やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
また頑張ります。
現在、場所は材木座邸。
時刻は深夜。
俺の横で材木座はグースカ寝ている。
なんか字面が汚いから部屋を出る事にしよう。
庭に出たところで、寝る前にした材木座との会話(質問タイム)を思い出していた。
『材木座。明日を迎える前に少し聞きたい事がある。いいか?』
「ウム、どうしたのだ八幡よ?我の百識を頼るか。何なりと聞くがいい。」
『あぁ、俺の物理干渉の制限時間についてなんだが………』
百識の材木座老師(自称)によると、頭を撫でていた時と、パンさんを操っていた時は、イメージよりも想いの力が強かったからではないか?ということらしい。想いは、強ければ強いほど力が強くなるらしい。例えるなら、俺の場合は正の感情であったが、負の感情が強いゴースト等は、よくある怪談話などに挙がってくるらしい。海で足を引っ張られたとか、首を絞められて手形が残ったりとかあるそうだ。何それ、恐い。いや、ホント怖い!
俺がやった頭を撫でる行為も、パンさんを操る行為も、そのどちらも感情が入っていたと思う。その感情とは何か?雪ノ下への配慮?気配り?いや、違うな。始まりはどういう意図があってやったのかを思い出してみよう。どちらも雪ノ下の不安や恐怖を和らげようと、無くそうと思ってやったことだ。つまり、相手を想いやる心だったのではないだろうか?その想いが強かったから、力も比例して強くなったのだろう。そう結論付けた。
更に材木座の講義は続く。
「八幡よ。お主の心の声を認める事が肝要となるのだ。つまり、素直になるということだな。」
『あーまぁ、なんとなく解るわ。つーか、俺なんて超素直じゃん。素直すぎて犯罪係数が免罪体質まであるレベル。』
「何を言っておる?お主は随分と捻くれているではないか。我は小町殿から捻デレと聞いているぞ?」
小町ェ…材木座にすら喋ってるのかよ。お兄ちゃんは悲しいぞ!あと捻デレを拡散するのはやめてね?これ以上、知名度が上がるとお兄ちゃん生きていけないから!
『素直に…か。確かに、俺は捻くれているからな。まともに心の声に従ったこともねーし。従ったところで、俺の黒歴史が増えるだけだからな。』
「ホムン。中学時代の話だな?我も心の声に従って執筆しているが、未だに理解を得ぬものよ。」
『中学時代の俺…か。あの頃はピュアっピュアだったな。まだその時の俺が、俺の中にいるんだろうな。』
「フム……まるでペルソナの設定のようであるな。もう一人の自分、か?」
言われてみると、なるほど。なかなか的を得ていると感心する。俺のシャドウか。昔なら簡単に弱さを肯定していたから自己を認める事が出来たかもしれない。だが、今の俺は否定してしまいそうだ。人間強度が下がったとも言えるな。あれ?いいとこないじゃん。
材木座との回想シーンもそこそこに、今度はペルソナをイメージしてボールを触ってみようと練習に励んだ。ちなみにボールは由比ヶ浜宅よりコッソリと回収した物だ。
『ペルソナ…!』
このくだりは外せないだろ。
それにしても恥ずかしすぎる!
材木座にでも見られてたら、アイツを殺して俺は生きる。なんだ、問題ないな。ちなみにボールは触れないし、ペルソナも出なかった。やはり普通にやっても駄目だと思ったので、まずは一旦整理してみよう。
イメージではなく、想いを高める。
想いに対して、素直になる。
素直になるには、自己の本音と向き合い認める事。
さぁ、もう一度だ。俺の想いを込めてこのボールを動かす。アイツらの為に!明日は失敗出来ない。俺は出来る事をやるんだ!またあの紅茶の匂いがする静かな空間に戻る為に!
『ペルソナァァァ!!』
結論で言うと、ペルソナは出なかった。
結果で言うと、ボールは飛んでった。
そしてお決まりのガラスが割れる音と、微かに野郎の悲鳴が聴こえた気がした。念のため確認に行くと、表札に戸部と書いてあった。知らない仲ではないので、仕方なく安否を確定した。どうやら無事だったみたいで何よりなのだが、ずっと横で「っべー!マジッパネーわ!」と連呼され、イラッときたからボールをぶつけて帰ってやった。
材木座邸に帰り、気持ちを落ち着かせる。とんだハプニングだったが、戸部は緊張感を和らげるのには丁度よかったと言えよう。暫くすると、朝陽が昇ってきたのを確認する。さぁ運命の朝の幕開けだ。
かなり短めです。
次は学校での物語になります。