やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
書いてみました。
シリアスなのは苦手ですが。
駄文でよければお付き合い下さい。
「俺は……俺は、本物が欲しい!」
あれから俺達は生徒会と協力して、海浜学園との合同クリスマスイベントを無事に終えることが出来た。奉仕部内の人間関係も、少しは修復の兆しを見せていた。あの紅茶の匂いがする静かな空間を、俺は取り戻すことが出来た。
はずだった。
結論から言うと、俺はまたもや交通事故にあった。今度は絶対に死んだと思う。トラックに跳ねられたのだ。
あれはイベントの帰り道のことだ。雪ノ下に由比ヶ浜が楽しそうに話しかける。俺は少し後ろから二人の跡をついていく。いつものその光景を俺は微笑ましく見ていた。またあの日常に帰ることができると思うと自然と頬が緩むのを感じる。今ならこの腐った目も、少しはマシになっているんじゃないか?とか、考えてしまうぐらい嬉しく感じたのだから。
帰り道はもう薄暗くて、二人を俺は送っていこうと思い、声をかけようとしたら視界の端にトラックが見えた。
『雪ノ下、由比ヶ浜、トラックが来ている。危ない、避けろ。』
実際に口に出したらわかると思うが、咄嗟の判断力が必要な状況では、この台詞は長すぎるし、不適切だろ。実際、雪ノ下は固まって動けない猫みたいになってるし、由比ヶ浜も驚きで犬みたいに怯えて動けずにいた。
お前らはこういう時でも個性があるんだな。
脳内で考えている時にはすでに走り出していた後だった。刹那、人生で一番速く走れたんじゃないか?ってぐらいのスピードで二人を突き飛ばした。
突き飛ばした時の二人の顔といえば酷いもんだったな。
由比ヶ浜、なんて顔をしてやがる。お前はアホみたいに笑ってりゃいいんだよ。だからそんな哀しそうな顔をするな。
雪ノ下の顔は写メを撮りたかったな。氷の女王があんな顔をするなんて、超レアじゃねえ?本当に撮ったりはしねえから。だからそんな泣きそうな顔をしないでくれ。
それが最後に見た二人の顔だ。
俺は大事なものを守った。死の間際に悟ったのだろうか、本当に大切なもの、『本物』とはこの二人の事だったのだと確信した。こんなに側にいたのにな。失いそうになって初めて気付くなんてな。もっと二人と一緒に話したかったな。もっと二人と一緒に居たかったな。もっと、もっと、もっと!俺は無念と未練で涙が出てきた。
…あいつらを助けることが出来たんだ。良しとしよう。クソみたいな俺の人生も、最後はいいことが出来たな。あぁそういえば身体中が痛い。スゲー痛い。あいつらの声は聴こえるのに、もう暗くて何も見えないじゃないか。一言だけでも届けたい。最後に一声だけでも……
「……あ、りが…と……な…」
そこで俺の意識は、深く、深く沈んでいった。
なんとか完結させたいので、短くなる予定です。
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