やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
個人的には行ってみたいですね。
今は恐山と聞くと、ル・ヴォワールと言いたくなります。
それではどうぞ。
現在、場所は恐山某所。
時刻は昼過ぎくらいか?
ここ恐山には有名な場所が多々ある。
その中でも温泉が湧き出ている場所があるらしい。調べていく内に、一度は訪れてみたいと思っていたが、まさかこんな形で来る事になるなんてな。
ちなみに開山の時期やら料金やら色々とあるんだが、今回俺たちが向かう場所は一般公開されていない場所らしい。基本的に恐山にはイタコさんはいないらしく、シーズンが到来すると夏祭りの屋台みたいに人が集まってくるらしい。各々の屋台を並べ、その中で『口寄せ』という死者をその身に宿して、語り合うサービスを受けれるらしい。見たことないから知らんけど。今度、材木座で試そうと思いながら俺達は歩き始めた。
なんというか、進むつれて景色はかなり変わっていった。良く言うとアジアンテイストが利いていて、悪く言うとジャパニーズホラー。どこかあの世を彷彿させるその景観は、道の右側にズラリとお地蔵様が並んでいる。そして所々に風車が供えられていて、カラカラと回っている。…たまに風が吹いてないのに回っているのは黙っていよう。
頼みのメンバーの一人である雪ノ下は、山に入ってからずっと震えていた。あまりにもプルプル震えるから、チワワの物真似か?と言いそうになったが、悲惨な結末しか見えないので黙っていよう。
材木座は、道中すれ違う下山者に挨拶を交わしていた。お前、コミュ障じゃなかったっけ?と思いながら聞いてみると、「挨拶は山でのマナーだ」と、ドヤ顔で言ったのがムカついたので、その辺に置いてある風車を、材木座のケツに刺してやった。このリア充が!ちなみに雪ノ下は「材津くんは誰と挨拶をしているのかしら?」と、呟いていたがこれも黙っておこう。まさか、陽乃さんは知ってて今回はパスしたんじゃねえだろうな?
紆余曲折もあったが、そろそろ中腹辺りに差し掛かっている。先に飛んで空からの偵察と洒落こむ事にした。
無い。どこにも無い。
およそ人が居そうな建物らしきものを探したのだが、どこにもそれらしいものは無かった。うそん、どうしよ?とりあえず合流する為に戻ろうとしたら、突然何か凄い力に引っ張られた。
『やべ…これ…逆らえ、ない……雪ノ…下………逃げ…………』
「あの男は、何をやっているのかしら?」
私は苛立ちを抑えながら待っていた。山登りには体力が必要となる。そして私には体力が全くない。比企谷くんは体力が無い私を気遣って、何度か休憩を挟んでくれながら進んでいった。そうして通算26回目の休憩中に、彼は上から目的の場所を見てみると告げた。そして現在、かれこれ15分程待っている。何故、彼は携帯を持ってないのかしら?…元々の番号も知らないのだけれど。そこで一つの方法を思い出した。どうして忘れていたのだろうか?
「ねぇ、材津くん。比企谷くんの場所を感知してもらえるかしら?このままでは埒が明かないと思うのだけれど。」
「モハハハッ!丁度、我も同じ事を考えていたところよ!フム……この感じ?あやつは向こうだな!」
ただの進行方向なので特に何も考えずに進む事となる。進むにつれ、隣で材津くん?が「見える。私にも見えるぞ。」とか「この感じ…シャアか!」と叫び出す。それが不愉快でイライラしてきた時に、洞穴のような天然の大きな横穴を見つけた。その奥には少しの灯りが見え、中に何かがあることは容易に想像できた。一先ず、材津くんをこの洞穴に置いていこうかどうか迷っていると、灯りがこちらに近付いて来るではないか。もしかしたら目的の人物に会えるかもしれない。私達は灯りを持つ人物に向かおうとするが、こちらは灯りが無いことに気付いた。仕方なく灯りの主が近付くのを待っていると、向こうから声をかけてきた。
「まさか…雪ノ下か?」
「え…?まさか、比企谷くんなの??」
灯りが眩しくて見えないが、声を聞く限りは比企谷くんだ。まさか、ここで彼の声が聴けるとは思わなかった。私は喜びに包まれるように、気が付けば彼に駆け寄って抱き着いていた!我ながら大胆な事をしてしまった。彼は驚いたのか、灯りを落としてしまい辺りは真っ暗になる。暗闇の中で彼の感触だけが感じられた。彼の腰は細く、まるで女性のような腰回りね。彼の胸板は厚く、まるで女性のようなプニッとした感触が………プニッ?
「あああ、貴方は誰!?」
「あーまぁ、なんてゆーか。一度外に出ればわかると思うぞ。」
私達は外の光を頼りに、出口の方へ歩き出した。そして振り返って彼の姿を確認する。材津くんが先程からずっと五月蝿くて敵わないが、それよりも目の前の事実に驚愕してしまった。
「あの……どちら様ですか?」
「信じられんかもしれんが、俺だ。つーか声は俺のままだろ?」
「本当の本当に比企谷くんなのかしら?どう見ても変な衣装を着た20代の成人女性にしか見えないのだけれど。」
あぁ、頭が痛い。理解を超える現象の中で考えを整理出来ずに、登山の疲れもあってか、私の意識は沈んでいった。完全に沈む前に聴こえた言葉は、材津くんが言った「女体化とは、グハッ!」という台詞だった。
今回は短めです。
次回でどうなるかは
ご想像にお任せします。
それでわ、また。