やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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永らくお待たせしました。

夏場は仕事が忙しいもので。
とゆーわけで更新したので、どうぞ~。




第37話 もう一つの本物

 

 

 

「ホムン。八幡よ、お主は今の状況を楽しんでいるであろう?それが貴様の未練よ。」

 

 

 

いきなりの材木座の発言は、俺の胸中にある未練を的確に射抜いていた。だがここで認める訳にはいかない。まだ心の整理というか準備というか、とにかく時間が欲しかった。

 

 

『は、はぁ~?お前、何言ってんの?んなワケねーし。マジぱねーわ。』

 

 

「八幡よ。動揺するのも無理はない。だが我には確信があるのだ。それも先程確信したばかりよ!お主は我に口寄せられたのだぞ?この意味がまだわからんのか?」

 

 

 

 

何が確信だ、何が!だいたい口寄せしたのは解ってる事だ。急にそんなことを言い出すなんて頭おかしいんじゃねぇの?

ん……?口寄せ??………まさかっ!?

 

 

「そう。そのまさかよ。もう我は口寄せしても意識を失わないのだ!フハハハハッ!!」

 

 

『マジかよ……。一応確認なんだが、もしかして俺の考えてた事って伝わっちゃってんのか?』

 

 

「御明察…といったところか?左様。お主の考えていた事は全て我の記憶に刻まれたのだ。ところで八幡よ、我に何か言いたい事はあるか?」

 

 

 

 

頭が沸騰しそうになった。いや、落ち着け八幡!冷静にだ。クールになれ八幡………。

そうだ。知られたのが材木座なら別に悪い気はしない。むしろ気軽に話せそうな気すらしてくる。小町以外なら雪ノ下や由比ヶ浜とはまた違った感覚をコイツには感じてきた。これはそんなに悪い感覚じゃない。

 

思い返せば、材木座とは体育のペアからの付き合いだが、俺はいつも助けられてきた気がする。体育の時間も、文化祭も、体育祭も、そして意識不明の重体となった時も。確かに材木座には特殊な能力があった。その能力で俺を助けようとしたのも解る。だが、それでも引き受ける道理は無い。実際に不特定多数の霊が日常的に材木座には視えているし、その声に毎度耳を傾ける事はしないだろう。なら、もはや知り合いだから助けるってレベルじゃないと思う。あいつは失敗した時に、俺のために涙しながら話してくれた。もしかして、これも一つの『本物』じゃないのだろうか?

もしもこの感覚に名前をつけるとしたら、友達……なのか?

 

 

 

「どうした?八幡よ。我とお主の仲ではないか。さあ、語るがいい。我とお主は『親友』ではないか。」

 

 

 

 

 

 

そうか…名前をつけるとしたら『親友』だったのか。これが親友か……人生で初の親友が、まさか材木座だったなんてな。前世でもそうだったらしいけど。どんだけ縁があるんだよ。これが本当の腐れ縁ってやつなのか?べ、別にアンタと縁があるわけじゃないんだからね!……いや、あるか。うん、あるよな。

 

 

「おい、聞いてるのか?八幡よ。我を無視しないでほしいのだが。我、結構シリアス展開してるのだけど……。」

 

 

『バーカ、聞いてるよ。ふとお前との付き合い方に関して考えを改めていたところだ。』

 

 

「うむ!崇め奉るなら好きにするがよいぞ。我ってば神々しいからな。」

 

 

『いや、もう少し距離をおこうかなって。』

 

 

「まさかの下方修正!?は、ハチえも~ん!見捨てないでよぉ~!」

 

 

 

 

 

いつもならここで金縛りとか考えてたんだがな。そうか……こんなバカなやりとりも未練となっていたんだな。今なら……今なら全てをコイツに話してもいいかもしれない。俺がこんな状態になっちまって助けられた始まりが材木座なら、終わりも材木座だ。なんだ、ミスキャストじゃなかったんだな。

 

 

『なぁ材木座。その、まぁ話があるんだが。聞いてくれるか?』

 

 

「ッ!フッ、愚問だな?八幡よ!何なりと話すがいい。」

 

 

 

それから俺は材木座と深夜まで話し込んだ。初めは真剣な話だったんだが、途中からラノベの話になったり、学校の話をしたり、この件で出会った人達の事や学んだ能力について話したりしてた。そんな時間が楽しくて楽しくてついついこんな時間まで話し込んでいたのだ。けれどそれだけの価値はあったのだろう。俺は結論を出したのだから。既に材木座には話を終えてある。

 

 

「覚悟は出来たのか?八幡よ。」

 

 

『覚悟とかまだ出来ちゃいねえよ。ただ覚悟する為に、やるべき事をやるだけだ。もうあの二人からも現実からも目を背けちゃ駄目だしな。』

 

 

 

 

そう言ったあとに我が家に飛んで帰った。急に口寄せられたので、スマホを家に置きっぱなしにしたままだからだ。家の中はもう真っ暗で、小町も寝ているようだった。もう夜も遅いし親父とお袋を起こさないように静かに入らなければ。あ、よく考えたら音は出ないし姿も見えないんだった。俺の能力も最早この域まで極めてしまったのか。今後はステルスヒッキー改め、ゴーストヒッキーと名付けよう。

あれ?これってただのゴーストじゃね?

 

 

なんてバカな事を考えつつ、スマホを見つけたのでメール画面を開いた。メールを使う目的は、明日のアポイントを取る為だ。由比ヶ浜に学校が終わったら皆を集めてほしいという文面を送る。場所は比企谷邸……つまり、我が家だ。

明日の事を考えると少し憂鬱になるが、材木座から貰った(はず)の勇気を少しだけ振り絞ってみようと思う。皆の前で未練をぶちまけよう。そして、未練を解消して俺は自分の体に戻るんだ。

 

 

 

ゴーストは眠れない。

だから俺は朝まで遅れてた分の勉強をして時間を潰した。

 

 

 

 




短くなってますが、もうそんなに
書くことも無くなってきたので、
そろそろ終わりになります。

まぁなんと言いますか、完結しっかりさせます!

それではまた~。
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