やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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自己解釈もここまできたか……

ちなみに僕はオカルト全般大好きです。





第28話 相手の気持ち

 

 

 

現在の場所は恐山のどこかの小屋。

時刻はだいたい20時頃だろうか?

 

 

俺と材木座の二人は、平山静さんによる修行を受ける事になってしまった。そもそも、力になる事は出来ないのになんで修行が必要なの?当然そんな疑問はすぐに平山さんに訴えた。別に裁判沙汰じゃないけどね。平山さん曰く、『力をつける事は悪いことじゃない』らしい。寧ろ、力をつけておけばと後々に後悔しない為につけるもんらしい。確かにそれは俺も痛感している事だと思った。もう、力がないと後悔したくなかったのだから。

 

 

「それでは早速始めますね。修行はとても簡単です。比企谷さんは材木座さんに憑依する修行です。材木座さんは比企谷さんを口寄せる修行です。それでは交互にやってみましょうか。何か質問とかありますか?、」

 

 

『ちょ、待って下さい。俺が憑依するのと、材木座が口寄せるのは同じ事なんじゃないですか?』

 

 

「ホムン。成る程な。八幡よ、平山殿の言ってる意味がわからんのか?」

 

 

『じゃあお前は解るのかよ?』

 

 

「フッ、愚問だな!頭で理解するよりも…感じろっ!だ。」

 

 

 

材木座のアホは無視するとして、意味合いとしては同じなんじゃ無いだろうか?この人が無駄な事をやらせるとは到底思えない。出会ってまだ短い時間だがそれはわかる。何か理由があるんだろうと思い、問い質してみた。

 

 

「確かに結果は同じです。けれど、過程が違うんですよ。例えば、比企谷さんはドライバーで、材木座さんは車としましょう。ドライバーが車を選んで乗って運転するのと、車がドライバーを呼び寄せて運転するのとでは全く違いますよね?結果は車を運転することですが、過程が全く違います。お分かりですか?」

 

 

『無茶苦茶だけど、確かにそうですね。』

 

 

「つまりは、だ。感じるより先に、感じろっ!という事だな?」

 

 

「皆さん明日には下山されるのでしょう?では、時間もありませんし朝までフルタイムでいきます。出来次第、就寝としますね。」

 

 

 

平山さんは材木座を華麗にスルーした後にとんでもないことをサラッと言った。え?これ出来るの?俺は寝ないから平気だけど。材木座だし、いっか。とか考えてたら平山さんは補足事項を付け足していった。

 

 

「比企谷さんは元々眠れないでしょう?ですから雪ノ下さんに起きていてもらいますね。それでは始めて下さい。」

 

 

『て、おい!雪ノ下は関係ないだろ!…あ、いや、関係ないでしょう?』

 

 

「……やっぱり。比企谷さん、関係無いでしょう…ですか?御自身に関係が無いと本気で思ってるんですか?」

 

 

 

 

平山さんは語気を強め、先程までのふんわりした雰囲気をブチ壊すかのような剣幕でそう言った。え?え?俺、何か怒らせるようなこと言ったか?平山さんの言う意味がよく解らない。

 

 

 

 

「本当に解らないんですか?…はぁ、重症ですね。じゃあ、修行に移るのでもういいです。」

 

 

『はぁ、すみません。』

 

 

「おい、八幡よ。お主は本当に解ってないな。」

 

 

『何がだよ?』

 

 

「フン!この非リアモテ充め!」

 

 

 

材木座め、意味深な造語を作りやがって!それから平山さんによる修行は始まった。修行は交互に行われた。材木座の口寄せは本来はイタコさんの十八番とする技術だ。元々素質のあった材木座はすんなりと習得する。最初の内はダメダメで、

「八幡!君に決めた!」

「八ソナァァァ!!」

「法王の八幡(ハイエロファント・ハチーン)!」

等と叫ぶだけだったし、どれもパクリが半端なかった。

 

 

そして俺の修行だが、こればかりはゴースト体験も平山さんには無かったので、コツのようなものは教える事が出来ないらしい。だが、知り合いにゴーストがいるらしくその人に聞いた話だと、取り憑きたい人物の波長に自分の波長を合わせるらしい。ラジオや無線の周波数みたいなものだそうだ。休憩中に幾つかその事例を、俺達三人に話してくれた。

死んだりした人を想ったり、同情し過ぎると、その人の波長に近付いてしまうそうだ。亡くなった想い人を近くで感じたり、夢で会ったり、声が聴こえたりするのはそういう事らしい。

有名な話だと、とある人気歌手の熱狂的ファンが亡くなったそうだ。そのファンはその歌手の解散コンサートに行きたかったが、彼女の余命がそれを許してくれなかった。コンサート当日の歌手の録音テープには彼女の声が入っていたそうだ。

 

 

 

 

 

『私にも聴かせて…』

 

 

 

 

ブルッとくるものがあったけど、その後に少し悲しくもなった。きっとその子に同情しているのだろう。すると平山さんは俺を見て、こう言った。

 

 

 

「それが波長を合わせるということです。人の気持ちになって考える。日常でも多々あることですよ。本来は誰もが持ち得ている力なんです。」

 

 

 

何か分かったような気がした。

雪ノ下も恐怖で震えていたけど、同情したのか涙を流していた。きっと共感する何かがあったのだろう。

材木座の気持ちを考えてみた。ハッキリ言って気持ち悪い。なんで野郎の気持ちを考えなきゃならんの?そこは俺の主観である。

客観でもなく、材木座の主観で見れば分かるのか?ならば材木座の主観で見た、俺に対する気持ちを考えてみた。

 

なんだかんだで付き合いはある。

始まりは何だったのだろう?

 

あぁ、体育のペア勢が始まりだったな。俺もコイツもボッチで、組む相手がいなかったんだ。自然と余った二人でペアを組まなきゃならん。例え強制的に組まされた仲であっても、材木座義輝は嬉しかったのだろう。

それが前世からの仲であった事も拍車をかけただろうしな。それからアイツの原稿も何度か読んだり、成り行きでゲーセンでプリクラも撮ったりしたな。

いつも力を貸してくれるのは、材木座なりの義理や恩義の表れなのだろう。それこそ無償の奉仕でも構わないぐらいに、大事な想いなのだ。

俺は…こんなにも良い仲間に恵まれてたんだな。コイツの行動に毎回苛ついていたのも、一種の同族嫌悪って事なのだろう。

そうか………だとしたら認めよう。

もう一人の俺の事を………

 

 

 

「お前は……俺だな。」

 

 

「材津くん?いえ、声は比企谷くん。つまり……成功したのね。」

 

 

「そのようですね。比企谷さん、おめでとうございます。これでお二人共、修行は終わりですね。お疲れ様でした。」

 

 

 

こうして雪ノ下と材木座は、昼間の登山の疲れもあってか早々と就寝する。眠れない俺は、憑依することの危険性を平山さんに聞かされていた。

 

 

「人が変わったようになった人物なんかの2~3割は、憑依されてる事件があるんですよ。有名なのは、ナチスドイツのアドルフ・ヒトラーとかですね。」

 

 

こんなのは歴史の教科書には載っていない。世間に公表したところで、誰も信じないだろうし、当時のドイツの情勢を考えてみても弾圧、粛清されるだけだろう。

 

 

「比企谷さん、どうして私が皆さんに協力したと思いますか?疑問に思いませんか?悪用されるかもしれない技術や知識を無償で教える。裏があるとは思いませんでしたか?」

 

 

『そ、それは…』

 

 

 

確かにおかしい。言われて疑問に思った。俺はいつから他人の行為に裏があると思わなくなっていたのだろう?前までの俺なら必ず疑っていたはずだ。だが、今は決して悪いことだとは思わない。

そう思わせてくれたのは………

 

 

「まぁ今はこのくらいでいいでしょう。私からは以上です。ちなみに無償ですからね?雪ノ下さんから連絡があることは分かってました。独自のネットワークがある、としかお答え出来ませんが。」

 

 

『そうですか。他に俺を元の体に戻せる心当たりとかありますか?その、独自のネットワークとやらで。』

 

 

「勿論です。元々はあの方からの願いですからね。私達も賛同したからこそ、こうして協力している訳です。」

 

 

『あの方から?私達?何かの組織的なものなんですか?俺にそんなコミュニティとか皆無なんですけど。』

 

 

「すみません。今はお答えすることは出来ないんです。ですが、次の道を提示する事は出来ます。皆さんには沖縄に行ってもらいます。既に話は通ってますので、あとは旅費を用意していただくぐらいでしょうか?」

 

 

 

なんだかんだでトントン拍子に話が進んでいく。コレ、なんてRPG?しかも知らない事や、解らない事が多くて頭がパンクしそうだ。そして、それを皆に説明せにゃならん。起きたら雪ノ下はなんて言うだろう……。

陽乃さんに旅費を出してもらうのは気が引けるしな。俺の事で迷惑をかけてるワケだし。

とりあえず次は沖縄だ。暑くなきゃいいなーとか、水着姿は千葉村以来だなとか、考えながらも夜は更けていった。

 

 

 

 




恐山での修行から、当初予定していた
沖縄へと旅立ちます!


何故かって?
それは次回明かされます~。

そりでわ、また!

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