中々時間が取れないというか。
嘘です、すいませんサボってました。
「ーーーーーーァァ!!」
「–––レン!?」
シルはレンの所へ向かう途中、上空で大きな爆発が起きたのを目撃した。
比較的近くで起きたのか、爆風が辺りに吹き荒れる。シルはそれを両手をクロスして防ぎながら、目を開ける。すると、
レンが吹き飛んできた。
シルは驚きつつも、魔術で上昇させていた身体能力を活かし、落ちてきたレンを難なくキャッチする。
そして身体に負担を掛けないように、木に背中を預けさせた。
見るとその姿はボロボロに傷ついており、苛烈な戦闘があったことを如実に示していた。片腕は火傷を負い、見るからに痛そうだった。いや、片腕だけではない。ところどころにも火傷の跡は見られ、それだけでなく身体には無数の血が付いており、今尚血が出ているところもあった。
「・・・シルか・・・」
レンは薄っすらと開けた目でシルを捉えると、掠れた声で呟いた。もはや焦点が定まってすらいないのかもしれない。
かろうじて息はあるが、いつ倒れてもおかしくない容態だった。むしろ、何故意識があるのかが不思議な程であった。
シルは痛々しい肉体に目を背けたくなるものの、自分の役割を果たすため覚悟を決めた。
「・・・すぐ治す!」
「・・・に、げろ・・・早く・・・」
しかし、ボロボロの身体なのにも関わらず、レンはシルへ必死に訴えた。
それでもシルは治癒を止めるわけにはいかなかった。集中力を高め、1秒でも早く回復するようにと、力を込める。
「・・・っ!」
「俺のことはどうでもいいから・・・・・・!それより、早くッ・・・!」
再度呼びかけるも、シルは応じない。
「グオオオオオオオオオオ!!!」
「くそ、やっぱ来やがった・・・・・・!」
そして、そうしている間にも事態は深刻化していて。
予想通り、カリフはレンを追ってきていた。雄叫びが近くから聞こえ、二人との距離がそこまで遠くないことを示していた。
それにレンは身構えようとするも、まだ治りきっていない体は思うように動かなかった。
それに歯噛みしながらも、代わりに、精一杯シルに叫んだ。
「おい、馬鹿野郎、俺を置いて––––––––––––」
「ちょっとうるさい」
「––––––痛っ!」
さっさと逃げろ、と叫ぼうとしたところを、遮るようにレンの頭を殴り、黙らせた。
「何すんだよ!お陰で舌噛んじまったじゃねぇか!」
「黙れっていっても黙らなさそうだったからやった。私は悪くない。舌を噛んだのは知らない」
全く悪びれもなく治療を続けるシルに向け、レンは僅かながら苛立つ。
「にしても、やり方っつうもんがあんだろうが!」
「・・・・・・痛かった?」
「舌噛んだのがな!」
殴られたのは断じて痛くなかった。決して。
心配そうにしているシルに対してそういうニュアンスを込め必死にレンは舌を噛んだことを強調した。
なんか負けた感じがするので嫌だった。
「だが私は謝らない。何故ならあれは必要な行動だったから。よって私は悪くない。QED、証明終了」
「・・・・・・どこで覚えたんだよ、そんなネタ。俺はそんな子に育てた覚えはないぞ」
「私も育てられた覚えはない。むしろ私は誰が育ててくれたのか知りたい」
「さらっと重いこと言うのやめようか」
何となくそんな境遇ではないかと感じていたのだが。
「私は気にしてないから」
「そんなあからさまに落ち込んだ態度見せられたら説得力皆無なんだが–––––––って、そんな話をしてる場合じゃねぇ!シル、さっさとお前は逃げろ!あのバケモンにやられちまうぞ!」
なにやら話の方向性がおかしな方に向かっていたが、現状は何も変わっておらず、絶望なものであったのを思い出す。慌てるレンに対して、シルは冷静に対応した。
「なに?もう一度殴って欲しいの?」
「なんでそうなんだよ!」
「いや、うるさいから。逃げろ逃げろって」
「んなこと言ってる場合じゃねぇんだって、わかんだろ!?マジでいつバレるかわからないんだぞ!?」
「そう」
「ああ、そうだよ・・・。だから、早く逃げろって・・・おい、なんで逃げない」
シルは返事をしつつ、動こうとはしていなかった。
冷静にレンの手当てだけをしている。
「返事はしたけどするとは言ってない」
「俺の話聞いてたか!?」
「ばっちり聞いてた。それで?」
「いや、それでって・・・。あぶねーから逃げろって言ってんだろ!?」
会話がループしていることにレンは頭を抱える。らちが明かない、とレンは判断し、少し強い口調で黙らせようとした。
しかし、それを遮ってシルは問うた。
「それで、逃げてどうするの?」
「・・・」
レンは答えられない。いや、答えは分かっているのだ。
どうせ逃げても変わらないことなど。しかし、ここで二人同時に殺されることも本望ではない。ならばと、彼は彼女に生きて欲しいと僅かな望みを抱いた。
もしかしたら、心の中でこういう死に様に憧れていたのかもしれなかった。
死にたいわけではない。けれど、何も足掻かずに諦めるのだけは嫌だった。だから、シルだけはと、自分の願望を押しつけた。
そしてそれを、相手の為にと偽った自分の、自分が救われるだけの身勝手な願いだと理解していたからこそ、レンはシルの質問に答えられなかった。
そんな考えを露ほども知らない彼女は続ける。
「どうせ逃げても追いつかれて殺されるだけ。それなら私も残って戦う」
「だが・・・!」
しかし、おいそれと頷けることでもない。実際、戦っても勝率は限りなく低い。もしかしたら逃げた方が最善手でもあるのだ。
さらに彼女はいくら魔術が使えるといってもまだまだ実践向きではない。そんな半分お荷物としている彼女を助けられる余裕はレンにはなかった。
「それに」
しかし、それは彼女とて十二分に理解している。自分のことは自分が一番理解している。本当に、自分が出来ることは少ないのだろうと。寧ろ、返って悪い状況に陥るかもしれないことを。
だからこそ、この願いは、彼女のワガママであるということも、知っていた。
「私は、貴方達二人に助けられた。・・・だから、今度は私の番。私が助ける番」
レンが自分のためにシルを遠ざけたいのと同じように。
シルもまた、自分のためにレンと共に戦いたかった。
見つめ合う二人。
どちらも譲る気はなかった。
ズシンズシンと、次第に音は大きくなってきていた。
パチパチと木が燃える音が共に響き、辺りの空気を熱した。
そして、数秒程度見つめ合って。
「・・・わかったよ」
折れたのは、レンの方だった。
「お前は、強いな」
自分の願いは、ただの自己犠牲。そもそも自分は戦う側の人間なのだから、逃げるという選択肢はない。
それに対して彼女は、その選択を受け入れていい存在だった。しかし、彼女は逃げなかった。自分から戦う意思を示し、ここに来た。
それを見てレンは強い、と評した。
「・・・・・・さぁ。少なくとも、貴方達二人と戦ったら絶対に負ける」
「そうことじゃないんだが・・・まぁいいか。ああ、気は完全に遮断しとけ。とりあえず今は安全な位置にいる」
シルに促しつつ、レンも気を完全に消す。
先程は敵が近くにいるため、万が一の自衛のためにも流石に完全に消すのは危険だと感じたのだが。
早く気のコントロールを上達させるべきだな、と今後の課題を決める。
「それで、これからどうするかだが・・・・・・」
「私にいい考えがある」
「わーお失敗フラグのテンプレ頂きました。って、だからお前それをどこで知ってんだよ」
「カリフ」
「よし後であいつ締める」
「そういえば、カリフはどこなの?」
「あー・・・お前状況理解してる?」
「あんまり。なんか追われてるってことぐらい」
「よくそれでいい考えがあるって胸を張って言えたな・・・・・」
「それが言いたかっただけだから」
その言葉にレンは呆れた。
強いとはいったが、流石にそっち方面での強さは期待していない。
「・・・話が進まねぇから戻すけど。俺たちが追われてるバケモンが、カリフなんだよ」
「・・・・・・?」
「まぁ、そりゃ知らねぇわな。説明しとくと、俺たちサイヤ人ってのはある特定の状況化で、ああいう大猿に変身すんだよ。戦闘力はざっと10倍にまでなる。理性と引き換えにな」
「・・・・・・つまり、今カリフは暴走状態ってこと?」
「まぁ、簡単に言やぁそうだな。詳しいことは全部終わってから説明するけど、そこんところを理解しときゃいい。因みに解除方法は尻尾を切ることだ」
「私の能力は?」
「それも有効だろうが、リスクは高くなるだろうな」
先も言った通り、彼女には卓越した先頭技術はない。後方でサポートに徹するだけであって、間違っても前衛が出来るような技量ではない。
「・・・・・・じゃあ二人で攻めるの?」
「それも試した・・・・・・というか、数が増えたところで大して変わらねぇんだよ。無闇やたらに突っ込むわけにもいかねぇし」
その脳筋思考の分身突撃がこのザマだ。全く持って笑えやしない。
「じゃあさ、突っ込まずに、安全なラインから遠距離攻撃でチマチマ傷を負わせていったら?」
「発想が何気にえげつないが・・・まぁ、はっきし言って無理だな。あっちも遠距離攻撃あるし、何より火力が足りない」
「詰みじゃん」
「そうだから困ってんだよ」
結局得られたのはこの状況が如何にクソであるかということだけ。絶望度合いがさらに増した。
「いや、待てよ・・・・・・?以外とありかもな」
しかし、ここでレンの脳内に名案が生まれた。
今まではドラゴンボール、という世界を意識しすぎるあまり、肉弾戦にこだわり過ぎていたのかもしれない。遠距離攻撃で流石に倒せるとは思わないが、誘導くらいは出来る。安全なところから罠に誘うえげつない戦法も悪くない。
「なぁ、シルの能力でさ。地面の一部だけ を戻すこととか出来るか?
「・・・多分、出来ると思う」
「OK。まぁ、これは大して必要じゃないから、出来なくても大丈夫だが」
肉弾戦ではなく罠に嵌る系の方向で考える。幸い、シルがいたことで手数も増えた。片方が戦っている間に準備を済ませることもできるだろう。
「・・・ここで使えるものとしたら・・・・あれがあるか」
シルという新たな駒を軸に策を考える。
やはり、まだまだ不慣れで荒削りなところはあるが、練れたのは練れた。
「シル。これから作戦を教える。聞いてくれ」
「・・・そんなことすぐに思いつくって、レンって頭おかしいね」
「お前も大概だがな」
「それって褒めてるの?貶してるの?」
「お前の言った今と同じだよ」
「そう」
「と言っても、これはあれだ。サバイバルに必要なスキルだったからな。必然的に覚えるしかなかったんだよ」
「作戦を立てるのが?」
「まぁ、臨機応変に考えることだけどな。生半可なやつじゃああいう大型系には大抵効かない。ダメだったら次のを試す。トライアンドエラーの方針かな」
「手馴れてるね」
「大型系は俺の専門になりつつあるしな・・・・・ウッ、思い出したら吐き気が」
「御愁傷様」
軽くやりとりをかわし、作戦を伝える。
無いよりは無しだし、一応リカバリー出来る範囲ではある。懸念はあるがそれを払拭できるほどいい状況ではない。
戦場はそんなもんだ、とまた修行を思い出しトラウマを抉られた。
龍はもう嫌・・・。
「さて、無駄口はここまでにしとくか。そろそろ動くぞ」
「了解」
*
「グゥゥゥゥ」
カリフは苛立ちから唸り声を上げた。
追い詰めたはずの獲物の気配が消えた。先程は気を感じ取れたのだが、忽然と姿を消して以来、一向に見つからない。
本能に従い、反応があった場所を中心に徘徊する。
襲い来るのは、猛烈な破壊衝動。
そしてそんな中、彼は見つけた。
「!!」
「鬼さんこっちこっち!」
突如、追っていた獲物の姿が現れた。
「ガァァァァァァ!!!」
いくら知性があったとしても、苛立ちが極限まで募った彼は本能的に襲いかかった。
それが罠だとは考えずに。
交わす暇も与えず、驚異的なスピードで肉薄し、一瞬でレンを掴む。
そしてそのままその姿を握り潰した。
しかし、手から血は流れず、代わりにボフン、と煙が出ただけであった。
「と見せかけて実はこっち!」
そしてカリフの背後からまたレンの声が聞こえた。
振り返ると、五体満足のレンが腕組みをして宙に浮いていた。
カリフはそれを見つけるとまたもや一瞬で肉薄し、今度は地面に叩きつけた。
しかし、それもまた煙となって消える。
「残像だ」
また背後に同じ気配。
見るとやはりレンが腕組みをして宙に浮いている。
しかし、怒りで我を忘れたカリフはそれに対して疑問を持つこともなく、突っ込むことしかしなかった。
正直、それはレン達にとって嬉しい誤算であったが。
そして、またもやレンをその腕が掴みかけた時。
「!?」
ドゴォォォと音を立て、突如地面に大きな穴が空いた。
当然、突っ込むだけだったカリフはそれを予測しているはずもなく。ただそれに足を掬われるしかなかった。
「ガァァァァァァ!!!」
「やっぱ大型モンスターにはこれだよね!古龍には効かんけど」
レンは、逃げつつ迂回して、事前に決めていた位置に戻って来ていた。
その間にシルは穴の空いた地面の表面だけを能力で戻し、大きな落とし穴をいくつも作り上げていた。
それが、第1の罠。
しかし、カリフも一筋縄ではいかない。
素早く穴から脱出すると、尻尾を狙っていた分身を火球で吹き飛ばした。
そしてそのままこちらに向かって火球を連発してきた。
無闇に動き回るのは危険と判断したのだろう。
固定砲台として火球を連発で放ってきた。
しかし、肉弾戦ならまだしも遠距離の、しかも連射できるとはいえ単発弾だ。
それを避けることなどレンにとっては容易かった。
「当たんねぇなぁ!欠伸が出るほど鈍いぜ!」
事実、彼が修行中に何度も食らいつつ躱すことを必死で習得したのもあるのだが。
ともかく、彼は全てを余裕で見切り、代わりに気弾を撃ち込むなどしていた。
カリフは拉致があかないと判断し、火球を放つのをやめ、自分から撃墜することに切り替えた。
しかし地面は危ない。よって縦の空間も使うことに決めた。
神精樹の巨大な枝に飛び乗る。
そしてそのまま、猿のごとく木々を掴み、登りレンに迫った。
直接迫るよりは遅いが、それでも速いことには変わりはなかった。
多少足場が悪くなっただけで、肉弾戦に対して支障はない。
余裕の表情であったレンのすぐそばまで一瞬で飛ぶ。
予想外の攻撃であったかのように、彼は瞠目していた。
その一瞬で、カリフはレンを握り潰した。
–––––––だが、カリフの腕から出たのはまたもや煙だった。
「その攻撃を待ったたんだよ!」
不意に、背後から声がした。
彼は今度こそ掴もうと振り向き、手を伸ばす。
しかし、その手はレンに届くことはなかった。
またもや、一瞬にして、足場が消えた。
「!?」
カリフは突然のことに驚き、行動を停止し––––––––そして一瞬で態勢を立て直そうと行動を起こした。
大猿化したとは思えない素早く合理的な判断で、行動を迅速に行い、立て直そうと、木を掴もうとした。
だがそこで、カリフはさらに気づく。
足場だけではない。
掴もうとした先の枝までもが忽然と姿を消していた。
カリフの行動は正しい判断だったのだろう。しかし––––––気づくのが遅すぎた。
「落ちろ」
そうなると当然。
空中に放り出された状態のカリフは、飛ぶことも出来ないため、地面に急降下していくことになった。
「グォォォォォォ!?」
カリフは驚愕の声をあげながら墜落していく。
確かにカリフが飛んだ時は、周りに神精樹が生い茂っていた。それを確認して飛んだし、多少枝を切られても幹に捕まるなどして態勢を立て直す方法はいくつもあった。故に、落ちるなどということは普通あり得なかった。
『神精樹が、元々なかったかのように消える』というのは、考えつかなかった。
「地面の落とし穴はブラフだ。状況が不利過ぎたら、流石に上に登ってくると思ったんでね」
流石に固定砲台と化してくるとは思わなかったが。
しかし、これで二手目。
シルの能力で、神精樹の状態を1日前に戻したのだ。普通の植物なら1日程度戻したところで大した差も起きない。
しかし、神精樹は育つのが早過ぎた植物であった。それは驚異になるものなのだが、あえてこれを逆手に取った。
一瞬で成長するという習性が仇となったのだ。
「チッ!」
ターレスは急激に縮んでいく神精樹を見て、忌々しげに舌打ちをし、縮んでいく中心地を目指して飛び去った。
神精樹は彼らにとっての切り札でもある。そう易々と切り捨てていいものでもない。ターレスはそれを悟り、神精樹の確保に向かわざるを得なかった。
レンはターレスが飛び去って行ったのを薄々感じながら、カリフの方に集中する。
周囲にレンの分身が集まり、四方八方からカリフの尻尾の切断を狙う。
飛べないカリフでは、空中で上手く身動きが取れず、全方位からの攻撃を防ぐことら不可能である。
必中のはずだった。
だが、カリフも黙って落とされるほど甘くはなかった。
「グオオオオァァァァ!!!」
次の瞬間、カリフは口から火球を、地面に向けて・・・・放った。
土を撒き散らし、クレーターを作るほどの爆発により、途轍もなく大きな爆風を生む。
その反動で、カリフは落下を止めた。
いわば、ジェット機のエンジンと同じような原理である。
そして、近くにいたレンの分身を爆風で纏めて吹き飛ばし、向かっていた気弾も遠くへ弾き飛ばした。
恐るべきは、大猿のパワー。圧倒的な力で小細工などをいとも容易く吹き飛ばし、絶望的な状況すらもひっくり返した。
「・・・お前は、そこまで辿り着くと思ってたよ」
だが、それすらも、レンは予測済みだった。
着地の瞬間、地面からドドドドドと、抉るような音が聞こえ、
ドォン、と
大量の木が地面から突き出た。
「ガァァァァァァ!?」
火球は先程打ち出したばかりだった。
元々カリフは連発する気もなかったため、数瞬でもチャージを必要とする火球を放つこともできず。
突然出た木々の勢いにカリフは押され、再び身動きが出来ないまま、上空へと運ばれた。
「ここは元々森林地帯。神精樹のせいでわかりずらかったかも知れねぇが、元凶がなくなったら元に戻ろうとする。こいつも一瞬で枯らしちまったことが仇となったな」
木々は複雑に絡み合い、カリフの自由を奪う。四肢を拘束され、上手く身体が動かせないようだった。
ジタバタともがくが、中々拘束を解くことはできない。
「あれで終わると思ったか?カリフ。だとしたらお前、流石に俺を舐めすぎだ。策っつうのは、失敗した時のことを考えて何重にも練って初めて策って言えるんだよ」
聞こえてないだろうがな、と呟く。
「まぁ、精々俺の有能さを思い知れってんだ」
レンは暴れるカリフの背後を取り、冷静にその尻尾を切断した。