によって消え入りそうな弱々しい声でそう言い、触れようとする。

すると、何かが頭に入り混んできた。

それは、シロウ、凛、桜、大河、イリヤスフィール、あの時代で自分を囲んでくれたみんなとの思い出。

それが、時系列順に並んで入っていた。

ああ、戻りたい。もう一度、あの時を…

その記憶に浸っていると、思っていた以上に早く終わりが近づいてきた。

ーーその責務を、はたしてくれーーー

ああ、思えば短かかった。

いや、日付としてみると本当に短い。だが、その短い間でたくさんの事を教えてくれた、シロウ達との出会いは間違いなく掛け替えのないものだろう。

全て遠き理想郷が最後に見せてくれた夢。儚い日常の記憶。

気づくと、目から大量の雫が溢れ出ていた。

ーーありがと

「…ッ?」

何かが流れ込んでくる。だけど、嫌では無い。暖かい何か。

 

『なあ、セイバー。シロウだよ。覚えてるかな?なんか照れるな。そっちじゃ、そんな時は経ってないと思うけど、こっちではもう結構経ったんだよ。みんな違う道を歩いてる。』

 

彼の声だ。でも、あの時聞いた声のままではない。あの赤い弓兵に心なしか似ているような気もする。

 

『実はもう高校は卒業して、世界を飛び回ってるんだ。もう何年も経ったんだ。年を食ったらやっぱり、今まで見えなかった事も見えてくる。それは、良いようにも悪いようにも。でも、変わらないことが1つだけあるんだ。』

 

それは何でしょうか?と聞いてみる。聞こえているはずもないのにその答えが丁度良く返ってきた。

 

『俺やっぱりさ、セイバーのことが好きなんだ。忘れられない。正直、もう一度、一緒に暮らしたい。それで、1つ質問があるんだけど、この質問はずも一度しか言わない。よく聞いて、よく考えてこたえてくれ。』

 

涙が溢れる。胸を締め付けるようなこの気持ち。そんな、今まで味わったことのない、懐かしく、嬉しい、幸せな気持ちを感じながら、早く言って下さい。と急かしてみた。

 

『もう一度、一緒に暮らさないか?ずっと、どちらかが死ぬまで、ずっと、一緒に。』

 

「ぅ…うぐっ…うあああ」

感情が壊れる。彼女は王であるにも関わらず、いや、1人の少女として号泣した。

 

『いいえ、と答えるならそれで構わない。この出来事は無かった事にしてくれ。はい、と答えてくれるなら…この聖鞘に触れてくれ。』

 

彼女は迷いなく、その眩いばかりの光の中の聖鞘に手を触れさせた。

 

 

 

 

■■

 

 

 

 

 

「ふぅ、終わったぞ、遠坂。」

「良くやったわね。衛宮くん。後は、セイバーの反応を待つだけよ。」

「ああ」

セイバーはどうするのだろうか。それは俺にも分からない。でも、俺はセイバーがどんな選択をしようと受け入れる覚悟はできていた。

何よりセイバーは、俺の最愛の人かんだから、彼女の選択を讃えてやりたい。

 

遠坂は終えたと言ったら、そそくさと土蔵を出て行った。

だから、今は1人だけ。色々な事を思い出しながら彼女を待っている。

 

思えば、出会えたこと自体が奇跡だった。

偶然、あの地獄のような業火に巻き込まれ、

偶然、じいさんが助けてくれて、

偶然、じいさんがあの聖鞘を俺に渡し、

偶然、じいさんが引き取ってくれて、

偶然、ランサーとアーチャーの戦いを見てしまい、

偶然、土蔵に誰が描いた魔法陣の上に吹き飛ばされ、

偶然、セイバーに出会えた。

そこからも偶然ばかり、聖杯戦争を勝ち抜けたのも偶然だ。

だけど、ここまで偶然が重なると、必然の様に思えてくる。

そうだ。運命なのだ。俺とセイバーの出会いは運命だったんだ。

なら、また、出会える筈。それは運命だから。

 

ーー魔法陣が光る

目の前が発光し、見えなくなる。

目を開けてみると、そこには黄金の髪を揺らし、赤くなった緑眼で俺を見ているセイバーの姿があった。

 

「セイバー」

そう言うとセイバーは俺の胸に頭を押し付けてきた。

「…ぐすっ…卑怯です。私が断れると思ったのですか?」

「ああ、ごめんな、セイバー。でも会えて嬉しいよ。」

「私もです。シロウにまた会えてとても嬉しい。」

「おかえり、セイバー」

「はい、ただいま、シロウ」

そう言って2人は熱い口付けを交わした。




何で戻れたのかはこれからちょっとずつ説明していきます!
いや、まあ、あくまで想像なのでそれが理に基づいているかはわからないですが笑
これからは何気無い日常を書いていきたいと思います!
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