SAO <少年が歩く道>   作:もう何も辛くない

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ドラクエクリアしました。裏ボス(なのかあれは?)も倒しました。後はクエストと、3DS版を買ったのですれ違い要素を制覇するだけ…。

いや、物凄く楽しめました。まさにあのタイトル通りの作品でしたね、良い意味で。

では、関係ない話はここで終わりにして…。
本編、妖精の舞踏篇最終話をどうぞ。








第79話 鐘の音は妖精を招く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日のオフ会、<アインクラッド攻略記念パーティー>はキリトとリズ、エギルの三人が企画したものだった。このパーティーはその名の通り、アインクラッド攻略を記念したパーティーで、といっても皆でワイワイ騒ぐだけのモノ、という風に慶介は聞いていたのだが。いつの間にかあんなドッキリを用意していて、それも昨日参加すると報せたばかりだった司も巻き込んで。改めて店内を見回すと、慶介が予想していた以上の人数がこの場に集まっている。

 

乾杯の後、全員の現実での自己紹介、それに続いて慶介と明日奈の簡単なスピーチ…、だったのだが、その時、考えてもみなかったスピーチを押し付けられた慶介と明日奈は当然上手く言葉を進めることができずに口ごもってしまった。そんな二人の姿を見たキリト、クライン、リズの三人は遠慮もなしに笑っていて…、三人に復讐心を燃やす慶介だった。

 

スピーチが終わると、ちょうど時間よく焼き終わったエギル特製ピザがテーブルに運ばれ、皆が挙ってピザを取り合う戦争が今、繰り広げられている。ちなみに慶介は、そんな争いから抜け出して、カウンターの席に辿り着いていた。

 

「マスター、コーヒーくれ。ブラックで」

 

「おいおい、こんな時くらい目瞑るぜ?」

 

「冗談。親父に逮捕されちまう」

 

慶介と同じく、皆が集う場所から離れていた、白いシャツに黒い蝶ネクタイをした巨漢が笑う。このオフ会最初の自己紹介で、慶介は自身の父親が警察関係者であることを話している。そのため、父に逮捕されるという冗談もエギルは理解できている。

 

エギルからコーヒーの入ったカップを受け取り、チビチビとコーヒーの苦さを味わっていると、隣のスツールにスーツ姿でありながら頭に悪趣味な赤いバンダナを巻いた、アンバランスな格好をした男が腰を下ろした。

 

「エギル、俺にはバーボン。ロックでな」

 

男、クラインは両手に握っていた二つの皿をテーブルに置くと、その内一つを慶介の方へと押しやる。

 

「ほれ、おめぇの分だ」

 

「サンキュ」

 

慶介は皿を握り、体の前まで引きやり、その上に載ったピザを口まで持って行く。

ピザを咀嚼する慶介を見遣ると、クラインは華やかな笑い声をあげる女性陣の方へだらしない視線を向けた。

 

「おいおい、この後仕事なんだろ?いいのか?」

 

「へっ。残業なんて飲まずにやってられるかっての」

 

エギルが持ってきたコップを受け取るクライン。クラインは唇を尖らせながらそう言い放つと、バーボンを一口呷ってから再び女性陣の方を見つめる。

 

「しかし…、いいねぇ…」

 

「…司にまで色目向けたら殺すからな」

 

「おいおいおい、女性の魅力に見惚れるのも駄目ってか?」

 

「殺す」

 

「このシスコンは…」

 

真顔で言う慶介に何の堪えた様子もなく、クラインは呆れたように溜め息を吐いて女性陣の観察を続ける。ちなみに殺すは本気である。後に、向こうで思う存分斬り尽くす。ペナルティーの凄まじさに恐れ戦くがいい。

 

ちなみに、クラインが見惚れる華やかな女性陣に一人異物が混じっているのだが、それに気付いた様子はない。もし気付いていればさらに騒がしくなるため、そのまま気付かないでいてくれた方が有り難いのだが。

 

後でクラインに施す復讐をどうやって成すか考えていると、クラインとは逆の隣の席にもう一人男が腰を下ろした。こちらのスーツ姿が、クラインと違ってまともである。元<アインクラッド解放軍>のリーダー、シンカーだ。

 

「遅くなりましたけど、ユリエールさんとのご入籍、おめでとうございます」

 

「いやまあ、まだまだ現実になれるので精一杯って感じなんですけどね…。仕事が軌道に乗ったので、ようやくプロポーズできました」

 

慶介が差し出したカップと、シンカーが差し出したコップがチン、と音を鳴らしてぶつかる。照れ笑いを浮かべて慶介に返事を返すシンカーは、本当に幸せそうだ。

 

クラインも反対側から身を乗り出して、タンブラーを掲げながら口を開く。

 

「いや本当にめでたいっすなぁ!俺もあっちで相手見つけときゃぁ…」

 

「「あぁ、ムリムリ」」

 

「お、おい!全否定かよぉ!」

 

クラインが女性のパートナーを見つける…、駄目だ、全く想像つかない。慶介もエギルも、頭の中に浮かんだ一言を即座に口にしてしまった。その一言はかなりクラインの心に響いたらしく、項垂れてしまっている。

 

この項垂れようを見てさすがに失言だったか?と僅かに反省する慶介とエギルだが、どうせすぐに立ち直るだろうとクラインを放っておく事にする。

 

「そういえばあれ見たか、エギル。また一つ、新しい世界が増えたな」

 

不貞腐れるクラインを無視した慶介が、口の中のコーヒーを飲み込んでからエギルに問いかけた。エギルはカウンターに両肘を置いてこちらに身を乗り出すと、にやりと笑みを浮かべてから口を開いた。

 

「あぁ。…どんどん広がってくな」

 

慶介が言ったあれ。それは、茅場晶彦の思考プログラムから受け取った、<世界の種子>だ。

<ザ・シード>と冠されたプログラムには、コンパクト化されたカーディナルシステムと、ゲームコンポーネントの開発支援環境を中に組み込まれていた。

 

つまり、誰でも望めばVR世界を創造できるようになるという代物だった。

 

さすがにこれをどうするか、一人では決められないと考えた慶介は、事情を話してキリト、エギル、そして<ザ・シード>を受け取る場に立ち会ったアスナを招集し、四人で話し合った。勿論、これを破棄するという選択肢も込みで。

 

だが、当然慶介達の中では破棄するべきという意見は出なかった。…いや、破棄したくないというのが正しいかもしれない。その危険性が示唆され、規制される方向へ向かっているVRMMOの世界でまた、という思いが慶介達を縛り付けていた。

 

だから…、慶介は決断した。このままこれをばら撒くべきではない。どういう結果になろうと、それを詳しく調べてもらい、大人に判断してもらうべきだ、と。慶介は健一に、<ザ・シード>の存在を報せ、渡した。

 

その結果が、今の状況だ。このままゲームを規制するべきだという意見もある中、それ以上に新たなVR世界を、という意見が多く上がった。多くの国民の声を無視できなかった政府がとった方針は、厳選された企業にプログラムを渡し、慎重に世界を広げていくというものだった。今では実際に稼働しているサーバーは国境も越え、その数は100に迫ろうとしている。

 

政府としては破棄したい、というのが本音だったのだろうがというのは苦笑いした健一の言葉。ともかく、まだ不安定な状況ではあるが、茅場晶彦が望んだ世界は受け継がれたのだ。

 

「私たちは今、新しい世界の創生に立ち会ってるいるのだと思います。その世界を称するには、MMORPGという言葉では狭すぎる。私のホームページの名前も新しくしたいんですけどね…。これが中々思いつかなくて」

 

シンカーが苦笑しながらも、夢見るような眼差しを浮かべて言った。すると、いつの間にか立ち直ったクラインが両腕を組んで唸っている。

 

「むう~…。新しい名前、か…。どんなのがいいもんかね…」

 

「…誰も、ギルドに風林火山なんて名前付けたお前のセンスに期待してねぇよ」

 

「なんだと!言っとくが、新生風林火山にゃ加入希望の申請が殺到中なんだからな!」

 

「ふ~ん。可愛い女の子が一人でもいるといいな」

 

「ぐっ…」

 

何も言い返せずにいるクラインの顔を、小さく鼻で笑う。すると、今度はエギルが不意に口を開いた。

 

「ケイ、忘れてねぇだろうな。二次会」

 

「んなわけ。イグドラシルシティに11時だろ?司も連れてっから。あいつの強さに驚くなよ」

 

「?ケイさんの妹さん、何かゲームしてるんですか?」

 

「いや、仮想じゃなくて現実。言ったよな、剣道やってるって」

 

「あぁ…。…一年で全中、その後の新人戦も優勝したんだっけ?」

 

「…あいつの伝説は、これからだ」

 

ちらりと司の様子を横目で見てみる。コップを持って談笑している司の目の前には、キリトの弟のリーファ…、桐ケ谷直葉が。きっと二人で剣道の話で盛り上がっているのだろう。もしかしたら、去年の全中準々決勝で対戦したという時の話をしているかもしれない。

 

しかし驚いたものだ。司が自己紹介した時に声を上げた直葉と知り合いだったという事にも驚いたが、まさか剣道の試合で対戦していた事には更に驚いた。ちなみに、司の剣道の成績を皆が知った時も相当驚いていた。何故かキリトが引いていたのは気になるが。「す、スグより強い…?怪物…?」という呟きを慶介は聞き逃していない。クラインと並んで、キリトも慶介の報復対象である。

 

「けどよ、現実と仮想世界じゃ違うだろ。剣道の達人つっても、初めは戸惑うんじゃねぇか?」

 

「俺の妹を甘く見るな。一週間くらい前か、いつの間に頼んでたのか、買ってもらったアミュスフィア使って一緒に潜ったんだ。…あっという間に仮想用の動きにアジャストしやがった」

 

「…マジで?」

 

エギル、クライン、シンカーまでもが頬を引き攣らせていた。

 

「部活に勉強と忙しいせいで毎日インしてる訳じゃないからシステムスキルの方は大した事ねぇけど…、素人と勘違いしたら確実に痛い目見る。ちなみに俺は痛い目見た」

 

司────アバター名アミタと一緒にALOで初めて遊んだあの日。その時は、アスナもその場にいた。種族をシルフにしたアミタと合流し、何を練習させようかと悩んでいたその矢先、いきなり試合をしたいとアミタは言い出した。現実…仮想世界だが…、を見せてやろうと、だが手加減はしてあげようと考えたあの時。このゲームでは、攻撃力やスピードは、プレイヤー自身の才によって決まるものだという事を失念していた。

 

現実でできるのだから、この世界でもできる、と、アミタは全く自身を疑っていなかった。素人と思えない速度で疾駆され、呆気なく斬られたケイ。この時、ケイは一度アバターを消し、新たなアバターでプレイをしていたため、その一撃でHPは全損してしまった。

 

そう、ケイは、ゲームを始めたばかりのアミタに負けたのだ。あの時のアスナとユイの表情は忘れない。両目と口をまん丸く開けて呆然としていた。ちなみにアミタは、終わってすぐでは呆気に取られていたが、ケイが蘇生した途端これでもかというほど煽って来た。当然、第二ラウンド開戦。今度はケイが勝ち、何とか面目を保てたが、あの敗戦の衝撃は二度と忘れないだろう。

 

「あれもちゃんと動いてるらしい。今日のアップデートと一緒に導入されるとさ」

 

「…そうか」

 

過去の衝撃を思い返していた慶介にエギルが笑いかけながら言った。

 

旧SAOサーバーは完全に破棄された。だが、新たなALO運営者に引き渡されたアーガスのデータの中に、思いも寄らぬものが残っていた。それは────

 

「け、ケイィィィィ!助けてくれぇぇぇぇ!!」

 

巨大な城の憧憬が頭の中に浮かぶ、その直前、情けない叫び声が耳朶を打つ。きょとんと眼を丸くして振り返れば、こちらに手を伸ばすキリトと、顔を赤くして絡んでいるリズベットの姿。周りは苦笑しておりただ一人、サチだけが弱弱しくはあるが、リズベットの手を離そうとしている。

 

「あっはは!なによキリトぉ、その言い方じゃアタシが悪者みたいじゃなーい」

 

「じ、実際そうだろ。てかマジで止めてください!伸し掛かってこないでください!」

 

「り、リズ!さすがにそれ以上は駄目だよ!」

 

あちらはあちらで盛り上がっているようだ。しかし…、あのリズベットの様子、どう見ても────

 

「あいつ、酔ってんのか…?」

 

呟きながらちらりとエギルを見遣る。一瞬、エギルと目が合うと、すぐに視線を逸らされる。

 

「1%以下だから大丈夫だ。明日は休日だしな」

 

「…あいつ弱すぎ。いくら何でも」

 

首を振り、慶介は…立ち上がらなかった。助けを求めるキリトに背を向け、コーヒーを呷った。その瞬間、キリトは世界の終わりとでも言わんばかりの絶望の表情を浮かべ、二人のやり取りを見ていた周囲からは笑いが起こった。

 

ずっと笑いが絶えず、あっという間に時間が過ぎていくオフ会は、ついに次の場所へと移る─────

 

 

 

 

 

 

「っと…、んしょ…」

 

「そうそう!アミタちゃん、上手になってるよ!」

 

舞台は移り、ALOにログインしたケイ達。ケイ、アスナ、アミタの三人は集合時間よりも一時間早くログインし、アミタの飛行練習を見ていた。地上での戦闘は練習?ナニソレ?と言わんばかりの才能を見せつけたアミタだったが、その代償というべきなのか、飛行にかなり苦労していた。この一週間、何度かログインしては飛行の練習をしているが、ようやくリモコン飛行が様になってきた程度。ちなみにアスナは、アミタよりもログイン時間が長いとはいえ、自立飛行をマスターしている。

 

「不思議ですねぇ…。パパにも勝っちゃうくらい強い叔母さんが、あんなに飛べないなんて」

 

「…地上であんなに強いから飛ぶのが難しいのかもな。後ユイ、叔母さんって呼ぶのは止めてやれ。あいつ泣いちゃうから」

 

何とか旋回を成功させているアミタを見上げながら言うユイ。そんなユイを、苦笑を浮かべながらケイが窘める。

 

初めてユイと対面した時、アミタは驚愕し、そして泣いた。何故なら、ユイに純真無垢な笑みを向けられながら、「初めまして、叔母さん!」と言われたからだ。あの時のアミタの泣き様は凄かった。14歳で叔母さんと呼ばれたのだ、相当ショックを受けたのだろう。男の慶介には、理解しきれないが。

 

ケイは一度左手を振ってメインウィンドウを出して現在の時刻を見る。そしてウィンドウを閉じてから、並んで飛行する二人に向かって手を振る。

 

「おーい、そろそろ集合場所行くぞ!」

 

白ワンピース姿からピクシーの姿に変身したユイが胸ポケットの中へ入る。それを見てからケイは翅を羽ばたかせて上昇、こちらに向かってきたアスナ、アミタと集まってから、集合場所であるイグドラシルシティへと移動を始める。不安だったアミタの飛行も安定している。リモコン飛行だが。これなら、あの場所へ辿り着けるだろう。

 

以前…、オベイロンがこの世界に存在していた時までは定められていた飛行制限はもうない。このままイグドラシルシティ…いや、あの場所へ直接向かうとしよう。

 

きっと、全員同じ気持ちだろう。集合場所の地上ではなく、空中で会う事になるだろうから。

 

「ねぇ兄さん。結局これからどこへ行くの?」

 

今、三人はアミタを挟む形で並んで飛んでいる。その真ん中で飛んでいるアミタがケイに問いを投げ掛けた。今日オフ会に参加し、二次会にも参加するメンバーの中で、アミタともう一人、リーファにだけは二次会の会場がどこなのかを報せていない。

 

「着いてからのお楽しみ」

 

「…昨日は明日になってのお楽しみって言ったくせに」

 

そういえば、昨日に同じことを聞かれた時に、そう答えたっけ。

 

「どうせもうすぐ見れるんだ。今知ったら楽しみがなくなるだろ?」

 

「…はぁ」

 

溜め息吐かれた。何故に。

アミタを挟んで向こう側のアスナも、胸ポケットから顔を出しているユイも笑っているのに。…あれ、苦笑い気味?何で?

 

夜の闇を切り裂きながら、空の月の光を浴びながら進む三人の目に、無数の光の点が見えてくる。イグドラシルシティに到着だ。だが、三人は地上へ向かうことなく、それどころかその場から上昇していく。

 

言葉はない。何も言わない。しかし、三人と同じように集合場所へ向かう仲間達が、次々にその場に集い、同じ場所へ向かっていく。そしてそれは、ゆっくりと姿をその場に見せ始めていた。

 

「司。月を見ろ」

 

「え?」

 

本来、MMOの中でリアルの名前を出すのはマナー違反とされる、が、ケイはその場に停止し、アミタの腕を掴んでその場に止まらせてから月へ指を向けながら言った。

 

「月が…、欠けてく」

 

ちょうどアミタが月へと視線を向けた時、異変が目に見えて始まっていた。右上の縁が欠け始め、そのまま次第に欠ける面積は大きくなっていく。月食ではない。月食とは違い、月を覆う影は何かの形を描いていた。

 

影は遂に月全体を覆ってしまう。だが、それだけで終わらず、影は今度はこちらへ近づいてくる。

 

大きくなる影は、円錐形の物体。尚も近づいてくる物体は突然、発光した。

露わになるその姿。発光する前はよく見えなかったが、それは幾つもの層を積み重ねて作り上げられていた。船のようにも見え、家のようにも見え、島のようにも見える。

 

だがこれは城だ。当初、多くの人を魅了し、憧れさせた巨大な城。

 

「アイン…クラッド…?」

 

呆然と呟くアミタ。現実で、ケイがSAOに囚われた直後、ネットの画像で見た忌まわしく思っていたあの城。あの城が今、目の前に存在している。

 

「まだ、俺達はあの城を踏破したわけじゃない」

 

ケイが話したSAOでの出来事。その話の中にもあった。ラスボスは倒したが、アインクラッド100層を制覇したわけじゃない。

 

「まだ知らない世界があの中にはある。だから…」

 

ケイは少しアミタの前に出てから、手を差し伸べた。

 

「俺達と一緒に、見に行こう」

 

いつの間にか、ケイの後ろでは仲間達が全員集合していた。

 

相変わらずの黒づくめの格好をしたキリトが

 

青い翅を輝かせているサチが

 

まだ見ぬ世界を待ち遠しく思っているのか、興奮が隠せていないリーファが

 

頭には猫の耳、腰の陰から尻尾を揺らすシリカが

 

桃色の髪を靡かせるリズベットが

 

趣味の悪いバンダナは変わらない、燃え上がるような格好をしたクラインが

 

筋骨隆々なのは仮想世界でも同じのエギルが

 

「司ちゃん」

 

「アスナ、さん…」

 

アミタに微笑みかけ、ケイと同じように手を差し伸べるアスナが、皆がアミタを待っている。

 

アミタはリモコンから手を離すと、その両手でケイの、アスナの手を掴んだ。

 

アミタの手を引っ張り上げ、三人が先頭に立って、皆が浮遊城アインクラッドを目指す。

その後方からはユージーン、サクヤ、アリシャという種族領主たちが部下を引き連れて、シンカーとユリエールは二人で手を繋いで、レコンは一生懸命リーファに追いつこうとしていて、サーシャは慣れない飛行をしながら子供達と一緒に。

 

「兄さん」

 

「ん?何だよ」

 

引っ張られるアミタがケイを呼ぶ。飛行速度を緩めないまま振り返ると、アミタは悪戯っぽい笑みを浮かべていた。

 

「足、引っ張らないでよね」

 

「…こっちのセリフだこのやろ」

 

アミタのセリフに、ケイもまた同じような笑みを浮かべて返事を返した。

 

「ほらケイ君!もっとスピード上げて!」

 

「はいはい、了解しましたよ!」

 

隣で、兄妹のやり取りを微笑ましそうに見ていたアスナが声を上げ、その声にケイも応える。

 

巨大な城を目指す妖精達が、城の中へと姿を消したのは、そのすぐ後の事だった。

妖精達を中へ招き入れた城は、リンゴーン、と鐘の音を鳴らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という事で、これで原作四巻まで内容が終わったという事になります。これからはGGO、キャリバー、ロザリオと書いていくつもりです。アリシゼーションは…、一応考えてはいるんですけどね、ロザリオの所で俺達の冒険はこれからだ!て感じで終わらせることも考えてます。

さて、じゃあここから続きもどんどん書いていこう!…とはならないんですね、はい。
少しSAOは間を置いて他の小説を書いていきたいと思ってます。はい、そこの読者様、あなたが考えている通りです。ニセコイです。ニセコイが一段落するまでこっちの筆は休ませたいと思ってます。

とはいっても、ニセコイの続き書くの難しいんですよね…。書きたいという意欲はあるのに、いざ画面を前にして、両手をキーボードに置いて…、でも手が動かない。キャラをどう動かすかは決まっているのに、その描写が書けない。自分でも意味解んねぇ…。

まあこんな状況ですので、どうしても詰まった時はこっち投稿するかもしれません。しないかもしれませんが。…何か予防線張ってるみたいで嫌だな。でも実際事実だし…。

ともかく、これにて妖精の舞踏篇は終わりです。続きも頑張って書いていきますので気長に待っていただけると嬉しいです。ではでは…

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!(さて、寝よう…。眠い…)
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