やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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あまり陽乃さんを表現しきれてないかもしれません。
だって周りにそんな魔王はいないんだもん。
可愛くない魔王はたくさんいるけど(泣)




第15話 雪ノ下陽乃の想い

 

 

 

私は奇妙な体験をした。結論で言うならば奇妙なのだけれど、その…最初は恐怖であったわ。今日は学校で不快になり、病院で彼の御見舞いに行った時に、自分の中にある感情に気付かされたり、そして最後に不思議な出来事が起こった。

不思議な出来事とは何か?どうやったのかは知らないけれど、姿の見えない訪問者に私は戦慄した。恐い。素直にそう思った。女性の一人暮らしに危険は付き物だ。それでも、姿が見えないという恐怖は私という個人をへし折るのには、充分過ぎる威力があった。姉さんを頼るのは、私にとって取りたくない手段の一つであったが、母の手を借りるよりはずっとマシなのだから仕方がない。こういう時の姉さんは頼りになる。

意を決して、電話をかけた。

事情を説明すると、最初はいつもの調子だった姉さんも、今までに聞いた事がないぐらいの驚きと心配の声を出していた。電話越しでも伝わるほどだ、

私を心配してくれている姉さんを新鮮に感じながら、姉さんの掛けてくれた言葉が嬉しかった。どうやらすぐに来てくれるらしい。

待っている間に、不安に襲われる。

こんな時に彼が居てくれたなら、何かしらの方法で解決してくれただろうか?それとも、私の側にいてくれるだろうか?そう思ったところで、やはり彼は私の中でこんなにも大きな存在になっている事を再確認した。

 

 

その時、不意に頭に熱を感じた。

気のせいではない。まるで幼い頃に父に頭を撫でられた時のような、温もりがあった。一瞬、私は驚いてしまったが、環境が狂わせたのだろうか?不安のあまり、心に平穏を求めてしまったのだ。結果、その現象を受け入れてしまっていた。たとえ幻覚でも構わない。その手つきは、父というよりも妹を慈しむ兄のような優しい感じがした。

 

勿論、私には兄はいないのだけれど。それでも…一人だけ心当たりがある。自他共に認めるシスコンの彼なら、きっとこんな感じなのではないだろうか?これは彼の手なのだと思うと、少しずつ不安は霧散していき、心が躍った。そんな穏やかな時間も姉さんが来たことで終わりを告げた。

 

 

 

「大丈夫?雪乃ちゃん!って、あれ?なんでそんなに不機嫌なのかな~?」

 

 

「姉さん……。なんでもないわ。」

 

 

「そう?それよりも、状況を詳しく説明してもらってもいいかな?」

 

 

「そうね、あれは……」

 

 

 

 

 

一通りの説明は雪乃ちゃんから聞いた。いい子にしてるように告げて、私は部屋をあとにした。

 

フ~ン?話を聞いて驚いたけど、要は犯人を特定して処理しちゃえば問題は解決だね。雪乃ちゃんに近づく悪い虫は、比企谷くん以外は消毒しなくちゃね~。雪ノ下家の恐ろしさを思い知らせるのもいいけど、個人的にトラウマを植え付けちゃうのもアリかな?

 

 

マンションには、死角が出来ないようにカメラが配置されている。一般的に目にする監視カメラとは別に、他をカバーするように隠しカメラ的な物も存在する。つまり、インターフォンの内蔵カメラから隠れても、他の監視カメラにはバッチリ映ってしまう。あとは人物像から、色々と特定していけば、個人を特定することも容易なのである。

さぁて、煮てやろうか?焼いてやろうか?と、考えていた時だった。警備会社のスタッフがカメラのチェックが終わった事を告げる。その声は震えていた。何だろう?まさか、危険人物だったのかな?

 

 

「雪ノ下さん。今…全ての監視カメラのチェックが終わりました。ですが、これは…なんというか………」

 

 

「どうしたの?歯切れが悪いわね。何が映っていたのか、説明しなさい。」

 

 

 

ハッキリと言わない言動に、少しの苛つきを覚える。もしも雪ノ下の娘を狙っての行為ならば、警戒レベルを引き上げねばならない。父の政敵、ライバル企業、敵は数えれば切りがない。

 

 

 

「その、逆です!何も映っていなかったんです!見ていただいたほうが早いと思います!」

 

 

「……は?いいわ、全ての内容を見せなさい。」

 

 

 

子飼いの無能さに辟易しながらも、カメラの録画映像をチェックした。

その内容は驚くべきものだった。

本当に何も映っていなかった!いや、正確には人が映っていない。画像の乱れや、故障等では断じてないだろう。ボタンが独りでに押され、インターフォンが鳴る。そのあとにオートロックが開いていないのに、エレベーターのボタンが押される。開いたエレベーター内のカメラにも何も映らない。ごく自然に押されるボタン。エレベーターは上がっていき、扉は開かれる。そして、雪乃ちゃんの部屋のインターフォンが鳴らされる。2度も。まるで透明人間でもいるかのように。昔見た映画でプレデターというものがあった。エイリアンが、光学迷彩により姿を見せなくするような設定だった。まさにそのプレデターでもいるかのような出来事が起こっている。信じられない!解決すると思われた内容は、より明確に困難となっただけだった。

 

 

雪ノ下陽乃にとって、ある程度の事はなんでもできた。これまでも、これからもそれは変わらない。それだけの自信を裏付けるだけの根拠も実績もある。だが、この一件だけは別だ。結局のところ出来たことは、関係各所に箝口令を出し、所謂オフレコにする事だけだった。部屋へ戻ると、雪乃ちゃんが私に結果を聞いてきた。さて、なんと言おう……

 

 

 

「それで…どうだったのかしら?姉さん。」

 

 

「アハハ、雪乃ちゃんはもう心配しなくてもいいよ。あとはお姉ちゃんに任せなさい♪」

 

 

 

口から吐いた言葉は、別に嘘ではなかった。この一連の問題は、アプローチを変えて見ることにした。そこに悪意があるか、ないか?目的は何なのか?今のところは精神的な被害を被ってるものの、特に実害はない。オートロックも無意味な相手だ。それならば、既になんらかのアクションは起こっているはずだ。私がこのマンションに着くまでの間や、先程部屋を空けていた時に凶行は可能だったはずだ。つまり、相手の出方を見ることにした。現状、出来る事は少ない。

 

 

「あの、姉さん…折り入ってもう一つ頼みがあるのだけれど……今夜は、その…泊まっていってくれないかしら?」

 

 

「あんなことがあった後だもんね、お姉ちゃんもとからそのつもりだよ?お母さんにも言えないしね。」

 

 

「そ、そう?なら、部屋を用意するわ。」

 

 

 

うん♪素直な雪乃ちゃんは可愛いなぁ~もう!お姉ちゃん、守りたくなっちゃうよ。それにしてもお泊まりかぁ。随分と久しぶりだね。あの子が避けてたから仕方ないっか。

雪乃ちゃんと共に寝ることとなり、雪乃ちゃんの部屋に行った。どうやら我が妹様は添い寝を希望らしい。そして、そのせいでまたもや信じられないものを目にするのであった。

 

 

 

 

 




次回ももう少し雪ノ下姉妹が続くかも?、

それでわ、シーユー!
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