ラブライブ!~もうひとつのsnow halation~   作:フィッシュボール

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 結成したばかりのほのチカ探偵団の前に最大の難関『東條 希』が立ちふさがる!
 果たして、彼女達はこの難関をどう乗り切るのか!?


#5 ただの想い出①

 

 ───二人は同時に顔を上げてお互いを見合った。

 

 「それじゃ、作戦開始よ!」

 「オッケー!」

 

 絵里と穂乃果は小さく頷くと、席から立ち上がるとエプロンを身につけた希のもとに向かった。

 

 「───ねぇ、希ちゃん」

 「なぁに? どうしたん? 穂乃果ちゃん? ご飯はまだやで」

 

 希は穂乃果のほうには振り向かずに応えた。

 

 「ううん、ご飯のことじゃなくて......」

 「なら、どうしたん?」

 

 ようやく希が穂乃果のほうを向き首を傾げながら訊ねた。 

 

 「えっと......」

 

 穂乃果がに困ったようにキョロキョロと目を泳がせ答え出そうとしなかった。

 そんな穂乃果に希が疑いの眼差しを向けられようとしたその時、絵里がすかさずフォローに入った。

 

 「───ちょっとあなたの寝室に行きたいんだけど、ダメかしら?」

 「寝室? なんで?」

 

 突然の絵里の申し出に希は少し戸惑ったような表情を浮かべた。

 

 「ほら、今日は穂乃果が飛び入りで参加しちゃったじゃない? だから、穂乃果がどこで寝ればいいかを考えようかと思って......」

 

 「ふ~ん......」

 

 二人の作戦というのは単純にして明快───つまり、『正面突破』だった。

 二人は話し合いのすえ、「希には下手な作戦や小細工は効かない」ということになった。

 よって、「寝るところを決めたい」という体で希の許可を取り、彼女の寝室に堂々と『正面突破』する作戦を実行することにしたのだった。

 

 「ね? だからいいでしょ?」

 「別にええけど、本当は穂乃果ちゃん今日は悪い子やったから、廊下で寝てもらおうと思っとったんやけど」

 「えー!? 酷いよ! 希ちゃん!! そんなとこで寝たら凍え死んじゃうよ!?」

 

 希の発言に穂乃果が涙眼になった。

 そんな穂乃果を見て希はクスクスと笑った。

 

 「じょーだんよ、まぁ、確かに一人増えたんやし寝るとこは大事やね。あっ、でも、押入れにお布団が一組しかないんやけど……」

 「それなら心配いらないわ。私、寝袋持ってきてあるから!」

 「なんで寝袋なんか持ってきたんよ……? お布団あるって知っとったやろ?」

 

 希が少しジト目気味な眼差しで絵里を見た。

 

 「それはやっぱり、ワクワクするお泊まりには『寝袋』でしょ!?」

 「は、はぁ……」

 

 困惑する希に絵里はきらきらとした目で答えた。

 どうやら、あの絵里の持ってきた異常に大きな荷物には寝袋が入っていたらしい。

 

 「ま、まぁ、とにかく今回はエリちのおかげで穂乃果ちゃんの寝るものの確保はできたみたいやから、じゃあ後は、どこで寝るかだけ決めといてね」

 

 「「はーいッ!!」」

 

 二人は元気よく手を挙げるとそのまま希の寝室に入っていった。

 

 「ふぅ……」

 

 元気よく部屋に入っていった二人を見届けたあと希は小さくため息を吐いた。

 

 「───なんか嫌な予感がするんよね~……」

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 ────カタン......。

 

 希の寝室のドアがゆっくりと閉められた。

 そして、絵里と穂乃果はゆっくりと深呼吸をした。

 

 「「作戦成功~!」」

 

 絵里と穂乃果は飛び上がってハイタッチをした。

 二人は作戦成功(のつもり)の喜びを分かち合った。

 

 「さ~て、いよいよだね」

 「えぇ! 早速調査開始よ!」

 「おぉ~! で、なに探すの?」

 

 穂乃果の渾身のド忘れに絵里は思わずずっこけた。

 

 「穂乃果、あなた自分で希のあんなものやこんなものを見つけるって言ったんじゃない」

 「そうだった! 忘れてたよ!」

 「しっかりしなさいよ~、でも、あの演技はなかなかのものだったわ。あのしどろもどろした反応なんかなかなかできないものよ」

 「エヘヘ、そうでしょ~」

 

 穂乃果が自分の頬を掻きながら嬉しそうに笑った。

 そう、あの時、希に問い詰められた時の穂乃果の反応は演技だったのである。

 穂乃果がそのまま希に部屋に行きたいと言っても怪しまれるので、あえて反応に困るフリをして絵里をフォローに回らせて部屋に入る口実を作ったのだった。

 

 「でも、絵里ちゃんも希ちゃんのことよく分かってるね~、スゴいよ!」

 「一年以上一緒にいれば分かってくるのよ、あの子のことは……」

 「絵里殿、お主も悪ですよの~」

 「いえいえ、穂乃果様ほどではございません」

 

 笑いあう二人の顔は完全に時代劇に登場する悪役そのものだった。

 

 「さ~て、それじゃ、改めて調査開始よ!」

 「おぉ~! 覚悟しててね、希ちゃん!」

 

 そう言うと、絵里と穂乃果は部屋の目ぼしいものがありそうなところに散った。

 




 ということで、第五話でした。
 
 今回も前話と同様に①、②の二部編成でお送りしたいと思います!
 
 さて、さっそく本編の話に入っていきますが、やっぱり自分のなかではあの、ほのチカ探偵団の『東條 希突破作戦』が一番書いてて楽しかったです。
 穂乃果の演技力と絵里のフォローが加わったなかなかナイスな作戦だったと思います。
 正直、自分のなかで希はμ'sのなかでもっとも出し抜けないキャラのイメージがありますから、小細工を加えた頭脳派作戦も突破されそうだったのでこのシンプルな作戦にしました。
 という言い訳を先にしておいて、やっぱり自分の脳ミソではとても頭脳を使った作戦なんて思い浮かびません。
 本当にそういう作戦を考えつく人たちは尊敬します。

 さて、次回はいよいよ希の寝室に侵入したほのチカ探偵団。
 そこで見つけるものとは!?

 ということで次回もお楽しみにしていてください。
 ご拝読ありがとうございました!
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