ラブライブ!~もうひとつのsnow halation~ 作:フィッシュボール
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冬の寒そうな空が夜の色に染まりはじめ、地上の街頭に光りが灯りはじめた夕暮れ───。
希は買い物を終えて、家に帰る途中だった。
彼女の右腕には今日の晩御飯の食材が詰まったマイバッグを、左腕にはお菓子などが詰まったレジ袋をそれぞれ提げていた。
「(う~ん、ちょっと買いすぎやな……)」
希は絵里とのお泊まり会が楽しみで、いつもより多めに買い物をし、普段はあまり買わない菓子類にまで手を出してしまい、彼女の持参しているマイバッグの容量を大きくオーバーしてしまった。
「(なんだかんだウチが一番このお泊まり会を楽しみにしとるんやな~)」
希は空を見上げてクスクスと笑った。
「それにしても、ちょっと重すぎやな……」
───と、希が呟いた時だった。
ブー! ブー! ブー!
彼女の制服のポケットの中で携帯電話が震えた。
「うっ……! こんなときに」
仕方がないので希は右腕のマイバッグを地面に置き、両足で挟み、空いた右手で携帯電話を取った。
ディスプレイを見ると、どうやら絵里からの着信のようだった。
「もしもし? エリち?」
『あっ、もしもし? 希? もうすぐあなたの家に着くから連絡したわ』
「そうなんや、ウチももうすぐ着くでから、もし先に着いたら待っといてや」
『分かったわ! あっ! そういえば公園で
絵里がやたら『面白い』を強調した口調で言った。
「面白いものって?」
希は首を傾げた。
『それは見てからのお楽しみよ』
絵里は少し意地悪な口調で言った。
「ふーん……じゃ、楽しみにしとるわ」
───ガチャ。
電話を切ると、希は再び右腕にマイバッグを提げて駆け足で帰った。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
希が自宅に到着する頃には絵里(たち)はすでに扉の前に立っていた。
「あら? ずいぶん遅かったわね」
絵里は希と出会った時と服装は変わらないものの、その左腕には一泊のお泊まり会には大きすぎるバッグを提げていた。
それを見た希は思わず口元が緩んでしまった。
「クスクス、やっぱり似た者同士やね、ウチら!」
「なんのことかしら?」
絵里はなぜ自分が笑われたのかが分からないかのように首を傾げた。
「なんでもない!」
「変な希ねぇ───あっ! そうだわ、希、あなたに面白いものを見せてあげるわ」
「さっきエリちが公園で拾ったっていうあれ?」
「そうよ、もしかしてあなたには少し迷惑がかかるかも知れないけど……」
「迷惑? 犬とか猫とか?」
希が聞き返すと絵里が「出てらっしゃい」と後ろの柱に呼びかけた。
すると、柱の陰から上半身はダウンコート、下半身は部屋着にサンダル、という寒いのか熱いのかよく分からない服装をした希や絵里たちと同じくらいの歳の少女が現れた。
その少女を見た希は目を見開いて驚いた。
「───穂乃果ちゃん!?」
なんと、柱の陰から現れたのはμ'sのリーダの
「の、希ちゃん……ア、アハハ」
穂乃果は希の顔を見ると気まずそうに笑いながら小さく手を振った。
「なにがあったん!? エリち?」
希が江里に状況の説明を求めようとすると、絵里が少し怒ったような目付きで穂乃果を見た。
「ほら、穂乃果、自分で説明しなさい」
「えっ、えっと……エヘヘ……」
あまり話したくないのか穂乃果は自分の頬をポリポリと掻き、笑って誤魔化そうとした。
「笑って誤魔化さないの!」
絵里にピシャリと言われ穂乃果は親に怒られた子供のようにシュンとなった。
「えっと……
「えぇ~!?」
穂乃果の衝撃のカミングアウトに希は思わず声を挙げた。
「───それで、希ちゃんにお願いがあります!」
「は、はぁ? なんでしょうか?」
戸惑いのあまり希はいつもの口調を忘れ、敬語で答えた。
「一晩だけでいいので、私を泊めさせて下さい! お願いします!!」
そう言って、穂乃果は希に向かって勢いよく頭を下げた。
「───って言ってるんだけど、どうする?」
腰がほぼ直角に折れ曲がった穂乃果を見ながら絵里は希に訊ねた。
「えっ!? う、うん。別にウチは構わんけど……」
希は状況がよく飲み込めないまま承諾した。
こうして、お泊まり会は希、絵里、穂乃果(家出中)の三人で行うことになった。
ということで、第二話でした。
自分の中では穂乃果が一番家出しそうなキャラだなぁと思い登場させました。
自分は家出なんてしたことない、というよりもやる勇気がないので、したことなんてないのですが。
皆さんはどうですか? 家出したらやはり穂乃果のように友達の家に行くんでしょうか?
さて、話が変わりますが今回の絵里は少し海未みたいな感じがしましたね。
これも自分の中のイメージですが、絵里は海未の次くらいに穂乃果のことをしっかり叱ってくれるイメージがあります。
なので、この二次創作では少し海未みたいな絵里が展開されていく予定です!
そういうことで次回も楽しみにしていて下さい。
ご拝読ありがとうございました!