やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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もうすぐこの物語も終わりを迎えます。

結末はどうなるか解りません。
いや、ホントは知ってるけど。

それでは、どうぞ。



第21話 メッセンジャー

 

 

 

現在、場所は雪ノ下宅マンション。

時刻は夕暮れ時くらいか。

 

 

俺の前を忙しそうに警備会社の人間が右往左往している。何故か?それは雪ノ下宅のセキュリティに引っ掛かったからだ。無論、わざとだと言っておこう。目的の人物に会うにはこの方法が確実だったから。「陽乃さんへ」と書いた紙を監視カメラに映しておいたので、目的の人物に会うことも出来た。またもや心霊現象が起きた事で、内心ビクついてるのが解るが、警備会社の手前、強化外骨格をつけてやってきた。特に他に異常がないことを知ると、電話をかけていた。相手は雪ノ下だろうか?

 

 

 

「ひゃっはろ~。雪乃ちゃん。」

 

 

 

雪ノ下だった。

この人には迷惑をかけている気がしないでもないが、今までに散々迷惑をかけられている事実を思い出したので、今からかける迷惑はその分のツケと思っていただこう。

陽乃さんは、雪ノ下宅に警報はあったが、異常は無かったことを告げる。そらそーだろ、犯人は俺だし。用件を告げると電話を切られたらしく、怪訝な表情を浮かべていた。前日に心霊現象のあった部屋に俺なら居たくはない。留守番をしとくように言われたようで、可哀想だがそのまま部屋に残る事となった。これはチャンスだ。

 

 

「も~雪乃ちゃんたら、言いたいこと言って切るなんて。お姉ちゃん悲しいなぁ~。」

 

 

「暇だな~。机探索でもしよっかな~。えいっ!勝手に見ちゃえ☆」

 

 

「早く帰って来ないかな~?独り言多くなるね。独りだと。一人じゃなくて独りだよ~。……はぁ。」

 

 

「別に怖くなんかはないんだけどさ~。暇だからずっと喋っているとゆうか。……誰かに電話しよっかなー?」

 

 

 

 

この人、独り言多すぎんだろ!どんだけ恐いんだよ?もうなんかこう、押すなよ?押すなよ?的なものを求められている気がするぞ。嗜虐心をくすぐれるじゃねーか。………ちょっとぐらいいいか?

 

 

 

「陽乃のハは、儚さのハ!ルは、瑠璃色のル!ノは、ヒッ!今、な、何か音がしたような?帰って来たのかな?」

 

 

 

ドアをガタンと揺らしただけで、この威力。次は部屋の中でやるか!

 

 

 

「ヒィ!ドアが!ノック??だ、誰よ!」

 

 

今度はドアにゆっくり近づき、ドアノブに手をかける頃合いを見計らって机の上にあるノートを捲ってやる。

 

 

「ま、またなの!?ゆ、雪乃ちゃん酷いよぉ!」

 

 

雪乃ちゃん?何を言っているんだ?まぁいい、さて書きますか。もう充分驚かしたしな。八幡大満足!

 

 

「またノートとペンね。ハァ…何が言いたいのよ~もぉ!」

 

 

 

陽乃さん、すみません、頼みがあります。

ここまで書いて、ペンを落としてしまう。やはり継続しては無理だな。あれを使わせてもらうか。

 

 

 

「頼み?な、何よ?」

 

 

 

スマホ、メーラー、起動して。

これでわかるだろう。

 

 

 

「メールで伝えたいの?置いておくから勝手にやってくれない?」

 

 

 

陽乃さんはメーラーを起動させて、画面を開いて机の上に置いてくれた。段々慣れてきてないか?この人。まぁいい。お言葉に甘えて使わせてもらおう。

 

 

 

「えーと、何々~?」

 

「『比企谷です。お久しぶりです、陽乃さん。ちなみに雪ノ下と雪ノ下さんで、ややこしくなったので陽乃さん呼びにしました。義姉ちゃんとは呼びませんからあしからず。』」

 

「て、本当に比企谷くんなの!?」

 

 

 

わざわざ読み上げてくれなくてもいいのに。余程恐かったのかな?

それにしても疑り深いな。あと一歩か?

 

 

 

「新手のウィルスかしら?手が込んでるわね。あ、続きだ。」

 

「『ウィルスじゃないですよ。花火大会、文化祭、生徒会選挙、色々と御世話になりました。昨日の夜は超レアな御姿を披露する機会を与えれた事で御礼としますね。』」

 

「ふーん。あれ、比企谷くんだったんだぁ~。そっか、そっかぁ~。ふぅーん。」

 

 

 

目のハイライト消えてません?すごく怖いんですけど。耐性ないんで。

あ、駄目だこれ。魔王の調子が戻ってしまった!

 

 

 

「『え、ちょ、マジ?怒ってます?すみません、勘弁して下さい。調子に乗りました。小町だけには手を出さないで下さい。お願いします。』」

 

「え~?どうしよっかな~?」

 

 

 

ヤバい!何がヤバいって、魔王がヤバい!この人にイニシアチブを取らせたら駄目だ。ここは強引に本題に入ろう。

 

 

「『本題に入ります。』」

 

「もぉ~?ちょっとからかっただけなのに。」

 

「『自重して下さい。』」

 

「はいはい。それで?お姉さんに頼み事って何かな?」

 

「『伝言をお願いします。メールで結構です。宛先は雪ノ下で構いません。といってもスマホを借りるだけですが。』」

 

「今も使ってるじゃない。別にいいわよ。」

 

 

 

よし!言質もとれた。あとはあいつらへのメッセージを送らせてもらうとするか。恐い人だと思ってたけど、優しいところもある人だからな。かといって警戒レベルを下げる訳じゃないけど。

 

 

「その前にさっきの会話消しとくね?ちょっと返してもらうね♪」

 

 

 

それぐらいならやりますよ、と言いたいところだが、返事するにもエネルギーがいるからな。ここは甘えておこう。基本、人生は辛いことが多いから甘いのは大歓迎だ。よって、MAXコ「カシャ」ーヒーこそが至高。ん?今何か聞こえなかった?ま、いっか。

 

 

「はい!比企谷くん~。お好きにどうぞ♪」

 

 

ん?終わったのか。

それじゃ、遠慮なく使わせてもらうか。

俺の想いを綴った内容を書いた。寄せ書きをくれた連中、小町、由比ヶ浜、そして雪ノ下へ。送信完了を確認して、メールで陽乃さんにありがとうございますと一文入れる。

 

 

「どういたしまして。比企谷くんはこれからどうするのかな?」

 

「『本来の場所に帰ります。それじゃあ、さようなら。』」

 

「うん、わかったよ。早く治ることをお姉さん祈ってあげるよ♪」

 

 

 

最後に陽乃さんらしさを見れたので、飛んでその場を後にした。………最後の切り札を使う為に。

 

 

 

 

 

 




陽乃さんがどうしても必要となった八幡なのでした。
ある意味、頼れて、中立なので。

他の候補はいませんでした。
ちなみにいろはすは出番無いまま終わりそう。

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