やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
今回は自己解釈も入ってます。
現在、材木座邸にて。無駄に響きが良いな。さて、材木座の部屋に来た俺は、現在暇をもて余している。あいつが晩飯と風呂に入っている間は暇なのだ。本棚にあるラノベを読もうかと思ったが、物体に触れなかった事に気付いてしまい、宙をプカプカと浮かんでいる最中だ。ちなみに言うと、兄弟はいないらしい。しかし、親には見られるとマズイらしく、部屋から出ないでくれと言われた。帰りはいつも遅いので心配しなくてもいいらしいのだが、見つかると最悪、除霊されるかもしれないみたいだ。親父さんの血筋は霊感が高い親族が多いらしく、その血筋は辿っていくと高野山の高名な僧らしい。(材木座調べ)
昔の坊さんが子孫を残せるのかは疑問が残るところである。
「八幡よ、待たせたな。」
『あぁ。早速だが本題に入ろう。俺の身に起きている今の状態について、お前の知っている事を教えてくれ。』
「ウム。まずは今の状態だが、お主は確かに幽体離脱しているようだな。我の見立てでは、死者のソレとは少し違うように感じるのでな。」
『どういうことだ?』
「時に、八幡よ。お主は幽霊を見たことはあるか?」
『ねーよ、んなもん。ゴーストになった時に、散々探し廻ったが、それでも見つかんなかったぞ。』
コイツは何が言いたいんだ?視える人じゃなければ、視ることも話すことも出来ないじゃないか。んなもん見てたら、とっくにアンビリバボーに投稿しとるわ。
「それは異な事を言う。お主はもうとっくに視ておるのだぞ?」
『は?夜に墓場にも行ったし、病院でも会わなかったぞ。だいたい俺から視えてるなら、向こうも視えてるもんだろーが。けど、誰からも話しかけられなかったぞ。』
「モハハハ!これは愉快!お主程の漢でもまだ気付かんか?ならば答えをくれてやろうではないか!」
う、ウゼぇ!!
「ケプコン、ケプコン。いいか、八幡よ。死者の姿とは、生前の生き写しなのだ。つまり、その辺を普通に歩いてるような輩でも、ゴーストの可能性はあるのだ。我は幼少の頃より様々なゴーストを見てきたのでな。識別も可能であるぞ!」
『つまり俺が気付いていないだけで、既にどこかで遭遇していたという事か。』
生前と同じ姿か…。材木座からそのあとも細かい説明を受けた。この世の全ての生き物には魂がある。虫にも木にも動物にも。死後、殆どは現世に駐留せずに、そのまま還っていくらしい。(あの世的なものに)
例えば、樹齢百年以上の樹にもなると、朽ちた後もその場に残っているように視えるらしい。(視える人には)
人々に信奉されていた神木も、その限りではないとか。
「八幡よ。お主にはまず知識をつけてもらうとしよう。」
『わかった。材木座、頼むぜ。』
「あいわかった!それでは、八幡よ。乱雑物投(ポルターガイスト)は知っているな?」
『すげぇ厨二くせぇ漢字使ってねぇか?まぁ、知ってはいるが。アレだろ?物が勝手に動き出したり飛び回るアレだ。』
「左様!しかし、現実にはアレはゴースト達が見えないのをいいことに、ただ手で持って動かしているだけなのだ。」
『……マジかよ。種が解ればすっげぇつまんねぇ話だな。』
材木座先生によれば、訓練次第で物に触り、動かす事も出来るらしい。よくあるお話で、無くなった物が1度探しても無かった場所で見つかったり、死者からの手紙なんかも、この手の類いだったりするそうだ。恐ろしい事に、自動車事故でブレーキが効かない理由の1割ぐらいは、怨念を持ったゴーストがブレーキペダルを押さえているからだそうだ。(材木座調べ)
『つまり、俺も努力次第で物に触れたり、動かす事が出来るんだな?』
「そのとおりだ、八幡よ!お主の力は我と同等なのだぞ?その力、今こそ覚醒すべき時が来たのだ!」
『ハイハイ。て、もう前世の事はバカにできねぇな。俺にもそんな力があったのなら、目覚めさせねぇとな。』
「ホムン。まぁ今のお主ではまだ何も出来んがな。我が特別に稽古をつけてやってもいいが?」
『いや、むしろこちらからお願いするまであるわ。材木座、スマンが頼む。』
もしも俺の体が目覚めなくても、物に触る事が出来れば、アイツらに手紙をだしてやる事が出来る。バカな真似を止める手段もとれる。俺は材木座に教えを請い、今夜は朝まで練習することを決めた。
材木座講師による、ゴーストの特性でした。
次回も続きます。