やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
早く更新するとか嘘ついてごめんなさい。
カボチャンスが悪いんです。
具体的にはアリスが可愛くて……。
とゆーわけでどうぞ。
現在は帰り道。
時刻は夕方に差し掛かったところだ。
平さんの勧めもあり、俺達は平さんとご飯を食べに来ていた。個室の居酒屋店だ。あまりこの手の話を大衆の中でするもんでもないしな。
店はどこかのチェーン店らしく、値段も優しいので何でも好きな物を食べていいと平塚先生は豪語していた。結局、会計は平塚先生と平さんが支払ってくれる事になった。本当は平さんが払うと言ってたのだが、さすがにそこまでは世話になれないということでこうなった。
「それでは、平塚ちゃんの覚醒祝いと比企谷君の回復を願って~乾杯~!」
平さんが音頭を執って食事会?は始まった。
未成年組はジュースを飲んでは食べる。成人組は酒を飲みながら語り、酒の肴に高校生の恋バナや、奉仕部の一連の出来事などを話す。俺はというと、席の前にお供え物のように御神酒代わりの清酒が1合置いてあるだけ。まるで神棚扱いだ。これぞ自律飛行型八幡宮。……うん、寒いな。
「フッ、八幡よ。食べれぬとは不便なものだな?あぁ~エビマヨの美味なことよ!」
イラッ!ときた。材木座のアホには…少しお仕置きが必要だな。
『強制憑依。』
「なっ…八幡!グッ!?」
「……さぁ、パーティの始まりだ。」
材木座に憑依した俺は、後でくる絶望的なまでの満腹感を考えずに料理を貪り喰った。苦しみでのたうち回るがいい!ざまぁwww
「はぁ…貴方達は本当にどうしようもないわね。」
「まぁまぁ、ゆきのん。ほら、ヒッキーも厚焼き玉子食べる?豚キムチもあるよ!」
「おう、いただこう。あ、そこのアスパラベーコンも取ってくれないか?」
俺達が横でドタバタやっている間に、平家の子孫達は色々と語っていた。
「静さん、私はどうしても男運に恵まれないんだ。いつも騙されて、捨てられてきた。私も……結婚がしたい~!どうすればいいんだぁぁぁ!!」
「私もな、昔はなかなか結婚できんかったんやで?けど辛抱して待っとったら、とびっきりの旦那さんに出会えたんよ。だから静ちゃんもきっと素敵な旦那さんに出会えるから。」
「うぅ……静さぁん…………。」
どうやら二人はお互いの名前を『静ちゃん』と『静さん』と呼びあっているようだ。平山さんと海ちゃんがいたらややこしくなる呼び方だな。
隣の会話は嫌でも聴こえてくるが、どうやら結婚の話らしい。平さん、恋愛指南を平塚先生にもっとしてやって下さい。なんなら、お見合い話の一件でも紹介してやって下さい。
宴もたけなわになってきたところで、そろそろお開きにしようという運びとなる。さぁ我が愛する千葉シティに帰るとしよう。
帰り際に静さんが一言アドバイスをくれた。
「比企谷君。アンタは未練っちゅーのを重く捉えすぎとるんちゃうかな?私らも生きてたら相応の未練や後悔なんてしょっちゅうあるやろ?けどな、答えはすごくシンプルやで。」
『そう言われましても、俺にはよく解らないんですよ。そのシンプルな答えでさえも……。』
「ほなヒントや。未練が何か?じゃなくて、何で未練なんかを考えや。同じようで全然違うんよ。オバチャンのお節介かもしれんけどな。」
『……ウス。肝に命じておきます。』
それから平さんと別れ、俺達は千葉に帰る為に歩き始めた。平塚先生は、ほろ酔いながらも俺達を引率して帰ってくれた。材木座が「満腹中枢の反乱である!」とか喚いていたけど無視した。原因は俺だけど。
雪ノ下は終始パンさんのご当地限定ストラップを由比ヶ浜に熱く語っていた。由比ヶ浜はそんな雪ノ下を見てはニコニコと微笑んでは、時折抱きついてゆるゆりしていた。
帰りの電車の中で平塚先生を筆頭にみんな眠っていた。駅に着いたら俺が起こすから寝てていいぞと勧めたら、みんな疲れていたのかすぐにスヤスヤと寝てしまった。起こす時は隙だらけの材木座に金縛りをお見舞いする予定だ。
皆が眠る横で、一人考えていた。
『未練が何か?』ハッキリと言葉に出来なかった。『何が未練なのか?』意味合いは同じかもしれないが、きっと平さんが言いたかった事は違うのだろう。自分でも理解しているのだから。多分、逆転の発想で考えろという事なのだろう。
『何に対してそんなに未練があるのか?』
そう考えた時、本当は自分の中ですぐに答えが出ちまってる事に気が付いていた。あぁそうか、そうだったんだって感じだ。なら解決出来るかと聞かれれば、答えはノーだ。今すぐ解決出来るようなら、とっくに未練など無いだろう。けどそんな簡単に物事を割り切れるようならボッチなんてやってないしな。
眠っている皆の顔を見る。
雪ノ下と由比ヶ浜はお互いにもたれ掛かるように眠っている。平塚先生は男らしくドッシリと座って寝るかと思いきや、隣の男性客にしなだれる様にもたれて寝ていた。ちなみに隣の男性客は材木座である。お腹を苦しそうに抱えながら寝ていた。見ていて見苦しいので、すかさずヨシくん(材木座)からスマホを抜き取り、魔王宛てに写メを撮っておいてやった。今後の展開が楽しみだ。
ふと雪ノ下が寝言を呟いていた。何だろうと気になり、近くに寄って聴いてみた。周りから見れば変態この上ないが、見えないからセーフだろう。
「比企谷く………ご…め…なさ……」
雪ノ下の瞑ったままの瞼から、一筋の涙が頬を伝い流れていった。どんな夢を見て、何を想ったのか?俺には解らない。ただ、聴かなければ良かったと後悔した。
皆を起こしてやり、各々の目的の駅で降りて帰っていく。俺は一度家に帰る事にした。時間も遅いので不安であったが、雪ノ下と由比ヶ浜は平塚先生に送ってもらうようなので大丈夫だろう。去り際に材木座が何かを言ってたがよく聞こえなかった。まぁいいや、用事があれば連絡してくるだろう。
びゅーんと飛んで我が家に帰ってきた。飛ぶのはゴーストの特権だ。家に入ると小町はリビングにあるソファーでゴロゴロしながら携帯を触っていた。
携帯を見ながらニマニマしているかと思えば、途端に悲しそうな顔をする。表情をコロコロ変えながらずっと見ていた。
も、もしかして!お年頃とか言うやつか!?相手は誰だ!大志か?許さんぞぉ!と思い携帯を覗くと、俺と小町が写っていた。他にも俺だけ写ったのもあり、いつの間に撮ったのかわからん写メもあった。小町はお兄ちゃん大好きっ子だと、再認識したのでホッと一安心したところで疑問が過る。
その疑問の解は、小町の呟きでハッキリとしてしまった。
「おにーちゃん……早く元に戻ってほしいな。そうすれば小町的にポイント超高いのになぁ……。雪乃さんも、結衣さんも、みんなが心配しているんだからね?わかってる?ホント、ごみーちゃんなんだから………。」
そう呟くと小町は携帯を置いて、トテトテと台所に小走りしていった。俺はというと、少し居たたまれなくなってしまった。だから自分の部屋に足早に移動してしまった。
駄目だなぁ……俺は。小町もあいつらと一緒だと気付いてしまった。みんな俺のことを心配してくれている。みんな俺が身体に戻れるように願ってくれている。ここまで色々と世話になっているのに、今更すぎるぐらい当たり前なのかもしれないけど………
こんなにもたくさんの人に慕われていたんだな。
心が晴れやかになるのを感じた。
それと同時に自分に対する自己嫌悪が湧いてくる。何故なら俺は自分が何に対して未練があるのか知ってしまったから。およそ背徳などと言う言葉では生温い程の罪悪感が俺を襲う。
何も特別な事などなかったのだ。誰もが一度くらいは抱く感情だし、思った事があるだろう。小さい子供から老人に至るまで多少の違いはあっても体験しているし、体感してきたはずだ。俺にとっての『それ』は、今の状況で思うのは不謹慎であり不誠実だ。ただそれだけの事なのに未練がましいにも程がある。
自分の未練を自覚したのはいいが、どうしたものかと考えていると急に体が物凄い勢いで引っ張られた。この感覚には覚えがある。吸い寄せられるように引っ張られた先には材木座がいた。口寄せされたのだろう。あのまま家に居てもどうしようもなかったから丁度良かったのかもしれない。
材木座の身体から出て、何の用か聞いてみた。
『おい。急に呼び出して何の用だ?』
「何の用とは大した御挨拶だな?八幡よ。先程、駅で別れる間際に後で口寄せすると伝えたであろう?」
あぁ、そういえばあの時何か喋ってたな。そういう事か。ごめん、ちゃんと聞いてなかったわ。心の中で少し謝ってやったら材木座が続きを話す。
「いきなりで悪いのだが、我もお主の未練とやらを考えてみたのだ。我の発言がもし気に障ったのであれば許せ八幡よ。」
材木座の発言や行動にイラッとさせられるのはいつもの事だからな。とか考えていたら、材木座にピタリと当てられてしまう。何を当てられたって?未練をだよ。
「ホムン。八幡よ、お主は『今の状況を楽しんでいる』のであろう?それが貴様の未練よ。」
ついに明かされる未練でした。
誰しもそんな経験はあるでしょって事です。
部活やってる時や、友達と遊んでる時、仕事をやってる時でも。辛い事もありますが、楽しいと感じる事もあります。
なんてことはない感情です。
けれど大きな影響を与える感情なのです。
八幡の高校までの境遇を考えてもそーですし、
ゴーストとなって奇異な経験をしているのも
そーですしね。
それでは次回に続きます~。
続きを早く更新したいもんですね。
僕にとっての未練とは、
負けた日のスロットなのです(笑)