サイヤ人になりまして。   作:畦道

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はい、5話にして、初めての戦闘シーンです。バトル漫画のSSなのに‥‥‥‥
なんか前半と後半で雰囲気が全然違いますが、気にしないで見てください。それでは、どうぞ。


初戦闘

「「ぎゃああああああああああああああ!!!」」

 

 

 

どうも、レンです。

突然ですが、今逃げてます。超逃げてます。はい。メロスよりも速いと思うスピードで。

 

え?何故かって?まぁ、それは

 

『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』

 

‥‥‥‥‥‥‥後ろから赤い《龍》が襲ってきてるからだ。しかも地球にでてくるようなちょっと愛嬌のある顔じゃなくて、マジモンのやつ。そう、その姿はまるで空の王者!左右に大きい翼を持ち、背中にはちょっとしたトゲがあり、そして、まぁまぁ大きい尻尾を持ち、足には見るだけでヤバそうな毒を付与させ、しまいには口から火球を大量に放ってくる!

‥‥‥どう見ても、某有名狩猟ゲームの看板モンスターですね、ありがとうございました。どうしてこうなった。

 

本当に何でこの星は無駄にリアリティーを求めてくんのか。前見た芋虫だって、異常にリアルだったし。しかも、普通に三メートルくらいありそうだったな。ポケ〇ンに出てきそうな感じじゃない。あれだ、ヤングジャンプレベルだな。そうか、これがヤードラットクオリティか‥‥‥‥‥!

 

 

「いや、マジでヤバイって!死ぬから、死ぬから!」

 

俺の隣にいるサイヤ人の少年、カリフが叫ぶ。こっちも俺と同じで余裕がない感じだった。走り方に必死さが見える。だよな、俺もそうだし。(大事な事なので2回言いました)

 

が、何かちょっと違和感がある。‥‥‥‥なんか、楽しそうに見えるのは気のせいだよな、気のせいのはずだ。

 

「不幸だあああああああああ!!」

 

‥‥‥どっかのツンツン頭の高校生のセリフが聞こえたんだが。お前、必死だよな?俺ら死にそうになってるんだけど。てか、何でお前がそのネタ知ってんだよ。

 

「逃げるんだよぉぉぉスモォキィィィ!!」」

 

「誰がスモーキーだてめぇ!理由によっては張っ倒すぞ!」

 

「いや、ノリで。ていうかレンって叫びにくいな。そうだ、いっそのことスモーキーに改名したらいいんじゃね?」

 

「ざけんな!そんなことで改名するか!」

 

「そうか・・・いい案だと思ったんだがなぁ」

 

「どこがだ・・・!つうか、お前、誰のせいでこんなことになってると思ってんだぁ!?」

 

本当に、どうしてこうなったのか。

 

それは、今から少し前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

俺達は挨拶をしたあと、俺の予定通りに龍仙人を探して南?に移動していた。一緒に行動をするに当たって、カリフに確認をとってみると、

「別に、どこに行くかは決めてなかったからいい」とか言ってたから、こうやって一緒に行動している。というかお前、何も予定無かったのか。そんなんでよく旅に出ようと思ったなとか言ってみると、

「バカ、お前に会いにきたに決まってんだろ?言わせんなよ、恥ずかしい」

とか返して来やがった。かぁッ気持ちわりぃ、ヤダおめぇ。

 

まぁ、そんなこんなで歩いているわけだが、全くもって手がかりがない。もう3日は探したというのに、だ。一応、所々にある村で聞いてみるが、基本的に誰も知らない。知っている人がいたにしても、場所までは分からないということらしい。やだ、これ詰んでない?

 

「マジで無理ゲーだろ」

 

つい、溜め息を吐いてしまう。でも、こんなことを考えても仕方ないと思う。見た目も分かんないから特徴を述べれない。知っているのは、ただ存在はしているということ。なにこの無理ゲー。ポケ〇ンで色違いを探すのが楽に思えてくる。いいよねー、色違い。あれの確立ってどれくらいなんだろうか?俺は1つのカセットに一体は出てきたな。

ポケモン、通信交換‥‥‥。うっ、頭が。

 

「そうだよなー、無理ゲーだよなー。誰かさんが飛べたらもっと楽だったんだろうな~」

 

隣にいるカリフがチラチラとこっちを見ながら言ってくる。なんだよ、言いたいことがあるならハッキリ言えよ。おるよね、学校にこんなやつ。影でめっちゃこそこそ言ってるやつ。友達がいないからって妬むんじゃねえよ。ボッチは独りで遊んどけ。俺みたいに。‥‥‥‥‥‥‥なんか、悲しくなってくるな。やめよう。

 

「うるせぇな、俺だって早く飛びたいから頑張ってんだよ」

 

そう、俺はカリフにあって3日間、付きっきりで教えてもらっているのに、未だに飛べないでいる。気の感じ方はわかった、気のイメージは完璧。ただ、カリフ曰く、全く気が感じられないという。なんだよ、それ。気って生命エネルギーのことだよね?生物なら誰でも持ってるって悟空さん言ってたよね?どうせ、俺なんて雑草以下のクソヤロウやろうなんだよ。

 

「いや、そこまで言ってねぇよ‥‥‥‥」

 

カリフが何か俺を憐れむような目で見てくる。あれ、口に出てたのか。

 

「どこから聞いてた?」

 

「最後の、俺なんて雑草以下のクソボッチニートの役立たずのとこだけだよ」

 

よかった、悟空さんが~てとこ聞かれてなかったか。なんだかんだで原作に関わるかも知れないからな。そういうのは口に出さないようにしないとな。

 

「というか俺はそこまで言ってない。ボッチは認めるが、ニートで役立たずは認めん。家事は一通りやってるだろ」

 

家事は3歳の頃からやってるからな、これぐらいなんともない。主婦必見の激安メシなんてものも作れる。やだ、サイヤ人なのに女子力高すぎ!

 

「ボッチはいいのか‥‥‥‥」

 

何かカリフが言ってるが無視する。カリフは仲間だが、友達ではない。俺としては大歓迎なんだが、あえて言うのは何か恥ずかしい。5歳なんだから悩むなと言われても精神年齢は大人。あれだな、見た目は子供、頭脳は大人。しかも、カリフも大人っぽいし。言動がなんか、子供のそれじゃないし。もしかしたら、カリフも転生者なのかもしれない。まぁ、なんだかんだでカリフとの関係は、悟空とピッコロのようなものなんだろう。仲間だが、友達とは言いづらい。ベジータ?あ、あれは仲間と言いにくい場面が多かったし。

 

 

 

 

結局、今来ていた村からも何も手かがりは得られなかった。それが分かった俺達は、すぐに村を出て、また南に向かって森に入っていった。また一からかぁ。萎えるなぁ。でも、さっさと俺は気を学びたい。いい加減歩くのにも疲れた。多分、ちゃんとした人が教えるのは多分分かりやすいんだろうな。

 

「へっ、悪かったな、教えるのが下手で」

 

そう言ってカリフはムッとした顔をする。本当にコイツは5歳児か?なんかノリが子供のそれじゃないんですけどー。マジでコイツ転生者だろ。

 

「そうだよ、もっと分かりやすく教えろよ」

 

「だが断る」

 

確定。コイツ絶対転生者だ。だって、おかしいだろ。無駄にネタを使ってくるし。どうやったら5歳児がこんなに多量にネタを使るというんだ。明らかにおかしい。でも、今は考えても仕方ないか。それより、気の修行だ、修行。

 

「まぁ、結局はどうせ俺の努力次第なんだよなぁ」

 

努力すれば不可能なんてない!‥‥‥‥はず。ああ、某熱血テニスプレイヤーの雄叫びが聞こえてくる‥‥‥!

諦めるな、諦めたらそこで試合終了だ!‥‥‥‥これ、スラムダンクだわ。テニスじゃなくてバスケだわ。

 

「ふっ、今更分かったのか。バカめ」

 

カリフが何か勝ち誇った感じで言う。

うぜぇ。ただただ純粋にうぜぇ。心の底からそう思った俺はボソッと呟く。

 

「うざいだと?このカリフ様にうざいだと!?絶対に許さんぞ!」

 

そうすると、またもやカリフさんは何かおっしゃる。聞こえてんのかい。というかキャラ固定しろよ。読みづらいだろ、ユーザーが。と、心の中でメメタァなツッコミを入れていると、

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

といいながら気弾を撃ってきやがった。どこぞのスタンド使いか。コイツ、無駄にこういうところは餓鬼なんだよなぁ。他のことは大人なのに。こういうものはやめてくれないものだろうか。

あとテンションが読みづらいし。

とか思っている最中にも、大量の気弾は俺に向かって飛んでくる。何気にコイツはこんなことをちょくちょくやってくるので、段々となれてきた。が、面倒くさいのは面倒くさい。仕方ない。面倒くさいが、俺も乗ってやるか。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

 

俺も俺で、どっかの吸血鬼みたいに叫びながら全て気弾をグレイズする。このやり取りだけ見れば、俺もカリフも年相応の行動なんだろうなぁ。‥‥‥叫んでいる内容は含めないにしても。

 

そういえば、何で俺は気弾を打ち返せるんだろうか。俺って気は使えないのに。別にこれには気を、使わないのだろうか。普通に跳ね返すだけだったら、腕が当たった瞬間に爆発しそうなもんなんだが。もしかしたら、気は関係なくて、ただ身体能力によって変わってくるのかもしれない。そこら辺は、仙人に合った時にでも聞いてみるか。

因みに、俺は純粋な身体能力だけで言ったら、カリフよりも普通に上だ。伊達に子供に働かせるブラック企業に勤めていたわけではない。

 

と、考えている間に、いつの間にかカリフは気弾を撃つのをやめていた。

 

「何でお前は当たらないんだよ。いい加減にピチュらせたい。」

 

東方も使ってくるのか。何かジャンルが幅広いな。ネタが分かる俺も俺だが。

 

「さて、下らないことやってないで、さっさと行こうぜ」

 

そう言って俺はカリフに呼びかけたが、返事は無い。

 

「おーい、聞こえてんのか、返事ぐらいしろ」

 

若干苛つきながら言うと、いきなりカリフはニヤッとして、

 

「いつから俺が攻撃をやめたと錯覚していた?」

 

と言い、上を見た。つられて俺も見ると、頭上から結構大きめの気弾が落ちてきていた。

 

いや、本当お前はなにがしたいんだ。構ってちゃんでもここまで来るといい加減めんどくさいぞ。さっきから面倒くさいが。そういうテクニックは磨かんでよろしい。

 

「はははははははは!!いくらお前でも、コイツはかわせまい!」

 

それ、フラグだぞ。と軽く思いながら、普通に蹴り返す。イメージはゴジータ4の例のやつ。

 

「は?」

 

と、カリフは呆けた顔をして、飛んでいった気弾の方向を見ていた。まぁ、そりゃそうか。アイツも避けられないと思って作ったんだろう。事実、今までで一番大きかったし。本当にこの身体はなんなんだろうな。というか、

 

「危ないだろ、いきなり飛ばしてきたら!周りのことも考えろよ、当たったら危ないだろ!」

 

と、叫ぶ。が、またもやカリフからの返事はない。ただ、気弾が飛んでいった方向を見ている。

 

またなんかくんのか?と、思いつつ、俺は構える。

が、カリフからは何もしてこなかった。カリフからは。訝しげに、カリフが見つめている方向を見ようとして、俺の耳に入ってきたのは、

 

 

 

「GAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

という、どっかで聞いたことのある叫び声。そして、段々と大きくなっていく足音。

 

 

‥‥‥‥なんか嫌な予感がする。

 

「まさか、さっきの飛んでいった気弾が当たったとか、無いよな?」

 

 

と言いつつも、冷や汗が流れる。いや、そんな、化け物に当たったりするわけ‥‥‥

 

「いや‥‥‥そのまさかだ」

 

カリフは引きつった顔でこちらを振り返る。そして、その直後。

 

 

「グルルルルルルルルル」

 

と、怒りを露にしながら、赤い《龍》が茂みから現れた。そして、目が会った瞬間、

 

「「逃げるんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」

 

と、俺とカリフは猛ダッシュで逃げて、今の状態になる。

 

 

 

 

 

‥‥‥‥改めて考えると、俺のせいでもあるのか。うわーまじかー。無意識に自虐ネタをぶっこむってすごいな。どんだけ自分を低評価してんだよ。ここまで来ると達人の域だな。いや、俺の場合仙人レベルまである。スコアがあったらカンストしてるな。

 

「おい、レン戻ってこい!現実逃避なんかしてる場合じゃないぞ!どうするんだ!?」

 

気付いたら、木々の隙間から、光が漏れてきていた。つまり、そろそろ森から抜けるということ。見つかってからは、見通しの悪い森の中だったため今まで逃げてこれたが、広野に出ると一気に追い付かれる可能性が高まる。だからと言って、森の中にずっといても逃げ切れる補償はない。ならば、もうここで迎え撃つしかあるまい。出来るだけリスクは犯したくないが、逃げるだけでは変わらない。

 

「カリフ、とりあえず二手に別れて、その後、あの大きな木の上で合流だ」

 

「了解!」

 

短いやり取りを交わし、俺は左、カリフは右に曲がる。二手に別れたため、リオレウスモドキは一瞬迷った素振りを見せたが、瞬時に標的を定め、カリフに向かって炎を吐いてきた。それをカリフは木にぶら下がりながら避け、指定した場所を悟られないように、左右に揺れながら集合場所に近づいている。

 

その間に俺は、カリフがタゲをとってくれているため先に集合場所につけたので、作戦を考えておく。

見たかぎり、リオレウスモドキは少し知性があるように思える。さっき別れた時には、一瞬迷った素振りを見せていたし、今では炎を吐いても意味は無いと分かったのか、炎を吐いてない。ゲームのとは違い、むやみやたらに攻撃をしたりしないってことか。ゲームでの常識は通用しないと考えてもいいのかもしれない。これによって、俺の情報というアドバンテージは減ったと考えられる。これは、結構きついな。もっと攻撃が単調だったら作戦も組み立てやすいんだが。これがヤードラットクオリティなのね。

 

「よし、来たぞ。作戦は考えられたか?」

 

そうこうしているうちに、カリフが到着した。ちょっと疲れてるな。まぁ、無理もないか。今までずっと走っていたんだもんな。というか、逃げながらもそこまで考えはいっていたか。察しがいいな。こういうところは、流石としか言い様がない。全く、いい奴だな。

とりあえず、作戦はまとまったので、話すとするか。

 

「まず、恐らくこのまま逃げることは不可能だ。あっちの体力はどれくらいか知らないが、確実に俺達よりはあるだろう。しかも、夜になっては目が見えなくなる俺らが不利になる。あっちは他の感覚があるしな。よって、ここで迎え撃つ。いいな?」

 

「俺は、最初からそのつもりだ」

 

やっぱり、そう言ってくれると思っていた。じゃないと、この作戦は出来ない。

 

「よし、じゃあ考えた作戦を言うぞ。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――だ。」

 

「‥‥‥‥‥‥そんだけ?」

 

「ああ、そんだけ。お前は自分が出来ることをギリギリまでやれ」

 

「いや、ちょっと待てよ。それだったら、お前が無駄にリスクを負う必要はなくないか?ここでやればいいんだし」

 

カリフか訳が分からないという風に聞いてくる。コイツは察しが良すぎるから、こういうのは新鮮でいいな。

 

「それだと、お前にあの龍は向かっていくだろう。恐らくだが、アイツは多少なりとも、気を察知することができる。さっき、お前を追っていったのはそれだろうな。しかも、アイツには少し知性があるように見られる。俺が敵だと認識することで、お前が追われる可能性を少なくし、混乱させる」

 

知性があるというのを逆手にとっての作戦。考える力があるっていうことは、迷うということがある。そして、そこには隙が生まれる。これが、俺が考えうる最大限の作戦だ。

 

「‥‥‥‥多分、これが最善だろうな。よし、出来るだけやってみるか」

 

策は多分完璧。これからは、俺達の努力しだいだ。成功しても、倒せるとは限らない。けど、失敗しては確実な0だと言える。そうだ、失敗したら死ぬんだ。失敗は許されない。絶対に成功しないと‥‥‥!

 

そこまで思考が進んだとき、いきなり頭に衝撃が走った。何が起きたのかと隣を見ると、カリフが俺の頭を叩いたんだと分かった。

痛ぇな、このやろう。何しやがる、と言おうとしたとき、カリフは拳をつき出した。

 

「あんま焦んなって。気楽に頑張ろうぜ、相棒」

 

‥‥‥‥‥‥相棒?」

 

「ああ、命を預けるんだ。友達なんか通り越して、相棒だろ」

 

「‥‥‥‥‥‥?」

 

「言ってる意味が分からない、という顔をするな。そんなんじゃさっさと死ぬなー」

 

「‥‥‥‥‥‥‥ぬかせ。お前こそ、そんな装備で大丈夫か?」

 

「大丈夫だ、問題無い。‥‥‥‥‥おい、これ、死亡フラグじゃん。死んだらどうすんだよ!」

 

「ふっ、引っ掛かったな、バカめ」

 

カリフは何をーという顔をしている。その顔見ると、笑いが込み上げてきた。命を賭けるというのに、こんなやり取りをしていいのかと思うが、まぁいいだろう。

そんなことを考えつつ、ふっーと深呼吸をする。気付けば、緊張はなくなっていた。こういう気遣いが出来るカリフは流石だな。やっぱり、俺の相棒だな。

 

「よし、行くか!」

 

そう言って俺は、カリフと拳をぶつける。さぁ、ここからが本番だ!

 

 

 

 

 

 

 

まず、カリフは右手の甲を下向きにして、腰をかがめて、右手に気を送るような形をとる。見た感じは、ナルトの螺旋丸のポーズだ。そこまで見た俺は、木の上から大きくジャンプする。目標は、リオレウスモドキの頭上。そして、落下した勢いを付けて、踵落としを決める。

 

「GAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

入った!と思ったが、その瞬間、奴は大きく叫ぶ。その衝撃で少し飛ばされるが、すぐに立て直す。

 

「流石にそんな簡単には攻撃は通らないか」

 

改めて奴をみると、そんなものは効いてないというように、こちらに向かって歩いてきていた。でも、とりあえずは目的を達した。アイツは、完全に俺を敵として見たようだ。

 

「さて、行かせて貰うぞ!」

俺はそう言い、地面を強く蹴ってリオレウスモドキに向かって走り出す。奴はゆっくり歩いていたが、俺が走るのをみると同時に突進してきた。ドスンドスンと大きく地面を揺らしながら走ってくる。食らったら一堪りもないだろう。食らったならば。

 

「ふっ!」

 

奴と激突する瞬間に、前転をして攻撃を交わす。そして、奴の懐に潜り込み、柔らかそうな腹に蹴りを入れる。が、一瞬、苦しそうな声を上げただけで、そのまま方向転換して再度突進をしてくる。それを次は横っ飛びで回避しつつ、奴が止まった時を見計らい、顔面にパンチを入れる。俺はそれだけではなく、キック等を含めて少し連続で攻撃する。すると、奴は大きく尻尾を振り回してきた。それをジャンプして交わし、さらに前に出て攻撃を加えようとしたが、奴は大きく翼を羽ばたかせ、後方に大きく飛ぶ。さらに、追撃として火球を何発か撃った。

 

「ちっ」

 

俺は舌打ちをしつつ、その火球を全てかわす。結局、俺には一発も当たらなかったが、奴は空中に浮いており、少し俺からは攻撃がしにくい場所となってしまった。それを好機だと思ったのか、立て続けに火球を吐いてくる。それを俺は木を伝って回避していく。俺は飛ぶことは出来ないが、ここは森の中。広野よりもずっと機動力が高くなる。おまけに視界も悪く、木が障害物となるので、俺に攻撃は通りにくい。いくら攻撃力があっても、当たらなければどう

ということはない。そして、回避をしまくって出来た隙で攻撃。次に狙うのは、翼。これを多少なりとも、傷つければ、奴の行動範囲は格段に狭くなる。そう考えた俺は、またもや落下のスピードを加えて、殴ろうとする。だが、奴も学習をしたのか、体をねじって回避する。標的にかわされた拳は地面に叩きつけられて、少しクレーターを作るが、無視。手が痺れるのを無視して、もう一度奴に向かって走り出す。

 

回避、攻撃、移動、また回避。これを、何度も繰り返す。もう何回やったのかわからなくなってくるほど繰り返した。これが、永遠に続くのかの思ってきた。が、体力は永遠ではない。見れば、奴は大きく体力を損傷したのか、動きが格段に鈍くなっている。そして、俺も体力的にはきつくなってきた。もう何度もかわせることはできないだろう。ここまでかわすことができたのも、サイヤ人の戦えば戦うほど強くなっていく特性があったからだろう。が、これも作戦通りだ。

 

「よし、出来たぞ!」

 

そうやってカリフの叫び声が聞こえると同時に、カリフの姿が見えた。カリフの手には、今まで俺が見たことがないぐらいの気が溜まって、球体になっていた。これが、俺の考えた作戦。

まず、カリフが先に逃げているのを観察していた俺が、攻撃や回避等をしたりして、奴の体力を削る。カリフに攻撃をしていた行動をもとにして、相手のパターンを見極めて回避をしやすくする。そして、その間に、カリフは自分が溜められる最大限の気を溜めて、それを機動力が減った奴に向かって放つ。つまり、俺が時間稼ぎをするということ。原作で、悟空の元気玉をためるために、特攻していったベジータのようなやり方だ。正直言って、ここまでうまくいくとは思っていなかった。思っていたよりも、このサイヤ人の体は素晴らしいということが改めて分かった。

 

「じゃあ、最後頑張りますか!」

 

俺が声を出す。そして、もう一度奴に向かって走り出す。カリフは見たところ、近接攻撃だろう。いくら奴が疲れているにしても、多少は隙を作る必要がある。じゃないと、攻撃が当たる前に攻撃をしてきて終わりだろう。ということで、俺は隙を作らなければならない。すると、奴は何かを感じ取ったのか、大きく息を吸って、

 

「GAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

と叫び、口から火が漏れるような状態になった。怒り状態。ゲーム内では、攻撃力増加、攻撃速度アップなど、相手がパワーアップをする状態。はっきり言って、危険な状態だが、それでも俺はやらなければならない。恐らく、これが、俺の最後の攻撃となるだろう。ここで逃げたら、男が廃る。後悔はしないと決めたんだ。だから。

 

「うおおおおおおおおおおお!!!」

 

叫びながら、奴に向かって走る。奴は、今から火球を放とうとする体勢になっている。俺と、奴の視線が交差する。どちらが速いかは分からない。ほぼ同時だろう。そして、奴ともうあと一歩の距離まで近づいたとき―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――奴が、笑ったような気がした。そして、俺より数瞬速く、火球を放とうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥‥‥‥が、火球は放たれなかった。

 

そして、俺の拳が奴の喉に当たり、後ろにぶっとばし、後方に待機していた、カリフのもとに飛んでいき――――――――

 

「「今だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と、カリフは爆風に巻き込まれて、遠くまで吹き飛ばされた。そして、俺はカリフの元に向かおうとして

 

「っ!」

 

あまりの体の痛さに立てなくなった。どうすることもできなかったので、寝転んでいると、こっちに向かって来ている人影が見えた。

 

「よう、大丈夫か?」

 

人影―――――――――――――カリフは、俺に聞いてきた。

 

「いや、全然。死にそうな位ヤバイ」

 

俺がそう答えると、カリフは軽く笑って、俺の隣に寝転んだ。そして、俺の方を見て、ふと思いだしたように、質問をしてきた。

 

「そういえば、さっき奴は何で攻撃してこなかったんだ?」

 

さっき、というのは最後の接戦のことだろう。

 

「それはな、攻撃してこなかったんじゃなくて、出来なかったんだよ」

 

そう答えると、カリフは説明してくれと言わんとしている顔でこちらを見ていた。

 

「奴は、躓いたんだ。‥‥‥‥自分で作った、クレーターに。ここの地盤は、結構脆いんだ。俺の拳で穴が空くくらいにな。それぐらい脆いところに、あんな威力の火球を放ちまくったら流石にでこぼこになるだろ。まぁ、結局は運勝ちだったんだけどな」

 

「なるほどな‥‥‥」

 

説明をすると、納得がいったようにカリフは頷いた。そして、

 

「じゃあ、どっか移動するか」

と言った。確かに、ここにずっといては、あのリオレウスモドキみたいな奴がいつ襲ってきてもおかしくない。カリフの言いたいことが分かったので、カリフに手を借りて立ち上がる。

 

「よし、行くか」

 

と、言おうとしたとき、後ろから

 

 

 

ドスン‥‥‥ドスン‥‥

 

という足音が聞こえた。そして、恐る恐る、カリフと後ろを向いてみると、そこには、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――傷だらけになりながら、こっちを睨み付けている、あの龍の姿があった。

 

 

 

 

 

「な‥‥‥に‥‥‥‥」

 

「今ので、倒せなかったのかよ‥‥‥」

 

俺とカリフは、それぞれ絶望した表情で言う。だってそうだろ。ギリギリまでやって、ありったけをだして倒しきれなかったのだから。そこまでかんがえたときに、

 

「GAAAAAAAAAAAAAA!!」

と、奴は弱々しくも、大きく咆哮した。

 

「くっ‥‥‥」

 

思わず、後ずさる。どうする、どうする、どうする、どうする、どうする、どうする、どうする。何か、何かないのか。ちくしょう。まだ、死んでたまるか!絶対、俺は諦めないぞ!

 

スッと、震えながらも、俺は構える。そして、それを見たカリフもつられて構える。状況は絶望的。奇跡が起きない限り、生き残れないだろう。それでも、それでも。ここまで来たんだ。最後まで足掻いてやろう。

その意思が伝わったのか、カリフが声をかけてくる。

 

「絶対に、勝って生き延びるぞ!」

 

「ああ‥‥‥」

 

俺も頷く。そして、今にも飛びかかろうとしたその時――――

 

 

 

 

 

「お疲れい。よく頑張ったの」

 

と、リオレウスモドキの後ろから、声がした。そして、段々と近づいてきて、体が見えてきた。そこでみたのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかにも、仙人という格好をした、ヤードラット星人だった。

 

 

 

 

 




多分、更新ペースはこれくらいになると思われます。それでは。

4/29日、アンチヘイトタグをつけさせて頂きました。不快になってしまった方、申し訳ございませんでした。以後、気を付けます。
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