東方携帯獣 ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~ 作:キョウキ
足の小指を骨折しました(´;ω;`)
待ってくださり、ありがとうございます。
「妖怪の山 守谷サイド」
早苗、諏訪子が作り出したこの隙を逃すまいと特攻を仕掛ける。
そして、巨神がこちらに手を伸ばしてくるのは想定内。
天狗の話によれば、その攻撃パターンは3~4つ。
あの拳による直接攻撃に気をつけておけば、問題はないと言う。
その言葉を思い出しながら、伸ばされたその腕を払い落とすべく
スペルカードを詠唱。
神奈子「神祭『エクスパンテッド・オンバシラ』‼」
その言葉と同時に、背中の注連縄に備えられた御柱が、弾幕として具現化。
それが、避けさせる気も与えないほどの超高速でその腕を滅多打ちにする。
その時、腕にダメージを与えたのか、まっすぐ伸びていた巨神の腕が
下へと垂れ下がるようにして降りた。
神奈子(倒せる!・・・山を荒らしたコイツを‼)
完全な勝利への確信。それは、まるで麻薬のように神奈子の心理を満たした。
それならば、気づかぬことも無理はなかっただろう。
巨神の持つもう一本の巨椀が、神奈子ではなく「早苗」の方へと向けられたことに。
早苗「え・・・」
最初に当然、早苗が気づく。
諏訪子「おっと!?」
それを察して、諏訪子が焦る。
神奈子「早苗!そこを離れ・・・」
そのことに気が付いた私が、避けるように言葉を発する。
その言葉は、途中で掻き消えた。
何故なら、巨椀が洞筒となり。
発射口とかした掌から巨大なレーザーが轟音と共に早苗を襲ったからである。
:はかいこうせん:
私は、この時ほど後悔したことはなった。
悔やんだことはなかった。
絶望したことはなかった。
悲しんだことはなかった。
怒りを感じたことはなかった。
私は、それらの黒い感情が混じり合った声で叫んだ。
神奈子「早苗えええぇぇぇぇぇぇ‼‼」
早苗「え、あ、ハイ?」
また・・・。
その時ほど安堵と驚きを感じたことはなかった。
背後から確かに早苗の声がし、振り向けばそこに平然として立っていた。
さっきと違うところを上げるとすれば、隣にいつか見た人物が立っていた
ということだけだった。
???「ほらー。お嬢ちゃん、危ないよぉー。
あんなレーザーすぐ察知して避けられないと霊夢には勝てんぞぉ―」
早苗「え、あ・・・ああ、酒臭い!あなたお酒臭いです!」
早苗が酒臭いと称したその人物。
白のタンクトップにも似た洋服をラフに着こなし
空色のスカートをたなびかせる少女。
しかし、その頭からは桜の枝のように曲がった二本の巨大な角が生え
手首には三角やら球型やらの重りが鎖で繋がれていた。
当然、そのような姿・身体をしているからには人間ではない。
妖怪も妖怪。その妖怪の頂点に君臨する最強の種族。
その筆頭。
神奈子「『伊吹・・・萃香』・・・・」
萃香「うんむ。幻想郷最強妖怪の一人、萃香様だ―」
その正体を確認してから、早苗の無事も確認しひとまず安堵。
しかし、その安堵と同時に生じる疑問。
「なぜこの鬼は早苗のことを助け出した?」
その疑問の答えは、至極簡単な物であった。
萃香「元この山の主としてこれを守るのは至極当然。ヒック
たまたまだよ、彼女が助かったのは。
私の機嫌が良かったからなんだ」
至極簡単な物だけに、さらなる疑問が生じる。
「山が襲われているのに、機嫌が良い?」
その疑問の答えは・・・
萃香「私やこの山の妖怪達。
それら全てを相手にしても顧みない態度とそれに見合った力量。
それに、山を動かすくらいの腕力!
山を支配したこの能力と、どっちが強いか気になってね。
機嫌が良くなったんだよ。
こいつが、みじめに私の手によって敗北することに対して・・・
私は今、とても上機嫌なんだ♬」
そうして笑った。
その笑みは、完全に狂人のそれを含んでいたことに私は気づいた。
しかし、その笑みも長く見ることはできなかった。
次の瞬間には笑みと共に姿が消えていた。
消えて、その巨神を殴り飛ばしていた。
萃香「さぁて・・・第二ラウンド・・・始めっ!」
▼
「博麗神社 霊夢サイド」
普段なら、鳥の鳴き声や虫の音色。木々が奏でる静かな喧騒が包む
霊験あらたかな深々とした神社であるが、この時だけはそれもなかった。
神社の境内には、大勢の人間たちが集まり、皆それぞれの不安を表していた。
なにせ、この幻想郷ができて以来。
不動にして寡黙を守り続けた妖怪の山が動かされたのだから。
里の人々の不安は、それこそ計り知れないほどであろう。
霊夢「・・・」
魔理沙「なぁ霊夢・・・行かなくてもいいのか・・・?」
魔理沙は、私に向けてかなりの不安とイラつきを含んだ声で聞いてきた。
霊夢「大丈夫よ。あの山の異変は、あそこの神達に任せてあるし。
それに保険として、萃香も向かわせといたから」
魔理沙「萃香をか・・・それでも、万が一という事もあるだろう?」
霊夢「万が一があった時のために、私はここにいなくてはいけないのよ」
私も、少しイラついていたのかもしれない。
いつもより刺々しい声で魔理沙に応えてしまった。
霊夢「紫と藍も言っていたでしょう?
私は、「博麗 霊夢」という「巫女」。
言葉にするなら、「幻想郷の守護者」。
その守護者が、里の人間達をここに残して単身山に行ったとなれば・・・
当然。里の人たちはパニックになる。
万が一・・・そう、万が一。萃香も山の神も倒されてしまったら・・・
誰が、この人達をまとめるって言うのよ?」
私は、そう説明した。
この説得においては、魔理沙も特に言い返すことは無いだろうと思ったが。
今度は、
魔理沙「お前が行けないのなら、私が行ってきてやる。
どうしても心配だからな」
そう言ったが・・・私は反対の意思を込めて首を横に振った。
魔理沙「ああ!?なんでだよ!?」
既に魔理沙はキレ気味である。
霊夢「あなたが行く必要はない・・・全部萃香と山の神に任せときなさい。
それに・・・あんたが行って・・・戻ってこなかったら・・・」
私は、自分でも何を言っているのかと思ったが、時すでに遅し。
魔理沙が、さっきまでの不機嫌はどこへやら。
ニヤニヤとこちらを見て楽しそうに笑っていた。
魔理沙「・・・」ニヤニヤ
霊夢「な・・・何よ・・・」
思わず声が裏返り、つっかえる。
それを聞いた魔理沙はさらに楽しそうに、嬉しそうに笑い
魔理沙「そうか・・・霊夢がそう言うんじゃーしょうがないかなー。
いやー・・・霊夢がそんな風に私のことを(霊夢「蹴とばされたいのかしら?」
魔理沙「おおう、怖いぜ」ニヤニヤ
魔理沙は、さっきまで「怒りを募らせていたことなんてありませんよ」と言うかのように
ご満悦な調子だ。
私は、そのことに不満を覚えながらも。
私が現場に行けない理由と、魔理沙に行ってほしくない理由を伝えられたため
それでいいか、と思った。
魔理沙「あ、ああ・・・それと霊夢。
お前、この異変はいつまでに終わると思う?」
霊夢「ああ、なんだそんなことね・・・そうね。
大体、朝日が昇るころかしら?」
▼
「博麗神社 AZサイド」
私は、少しばかり驚いた。
話によれば、異変があったらすぐさま駆けつけるだろうと思っていた巫女が。
まだこの神社にいたという事に多少なりとも驚愕した。
AZ「まさかまだ出発していなかったとは・・・」
思わず口に出ししまった。
その声を聞いた阿求は、少し納得したような表情で
阿求「霊夢さんは・・・多分ですけど、何か考えを持って
動かないのだと思いますよ。
霊夢さんは勘で行動する人ですから」
AZ「ならば、魔理沙はどうなのだ?」
小鈴「きっと、魔理沙さんにも動けないほどの理由があると思いますよ。
仮に、そういう理由がなければすぐ動く人ですし・・・」
レミリア「それに、この異変は明け方には終わってるわ」
小鈴・阿求「「!?」」
AZ「な・・・」
再び驚いた。
いつからだろうか。小鈴の隣にいつの間にか、あの時の吸血鬼が立っていた。
AZ「・・・いつからそこにいた?」
レミリア「あら?随分と私に対する口の利き方が変わったじゃない?
それほどまでに偉くなったのかしら?外来人さん」
かなり高圧的な言い方。喋り方はあの時から全く変わっていなかった。
しかし、何故この吸血鬼はこの神社にいるのだろうか。
それは当然の疑問であり、それを聞こうとしたが・・・
小鈴「な、何故あなたがここに・・・」
私よりも先に小鈴が理由を聞いてくれた。
レミリア「別に、霊夢に聞きそびれたことを聞こうとやってきたら
山が動いて、人がたくさん来て。
霊夢から「あんた姿消したりできる?」って言われたから
とりあえず陰に隠れたりして姿を消していただけよ」
要するに、霊夢から姿を人に見せないよう頼まれたから影に隠れていた。
ということらしい。
AZ「・・・いや、それよりも。
確かこう言ったな。「明け方には異変は終わる」と・・・」
私は、胸の内から沸き起こった疑問をストレートにぶつけ
吸血鬼レミリアはそれをキャッチし、カーブにして答えた。
レミリア「霊夢が、そう言っていたのと・・・。
私の運命操作能力・・・それによってこの異変の明暗は
既に決定してあるのよ。
それと、さっきそこの稗田の家のお嬢さんが言ったように
霊夢には当然考えがある。
あの白黒はどうだか分からないけどね」
AZ「ふむ・・・ならば、私達も待たざるを得ないだろう」
小鈴「AZさん?」
AZ「今の私達は、少しポケモンが扱えるだけの人間だ。
基本的に妖怪や巫女が大体の法律を決めている以上。
勝手に動いてもいいことは無いだろう」
レミリア「そう、それが正しく賢い判断・・・。
そのうち、あの山の支配者たちが解決することでしょうよ・・・」
そうレミリアは呟き、少し不満そうに微笑んだ。
▼
「やぶれた世界」
ムゲン「おお!間に合ったか!」
博士に連れられて、重力や空間が歪んでいる道を走ってきた私は
その『現場』へとたどり着いた。
そこでは、時間神がこの世界から抜け出そうとしているところであった。
時間神は、胸の水晶体に力を溜め込み、そこから口へと
エネルギーを移動させて、虚空に向け・・・。
ムゲン「!、ヤバイ!サクヤちゃん、ボールを投げろ!」
私は、博士の言葉に従って腰に下げたボールを地面へと叩きつけ
中からさっきのポケモンが出てくる。
「コッフォン」
ムゲン「タテトプス!「まもる」!」
博士が、そのポケモンに守備命令を発し、博士がこちらへ走り
そのポケモンの後ろで屈む。
咲夜「え、えっ、え?守るって、これで!?」
ムゲン「大丈夫だ、いいから伏せていなさい!」
次の瞬間、すべてが止まって見えた。
いや、止まったように見えるほど時間が遅くなったのかもしれない。
もしくは、止まったように見える程時間が瞬間的に速くなったか。
耳を貫く爆音は、一つの光線となって虚空に穴をあけた。
:ときのほうこう」
咲夜「うっ・・・うう・・・」
あまりの熱量と光。音に怯み、耳をふさいで目を閉じた。
死んだ。絶対!
そう思ったが・・・
ムゲン「・・・終ったぞ、サクヤちゃん。
さ、もう大丈夫だ」
そう言って、博士が私の手を取って立たせてくれた。
そこで見た光景は、恐ろしいものだった。
咲夜「こ、これは・・・」
辺りは、グネグネと歪み、逆さまに流れていた滝は、少しばかり細くなっていた。
先程の光線・・・いや、咆哮によって崩れた岩石や浮島は
パラパラと、じれったく思える程遅く下へと落ちていた。
無事なのは、博士のポケモンが守ってくれた個所だけ。
つまりは、私達がいたところ以外は全て壊されていたという事である。
ムゲン「・・・なんということだ・・・」
博士は、かなり落胆したような、恐れたような表情でその光景を見ていた。
それを見て、私は思い出した。
『この世界は、現実世界と密接にリンクしていると』
それがこの被害・・・。
現実世界で、どれほどの影響が出たか計り知れなかった。
しかし、それもただの杞憂に過ぎなかったのかもしれない。
先程の主が、辺りを飛行し、崩れた浮島や滝の周りを回った。
すると、みるみるうちにそれらが再生され。
先程まで崩壊しかけていたとは思えないほどにまで回復された。
咲夜「・・・」
私は、ただただ圧巻された。
そして理解した。
この世界は、向こうの世界と互いに支え合いの構造になっていると。
そう思っていると、博士が私の肩を叩いて、私の前へ続く道を指さした。
ムゲン「見なさい。ギラティナが再生したお陰で・・・」
私は、そこまで聞いて指さす方を見てみた。
そこには、確かに虚空だったはずの場所に、青色に輝く穴が開いていた。
ムゲン「あれに入れば、現実世界へと帰れる」
それを聞いて、私はとても嬉しく思った。
と、同時に奇妙な寂しさも味わっていることに気が付いた。
咲夜「あ、あの・・・いろいろと、ありがとうございました」
私は、その妙な寂寥感を紛わせるために。
今までの感謝を伝えるために頭を下げた。
ムゲン「うん。君も、私の話に付き合ってくれてありがとう。
今度は、この世界に来ないように気をつけることだね」
咲夜「あ・・・ハイ!それでは、さようなら」
ムゲン「うん。元気でやることだね!」
私は、その挨拶を背に受けながら穴を目指して走った。
その時。
ムゲン「・・・あー!ちょっと待ちなさい!」
博士の言葉が耳に届いた。
ムゲン「まだ、『タテトプス』のボールを返してもらってない!」
私は、その言葉を聞き、腰に手を当ててみれば。
成程、確かに紅白球がついてある。
しかし、私は既に穴の中に半身を突っ込んでいた。
咲夜「す、すいません!返しますからあぁぁァァァ...」
ムゲン「待ちなさいと言っているだろぉぉぉォォォ...」
私は、自分の声と博士の声が青色の穴の中で
響き、小さくなっていくのを感じた・・・。
To be continued・・・
酷く久しぶりだったので、かなり多くなりました。