白夜の兄貴分が帰って来るそうですよ?〜凍結(リメイク執筆中)〜   作:☆シュレリア☆

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第20話になります!

・・・ちょっと終わり方がしょぼいかなぁ・・・すみません。

次回から黒夜のデート話に入ります!

感想評価お待ちしています。特に評価欲しいなぁ・・・チラッ
程評価でも全然構いませんのでお願いします。むしろそれを糧に面白い話をかけるよう頑張りますので!


ラザリスの正体

「ラザリスの正体」

 

黒夜たちがゲーム盤へ逃げ込んでから2時間後・・・ようやく目を覚ました耀と飛鳥だったが、黒夜の方はまだ辛そうにしていた。

最初こそ嫁発言で起きてからもテンパっていた耀だったが、一向に顔色が良くならない黒夜にすぐにいつも通りに戻ると、飛鳥と共に作戦会議を始めた。

 

「私たちと戦っていた時のラザリスは本気じゃなかったのかしら?」

 

「そうだな・・・こう言ってはなんだが、遊んでいたんだろうと思う。ついでに自分の状態を確かめていたんじゃないかな」

 

「・・・勝てるのかな」

 

「勝つしかないな。じゃないと・・・俺たちはあいつのゲーム盤から出られない」

 

黒夜の言葉に、耀と飛鳥は顔を俯かせたがそんな2人に黒夜はなんとか笑顔を見せた。

 

「まぁ・・・今度はラグスたちも一緒だ。最悪・・・ラグスの鎌が当たればあいつの霊格を消し飛ばせる。そうなれば勝ったも同然だろ?そこまで悪い状況じゃないさ」

 

「そう・・・よね。そうだ、お札の事なんだけれど・・・なにか良い使い方は無いかしら?ラザリス相手だと私が考えついた物じゃ大した効果は無かったから・・・」

 

黒夜は飛鳥が使ってみた能力を聞き出すと、耀も交えて考えてみた。2人の話だと、やはり最初のコンビネーションが1番効果があったらしい・・・。

 

「そうだな・・・飛鳥の話を聞く限りだと、威力の上限はほぼ決まっていると考えられる。となれば、後は言葉を工夫するとかかな?」

 

「言葉を?」

 

「そうだ・・・例えば、飛鳥は抽象的に『炎よ』とかで使ってたんだろ?けどそれじゃあ札に飛鳥のイメージが全部乗らない。神子を始めて使った時と一緒だ。例えば・・・呪文みたいにしてみるとかが有効だと思うぞ」

 

「呪文・・・」

 

「昔流行ったゲームの呪文だけど・・・『古より伝えられし浄化の炎・・・落ちよ!エンシェントノヴァ!』とかどう?イメージとしては、上空から超高熱の熱線が物凄い速さで落ちてくるイメージなんだけど・・・」

 

「試しにやってみたらどうだ?ここなら被害を考えなくて良いから」

 

2人の言葉に飛鳥は頷くと、札を構えて少し恥ずかしそうに叫んだ。

 

「い、古より伝えられし浄化の炎・・・()()()()()()()()()()()()!」

 

瞬間・・・黒夜と耀は目を疑った。雲の間から光が漏れだしたかと思うと、そこから本当に超高熱の熱線が物凄い速さで落ちて来る。

黒夜は危険だと判断し、飛鳥と耀を抱えて出来るだけ距離を取った。

熱線は半径50m程を焼き尽くすも、勢いは衰えずそのまま地面に穴を開けていく。ようやく収まった頃には、ゲーム盤に底の見えない大穴を開けてしまっていた。

 

「・・・・・これは・・・仲間まで巻き込むな」

 

「そ、そうね・・・」

 

「魔王相手でも確実に倒せそうだけど・・・それじゃあもう少し弱いので試してみよう・・・」

 

そこからは、耀が覚えている限りのゲームの術や魔法を試してみた。30分が経過した頃には、飛鳥もだいぶイメージ出来るようになったようで力の加減も出来るようになっていた。

 

()()()()()()()()!」

 

飛鳥が技名を言うと、黒夜が用意した人形が一瞬で細切れになる。

 

「ま・・・とりあえずこれだけ出来れば大丈夫かな?飛鳥・・・札の残りは?」

 

「あと・・・50枚くらいかしら」

 

「OK・・・じゃあ次は耀の番かな。少しこの人形を相手に戦ってみて」

 

そう言って黒夜が作り出したのは、悠が使っているペルソナによく似た人形だった。

 

「ヨシツネ?」

 

「そっ・・・ただし能力は本物の6割程度。悠のみたいに特殊な技は使えないから剣技のみの人形だね。とりあえず・・・これを10分以内に倒してみて」

 

黒夜が指を鳴らすと同時に、偽・ヨシツネは耀へ向かって走り出した。耀はいきなり始まったことに驚いたが、偽・ヨシツネの刀を躱すと瞬時に反撃に移る。そしてその動きに耀自身が驚いた。

今の耀は"神獣の加護"を使っていない。にも関わらず、その動きはギフトを使っている時と遜色ないほどのキレを見せた。

耀は驚きから回復すると、偽・ヨシツネの腹に拳を叩き込む。甲冑もあるからそれほど効かないだろうと思っていたそれは・・・予想に反して甲冑ごと偽・ヨシツネの腹部を貫き、偽・ヨシツネは動かなくなった。

黒夜はその結果に頷くと、時間を計っていた時計を見る。

 

「2分弱か・・・予想以上に眷属になった効果が出てるな。次は"神獣の加護"を使ってこれと戦ってみて。制限時間は同じく10分で」

 

そう言って黒夜が新たに出したのは、十六夜の人形だった。しかも白髪モード・・・。耀は少し不安になったが、ギフトを発動すると殴りかかってきた偽・十六夜と戦い始めた。

さすがは十六夜の人形と言うべきか・・・その一撃一撃は当たればただでは済まない威力をはらんでいたが、耀はその全てを躱し確実に反撃していく。偽・十六夜も最初こそ躱していたが、それは耀が動きすぎる体に慣れていなかったからでもあり、勝負は以外とあっけなく終わった。

渾身の回し蹴りで偽・十六夜の頭を吹き飛ばした耀は、若干顔を顰めながら黒夜の元へと戻る。

 

「7分ちょいか・・・」

 

「黒夜・・・次からは仲間の人形がは止めて欲しい」

 

「ん・・・あぁごめんな!?そうだよな・・・いい気分んじゃないよな!・・・でも、かなり強くなってるな・・・さっきの人形は8割ほど本物に近づけたんだが」

 

「光弾とかが無かったし・・・けど、いい感じ。もう少し試したい」

 

黒夜はそれに頷くと、少しずつランクを上げて特訓に付き合った。

それから1時間後・・・耀は目をみはる成長を遂げていた。もともとセンスは良かったのだが、耀は飛鳥がやっていた特訓と同じように元いた世界で見たことのある漫画やアニメなどの技を模倣することによって技のレパートリーを増やして行く。

特に双剣術にかなり磨きがかかっていた。耀が模倣したのは某二刀流のビーター剣士。最終的にスターバースト・ストリームまでほぼ完璧に模倣(技の速さは耀の方が断然速い)すると、そこからさらに他の技に繋げたりして次々と人形を倒していく。

最終的に、黒夜の持つ人形のストックが無くなった事で強制的に終了となってしまったが、側で見ていた飛鳥は終始目を点にして固まっていた。

 

「もうさっきまでとはまるで別人だな・・・」

 

「ありがとう黒夜・・・。沢山人形出してたけど・・・体調は大丈夫?」

 

「あれはギフトカードから出してただけだから大丈夫だよ。修復も3割ほど終わったからだいぶ気分も良くなった。そろそろ行こうか?」

 

黒夜は耀と飛鳥にそう問いかけると・・・耀はすぐに頷き、飛鳥は自分が固まっていたことに気づき慌てて返事をした。

 

「・・・え、ええ・・・行きましょう!」

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫よ!ちょっと驚いただけだから・・・」

 

顔を赤くしながらそう答える飛鳥に少し吹き出しそうになった黒夜だったが、睨まれたことで慌てて取り繕いながら念話でラグスに連絡を取った。

 

(そっちの様子はどうだ?)

 

(みんな殺る気十分だよ・・・黒夜こそ大丈夫なの?)

 

(問題ない。特に耀と飛鳥はこの数時間で一気に成長したから期待して良いぞ)

 

(そっか・・・じゃあ)

 

(あぁ・・・反撃の始まりだ!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒夜達がゲーム盤から出ると、既にラグス達もラザリスのゲーム盤に入っていた。そしてラザリスはと言うと・・・。座り込んでのの字を書いていじけていた・・・。

 

「なに・・・やってるんだ?」

 

『!?・・・ヨ、ヨウヤクモドッテキタノネ・・・マチクタビレテシマッタワ』

 

「そ、そうか・・・」

 

『コンドハゼンインデキタノネ・・・ムダナコトヲ』

 

「それはどうかな?」

 

黒夜がそう言うと、全員戦闘態勢に入った。どうやら先ほどの光景は無かった事にしたようだ。ラザリスもほんのり顔が赤くなっているのを隠すように飛び上がると、周囲に水晶を展開して黒夜達を睨んだ。

 

『イイワ・・・ゼンインマトメテコワシテアゲル!!』

 

ラザリスはそう言うと、展開した水晶からさらに小粒の水晶を無数に打ち出した。しかも避けるのが不可能な程に隙間がないそれは・・・しかし、飛鳥と耀そして悠のペルソナが放った風によって全て蹴散らされた。

それを見たラザリスは一瞬顔を顰めると、今度は巨大な水晶を無数に召喚して次々に落としてきた。しかしそれも飛鳥のディーンと悠がチェンジしたルシフェルによって全て薙ぎ払われてしまう。

 

衝撃で土煙が舞う中、ラザリスは遠距離からではラチが明かないと判断すると、今度は両手に水晶の剣を作ると十六夜と黒ウサギに向かって斬りかかった。

それに対して十六夜と黒ウサギはギフトカードから剣と槍を取り出すと、全ての攻撃を防いでいった。

 

ここで黒夜たちは違和感に気付いた・・・。ラザリスの攻撃はあまりにも単調で、あまりにも拙すぎるのだ。まるで子供のようにがむしゃらに攻めてくるその姿は、昔一度だけ戦ったラザリスとは似ても似つかないと黒夜は思った。

 

「なぁ・・・それがお前の全力か?」

 

『ッ!・・・ソンナワケ・・・ナイデショ!!!』

 

ラザリスは両手を掲げると、頭上にディーンの10倍はある水晶の塊を作り出す。

 

『ミンナ・・・ツブレチャエェェェェエエエエエエエエ!!!』

 

全力で放たれたそれだったが、黒夜は溜め息を吐くと水晶の塊を闇で飲み込んだ。

 

「昔の方が強かったのは気のせいか?」

 

『ウルサイ・・・ウルサイウルサイウルサイ!!!ドウシテ・・・ナンデ!?ナンデウマクイカナイノ!!?ドウシテムカシミタイニツカエナイノ!!!』

 

とうとう癇癪を起こし手当たり次第に水晶を放ち始めるラザリス・・・。黒夜はこんな奴に不覚を取ったのかと本気で凹みそうになるが、水晶を捌きながら考えた。

 

(ん〜本当にどういう事だ?霊格そのものは昔と変わっていない・・・むしろ大きくなってる。あれだけの霊格があれば相当な実力になっていてもおかしくはないんだが・・・・・あ、もしかして)

 

黒夜は思いついた事にバカバカしくなって苦笑を漏らした。黒夜のそんな態度に、ラザリスはバカにされたとでも思ったのか、さらに激しく喚きながら攻撃を仕掛けてきた。

 

『コノ・・・バカニシテェ!!!アタレ!アタレアタレアタッテシンジャエェェェェェエエエエエエエエ!!!!』

 

「本当に・・・子供なんだな」

 

黒夜はそんなラザリスの様子にそう呟くと、いつでも黒夜を守れるようにと近くで水晶を捌いていた耀が不思議そうに聞いてきた。

 

「どういう事?」

 

「あれはラザリスではあるんだが・・・どうやら精神年齢と言うか・・・思考があの頃と比べると幼児化してるみたいだ。だから子供が考えるような単調な攻撃しか出来ないし、すぐに怒って冷静さを欠く。ただ、心を読む能力は昔と変わらないから冷静になられると厄介なのは変わりないかもな・・・・俺もやられたし。と言うわけで耀・・・良い練習相手だ。お前が倒して来い」

 

「・・・や、やってみる」

 

耀は頷くと、ラザリスに向かって飛び上がり背後を取る。ラザリスはすぐに気付いたが、振り返るよりも速く耀の蹴りがラザリスの背中に命中していた。

 

『アグッ!!?』

 

耀はさらに両手に構えた双剣で追い打ちをかけていく。その度にラザリスからは苦悶の声が漏れたが、耀はは情け容赦なく斬り刻んでいった。そして地面に激突すると、念のため距離を取る。

 

『ナンデ・・・ドウシテ・・・ウマクイカナイノ?セッカク・・・イキカエッタノニ・・・モウイチド・・・コクヤニアエタノニ・・・ドウシテ・・・?』

 

ラザリスの力ない呟きに、耀は少しだけラザリスの気持ちが分かるような気がした。

 

(多分・・・ラザリスは黒夜が本気で好きだったんだ・・・。初めて自分に靡かなかった男・・・だからこそ本気で惹かれてしまった。だけど、黒夜が貴女の思いに答える事は多分ない・・・)

 

ラザリスは余りにも多くのコミュニティを襲いすぎた。耀は少しだけラザリスに同情すると、彼女の体を後ろから力一杯抑え込んだ。

 

『ナニヲ!?』

 

「ラグス!!」

 

ジタバタと暴れるラザリスだったが、無理矢理抑え込んだ耀はラグスの名を叫んだ。するとラグスは魂狩りの鎌でラザリスを斬り、さらに別の鎌を取り出した。

 

「耀さんも気付いたんですね・・・」

 

「なんとなくだけどね・・・お願いできる?」

 

耀のお願いに頷いたラグスは、新たな鎌・・・"心狩りの鎌"を心臓の近くに刺した。すると、刺した辺りから黒い煙が上がり始めラザリスの体から抜けていく。

 

『ア・・・アァ・・・・・キエテイク・・・ワタシノイシキガキエテイクゥゥゥウウウウウウ!!!』

 

「罪無き少女に取り付いた悲しき亡霊よ・・・地獄で悔い改め罪を贖いなさい」

 

『アア・・・コクヤ・・・コクヤァァァァアアアアアア!!!!!!』

 

黒い煙は、黒夜を呼ぶ叫びとともに消えていった。後に残ったのは、体を覆っていた水晶が砕け意識を失っている10歳くらいの少女だけだった。真っ白になっていた肌は赤味をさし、白と赤が入った髪の毛は黒く染まり尖っていた耳も人間と同じものに変わっていた。おそらくはこれが少女本来の姿なのだろう。

耀は少女にギフトカードから取り出した毛布を掛けると、抱きかかえて何が起こったのかわからない黒夜達の元へ戻って行った・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ラザリスが消えた事で元の洞窟に戻ってきた黒夜達は、一先ず報告のために白夜叉のいるサウザンドアイズの支店まで来ていた。報告を聞いた白夜叉は、耀の膝で眠る少女を見てひと息つく。

 

「それで・・・その娘はラザリスではないんじゃな?」

 

「うん・・・これは私の推測だけど・・・この子はラザリスの魂・・・みたいなのに取り憑かれてただけなんだと思う。どういう理由でこの子を選んだのかは分からないけど、この子が幼すぎたせいでラザリスは本来の力を出せなくなってたみたい」

 

「そうか・・・それなのに兄上に傷を負わせたのだから侮れぬの・・・。ラザリスの魂は本当に送ったんじゃな?」

 

「それは間違いありません。彼女の魂は間違いなく天へ導かれました」

 

「ならば良い・・・して、その娘はどうするのじゃ?」

 

白夜叉の問いに、黒夜達は顔を見合わせると苦笑いした。

 

「一先ずは俺たちで面倒を見るつもりだ。ギフトカードを見たらラザリスの物は無くなっていたけど奪ったギフトは残っててな・・・。それと旗印が入ってなかったからおそらくこの子のコミュニティはもう・・・。一応目を覚ましたらこの子自身がどうしたいかも聞くつもりだ」

 

「わかった・・・っと、そう言ってる間に目を覚ましたようじゃぞ?」

 

白夜叉の言葉に少女を見ると、確かにうっすらと目が開いていた。耀はゆっくりと少女を抱き起こすと、優しく問いかける。

 

「おはよう・・・痛いところはない?」

 

「・・・・・フルフル・・・ここ・・・は?」

 

「ここはサウザンドアイズのお店だよ。私は耀・・・君の名前は?」

 

「な・・・ま、え・・・名前は・・・アイ・・・それが、名前」

 

「アイだね・・・自分のこと・・・他に分かることある?」

 

耀の問いかけに、アイは首を傾げながら考える仕草を取ったがすぐに首を振った。

 

「わから・・・ない。何も・・・わからない・・・」

 

少女の言葉に、耀を始めとした全員が悲しそうに顔を俯かせた。

 

「そうか・・・あ、俺は黒夜だ、言えるか?」

 

「おう・・・や?」

 

「・・・ちょっと難しいかな?まぁ呼びやすいので読んでくれれば良いよ」

 

「ん・・・じゃあ、パパ・・・?」

 

上目使いでパパと呼んできたアイに、黒夜は半壊した心臓を撃ち抜かれ胸を押さえながら身悶えた。

 

「う・・・ぐ・・・なんという破壊力だ・・・」

 

「・・・ん・・・っと・・・ヨウは・・・ママ?」

 

「はう!?わ、私がママ!?」

 

「う〜・・・」

 

耀も胸を押さえて苦しそうにしていたが、アイが俯きがちに涙目になっているのを見てすぐに立ち直った。

 

「そ、そうだよ!わたしがママだよアイ!」

 

「あ・・・ママ♪」

 

アイは嬉しそうに耀に抱きつくと、耀も優しくアイを抱きしめた。その様子に黒夜も正気を取り戻すと、改めて白夜叉に向き直った。

 

「えーと・・・まぁなんだ・・・そういうわけだ」

 

「いや、まぁ兄上が良いなら構わんが・・・記憶の方は良いのか?」

 

「今すぐじゃなくても良いだろ。流石に可哀想だ・・・」

 

「まぁ・・・そうじゃな。あぁそうじゃ・・・兄上達が帰ってきたら渡そうと思っていた物がある。南側で開催される祭りの招待状じゃ。なんでもゲストとして呼びたいから交通費などはすべて主催者が出してくれるそうじゃぞ」

 

「あ〜リンが言ってたやつかな?白も来るんだったよな」

 

「うむ・・・それでじゃが・・・その、良かったら1日だけで良いんじゃ。私のために時間を作ってもらえんかの?///」

 

「ハハ・・・もちろん良いぞ。久しぶりに色々見て回ろう」

 

「う、うむ!///」

 

黒夜は白夜叉と約束すると、みんな疲れているだろうと思い今日は本拠へ帰る事にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その日の夜・・・。黒夜は色々と事後処理のような物を片ずけてようやく風呂に入ることができていた。

 

「あ〜それにしても・・・俺も随分鈍ってるなぁ・・・昔の俺ならラザリス程度瞬殺してたってのに。けど、今回はそれで良かったのかもな。じゃなきゃ、アイまで一緒に殺してる所だった・・・」

 

そう呟きながら肩まで浸かると、脱衣所から気配がして振り向いた。

 

「パパ〜♪」

 

「な、アイ!?」

 

アイは走って向かってきたため、黒夜は慌ててアイを抱きとめる。ホッとひと息つくと、危ないことをしたアイを叱ろうとした所で固まった。

 

「ごめん黒夜・・・アイが走って行っちゃって!」

 

そこにいたのはタオルを巻いた耀だった。あまりの出来事に、黒夜は慌てて後ろを向きながら聞いた。

 

「な、なんで耀まで?」

 

「えっと・・・アイがパパとママと一緒にお風呂入りたいって言うから?」

 

「そ、そうか・・・」

 

アイは黒夜に抱えられてはしゃいでいたが、黒夜と耀の間には少し気まずい沈黙が降りた。

 

「・・・・・クシュンっ!」

 

「と、とりあえず・・・入るか」

 

「ズズッ・・・う、うん///」

 

2人はアイを間に挟んでお湯に浸かると、その温かさにハァと息を吐いた。

 

「その・・・迷惑だったかな」

 

「いや・・・大丈夫だよ。驚いたけど」

 

「あはは・・・そ、そうだよね」

 

お互いに苦笑いを浮かべる黒夜と耀。そんな2人をアイは不思議そうに見上げると、何を思ったのか突然耀のタオルに手をかけた。

耀は慌てて止めようとするが、アイはタオルを思いっきり引っ張って剥ぎ取ってしまった。

 

「パパもアイも裸!ママだけ違うの良くない!」

 

「ちょ、アイ!?」

 

「おぉ・・・!ナイスだアイ!」

 

耀は顔を真っ赤にして手で隠したが、黒夜はバッチリ耀の裸を目に焼き付けていてアイに向かって親指を立てていた。

 

「うぅ・・・黒夜のバカァ!///」

 

「ママお顔真っ赤!」

 

「あはは・・・まぁ怒るなって。それに綺麗だから隠さなくても良いんだぞ?」

 

「は、恥ずかしいこと言わないで!アイもタオル返して〜!」

 

「キャハハハッ!ママくすぐったいよ〜!」

 

黒夜はじゃれ合う2人を微笑ましそうに眺めると、何かを思いついたのか2人の後ろに回り込んだ。

 

「でやっ!」

 

「ひゃあ!?」

 

「わぷ!?」

 

2人を後ろから抱きしめた黒夜は、そのまま湯船に座り直すと2人を自分の膝に座らせる。

 

「なんかこうしてると・・・本当の親子みたいでなんか良いな」

 

「黒夜・・・そう、だね・・・恥ずかしいけど///」

 

「ママ・・・また顔真っ赤?」

 

アイに言われて余計に顔を赤くする耀だったが、ヤケになったのかそのまま黒夜に身体を擦り寄らせた。

黒夜はそんな耀の頭を撫でると、羨ましそうにしているアイに気付き少し微笑むとアイの頭も撫でてやる。気持ちよさそうに目を細めるアイに、なんだか胸が温かくなった黒夜は、その後アイの身体を洗ったり・・・耀も洗おうとして殴られたりしながら楽しい時間を過ごすのだった・・・。

 

お風呂から上がったあと、ラグスやレティシアたちに怒られ今度一緒に風呂に入る約束をさせられるのはまた別の話・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方、十六夜と黒ウサギ・・・。

 

「十六夜・・・さん・・・」

 

「黒ウサギ・・・良い・・・よな?」

 

「はい・・・」

 

静かに大人の階段を上がっていた・・・。

 

そして飛鳥は・・・。

 

「・・・・・春日部さんも恋人ができて・・・というか娘まで出来ちゃって・・・私も恋人欲しいわね」

 

「あれ・・・飛鳥さん?こんな所でどうしたんですか?」

 

「ひゃあ!?・・・ら、ライナー君!?どうしてここに!!」

 

「いえ・・・皆さんが出かけてからここで剣の練習する事が多くて。・・・飛鳥さんも恋人欲しいんですか?」

 

「な・・・聞いてたの!?」

 

「聞こえた・・・の方が正しいですね。この間の事で耀さんと飛鳥さんは俺を狙ってるのかと思ったんですが・・・耀さんの方は勘違いだったみたいでちょっと恥ずかしいです」

 

「・・・私は・・・貴方を狙ってるんだから勘違いじゃないわよ!じゃあね!」

 

飛鳥はそれだけ言うと部屋へ帰ってしまった。残されたライナーはと言うと・・・。

 

「・・・え・・・あれ?ちょっとからかっただけだったんですけど・・・ね」

 

走り去ってしまった飛鳥を見送りながらそんな事を呟いていたのだった・・・。

 

 

 

 




今回はここまでとなります!

いや、ホント内容の薄い戦いになってしまった・・・。

アイちゃんですが、SAOのユイちゃんの髪を肩くらいまで切った感じとご想像ください。そのうち挿絵載せられたら良いなぁ・・・。
正直ラグスも描いてる途中なんですけどどうしても前回書いてた方の作品のヒロインと被っちゃうんですよね・・・いっそあれの髪を赤紫に変えて・・・あぁでも服装が・・・ホントどうしよorz

一応その時の挿絵を貼っておこうかな?


【挿絵表示】


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