白夜の兄貴分が帰って来るそうですよ?〜凍結(リメイク執筆中)〜 作:☆シュレリア☆
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「ペストとのデート」
ペストとのデート当日・・・。俺は身支度を整えると部屋を出ようとした。すると、俺が開けるよりも早く扉が開き、その向こうにはペストが立っていた。立っていたのだが・・・俺はここ数日で1番の衝撃を受けていた。
てっきりいつもの格好で来るものだと思っていたのだが、今のペストは髪を下ろし橙色に花の模様が入った浴衣を着ていてとても清楚な佇まいになっていた。
「えっと・・・物凄く似合ってる。可愛いよ・・・けど、なんで浴衣?」
「ラッテンに無理矢理・・・///なんでも、今日は街でお祭りがあるらしいわ」
「なるほど・・・」
俺は陰に隠れて見ていたラッテンとヴェーザーの方をチラリと見るとペストには見えないように親指を立てた。するとそれに気づいた2人も親指を立てて頷いてくれる。
俺はそれを確認するとペストに視線を戻した。
「じゃあ今日はその祭りに行ってみようか。場所は分かる?」
「えぇ・・・ただ、夜にならないと本格的には始まらないらしいから、それまでは適当にブラつきましょう?」
「了解だ・・・それじゃあ行こうか」
俺がそう言って手を差し出すと、ペストはおずおずとその手を握ってくれた。
そんなこんなで街に来た俺たちだったが、夜に祭りがある割には特に変わった場所は無いように見えた。
「ホントに祭りがあるのか?」
「ヴェーザーが調べた情報だと、街の南側を丸々使ってやるらしいわ。町中でやったら広すぎて回りきれないからでしょうね」
「なる・・・じゃあ・・・その間は東側を見てみようか。そっちはまだ行ったことがないからな」
「それで良いわ」
それから俺たちは街を見て回った。だが、すぐに足を止めてしまう。なぜか周りの視線が俺たちに集中している事に気づいたからだ・・・いや、正確にはペストに集中していると言った方が正しいかもしれない。
しかも、なぜかみな小さく笑っているのだ。・・・そこで俺は気づいてしまった。連中はペストが浴衣を着ていることを笑っているのだ。祭りは夜からなのにこんな早い時間から浴衣を着ていることに笑っているのだ。
最悪な事に、ペストもそれに気づいてしまったようで、顔を赤くしながら涙目になってしまっている。
俺は周囲に殺気を放つと、繋いだ手を引きながら人気のない場所まで移動した。
「大丈夫か?」
「大丈夫・・・よ。ごめんね・・・黒夜」
「お前が謝る必要は無いだろ・・・とりあえず・・・一度帰ろうか」
「えぇ・・・」
そう言って本拠まで飛んだ俺たちは、ラッテンやヴェーザーに驚いた顔をされたがそのまま俺の部屋まで何も言わずに入った。
「とりあえず夕方くらいまでここにいようか」
「そう・・・ね」
ペストは未だに元気がない。俺は頭を掻くと、ペストを後ろから抱き上げてベットに腰掛けた。
「本当は最後に話そうと思ってたんだけど・・・今話しちゃうな」
「・・・それは、前の3人とのこと?」
「やっぱり気づいてたか・・・そうだよ。俺はラグス、レティシア、リンを抱いた。それで、その後ギフトカードを確認したらレティシアとリンのギフトが花嫁に変わってたんだ」
「そう・・・」
「それでだ・・・ペストはどうしたい?ペストがそこまで俺を好いてくれているのなら、俺はその気持ちに応えたいと思ってる」
「私に言わせるの?」
「俺が決めちゃって良いなら遠慮なくやっちゃうぞ?」
「んな!?///私が嫌がったらどうするのよ!?」
「その時はすぐにやめるさ。だからこそ、お前の気持ちを先に聞いたんだしな」
俺がそう言うと、ペストは急にモジモジし始めた。そして器用に俺の方に体を回転させると、そのまま俺に軽いキスをする。
「嫌なわけ・・・ないでしょ?リンから話を聞かされて・・・私にもしてくれるのかって不安だったんだから・・・。その・・・私は、素直じゃないから・・・今まで気持ちを伝える事もあんまりしなかったし・・・」
「今のペストは凄く素直だけどな。なら・・・祭りが始まるまでに・・・」
「あ、あんまり・・・激しくしないでね?歩けなくなったら・・・困るから」
「それまでには回復するだろ・・・ちゅっ」
「んぅ!・・・ちゅ・・・れろ・・・・・そう言う問題じゃ!・・・んぁ!・・・ちゅる・・・」
俺は浴衣に手を滑り込ませながらキスを続けた。最初はいきなりの事に戸惑っていたペストだったが、キスをしているうちに段々と表情がとろけてくる。
「あぅ・・・黒夜ぁ・・・・・」
トロンとした瞳で見上げてくるペストがあまりにも可愛くて、俺は我慢出来ずにそのままペストを押し倒してしまうのだった・・・。
それから5時間後・・・俺とペストはお風呂で汗を流していた。いざ始めてしまうと、ペストは物凄く甘えて来て休憩を挟みながらも何度も行為に及んでしまった。俺は軽く自己嫌悪に陥りながらも、今だにトロンとした顔で余韻に浸っているペストの体を洗っている。
「黒夜ぁ・・・エヘヘ///」
「まさかここまで甘えん坊になるとはな・・・」
「だって・・・幸せなんだもの・・・復讐しか考えていなかった頃の私が見たら驚くでしょうね・・・」
「そうかもな・・・そう言えば、その復讐はどうするつもりなんだ?」
俺がそう聞くと、ペストの表情が途端に真面目な物に変わった。
「正直・・・迷ってる。私の中の悪霊たちは・・・ラグスがあの変な鎌で成仏させちゃったし、私自身はもうあまり復讐は考えていないの・・・」
「そうか・・・まぁそれで良いんじゃないかと俺は思うよ。元々・・・復讐なんてのは達成しても後には何も残らない虚しい物だ。そんな事の為に時間を割くくらいなら、今みたいに幸せだと言える時間を生きたほうが良い」
「そうね・・・ねぇ、黒夜・・・黒夜は・・・ずっと私の側にいてくれる?」
「ずっと・・・はラグス達もいるから無理かもしれないけど、俺もお前も寿命は無いに等しい。だから、どれだけ長い時間でも、俺はお前と一緒に生きるよ・・・。それだけは約束する」
「やっぱり・・・黒夜は優しいね」
「そうか?」
「うん・・・出来ないことは出来ないってハッキリ言ってくれる。その上で・・・自分に出来る最大限の事をしてくれる。私はそんな貴方が大好きよ///」
「あぁ・・・俺も大好きだよ」
そうして俺たちはまたキスを交わした。その後、お風呂を上がった俺たちは部屋へ戻ったのだが、そこで待ち伏せしていたラッテンとヴェーザーに無駄に祝福された。俺は追い出してやろうかとも思ったのだが、ペストは顔を真っ赤にしながらもその祝福に喜んでいたので俺も何も言わずに3人を見守った。
そして日が落ち始めた頃・・・俺とペストは改めて祭りへ来ていた。昼間の事があったので、俺はペストに少しだけ化粧をして頭には簪も付けて・・・ついでに俺も浴衣に着替えた。
今のペストはこの祭の中で1番綺麗だと胸を張って言える。
昼食を食べていなかった俺たちは、ひとまず何か食べようと屋台を見て回った。
「なにか食べたい物あるか?」
「そうね・・・正直どれも食べたこと無いから迷う・・・」
「そっか・・・だったら、いろいろ買って2人で半分こしよう」
俺はそう言うと、焼きそばにたこ焼き、イカ焼きなどを買っていく。そして途中にあった椅子に座ると、まずは焼きそばから食べ始めた。
「ほらペスト・・・あ〜ん」
「え!?・・・は、恥ずかしいわよ///」
「え〜・・・あんなこともしちゃった後なのに?」
「それとこれとは・・・!あぁもう!わかったわよ・・・あ、あ〜ん///」
「美味しい?」
「恥ずかしくて・・・味がわからない」
「あらら・・・じゃあもう一回・・・あ〜ん」
「あ、あ〜ん・・・むぐむぐ」
「どう?」
「うん・・・美味しい・・・かな?でもこれ、黒夜が作ったほうが美味しいわよね?」
「あはは!それは言ったら可哀想だよ・・・あ、でも今度祭りがあるときはノーネームで屋台を開くのも良いかもな。意外と料理出来る奴多いし」
そんな事を話しながら食事を終えた俺たちは、次に金魚掬いや輪投げ・・・そして射的などの店を次々に回った。そしてその全てで俺たちは店主を泣かせる事になる。
「これ・・・ギフトカードが無かったら大変な事になってたわね」
「確かにな。まぁぬいぐるみなんかはいらない奴は子供達にでも配れば良いだろ」
「そうね・・・・・あっ」
「どうした?」
ペストが見ていたのは色々なアクセサリーを売っている店だった。俺はその造形に見覚えがあり、ペストを連れて覗いて見る。するとそこにいたのはやはりジャックだった。
「ヤホホ!黒夜殿ではありませんか!」
「久しぶりだな。まさかこんな所で会うとは思わなかったぞ?」
「実は白夜叉様から依頼を受けましてね。こうして出張販売しているのですよ。お二人は・・・って、貴女は確か」
「あぁ・・・ジャックは知らないんだったか?ペストはノーネームに形式上は隷属してる事になってるんだよ。ちなみに俺の恋人でもある」
「ヤホホ!そうでしたか!先日のお三方はご一緒では無いのですか?」
「1日1人とデートする期間って事で今日はペストの番だったんだ。それにしても・・・相変わらず見事だな」
「お褒めに預かり光栄です。ペストさんは気に入った物はありましたか?」
そうジャックが聞いてきたので俺もペストに視線を移すと、ペストはある一点を凝視したまま動かなかった。俺とジャックはその視線の先を追うと・・・どうやら黒猫のイヤリングを見ているようだった。
俺はそれを手に取るとペストに聞いてみた。
「これが気に入ったのか?」
「え・・・?べ、別に・・・そういうわけじゃ・・・ただちょっと可愛いと思っただけよ」
「ふむ・・・ジャックこれ買うよ」
「ヤホホ!黒夜殿は相変わらず迷いがありませんねぇ。銀貨8枚になります」
俺は一瞬驚いた。このイヤリングは金貨1.5枚となっている。俺はジャックを見ると、銀貨8枚を渡して小さくお礼を言った。
「サンキュな」
「いえいえ・・・またお願いしますよ。ヤホホ!」
俺たちは手を振りながらジャックの店を後にすると、人気の無い高台へと場所を移した。
「ペスト・・・ちょっと耳貸して」
そして俺は先程買ったイヤリングをペストに付けてあげる。ついでに簪を使って髪を纏めてみた。
「うん、似合ってるな」
「ありがとう黒夜・・・本当は凄く可愛くて欲しかったの」
「ジャックもいたからな・・・気づけて良かったよ」
俺がそう言った瞬間、少し遠くから花火が打ち上がる音がした。そしてヒュルルル・・・という音の後に、夜空に大きな花が咲く。
それを見たペストは、瞳を輝かせながらいくつも上がる花火を見ていた。
「・・・綺麗」
「花火も見るのは初めてか?」
「えぇ・・・知ってはいたけど、こんなに綺麗なのね」
「まだまだ序の口だぞ?これからどんどん派手になるからな」
ペストは俺の言葉に笑顔になると、そっと俺に体を預けて来た。俺はそれを優しく抱き寄せると、静かに花火を楽しむのだった・・・。
今回はここまでとなります!
書いててペスト可愛いなぁとか自己満足してましたw