やはり俺が意識不明の重体なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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わーい!\(^o^)/


今は力を入れてる作品ですから
素直に嬉しいっす。




第8話 イメージ

 

 

 

材木座邸、庭にて。

現在は物体に触れる為の訓練をしている。講師曰く、大事なのはイメージらしい。なんでコイツがゴーストについてそんなに詳しいのか聞いてみたら、彼の幼少期に祖父が亡くなってしまったらしい。祖父の死後、ゴーストとして現れた祖父は色々と教えてくれたそうだ。理由として、孫がまだ幼く、力のコントロールが未熟だった為。祖父は心配で成仏するのを少し見送ったそうだ。幼い子供は、よくないモノに憑かれたりしやすい。知らない人にお菓子で釣られて着いていくのと同じだな。

 

ゴーストの祖父は小学校の高学年までは居てくれたが、ボッチの孫を見かねて成仏する事にしたそうだ。ボッチになった原因が、誰も居ない空間に話し掛けてる姿を、度々目撃されていたからだ。そういうのが大丈夫なのは、精々、小学校低学年までだろう。周りから特異な目で見られて孤立していたらしい。確かに容易に想像できる。まぁ結局、高校生になってもボッチだったワケだが。

 

 

 

話を戻そう。やり易い事から始めるのだが、現在は手でボールを転がすイメージをしている。生身の体があった時は指でツンッとつつくだけで転がった物が、今ではバグったゲームみたいにすり抜けてしまう。

 

 

「八幡よ。お主は何でも理屈で考えすぎなのだ。我の祖父は、手を使わずにイメージだけでボールをお手玉しておったぞ?」

 

 

『んなこと言われても、よ!フン!ヤッ!ハッ!』

 

 

「イメージが固まっていないではないか。ならば!我が助言で喚起し、魂を鼓舞させるがいい!」

 

 

『ハァ。わかったよ。んで、具体的にどうすればいい?』

 

 

「モハハハ!なぁに、簡単な事よ。スタンドを想像するがよい!お主あたりが好きそうな、スタープラチナでも思い浮かべるのだ。そして、スタープラチナがそのボールをオラァ!と、殴るイメージでやるのだ!」

 

 

 

なんでジョジョなんだよ。しかも好きなスタンド当たってるじゃん。まぁイメージし易いけど。中学の頃、部屋で一人で想像しながらスタンドバトルをやっていたのを思い出しちゃったぜ。オラオラをやっていた時に、部屋のドアが少し開いていて、小町がドン引きしていた。しばらく小町から避けられてたのは、黒歴史の一つである。

 

 

材木座のアホに感謝しつつ、イメージを膨らませていく。先程よりも具体的にイメージ出来た。

 

 

『オラァ!』

 

 

 

 

ボールは物凄い勢いで飛んでいった。どこか遠くの場所で、パリーンとガラスが砕けるような音と、悲鳴が聴こえたような気がした。

 

 

『……犯人は、材木座義輝、と。』

 

 

「待て待て、八幡よ。お主、何を言っておるのだ?」

 

 

『だって、ボールからはお前の指紋以外出ないだろ?はい、Q.E.D証明完了。』

 

 

「ハ、ハチえもん~!!何とかしてよ~!お願い!」

 

 

『仕方ないな。触る事が出来るようになったし、回収しに行ってやるか。あ、コレ一つ貸しな。』

 

 

 

もう夜も遅いので材木座は就寝させた。余談だが、小心者なので気になって寝れなかったそうだ。正直どーでもいいが。

 

 

俺は夜の空をフワリと飛んで、ボールの行方を探しに行った。距離と方角から計算してこの辺りなのだが、てか飛びすぎだろってくらい離れていた。イメージは大事だな。次からは気をつけようと、心に少し誓った。

 

深夜帯だったので、辺りの家屋は暗くて静かだ。きっとボールが飛んできた家は灯りが点いていると思い、該当する場所の目星をつけていたら、なんだか見覚えのある景色だった。嫌な予感がした。上空からの街並みは、普通は見慣れないものだ。だから気付かなかったのかもしれない。嫌な予感は当たりやすい。

 

 

目的の場所は一般家屋だった。見覚えのある家は、窓が割れていて、灯りが点いていた。何で見覚えがあるかって?そりゃ決まってんだろ。前に来た事があるしな。ママさんは何歳だってくらい若いし、よく見知った犬もいる。何より、そこには俺の大切な『本物』の一人がいる。表札には『由比ヶ浜』と書いてあるんだから。

 

 

 

俺はボールを飛ばした罪悪感は無かったが、大事な者に怪我をさせたかもしれない罪悪感に襲われていた。ジワジワとくる感情と、焦燥感のせめぎ合いで、何とも言えない気分のまま勝手に窓から部屋へと入っていく。

 

 

そこには由比ヶ浜がいた。何がなんだか、解らないのだろう。驚愕と怯えの混じった表情でサブレを抱いて震えていた。パッと見たところ、怪我はしていないようだ。目的のボールの事は忘れて、由比ヶ浜の心配ばかりしていた。ボールの事も含めて、原因は俺だけど。ガラス片が散っている辺りから離れていたので、少し安心した。

 

声をかける事も出来ない。なら俺が出来ることを考えて行動に移そう。ガラス片で怪我をしたら大変なので、全て正確に精密に拾うイメージで、近くのゴミ箱に捨てていった。さぁ、これでもう大丈夫だぞ!と、思ったところで由比ヶ浜の顔が恐怖に歪んで泣いているのが見えた。

 

『あ!ヤベッ!』

 

時既に遅し。由比ヶ浜から見れば怪奇現象この上ないだろう。サブレを抱きながらガタガタ震えていた。俺はそんなつもりじゃなかったんだ。いくら言い訳をしても聞こえない、伝わらない。途方にくれていたら、由比ヶ浜の口から小さく震える声で聞こえてきた。

 

 

 

「嫌だ………怖いよ…ヒ、ヒッキー……あいた……いよ………」

 

 

 

 

 

なんとも言えない最低の気分だ。

俺はなんて愚かな事をしてしまったのだろう。軽率な行動が彼女に与えた結果がこれだ。もういっそ消えてしまいたい。そう思った。

 

なんだ?不意に体が薄くなっていく気がした。あれ?なんだコレ?みるみるうちに希薄になっていく。あ、コレ絶対ヤバイやつだわ。『死にたくない』そう思った。途端に体は色彩を帯びていった。この体験は、あとで材木座に聞かねーとな。

 

 

「ワンッ!」

 

「っ!サブレっ!」

 

 

 

これは驚いた。サブレは俺のいる場所に向かって来たのだ。怖がる様子もなく、以前来たときのように、俺に尻尾をフリフリしながらやってきた。ちなみに動物はゴーストの存在を感じやすいらしい。(材木座情報)

 

 

「な、何?サブレ…?何か……見える…の?」

 

 

 

これはいけないと思った。この状況では、窓ガラスを割って、ポルターガイスト現象を引き起こした悪霊にしか見えないはずだ。何か、何かないのか?……アレしかないか。

 

 

「え?な、何?」

 

 

今の由比ヶ浜は恐慌している。

シンプルな気持ちをぶつけよう。

 

 

「ペンが……浮いて、る?」

 

 

 

『由比ヶ浜、ごめんな。』

 

 

 

「…紙に何か…書いてるの?」

 

 

 

フゥ。集中力が持たない。

この辺が限界か?

 

 

 

「…ペンが落ちた……?」

 

 

 

 

じゃあな、由比ヶ浜。ちゃんと後でお前らに伝えるから。だから今はそれで勘弁してくれ。

俺は由比ヶ浜宅を飛び出した。

 

 

 

 

「………もう、大丈夫かな?ね、サブレ?なんだったんだろ?」

 

 

 

「紙に何か書いてたよね……なんて書いてあるんだろ?」

 

 

「結衣~!何があったの~?大きい音が聞こえてきたわよ?」

 

 

「あ、ママ!聞いて!今ね、すっごい怖い事があったの!」

 

 

「あらあら、ママもね、金縛りにあってたのよ~。」

 

 

「ママ!今日はそっちで一緒に寝てもいい?部屋はこんなんだし。」

 

 

「いいわよ~。何があったか後で聞かせてね。ところで、その紙はなーに?」

 

 

「ふぇ?あ、持ってたままだった。なになに?『怖がらせてゴメン』…て、何?いい幽霊さんだったとか?ん~わかんないし。」

 

 

「結衣~早く来なさい~。」

 

 

「あ、ごめんママ!すぐ行くね!……ん?何これ?ボール??」

 

 

 

余談だが、俺が罪悪感に晒されていた時に、あれだけの騒ぎで由比ヶ浜の家族が来なかったのは、俺が無意識に誰かに見られたくなかった気持ちが、由比ヶ浜の家族に金縛りをかけていたらしい。(材木座情報)

 

ちなみに材木座邸に着いた時に気付いたが、ボール持って帰ってくるの忘れてた。ヤベッ。

 

 

 

 




まだ八幡はそんなに持続力がありません。
よって、自身の力をよく理解したうえで
今後も行動していきます。

次回は歴史が動く瞬間かも!?

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