やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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今回は少しだけ由比ヶ浜さんです~。
あまり上手く書けません。
なので、御容赦を。




第33話 通じあう夜

 

 

 

現在、場所は由比ヶ浜の自室。

時刻は夜の21時頃だろうか?

 

 

話を遡ると、雪ノ下マンションからの帰り道のことだ。

マンションを出たところで、各々帰ろうとしていた。

その時、由比ヶ浜が一緒に帰ろうと誘ってきたが、小町を一人で帰すわけにもいかないので、どうしようかと悩んでいた。

すると、小町は「用事を思い出した」と言って、先に帰ろうとしていた。

 

さすがにこんな時間に中学生を一人で帰すわけにはいかない。小町に家まで一緒に帰る旨を伝えると…

 

 

 

「本当に空気読まないね。ごみぃちゃんは。」

 

 

 

と、何故か罵倒された。

わけがわからん。

 

 

それならと、平塚先生が小町を車で送ってくれる事になった。ついでに由比ヶ浜も送ってもらうように伝えると…

 

 

 

「君は本当に空気が読めないな、比企谷。…ちっ!リア充がっ!」

 

 

 

と、何故か罵倒された。

何故だ?

 

 

 

なんだかんだで、俺が由比ヶ浜を送っていく運びとなった。ちなみに陽乃さんはヨシくん(材木座)と帰った。陽乃さん曰く、「この車、二人乗りなの♪」だそうだ。

ちっ!リア充がっ!

 

 

 

簡単な消去法で、由比ヶ浜と二人で帰る流れになった。小町は俺専用のスマホ(陽乃さん名義)を由比ヶ浜に渡してたので、何かあれば連絡してくるだろう。と思っていたら、由比ヶ浜からヴィーンとした振動音が聴こえる。夜道で静かな場所なだけに、いやに響いた。

こいつ…もしかしてそういう物を持ってるんじゃないか?と考えてたら、

 

 

「ヒッキー、小町ちゃんからメールだよ。」

 

 

と言ってスマホを差し出してきた。

しかも俺の思春期特有の卑猥な妄想を読むかのように、

 

 

「何か変なこと考えてない?ヒッキーのエッチ!」

 

 

 

と、罵られた。もしかして見えてるの?ねえ、見えてるの?

 

 

 

周りから見れば、結局は女の子の一人歩きに見えてしまうので、由比ヶ浜に憑依する。これで大抵は金縛りで対処出来るはずだ。しかもステルスヒッキー付き。いや、憑きか。

そんなこんなで、脳内で会話をしながら一緒に帰った。一人で二人分の会話をしてる絵面はマズイからな。

歩きながら、恐山と沖縄での話をした。話を聞く度に、寂しいという感情が由比ヶ浜を通して俺に伝わってきた。胸がチクリと痛んだ。

この痛みも伝わっているんだろうか?

 

 

「ヒッキー…家にあがっていかない?もう少しだけお話ししたいなーって。ダメ…かな?」

 

 

 

前までの俺ならいざ知らず、今の俺に由比ヶ浜の誘いを断る理由は無かった。

 

 

 

「いや、全然ダメじゃないぞ。ゴーストだから暇だしな。」

 

 

 

俺が返事をすると、由比ヶ浜は嬉しいという感情をダイレクトにぶつけてきた。もしかして俺に伝わってるの忘れてんじゃね?

とにかく話が纏まったので、そのまま由比ヶ浜宅に入る事にした。

 

少し緊張するが、意を決してインターホンを押した。ピンポーンという音と、「はぁ~い」という声と、由比ヶ浜の「何で押したし!」という声が頭に響く。

あ、これ由比ヶ浜の体だ。てへぺろ☆

 

 

由比ヶ浜のツッコミがなければ、普通に挨拶を交わすところだ。危ない、危ない。

一応のフォローはしておいてやろうと思い、由比ヶ浜語でママヶ浜さんの対応をした。

 

 

 

「やっはろー!ママ、遅くなってゴメンなさい。ちゃんと送ってもらったから大丈夫だよ。」

 

 

「あらあら、結衣ちゃん?何かいつもと違うわね。何か良いことでもあったの?」

 

 

ママヶ浜さんが少し驚いた顔で聞いてきた。その時、由比ヶ浜の愛犬サブローが足元に絡んできた。お!もしかして俺がわかるのか?

 

 

「あのね、ママ!ゆきのんに勉強を教えてもらってたの。あ、サブロー!ただいまだし!」

 

 

 

…先程から俺が喋ってるのに、由比ヶ浜がうるさい。似てないから早く体の主導権を返せと主張してきやがる。

「サブローじゃないし!」とか言ってたな。それよりも由比ヶ浜が主導権という言葉を知ってる事のほうが驚いた。

それにしても、何故だ??

雪ノ下からも似てると太鼓判をもらった渾身の物真似なのに……。

渋々、俺は体の主導権を由比ヶ浜に返す事になった。

 

 

 

「結衣?サブローって何のこと?」

 

 

「何でもないよママ!ご飯はあとで食べるから。またあとでね!」

 

 

由比ヶ浜は早口で捲し立てると、自分の部屋へと駆け込んだ。騒がしいやつめ。

久しぶりの由比ヶ浜の部屋は、割れた窓ガラスも元通りになっていた。さすがに直ってるか。自分が割った事を思い出し、少し罪悪感が顔を出す。

 

 

 

『由比ヶ浜、その、あの時は窓ガラスを割ってしまったのもあるけど、何よりお前を危険な目に合わせてしまった。すまない。』

 

 

由比ヶ浜はニコリと笑うと、不意にこう言った。

 

 

 

「言わないとわからない事もあるけど、言ってもわからない事もあるんだよね?けど、あたし達にはもうお互いをわかる方法があるよね。ヒッキー?」

 

 

『由比ヶ浜……お前…。そうだな、解ったよ。』

 

 

 

本日二度目となる由比ヶ浜への憑依を済まし、俺は自分の気持ちをありったけ込めて言ってやる。

 

 

 

「あの時はゴメンな。今も心配かけてすまないと思っている。」

 

 

「ううん。ヒッキー違うよ。あたしがやりたくてやってるだけだから。全然力になれなくて…あたしのほうこそゴメンね。」

 

 

「謝らなくていい。由比ヶ浜、お前の優しさに俺は充分救われているし、感謝している。だから、その…ありがとうな。」

 

 

 

由比ヶ浜に俺の気持ちが伝わり、由比ヶ浜の気持ちが俺に伝わってくる。

言わないとわからない、言われてもわからない。そんなことも人と人の間には多々あるだろう。

だけど意識を共有している今ならお互いの考え、気持ちや感情等が理解出来る。

俺達はお互いに気恥ずかしい気持ちと、少し穏やかな気持ちになった。

それからは、奉仕部で過ごした思い出を話したり、これからの未来を話したりした。気がつけばもう真夜中だった。由比ヶ浜との心穏やかな時間がもう終わってしまうと思うと、寂しく感じた。

 

 

 

「今日はたくさんお話してくれて、ヒッキーありがとう。また明日、学校でね。おやすみ!」

 

 

『おう!こちらこそありがとな。また明日、おやすみ。』

 

 

 

 

 

 

我が家への帰り道。今日は少しだけ由比ヶ浜との溝が埋まった気がした。

 

 

 




由比ヶ浜成分はこれにて終了。
次回はついに物語は進みます。
そして謎に迫ります!

予定でわ。

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