SAO <少年が歩く道>   作:もう何も辛くない

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第61話 出立

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サラマンダー領首都<ガタン>。正門から入って、一番近くにある宿でとった部屋の中で、ケイとユイは寛いでいた。ユイはピクシーとしての姿ではなく、本来のAIとしての姿に戻り、ベッドに腰掛けるケイの膝の上で座っている。

 

ユージーンとの戦闘が終わった後、ケイが倒した部下達の蘇生を待ってから、あそこから一番近い街…、つまりここ、ガタンの街へ向かったのだが。ユージーン達は当然の様に飛んで行こうとした。だが、ケイはまだ飛んだ事がない。そのため、彼らからレクチャーを受けたりと時間を取らせてしまったのだが…、ケイが勝って彼らが負けた。なら、それくらいの事に対して、文句は言わせまいと、何とか割り切った。

 

ともあれ、十五分ほどでコントローラー無しの随意飛行のコツを掴み、飛んでガタンまで来れたケイ。

他にも、ここまで来る最中に様々な事を教えてもらった。飛行できる時間も無限ではないらしく、限界時間を越えればしばらくの間、回復のための時間が必要になるという。さらに、それぞれの種族の首都内では、領地の種族が他種族に対して攻撃できる、など。

 

このゲームの常識を、ユージーン等に教えてもらった。何か礼をしようとしたのだが、返ってきた言葉は「貴様とはまた闘うぞ」という、再戦の申し込み。

 

その言葉に対して、ケイは笑みだけを返し、この宿の入り口で別れた。

 

 

「…明日までお別れですね、パパ」

 

 

膝の上に乗ったユイが、ケイを見上げながら悲しげな表情を浮かべて呟いた。

ベッドの傍に置いてある時計には、23:38と書かれている。予定では、インプ領の首都でアイテムを揃え、それから飛行の練習をしてからログアウトするつもりだった。だが、別に相手を貶すつもりはないが、ユージーン等に襲われたおかげでアイテムを揃える時間が失われてしまった。

 

そのため、もうログアウトをするつもりなのだが…。ユイの悲しげな表情を見ると、ゲームの中で夜を明かさなければという使命感に似た感情に駆られる。

 

しかし、ALO内で夜を明かすというのは不可能なのだ。というより、SAOが特殊なだけなのだが…、ALO内で睡眠に入ると、自然とゲーム内からログアウトされる。むしろ、この<寝落ち>こそが、理想のログアウトする方法と言われている。

 

つまり、ユイと夜を明かそうとするなら、ずっと起きていなければならない。不可能ではないのだが、明日もアスナを救うために動かなければならない。当然、ユイを悲しませてしまうのは心が痛いし、アスナだって望んではいないのだろうが────

 

 

「ユイ…」

 

 

「パパ…。私は大丈夫です。せっかくパパに会えて、すぐお別れするのは悲しいですけど…。また、戻ってくるんですよね?」

 

 

「…当たり前だ。ママを助けなきゃいけないし、それに、ユイにも会いたいからな」

 

 

ユイの体に回す腕に、キュッと力を込める。そのままユイの体ごと、ケイはベッドに寝転がる。

 

 

「パパ?」

 

 

「ユイ。このまま、パパと一緒に寝るか」

 

 

こちらを向くユイの両目が丸くなるのが見える。だがすぐに、ユイは嬉しそうに目を細めると、頷いた。

 

 

「はい!」

 

 

ユイの両目が閉じる。さすがにすぐ眠りに着くというのは無いだろうが、恐らくすぐに眠りに着くだろう。現に、心地よさそうな寝息が聞こえて来るまで、そう時間はかからなかった。

 

ケイはユイの寝息を耳にし、小さく微笑んでから、自身もまた眠りに着くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッキリ言おう。辻谷司は、ブラコンである。何か嬉しい事があれば兄に話したいと思うし、悲しい事があっても兄に話したいと思う。不満に思った事も兄に話したいと思うし、悩みがあれば真っ先に親ではなく、兄に相談する。

 

そして、司は自身がブラコンだという事を自覚している。自覚したのは最近…、二年前の事。そう、兄、慶介がナーヴギアを使い、SAOの世界に幽閉されてからだ。

 

兄がSAOに囚われてしばらくは、まったく学校の授業が耳に入らなかった。むしろ、授業でやっている事など、とっくに自学で終わらせている所だから、学校には行かずに兄の見舞いに行きたかった。

 

だが、両親に説得され…、『もし学校を休んだら、帰ってきた慶介に教える』と言われてしまったら、休む訳にはいかない。形だけでも学校へ行き、兄にサボりの報告をされるという事態だけは防ぐ。

 

このままではダメだと司自身も思っていた。兄は大丈夫だと、すぐに帰ってくると、そう信じた気持ちは本気だった。それでも、ふとした時に、兄はどうしてるだろうか。もしかしたら、自分がこうしている間に兄は────と、不安を拭う事ができなかった。

 

物心ついた時には、いつも隣に兄がいた。両親は毎日仕事で家を空け、母はそれでも時間を作って自分と兄と、触れ合ってはいたのだが、一番一緒にいた時間が長いのは兄だと断言できる。両親がいない間、寂しがる自分と遊んでくれたのは兄だった。兄だって、決して寂しくない訳ではなかっただろうに。そんな素振りは見せず、兄として振る舞い続けた慶介に、司が敬愛の念を抱くのは当然の事。

 

そんな兄が、素知らぬ所で命の危険に晒されている現実に、恐怖を感じ続けていた。

学校にいる間には不安で押し潰されそうになり、病室で兄が生きている事に安堵する。それの繰り返しの毎日を過ごして二年。兄が帰って来たと報告を受けたのは、十一月七日だった。

 

その時、司は部活の練習の最中だったのだが、それに構わず家へと帰り、母と一緒に病院へと向かった。逸る気持ちを抑えて、病院内で走らなかったあの時の自分を褒めてやりたい、と今の司は思う。だが、病室に入って、看護婦から何かの検査を受けている、ナーヴギアを外した兄を見た時には、もう限界だった。

 

 

(兄さん、すごく痛がってたっけ。…なに他人事の様に考えてるんだろ。私が悪いのに)

 

 

あの時の光景を思い返しながら、苦笑を浮かべて心の中で呟く司。あの時は、兄が衰弱してることも考慮できないほど平静を失っていた。思い切り抱き付いた瞬間、痛みに悲鳴を上げなかった兄は凄いと思う。

 

引き出しに入っていたタオルをとって、濡れた顔を拭いて水気をとる。使い終わったタオルを籠に入れてから、髪をまとめていたヘアバンドをとり、洗面所から出る。

 

 

「ん。おはよう、司」

 

 

洗面所から出た直後、こちらに入ろうとする慶介と鉢合わせになる。慶介は一瞬、目を丸くしてから笑みを浮かべて、挨拶をする。

 

 

「うん、おはよう。兄さん」

 

 

司も同じように笑みを浮かべながら、慶介に挨拶を返す。

 

 

「…ずいぶんと眠そうね」

 

 

「んー?まぁな。ちょっと昨日は夜更かしした」

 

 

挨拶を交わした後、慶介は洗面所へ入ろうとする。だが、すれ違う直前に司は、慶介の両目が眠そうにしぱしぱしている所を見る。振り返り、洗面所へと入り、扉を閉めようとする慶介に声をかけると、慶介は目を擦りながら返した。

 

 

「ほら、お前はさっさと飯食って学校行け。遅刻するぞ」

 

 

「はいはい」

 

 

まるであしらわれるように、慶介に手をしっしっ、と振るわれた司は、やる気なさげな声で返事を返す。そして、慶介が洗面所の扉を閉めた音を聞きながらリビングへと向かう。

 

こんな当たり前のやり取り。それができるという事が、どれだけ幸せなのか。それを今、司は実感する。慶介が眠ったままの時は、お通夜かと言わんばかりに家は静けさに包まれていた。しばらく経ってからは、会話を続けられる程度には持ち直せたが。父も母も、どこか無理して笑おうとしているのが目に見えてわかった。

 

そんな日々があったからこそ、当たり前に家族が揃うという事が、どれだけ幸せなのかと実感させられる。…ここ最近、仕事が忙しい父と、ほとんど顔を合わせられていないが。

 

 

「司。早く食べちゃいなさい?」

 

 

リビングに入り、テーブルに着いて朝食を摂り始めると、慶介の分の朝食をテーブルに置きに来た恵子が言ってきた。今日は剣道部の朝練がないため、普段より遅い時間に起きている。時間にも余裕はあるが、あんまりのんびりはしていられない時間帯だ。

 

司は少し急ぎ気味で食事を進める。眼前に並べられたトースト、サラダ、ハムエッグの内、ハムエッグを食べ終えた時、洗面所から出てきた慶介がリビングへ入ってくる。

 

一番最初に起きた恵子と使用人が朝食の準備を行い、次に起きたと思われる父が仕事へ出かけ、司と慶介が起きて、朝食を食べる。いつもの朝の光景。

 

 

「ごちそうさま!じゃあ、行ってくるね」

 

 

「お…、んぐ。行ってらっしゃい」

 

 

朝食を食べ終え、司は席から立ち上がってソファに載せてあった鞄とコートをとりながら、慶介と恵子に一言かけてから、コートを着ながら玄関へと出ていく。

 

慶介の送り出す言葉を聞きながら、コートのボタンを閉じて靴を履く。そして、扉を開けようと取っ手に手をかけた時、背後から呼び止められた。

 

 

「司!お弁当忘れてるわよ!」

 

 

「え?…あっ、いっけない!」

 

 

恵子に言われ、弁当を鞄に入れ忘れた事を思い出す。司の前で立ち止まった恵子から包みを受け取って、カバンを開けて中へ入れる。

 

 

「まったく…。じゃあ、気を付けて行きなさいよ?」

 

 

「はーい」

 

 

扉を開けて外へ出ると、冬らしい肌を刺すような寒風が吹きつける。

 

 

(そういえば、兄さんが夜更かしって…。何してたんだろ。また、メカ何とかの勉強でもしてたのかな?)

 

 

外に出た司は庭の道を抜けて、門から敷地の外へ出る。そこでふと、慶介が洗面所に入る前に言っていた事を思い出す。夜更かしをしたと言っていたが、一体、昨日は何をしていたのだろう。まぁ、大体の予想はつくのだが。

 

 

(リハビリし始めてからだよね。兄さんがメカ何とかの勉強を始めたの)

 

 

コートの襟に口元をうずめて、考える。慶介がメカトロニクスの勉強を始めたのは、慶介のリハビリが始まった辺りからだ。元々、プログラミングには興味があったらしく、それについてはSAOに入る前から少し勉強していたのを見た事があるが、どんなきっかけがあって、専門的な勉強をしようと考えたのだろう。

 

 

(…ま、いっか)

 

 

歩きながら考えている内に、それを考えても仕方ないだろうと思い直す。慶介が進む道は慶介の物だ。それに自分が介入しようとは思わない。勿論、その動機が何か悪い事だったのなら別の話だが…、慶介に限って、そんなはずはないだろう。

 

 

(それよりも今日は数学の小テストあるし…、早めに行って勉強しとこ)

 

 

住宅街を抜けて、人通りの多い歩道へ出た所で司は歩くペースを上げる。

 

歩く先は、家から最寄りの駅。司の一日は、始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ALOにログインしたのは、午後一時だった。朝、司は学校へ、母と父は仕事へ出かけ、家にいるのは慶介と使用人の二人だけ。慶介は使用人と十二時半頃に昼食を済ませて、すぐに部屋へ戻ってナーヴギアを被った。

 

朝すぐにログインしてもとは思ったのだが、菊岡への報告と、奴と質疑応答している内に昼まで時間が無くなってしまった。ユイには悪いと思ったが、こちらとしてもナーヴギアを使用している事を知られるのはまずいし、すぐにログインする事を控えたのだ。

 

 

「…んしょっと」

 

 

ログインする際の過程が終了し、意識が覚醒したと同時に目を開ける。ケイがいた場所は、昨日、ユイと共に眠ってログアウトした場所。サラマンダー領首都、ガタンの宿屋で間違いない。

 

無事にログインできたことを確認したケイは上体を起こし、傍らですやすやと眠っているユイの寝顔を目にして、穏やかな笑みを浮かべる。

 

 

「ユイ、起きろ。来たぞ」

 

 

そのまま寝かしてあげたい気持ちもあるが、そしたら怒るのはユイだ。ケイは心を鬼にして、ユイの体を揺らして起こす。

 

 

「ん…。パパ…、おはようございます…」

 

 

「おはよ、ユイ。起きてすぐで悪いけど、もう出るから、ここに入っててくれ」

 

 

寝ぼけ眼で挨拶するユイに、胸ポケットを指さしながら言う。ユイは、はい、とのんびり答えた後、大きく欠伸をしてからピクシーの姿へ変身すると、ゆっくりと飛び上がってケイの装備の胸ポケットへ飛び込む。

 

 

「ふぁ…」

 

 

胸ポケットに入ったユイが、今度は小さく欠伸を漏らした。こんな時間まで随分ぐっすりと眠っていたものだ。

 

 

「お寝坊さんだな」

 

 

「むっ…。そんなんじゃないです!」

 

 

ぽつりと漏れた呟きが聞こえたらしく、ユイはケイを見上げると、ムッとした様子で言い返してきた。

 

 

「ははは、悪い悪い」

 

 

「むー…」

 

 

睨んでくるユイの頭を、人差し指でつんつんと突くように撫でる。そうして不機嫌なユイを誤魔化しながら、部屋を出て、宿屋からも出ていく。

 

街道へと出たケイとユイ。このまますぐに世界樹へ…という訳にもいかず、まずはアイテムを買い揃えなければならない。世界樹までの距離は、ユイ曰く五十キロだという。それなりの長旅になるのは確実だ。

 

SAOのアイテムが破損せず残っていたら楽だったのだが、そうでない以上、しっかり買い揃えとかなければならない。

 

 

(…金、大丈夫なのか?)

 

 

ユイにアイテムショップまでの案内を受けながら歩いていると不意に、不安に駆られた。

アイテムを買うためには、当然お金が必要になる。だが、ケイはまだこのゲームを始めたばかりだ。昨日、対人戦で勝利しているため、少しは堪っているとは思うが…。ウィンドウを開き、ステータスを見て金の残量を見てみる。

 

 

(126528000ユルド…。何だ一億って。SAOからデータが引き継がれたんだろうけど…こっちの方が通貨が低いのか?)

 

 

126528、この数字の並びには覚えがある。SAOでよく見た、持参金の数字の並びだ。だが、ゼロの数が明らかに多い。SAOでは、百万程度だったはずなのだが。

 

 

「パパ?」

 

 

「ん?あ、あぁ…。さっさと行くか」

 

 

いつの間にか立ち止まっていた。不思議そうにこちらの顔を見上げるユイに声をかけられ、我に返ったケイが気付く。ユイに返事を返してから、すぐに歩き出す。

 

ケイの泊まっていた宿から、目的のアイテムショップは遠くはなかった。歩いて五分ほどで着き、中へ入ってアイテムの品揃えを見る。回復アイテムである<癒しの薬晶>とマナの回復アイテムである<理力の薬晶>を購入する。それと、三十分間、Mobモンスターが周りにポップしなくなるという効果をもたらす<聖水>というアイテムを大量に購入する。その上で、初期装備はそのままに、動きを阻害しない金属の胸当てを購入。

 

結果、二十万ユルドという大金をはたく事になったが、節約など考えていられない。

 

 

「さて…。これで準備万端、だな」

 

 

ショップを出て、一応アイテムストレージを開いてちゃんと購入できているかを確認してから、街の中央部にそびえ立つ塔を見上げる。サラマンダー領のシンボルである、火の塔だ。

 

あの塔から出発した方が、高度を稼げて得だという情報がネットのALOの雑談サイトに書かれているのを見ている。これから長距離を飛ぶのだから、高度を稼いだ方がいい。

 

ケイは足を塔の方へ向けて、ふとその奥にある大きな館を目にした。あれはサラマンダー領領主の館。あそこに、サラマンダーの領主がおり、そして恐らくはユージーンも一緒にいるのだろう。近々、大規模な作戦があるとかで準備に追われていると言っていた。まさか昨日の様に、自由に外を出歩いてる訳があるまい。

 

 

「…そう、思ってたんだけどなぁ」

 

 

「何をこそこそ言っている」

 

 

塔の頂上へ辿り着いたケイの目の前には、サラマンダーのプレイヤーが四人立っている。その内一人は、他三人と比べて大きな体躯を誇っており、背の鞘に差さっている大剣は立派な装飾をされてないものの、一目で超レアアイテムだとわかる業物だ。

 

 

「何でこんなとこにいるんですか。ユージーン将軍様」

 

 

「茶化すな。…ただの資金稼ぎだ」

 

 

「…なーる」

 

 

どうやらこの男、事務仕事とかそういうのを苦手としているらしい。こうして外へ出て戦うのが性に合っているのだろう。…見た目からそういう空気が思い切り醸し出してるのだが。

 

 

「貴様は、世界樹へ行くと言っていたな。何故だ?」

 

 

「は?」

 

 

「世界樹を踏破するためなら、もっと大人数でパーティーを組んで…。いや、自分の領で攻略作戦に参加するのが一番楽だろう。…いつになるかは、わからんがな」

 

 

「だからだよ」

 

 

「なに?」

 

 

ユージーンからの問いかけに短く答えると、ユージーンは目を丸くして問い返してくる。

 

 

「そんなに待ってられない。俺は何としても、世界樹の上へ行かなきゃならない」

 

 

「…」

 

 

ケイは柵もない塔の端まで歩きながら言う。そんなケイの背中を眺めるユージーンは、口を開く。

 

 

「何をそこまで…と、聞いても貴様は答えないのだろう?」

 

 

「言ってもどうせ、信じてくれないだろうしな」

 

 

「ふっ」

 

 

その胸中で何を思っているのか。笑みを零したユージーンは背から翅を伸ばし、ケイとは逆の方向へ体を向けると、ケイに視線を向けないまま続けた。

 

 

「昨日も言ったが、俺はまた貴様と闘うぞ。それまで、誰にも負けるなよ」

 

 

「…あんた、意外と熱血キャラだったんだな」

 

 

「勝手に言っていろ」

 

 

ユージーンは最後に皮肉気味にそうケイに言うと、部下を伴って飛び立っていった。

背中越しで見送ってから、ケイもまた、背から翅を伸ばして、その場から飛び立つ。

 

 

「ユイ、オペレート頼むぞ」

 

 

「はい!任せてください!」

 

 

覚えたての随意飛行で移動しながら、胸ポケットのユイに声をかけると、ユイは拳でとん、と胸を叩いて力強く答えた。

 

 

(…待ってろよ、アスナ)

 

 

空高く伸びる樹を見つめるケイの翅が、陽の光を受けて煌めいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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