やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
ようやく出来たので更新。
それでは、どうぞ!
現在、場所は材木座邸。
時刻は朝だ。
眠ることの出来ない俺は暇をもて余してる。グースカ寝てる材木座のアホの寝顔に、暇潰しにヒゲを書いてやった。もちろん油性だ。書き終わると起きてきたので、バレるかも?と、若干キョドりながらも挨拶を交わしてやった。材木座は嬉しそうに起き上がると、朝食を食べにリビングへと向かった。この家に来てわかったことだが、材木座一家は家族揃って朝食を食べる。もちろんヒゲは残ったままだ。家族は誰もツッコまない。いつもの厨二病と思ったのだろう。コイツは歯を磨くまで気づかないのかと思うと少しの罪悪感が生まれた。
そして今は材木座と登校している。
体育が嫌だと材木座は嘆いていた。俺はヒゲを書いたままのコイツに嘆いていた。何?この負のスパイラル?なんで歯磨きの段階で気付かないの?アフォなの?ちなみに教室に入っても、クラスメイトの誰も指摘してくれなかった。そういえばコイツもボッチだったな。大変見苦しかったので、戸塚に癒されに自分のクラスへと移動した。
教室に入ると、戸塚のいる場所に戸塚が居ない。遅刻か?HRまでまだ時間はあるので、根気よく待つ事にした。待っている間に教室を見渡すと、見知った顔がチラホラいる。そういえばこいつら寄せ書きくれたんだよな。そう思うと、どこか気恥ずかしくもあり、心が温まる気がした。
川崎、葉山、三浦、海老名さん、由比ヶ浜、戸塚は居ないけど礼を言っておこう。みんなありがとな。微笑ましい気持ちで皆を見ていたら、後ろからウェイウェイ聞こえてきたからスルーしていると、そいつは俺の体をスルーして現れた。ヤダ、なんか卑猥な響き。誰だよと思う間もなく、戸部だった。完全に忘れてたわ。なんかもう、昨晩の一件から記憶になかったわ。それ、マジパネーっわ!
戸部はグループに挨拶するなり、昨晩の出来事を語りだしていた。哀れ、戸部よ。それがお前の人生で起こる、一番の不思議体験になるだろう。せいぜい自慢するがいい。犯人は俺だけど。戸部が話をヒートアップさせてる。その時は気付かなかったけど、まさかアホの子の由比ヶ浜が気付くとは思わなかった。
「マジヤベーんだって!ボールが飛んできたかと思ったらさぁー、またボールが飛んできたんだって!こう、フワッと?ポコンッ!みたいな?」
「戸部ぇアンタさぁ、それはさすがに夢でも見たんじゃないのー?」
「優美子…それ、あたしもあったんだ。部屋にボールが飛んできたの…」
「結衣まで何言ってんだし。アンタも寝惚けてたんっしょ。」
「ホントだよ!アレは絶対、幽霊さんだよ!そのあとサブレが尻尾振ってたし!」
「結衣~?高校生にもなって幽霊さんとかなくない?ほら、隼人も何か言ってよ。」
由比ヶ浜が嘘つき扱いされてるな。さすがに可哀想だ。戸部はどーでもいいけど。葉山はこういう時は苦笑いしかしないだろう。現にしているし。ここで由比ヶ浜を助けるのは簡単だ。問題を解決してやればいい。ここで黒板にでもデカデカと本当だと書いてやればいい。だが、それでは大勢の目に触れ、後の俺の生活に支障が出る。テレビとか来て、全国放映とかされたら死んじゃう!だから出来るだけ少人数で、信用のおける人物だけに伝えるべきだ。
けど、まぁ解消くらいならしてやらんこともない。俺に出来るのはこれぐらいだしな。葉山……恨むなよ!
「だいたい最近の結衣さぁ~なんか、きゃあ!」
由比ヶ浜に近づこうとした三浦の足を引っ掛け、葉山のいるところへドンッと押してやった。そして現在、葉山に抱かれる形になった三浦は、頬を赤く染めながら暫しボーっとしていた。ナイス葉山!絵になるから少しイラッとくるけど。
「大丈夫かい?優美子。怪我はない?」
「は、隼人。…ありがと。大丈夫だし…。」
そしてチャイムが鳴り、授業が始まるので各自席に戻る形で、先程の話はうやむやになった。席に戻った三浦は「隼人…」と、恋する乙女モードになっていたのできっと大丈夫だろう。
由比ヶ浜は大丈夫だろうか?彼女に視線を移すと、悲しそうな顔をしていた。そしてどこかをずっと見ているようだ。視線の先を辿ると、その先には俺の席があった。小さく、小声で呟いていた。「ヒッキー…」と。由比ヶ浜は優しい女の子だ。他人の事で思い詰めてしまうくらいに。やりきれない気分になった俺は、今日の放課後に向けての決意を新たにした。
ちなみに、先生による出席確認で、戸塚が風邪で休みと聞いた時は、家まで飛んで行かなきゃ!と、本気で思った。むしろ治るまで看病するまであった。残念ながら家は知らなかったので諦めたがな。
やはり教室にいると、いや、具体的には由比ヶ浜といると色々と考えちゃうな。つーか、これ前と同じパターンじゃね?まぁ俺の時間は長いからな。いい時間潰しになるか。今は睡眠をとることも授業もないから仕方がない。仕方がないから雪ノ下のところへ行こう。
J組に来たものの、雪ノ下の姿が無かった。席は間違いないはずだ。一つだけポツンと空席がある。昨晩のような事があれば、雪ノ下なら必ず学校へ来るはずだ。いったい何があった?頭の中を嫌な予想がグルグルと廻る。心底不安になってきた。事故か?事件か?家の事情か?病気か?昨日は陽乃さんもいたはずだ。陽乃さんは一緒じゃなかったのか?あの人がいればある程度は大丈夫だろ?それとも、あの人が居ても対処しきれない事態になってるのか?…解らない。解らないことは酷く恐いことだ。不安に押し潰されそうになる。
雪ノ下の家に行こう。行って確かめる。俺は窓から外に飛び出した。その時、見覚えのある黒い高級車が学校前に止まったのが見えた。慌ててそちらに舵をとり、車の前に向かった。車から雪ノ下が出てきた。中から陽乃さんが手を振っていた。どうやら俺の心配は杞憂に終わったらしい。とりあえずこれで揃ったようだ。まずは一安心だな。雪ノ下はただ単に遅刻しただけみたいだ。昨日はなかなか眠れなかったみたいだ。俺のせいだと思うと申し訳なくなる。またもや居たたまれなくなった俺は、屋上にて待機する事になった。
ものすっごく暇だったが、それでも陽は傾いていった。時刻は昼休みになろうとしている。材木座を迎えに行くと、ニヤリと不適な笑いを浮かべていた。もはや不安しかないが、今はこの剣豪将軍のリベンジに期待するとしよう。
メニューにある、PDF化とやらを実行。
そしたらビックリ!なんと自分の作品が文庫本みたいになるじゃありませんか。
友達に勧めたところ、「読みやすい」との評価。
ちなみに文庫本形式にすると、
メッチャ短く感じました(笑)
それでは、また次回に!