「大丈夫!お父さんはきっと認めてくれるよ!」
ヒマワリが俺を励ますようにそう言ってくれる。
俺が愛してやまない朗らかな笑顔を向けてくれるが、しかし今はそれでも気分が晴れない。
本当にそうだろうか?
頭に浮かぶのは憤怒の表情で青筋を浮かべながら殺気立った鋭い眼光でこちらをを睨みつけ、情け容赦なく必殺の螺旋丸を俺に叩き込んできた鬼のように恐ろしい友の姿
ナルトとは長い付き合いだが、あんなにも怒りの感情をぶつけられたのは初めてだった。
少年時代にアイツと戦った時以上にブチギレているんじゃないだろうか?
しかし、それは当然の反応なのかもしれない。
温厚なあいつのことだろうから、驚くにせよ最後は笑って許してくれるだろうと楽観的にどこまでも甘く考えていた俺が愚かだったのだ。あいつの優しさに甘えきっていた。
長年の友が赤子の頃から共に成長を見守ってきた娘に手を出し、あまつさえ他里の長の嫁として奪い去っていこうとしているのだ。
怒りを買って当たり前だ。裏切られたとすら思っているかもしれない。
思わずため息が溢れる。
そんな、友人に怒られてしょぼくれている中年男の手をヒマワリは苦笑しながら両手で包み込んでくれる。
「そんなに落ち込まないで。大丈夫。お父さんはきっとびっくりしただけだよ。私のことが大好きだからさっきは頭に血が上ってしまったの。落ち着いたら絶対に私達のことを祝福してくれる。だって、お父さん我愛羅さんのことも凄く大好きなんだもん。だから、そんなに不安そうな顔しないで・・・ね?」
天使だ。ここに天使がいる・・・
思わず彼女を抱きしめたい衝動に駆られる。しかしナルトへの後ろめたさで躊躇してしまう。そんな俺の様子を察してくれたヒマワリが俺の背中に腕を回し、優しく抱きしめてくれた。
胸に愛おしさが溢れ、堪らなくなった。
彼女のこの温もりを失いたくないと強く思った。
「結婚したい。絶対に」
口から心の内が零れ出てしまい、恥ずかしくなった。
そんな俺を見てヒマワリは頬を朱に染め、目を潤ませた。
「うん!もちろん!」
ヒマワリが本当に嬉しそうな顔で、ギュッと強く抱きついてくる。
俺は彼女の温もりを感じながら決意を新たにした。
ナルトには本当に申し訳ないと思う。
だが、もう俺は後戻りなどできないのだ。
誰かと心から愛し合うことの幸福を知ってしまった。
「自分だけを愛する」というこの額の一文字の意味はもうとっくに変わってしまったのだ。
この愛を守り通すためならどんな困難にだって耐え忍ぶことができる。
ナルト・・いや、お義父さん。俺は認めてもらうまで絶対にあきらめないぞ!
――――――――――確かにそう思っていた・・だが・・しかし・・・
「いや~、我愛羅と戦りあうのも随分と久しぶりだってばよ」
目の前のナルトがニコニコと楽しそうに笑う。
・・・・・眩暈がするような絶大なチャクラを身に纏いながら・・・
冷や汗が背中を流れる。
どうしてこうなった?
俺はただ、今日も菓子折りを持ってヒマワリを嫁にもらうために頭を下げに来ただけなのだが。
今日こそ認めてもらうと意気込んでうずまき家を訪れ、前回と違っていつもの友好的なナルトの様子にホッと胸をなでおろしたのを覚えている。それで、すっかり気を緩めて夕飯をごちそうになり会話を楽しんでいたのだが・・・・
なぜか、いつの間にかヒマワリを賭けてナルトと戦うという話になっていた。
狐に化かされた気分だ・・・
ナルトの妻は夫を止める様子もなく穏やかに見守っている。
頼みの綱のヒマワリは気分を良くして苦手な酒をあおり、顔を赤くしてスヤスヤと眠っている。
息子のボルトはといえば今日は外泊するから帰らないという。
万策尽きた。誰もナルトを止める者がいない。
「待ってくれナルト!俺はお前と戦う気はないんだ!ここで俺たちが争って一体なんになる?」
せめてもの抵抗として精一杯説得を試みてみる。するとナルトは穏やかな笑みを浮かべて言う。
「俺はただ、安心したいんだってばよ。この里を離れて、風影の嫁として砂隠れでちゃんとやっていくことができるのか俺は心配なんだ・・・俺の手の届かないところに行ってしまえば、俺にはもうあの子を守ってあげることができない。これからは辛い時、苦しい時、あの子の一番傍にいて守ってやるのは我愛羅の役目になる。だから・・・だからさ・・我愛羅・・・」
「・・ナルト・・・」
「俺を信じさせてくれよ・・・これからずっとあの子のことを任せても大丈夫なんだって・・・俺がいなくてもあの子を守り通す力があるって・・・それを、確認させてくれよ・・」
友として、俺はナルトを深く理解していると思っていた。
だが、親としてのこいつの気持ちをまだそうじゃない俺は分かっていなかったようだ。親にとって子とはそれほどまでに大切な存在だと俺は理解が足りていなかった・・・
「そういうことなら・・・・ナルト・・俺はお前を・・」
「なーんて言うのは建前で本当はただ単に気にいらねぇからぶっ飛ばしたいだけだってばよ!」
・・あれ?・・・
「一体いつからウチの可愛いヒマワリをイヤラシイ目で見ていやがった?このロリコンが!あの子のオシメを替えていたころにはもう目をつけていたんか?あぁん?それとも子供プールで遊んであげていたころにでも欲情していたのかぁ?その薄汚ぇ粗末なものを刈り取って去勢してやるから覚悟せいやエロダヌキ!!」
「ま、待ってくれ!俺たちはまだ清い関係だ!恋仲になったのは確かだが決して欲望のままに手籠めにしたわけではないんだ!信じてくれ!あと、ロリコンではない!ヒマワリは今では立派な成人女性だ!大事なことなのでもう一度言うがロリコンではない!!」
殺気立つナルトに必死に言い返すが、その返答はさらに膨大に膨れ上がったチャクラの脈動だった。
くっ・・なんてチャクラだ・・ただ発しているだけなのに肌が刺すように痛む。
「さぁ、始めようか・・・うさばらし・・・ゴホン・・婿昇任試験を・・」
今こいつ、憂さ晴らしって言わなかったか?
「ぐ・・やるしかないのか・・」
「さっきから、そう言っているってばよ」
そう言ってナルトは傍若無人に荒れ狂う凶悪なチャクラを掌の一点に集束し始めた。
螺旋状に蒼く輝く球体。もちろん良く知っている。うずまきナルトの代表的な忍術。さまざまなバリエーションに変化するそれの基本的な形態。何も珍しいこともない見慣れた、ただの螺旋丸。
そのはずなのに忍びとしての嗅覚が警報を鳴らし、言いようのない悪寒が背筋を震わせる。
「っ!砂縛柩!!」
反射的にヒョウタンの砂を捕縛に向かわせる。そうしないと危険だと判断した。
高速で迫り来る砂を見てナルトはニヤリと笑ってつぶやく。
「我愛羅、・・・――――――防御を固めておけってばよ」
次の瞬間、大地を揺らすほどの轟音が響いた。
気が付くと吹き飛ばされ、朦朧とする意識の中、地面すれすれの空中を一直線にカッ飛んでいた。
自らの砂で体を受け止め、ようやく停止する。肉体のダメージが甚大で、膝を地に着け肩で荒く息をする。
その原因を作り出したナルトは遥か遠くで手を振っているのが辛うじて見えた。
何が起こったのかは理解していた。
ナルトは迫り来る砂縛柩を左手で無造作に打ち払うと同時に、瞬身の術で目にも止まらぬ速さで俺の眼前に現れその勢いのまま右手の螺旋丸をぶち当てたのだ。
ナルトの洗礼された一連の動きも驚嘆に値するが真に恐ろしいのは、その破壊力。
俺の砂の防御は確かに間に合っていたはずだった。
ナルトに言われるまでもなく螺旋丸に備え、事前に絶対防御を発動させていたのだ。
誤算があったとすれば、その螺旋丸の威力。それは分厚い砂の盾を完膚なまでに破壊しつくし、消し飛ばした。
「ただの螺旋丸が・・・なんて威力だ・・・!」
これが上位互換の大玉螺旋丸や螺旋手裏剣だったら俺の命はなかっただろう。
死なないように手心を加えてくれているようだが、それでもナルトの本気のほどが伝わってくる。
俺が腑抜けた心構えのままこの戦いを続ければ、軽い怪我ではすまない事態に陥るだろう。
俺には解る。建前だと言っていた先ほどのナルトの言葉はあいつの確かな本音だ。
だったら俺は見せないといけない。ヒマワリを夫として守り通すだけの力を・・・!
ひょうたんの砂で大地の土や鉱物を砕き、あたり一面を広大な砂の海に変える。
「流砂瀑流!!」
莫大な質量の砂の大津波がナルトへと迫る。
その壮大な光景をナルトは感嘆の声を上げて見上げている。
「おお!流石は我愛羅。そうこなくっちゃな!」
そう言って凄まじいまでのチャクラを練り上げて印を結び、砂の大地に掌を押し付ける。
「土遁・超極大黄泉沼!!」
嫌な予感がして咄嗟に砂瀑浮遊で浮かび上がる。
砂の大津波が突如飲み込まれるように沈んでいく。それだけではなく俺が創り出した広大な砂漠が全て、地中深くに引きずり込まれていった。
「っ!・・・これは!」
砂を全て飲み込んだ毒々しい泥沼が浮かび上がる。
これは土遁・黄泉沼・・・砂漠の遥か下の地表を底なし沼に変化させて砂を沈めたのか・・・
いつの間にこんな術を・・・・
術者のチャクラ量に応じて範囲と深さが増減するこの術はナルトにとって相性が良すぎる。
俺が操作していた砂はどこまでも深く沈み込み、もう決して浮かび上がらせることはできないだろう。
「さて、どうするってばよ?我愛羅」
腕を組み得意げに笑うナルト。器用に自分と妻の地面は小さな円形に残している。
どこまでも続く底なし沼は未だに健在。これに飲み込まれれば俺もただでは済まないだろう。
だがそれはナルトも同じはず。というかこの状況は飛べないナルトの方が不利では?
「連弾・砂時雨!!」
空中からナルトめがけて容赦なく砂の弾丸の集中砲火を浴びせる。
「・・・ってちょっ・・よく考えたらヤバイってばよ!・・たんま、ちょっとたんま!」
即座に地面に掌を叩きつけ、沼を元の土に戻して転がり避けるナルト。
俺はその様子に微笑し、先ほどの鬱憤を晴らすように砂の弾丸の豪雨を降らせる。
「ふ、風遁・大突破!!」
圧縮された暴風が砂の連弾を蹴散らし、空中に浮かぶ俺に命中する。――――――――だがそれは
「砂分身か!」
撃ち抜かれた砂分身があたりに砂を撒き散らし、それに紛れてナルトの背後に忍び寄る。“砂変化の術”。極小の砂の粒子に自らを変化させたのだ。
「風遁・無限砂塵大突破!」
変化を解きすぐさま高速で印を結び、砂塵が混ざった暴風をナルトの背に浴びせる。
「うおっ」
それをナルトは神懸かり的な反応速度で躱しきった。
やはりそうだ・・・・
俺の知っているナルトとは明らかに段違いの動き。
こいつはこの歳でさらに強くなっている!
「やるな・・我愛羅!今のは危なかったってばよ」
「・・・口寄せの術」
新たなひょうたんを二つ口寄せする。それは長年チャクラを練りこみ続けた俺の切り札だ。
一人の忍びとして今度は俺が見極めたいと思った。コイツと俺の今の距離を。
「絶対防御・金剛母神!!」
一つ目のひょうたんの中身は砂金。
砂金に母の守護力が宿る俺の砂を混ぜ合わせた最硬の盾。
翼を生やした女性の上半身を乗せた巨大な丸盾だ。
「絶対攻撃・鉄鋼父神!!」
二つ目のひょうたんは砂鉄。
砂隠れ最強と言われた三代目の砂鉄を研究し編み出した最強の矛。
それは騎士を思わせる黒い甲冑に身を包み、黒馬にまたがり矛を構える巨大な武人の形態。
これが今の俺の最大戦力。絶対的な矛と盾。
「やっぱり使えたか・・・砂鉄と砂金。磁遁の秘術・・!」
ナルトが目を輝かせて言う。かつて若い頃、酒の席で語った俺の忍術の理想形。あまり驚いていないところを見るとコイツは俺がこれを使いこなせるようになると信じていたようだ。
「完成したのはヒマワリのおかげだ・・・・彼女がいたから俺はこの領域にたどり着くことができたんだ。」
絶対に守り抜きたい、そんな愛する人がいたから俺はこれを編み出すことができたのだ。
「そうか・・・お前はそこまであの子を・・・」
「ああ、愛しているよ。心から。だが、言葉だけではきっと伝わらない。だからお前を納得させるための力を示す。それでいいか?」
「悪いな・・・我愛羅。頑固な親父でよ・・」
「いいさ、・・・・お義父さん。」
その瞬間、さっきまでとは比べ物にならない程の絶大なチャクラがまるで火山が噴火したような勢いでナルトから噴き上がった。
「おめぇにまだ、お義父さんと呼ばれる筋合いは、ねぇってばよう・・・」
仙人モード。自然エネルギーを取り込み、術者の肉体と忍術を数段上の次元に到達させる秘術。
いつ使うのかと戦々恐々としていたが、まさかこんなに唐突に発動させてくるとは・・・
上忍ですら腰を抜かして逃げ出すと言われる逸話は決して誇張されていたわけではない。
むしろそれは生易しい例え話なのかもしれない。
それほどの人外的な圧倒的チャクラ。人に許された領域というものを超えている気がした。
「死ぬなよ・・・我愛羅・・」
「俺は死なん・・ヒマワリが泣くからな」
言外にだからお手柔らかに頼む、という意図はナルトに伝わっただろうか・・・
「仙法・風遁螺旋双刃!」
ナルトがクナイを二本取り出し、風に変換した高密度のチャクラをふた振りのクナイに巻き付かせ、乱回転する風の刃を形成する。
「鉄鋼父神・千剣舞踊!!」
黒馬にまたがる砂鉄の騎士が矛を掲げる。すると、矛先が無数の剣に変化しナルトに目掛けて襲いかかった。
それに対してナルトは・・・目を瞑りながら笑っていた。
手にした二本の刃を閃かせ、迫り来るう剣群を尽く切り伏せていく。
目を閉じているにも関わらずまるで未来が見えているかのように、剣の軌道を見切り両断していく。
全てを把握する絶対的な感知能力。若い頃にその片鱗を見せていたが、40代半ばにしてそれが極まったように思える。
降り注ぐ剣の猛威に時には避け、時には刃先を当てるだけで軌道をそらし、そして時に・・攻撃に転じる。
「そらよ!」
惜しむことなく両手に持った風の刃を投擲する。恐らくは本来、そうやって投擲することで真価を発揮する術なのだろう。
二つの刃に圧縮された風のチャクラが一気に膨張し、巨大化して飛来する剣の群れを飲み込んだ。。
巨大なドリルのように超回転しながら進む、二本の風の矛となったそれは青く輝く軌道を残しながら鉄鋼父神に激突する。砂鉄で守られた黒騎士の鎧を穿ち、その後方に控える金剛母神の盾に傷を付けてようやく止まった。
「とんでもないな・・・」
すぐに鉄鋼父神の修復に取り掛かる。しかしその隙をこの男がただ待っている訳が無い。
「仙法・阿修羅影分身の術」
そう言って印を結んだ瞬間。
ナルトの体が幾重にも重なり、その姿がブレているように見えた。
なんだ?まさか幻術の類か?あのナルトが?
「鉄鋼父神・大黒天馬!」
それを確かめるためにさらに殺傷能力の高い攻撃に移る。あいつのことだ死ぬことはないだろう。
負傷した黒騎士を置き去りにして、黒馬が天を駆ける。
その姿を幾万もの砂鉄の弾幕に変えてナルトへ殺到する。
先ほどの剣の投擲とは比較にならない規模で隙間なく埋め尽くす弾幕の豪雨。
それに対してナルトは落ち着いた素振りで先ほどの風の刃を発動させた。
馬鹿な!・・それで防ぎきれる物量ではないはずだ!
まさか四十代半ばにしてボケてしまったのかと冷や汗をかいたが、次の瞬間にはそれが驚愕に変わった。
捌ききっているのだ・・・被弾させることなく、弾幕の全てを・・・軽く。
その理由がわかった。双刃を振るうナルトの腕が増えているのだ。それも十や二十じゃない。尋常じゃない数が幾重にも重なり合い、その全てが様々な角度から刃を閃かせている。
阿修羅影分身とは恐らく膨大な数の影分身を一つの戦力にまとめあげる術!
今のナルトは数千人分の身体をその肉体に宿しているのだ。
手数は単純に、数千倍。なんて反則的な術だ・・・
一瞬で千を超える剣閃を繰り出すナルトは余裕そうな表情で黒馬の砂鉄を全て残らず両断してしまった。
「今度はこっちの番だってばよ・・・・」
不敵に笑うナルトに俺も笑いたくなってくる。
一人にして数千のナルトが分担して高速で印を結んでいる。その術の規模は想像がつかない。
こんな奴を・・・どうやって倒せばいいんだ・・・
「仙法・手裏剣影分身―――――――――――業魔・・!」
空に突然、大きな黒い入道雲が広がっていった。
一雨降りそうだからもう終わりにしよう・・・そんな、つまらない冗談を言いたくなって失笑する。
その暗雲の正体は分かっている・・・・あれは・・・
「ナルト・・・お前はここまでの力を手にして・・・一体何と戦うつもりなんだ・・?」
どうしても問いかけてみたかった。今の平和な忍び世界でこれほどの戦闘能力は必要なのか・・・
風影として火影のナルトに疑問を投げかける。
「うちはサスケ。あいつはこれくらいじゃないと良い勝負ができないんだってばよ。」
それを聞いて納得した。俺はコイツの親友には成れても好敵手には成れなかったのだ。それを少しだけ寂しく思う。
「来い!ナルトォ!!」
「じゃ、遠慮なく・・!」
ナルトが手を振りかざすと、それは容赦なく地上のちっぽけな人間に牙を剥いた
それは、空からやってくる手裏剣の悪夢。災害そのもの。
大滝の如く凄まじいまでの物量で殺到する鉄の刃。攻撃特化の鉄鋼父神は容易く呑み込まれ、修復不可能なほどに破壊し尽くされた。
「肥大化しろ!金剛母神!!」
金剛母神は俺を中に取り込むと俺の保持するありったけの砂を吸収し、盾の厚さを極限まで高める。
母の愛を舐めるな!金剛母神はどれだけの理不尽な攻撃でも俺を守る絶対防御だ。
手裏剣程度がいくら集まったところで・・・・・・・
「よう、我愛羅・・・久しぶりだってばよ」
母神の体内で陽気に笑う友の声。
なぜ!お前がここにいる!!
「仙法・螺旋蹴擊!」
目視できない程の速度の蹴りが腹に突き刺さる。
強烈な回転力を帯びた足蹴りで絶対防御の脆い内側から外へ蹴り飛ばされた。
今度は砂で受身を取ることもかなわず、無様に地面を転がるしかなかった。
「我愛羅。ここまでか?」
ナルトの声が背後から聞こえる。いくらなんでもこのスピードはありえない・・・これは・・・
「四代目火影の秘術まで・・・・」
「ああ、飛雷神の術だってばよ。なかなか便利でよう。今度これでお前家に遊びに行くわ」
「なるほど・・・最初からいくら防御を固めても無駄だったんだな・・」
最初の螺旋丸の一撃。
あの時にはすでに飛雷神の術印は付けられていたのだ。
つまり、やろうと思えば防御をすり抜けいつでも仕留められる状態にあったわけだ。
「くっ・・殺せ・・」
「いや、何言ってんだよ、殺すわけ無いだろ」
「あんな悪鬼のような慈悲のない攻撃をしてきてよく言う・・・お前絶対俺を亡き者にするつもりだっただろう!」
「いやいや、そんなわけないだろ?我愛羅なら防ぎきってくれると信頼していたからで・・・」
「くっ・・それで軽く水に流してしまいそうな自分に腹が立つ・・この天然人たらしが・・!」
ボロボロに薄汚れた状態でなんとか立ち上がろうとする。膝が笑い、肋骨の辺りから激痛が走る。
「もういい、我愛羅、俺はお前を・・・」
「いつまでも膝を突いているわけにはいかないんだ・・・俺はどんな敵が相手でもヒマワリを守りぬくと誓った!お前と同格の敵が現れないとは限らない・・・その時に彼女が逃げる時間くらいは稼がないとならない。これはそれを想定した試練なんだろう?」
「いや・・ただの、やつあたり・・ゴホンッ・・・そうだ、その通りだってばよ!」
今コイツ八つ当たりとか言わなかったか?
「本当の試練はこれからだってばよ」
ナルトが再び構える。しかしどういうことだろう?
まるで戦いが終わったかのように、あれほど強大だったチャクラを鎮静させている。
「さぁ来い我愛羅!お前の底力をみせて・・・」
「我愛羅さんに何してるのよ!!?」
突如、現れたヒマワリに点穴を突かれるナルト。
「いでででででででで・・・・!」
そこから流れるような動きで繰り出される柔拳法・八卦六十四掌。
自分の父親に容赦なく点穴を狙った刺突の連打を浴びせるヒマワリ。
「お父さんのバカァァァァァァーーーー!!!」
「ゴハッ・・・・!」
止めの柔歩双獅拳。獅子の形に具現化したチャクラの塊がナルトを吹き飛ばした。
そんなナルトに目もくれず心配そうな顔で俺の元に駆け寄ってくるヒマワリ。
「我愛羅さん大丈夫!?ウチのお父さんが本っ当にごめんなさい!痛くない?今すぐ医療班のところに・・・」
「はいはい、この“ゴッドハンド”サクラに任せなさいな」
いつの間にか現れて俺の腹に手をかざすサクラ。淡く輝くチャクラが俺の肉体をたちどころに治癒していく。
「サクラちゃん?どうしてここに・・・」
「ずっと、あんたのお父さんがヘマをしないか見張っていたのよ。全く冷や汗ものだったわ・・・まさかあそこまでのガチバトルに発展するなんてね・・・お互い思ったより怪我がたいしたことなくて良かったけど」
「見てたんなら、止めてよう・・・」
「ま、なんだかんだで必要なことだったと思うわよ。ねぇ我愛羅?」
「ああ・・・色々と気づくことも多かった。」
ヒマワリを守る、と俺は何度もナルトに宣言した。
絶対に守りぬくと、危険な目に合わせないと、そう言っていた。
だが、ヒマワリはただ守られるだけの女性ではなかったのだ。
強大な敵と対峙した時、後ろでただ震えているか弱い少女ではなく、俺と共に並び立って困難に立ち向かっていける、そんな強い女性だった。
ナルトはそれを身をもって俺に教えてくれたのだ。
「まぁ、今回のことは単にあいつの我が儘な八つ当たりだったと思うけど。」
ため息を吐きながらそう呟くサクラ。
うん、実は俺もそう思う。
「痛い!痛いってばよ~~~っ!」
「よしよし」
ヒナタに膝枕をされながら痛みに呻く。
ヒマワリめ・・・実の父にあんなに容赦なく攻撃するなんて・・・
いったい誰に似たんだ!
「それで?あなたはちゃんと認めることができた?あの子達のこと。」
「・・・・認めるしかねぇってばよ・・・あんな姿を見ちまったらな・・・」
我愛羅がヒマワリに支えられながら、こちらへ歩いてくる。
寄り添いながら一歩ずつ歩む姿は確かに仲睦ましい夫婦としての未来を思わせた。
「怒られるよなぁ、ヒマワリに・・」
「ええ、それはもう」
「それでも、見たかったんだよなぁ・・・本気のあいつらを。遠く離れていても幸せなんだと確信できるあいつらの絆ってやつをさ。・・・まぁ、俺がムシャクシャして暴れたかったってのもあるけど・・・」
バツ悪そうに俺が言うとヒナタが鈴の音のような澄んだ声でクスクスと笑う。
「ほんとうに、しょうがない人・・」
そう言って愛おしそうに俺の頭を撫でて微笑むのだった。
そうして、木の葉の里で語り継がれる伝説の一つ、風影対火影の第一次嫁入り大戦が集結したのだった。
ちなみに・・・・第二次嫁入り大戦の勃発も、もう間もなくだったりする。
「ボルト・・・てめぇ、これはいったいどういうことだ・・説明してもらおうか・・!」
「ち、違うんです師匠!これは・・・その・・うわぁ!危ねぇ!どうか、スサノオをしまって冷静に話し合いを・・・」
果たしてボルトは生き残ることができるのか・・・・
作者の妄想が爆発!
オリジナル忍法のオンパレード・・・・
読み返したらひどいなこれ・・・
戦闘描写って本当に難しいです・・・
これから精進していきたいと思います。