ラブライブ!~もうひとつのsnow halation~   作:フィッシュボール

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 いよいよ本編が始まります!
 オリキャラも出ますよ!!


第一章~望の過去~
#6 トビラを開ける人


 

 「ま、話は座ってからにしよ」

 

 希は絵里と穂乃果を諭すように言った。

 そして、二人は先程まで座っていた机に座った。

 今度は絵里と穂乃果が隣同士に向かい側に希が座る形となった。

 

 「さ、希ちゃん! そのプリクラについて説明してもらうよ!」

 

 穂乃果が机に身を乗り出しながら詰め寄った。

 

 「まぁまぁ、落ち着いて穂乃果ちゃん。説明する前に一つ聞きたいんやけど……───」

 

 そう言うと、希は絵里の方にジト目を向けた。

 

 「エリち……、エリちはなんでウチのブラジャーなんか着けとるん?」

 「ふへぇ!? え、えっと……」

 

 椅子に座る絵里の胸には先程穂乃果が発見した希の紫色のブラジャーが装着されていた。

 しどろもどろする絵里に希はずいっと身を乗り出した。

 

 「え~り~ち~!」

 「ごめんなさい! 悪気があったわけではないの!」

 

 絵里がブラジャーを着けたまま頭を下げて謝罪した。

 そんな絵里に希はため息をついた。

 

 「そんな格好で悪気がないって言われても説得力がないんやけど、ま、若気の至りってことで許しとくわ」

 「お、恩に着るわ」

 「ま、だからとりあえずそのブラを外してくれる?」

 「え、えぇ! そうね!」

 

 絵里が慌ててブラジャーを外した。

 

 「よし、じゃあ、話すよ」

 

 そういうと希はどこか遠くを見つめるように語りだした。

 

 「あれはまだ、ウチが中学校二年のとき……───」 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 当時、中学二年生だった希は両親の相次ぐ転勤から転校を繰り返していた。

 そのため、希には友達と呼べる友達がおらず、いつも独りぼっちだった。

 だがしかし、彼女に友達がいなかったのはそれだけではなかった。

 

 (またいる、まだ迷ってるのかなぁ?)

 

 なにもいない空間に視線を向ける希。

 そう、彼女には普通の人には見えない幽霊や霊獣が見えてしまうのだ。

 そのため、彼女は周囲から変わり者扱いされたくないがためにあまり誰かと話そうとはしなかった。

 だから希はいつも本を読んでいた。

 

 (また今日も誰とも話せなかった……はやく一日が終わらないかな)

 

 誰もいない教室で読書をしながら彼女はついもそんなことを考えていた。

 やがて、最終下校のチャイムがなると希は読んでいた本を閉じ、帰る準備を始めた。

 その時だった───。

 

 ───ガラララララ!

 

 教室の扉が勢いよく開かれ中から一人の少年が飛び出してきた。

  

 「あれ? 東條さんじゃん! なにしてんの?」

 

 少年の名前は玖音 日向(ひさね ひゅうが)

 彼は希のクラスメイトで彼女とは違い明るくとても社交的でクラスの人気者だった。

 そんなクラスの人気者が誰もいない教室に現れたのだ。

 

 (な、な……なんで玖音くんが!?)

 

 希は驚きのあまり目を見開いたまま固まった。 

 しかし、すぐに我に返りなにか返答しようと口を開いた。

 

 「え? あ! その……」

 「え!? まさか勉強!?」

 「ち、違うよ! 本、読んでただけ……(顔、赤くなってないかなぁ?)」

 

 希は慌てて答えて訂正した。

 もう、顔は真っ赤に染まっていたが夕日が差す教室のお陰でなんとか顔の赤みは隠れていた。

 

 「へぇ~、本好きなんだ! そういえばいつも読んでるよね!」

 

 希は恥ずかしさと緊張のあまり黙ってうつ向いてしまった。

 なにせ、誰かと話すこと事態久しぶりなうえ、その話しかけてきた相手が今まで一度だって会話したことのない男子だったからだ。

 

 「どうしたの東條さん? 具合でも悪いの? なんか顔が赤いし……」

 

 日向が心配そうに希の顔を覗き込んだ。

 希の顔が更に真っ赤に染まる。

 希は大慌てで顔を逸らした。

 

 「だ、だ……大丈夫だから!!」

 「うおっ!」

 (しまった! おっきな声出しちゃった!)

 

 恥ずかしさのあまり大きな声で怒鳴ってしまった希に日向が驚いて後ろに下がった。

 

 「ハハハッ! 確かに大丈夫そうだな!」

 

 希の態度にも少しも嫌な顔をせずに日向は笑い飛ばした。

 

 「ひ、玖音くんはなんで教室(ここ)に?」

 「ん? あぁ、教室に忘れ物しちゃって……」

 

 ポリポリと頭を掻きながら照れくさそうに日向は笑った。

 

 「そうなんだ……」

 「おう! そうだ! ちょっと待ってて東條さん、すぐに見つけるから!」

 「えっ?(なんで、待つの? ま、まさか……!)」

 

 そう言うと日向は自分の机に向かい机の中を覗き込むとプリントを三枚ほど取り出した。

 

 「あったぁ!! 見つけたよ東條さん! 一緒に───って、あれ?」

 

 教室には日向だけがぽつんと立っていた。

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 希は下駄箱の裏に隠れて息を整えていた。

 慣れない異性との会話に希は限界を感じ教室から逃げ出すように帰ってしまった。

 

 「ふぅうう~!(男の子と初めて話した……)」

 

 希は自分の真っ赤になった顔を手で触れながら大きく息を吐いた。

 

 「(絶対に嫌われちゃったよね……)帰ろ……」

 

 一人でとぼとぼと帰っていく希の背中は夕焼けに消えてしまいそうなほど儚げで弱々しかった。

 




 ということで第六話でした。
 
 やっと出てきましたオリキャラこと玖音 日向《ひさね ひゅうが》君。
 先に述べておきますが『玖音』と書いて『ひさね』と読むのは完全に自分の当て字です。
 本来は『くね』? と読むのかなと思います。
 さて、自分は希のような経験がないのでわからないですが、やっぱり逃げちゃうもんなんでしょうか?
 そりゃ、ドキドキはするとは思うのですが……。
 まぁ、これは二次創作。
 好きなように書けばいいですよね!?
 ということで、次回から徐々にあの二人の距離が───!!
 という展開になっていきますのでお楽しみに!

 ~謝罪~
 
 前話、前々話でいっておりましたコメンタリー形式の後書きですが、諸事情により中止にしました。
 誠に勝手なことをしてしまい申し訳ありませんでした。
 今後もこの形式の後書きで書かせていただくので何卒ご理解下さい。

 それでは次回もお楽しみに!
 ご拝読ありがとうございました!
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