白夜の兄貴分が帰って来るそうですよ?〜凍結(リメイク執筆中)〜 作:☆シュレリア☆
UA10000達成!!!お気に入り件数も117件ありがとうございます!!!
アンダーウッド編はなんか書きずらい・・・しかも今回は説明?多いですw
なんか物凄くオリジナル入りましたwリンちゃん大活躍?
感想評価お待ちしています!低評価歓迎!
「アンダーウッドと巨人」
ノーネームを出発したラグス達は、現在南側のアンダーウッドへ到着していた。アンダーウッドの景観を始めて見た異世界組やアイは身を乗り出すようにして楽しんでいた。
「・・・すごいわね」
「あぁ・・・テレビの中の景色も綺麗だったが・・・ここもまた綺麗だ」
「テレビの中・・・?」
「ママ!なんか飛んでるよ!」
悠の言葉に疑問を感じた耀だったが、アイの方に気を取られたようで上を見上げてみた。そこには鹿の角が生えた鳥が・・・。耀は上を見つめたまま黒ウサギに聞いてみた。
「黒ウサギ・・・あれも幻獣なのかな?」
「え、ええ・・・そうですね」
「お友達になれるかな?」
耀がアイを連れて今にも飛び上ろうとした時、大きな影が落ちて見覚えのある鷲獅子が舞い降りてきた。
『やめておけ友よ。あれはぺリュドンと言って人を殺す殺人種だ。下手をすれば呪いをもらうことになるぞあいつらめ・・・普段なら哀れな種と見逃すが今は収穫祭のための大事な時期・・・再三の忠告に従わぬようなら、耀には今晩ぺリュドンの串焼きを馳走することになりそうだな』
「あはは・・・けど、久しぶりだね。ここが故郷だったんだ?」
「うむ・・・私はサウザンドアイズに所属してはいるが故郷はここアンダーウッドだ。それと・・・久しぶりだな。友の友も久しぶりだ」
「YES!お久しぶりなのですよ♪」
「久しぶり・・・でいいのかしら?」
「多分・・・合ってますよ」
挨拶が終わると、鷲獅子は翼を広げて背を向けた。
『宿舎まではここからだと距離がある。良ければ下まで送ろう』
「ありがとう・・・そう言えば、名前を聞いてなかった」
『私は騎手からグリーと呼ばれている』
「そっか。じゃあみんなをお願いねグリー」
そうして、自力で飛べる耀、悠、ペスト、ラグス、レティシア以外のメンバーは、グリーの背に乗せてもらいながら移動した。
その途中、グリーは驚いたように声を上げた。
『凄いな・・・たった2ヶ月足らずでこのスピードについて来れるとは。それにそっちの人間も大した物だ』
「これも修行のおかげ・・・飛鳥も飛べるけど、まだあんまり長い間は使えないから」
「俺の場合はまっすぐ飛ぶだけならスピードは関係ないからな・・・急に曲がったりはまだ難しいんだが」
楽しそうに話す3人だったが、グリーに乗っている一部の者はそうも行かなかった。
『ぎにゃぁぁぁぁぁああああああ!!!おじょぅぅぉぉおおおおおおお!!!旦那を止めてくれぇぇぇぇぇえええええええ!!!』
「流石に・・・このスピードは・・・!」
三毛猫は必死に叫びながら懇願し、葵もなんとかしがみついてはいるがかなり青い顔をしていた。
それに気づいた耀が慌ててグリーに声をかける。
「グ、グリー・・・後ろが大変!速度落として!」
『む・・・おぉ、すまない』
グリーが速度を落とした事によってようやく落ち着いた葵は、グリーに礼を言いながら景色を楽しみ始めた。
実を言うとジンも結構いっぱいいっぱいだったのだが、なんとか顔には出さないようにしていたのは秘密である。
そんなこんなで、地下の宿舎に到着した一同はぺリュドンを狩りに行ったグリーと別れると、また見知った顔と出くわした。
「あ〜誰かと思ったら耀じゃん!なに?あんたらも収穫祭に呼ばれたの?」
「アーシャ、そんな言葉遣いは教えていませんよ」
現れたのはウィル・オ・ウィスプのジャックとアーシャだった。耀達は挨拶を交わすと移動しながら会話した。
「そう言えば・・・耀はもう参加するギフトゲームは決めてるの?」
「ううん・・・今来たばかりだから」
「そっか、ならヒッポカンプの騎手には絶対に出ろよな!私も出るから!」
「ヒッポカンプ・・・黒夜から聞いたっけ?確か水上を走る馬だよね?」
「その通りですよ春日部嬢。この収穫祭では1番の目玉でしょうね」
「そっか・・・考えとく」
耀が笑顔でそう答えていると、ジャックはジンの方へと言葉をかけていた。
「ヤホホ、お久しぶりですジン殿。この度は色々と注文をいただき感謝していますよ。黒夜殿やノーネームの皆さんには今後ともご贔屓にしていただきたいですね」
「お久しぶりですジャックさん。僕たちも取引に応じていただいて感謝しています。黒夜さんとも話して今後も必要になりそうな物は貴方方にお願いするつもりなのでよろしくお願いします」
そう言ってお互いに握手を交わすと、そこへ飛鳥が声をかけてきた。
「お久しぶりねジャック。今日も賑やかそうでなによりだわ」
「ヤホホ!それはもう、賑やかさが取り柄ですからね!飛鳥嬢もお元気そうでなによりです。先日のゲームでは春日部嬢にしてやられましたが、今度は貴女にも是非参加していただきたいものです」
「ふふ・・・その時は全力で相手をさせてもらうわ。ところで・・・ジャックは収穫祭ではゲームには参加するのかしら?」
「いえ、私は主催者が主な活動ですので。今回も招待状が届いたので足を運びましたが、日用品の卸売りをしに来たようなものです」
「あら、ではゲームにはアーシャ1人で出るのね・・・それなら楽勝じゃない」
「そうだね・・・」
「おい!?私だって強くなってるんだからな!?」
髪を逆立てて起こるアーシャに耀たちは笑い声を上げると、貴賓客用の宿舎に到着したので一度荷物を置いてから主催者に挨拶をする事にした。
そして集合した一同は、壁伝いに作られた螺旋階段を進み始めた。そこそこ長い距離があるのだが、耀たちは初めて見る光景ばかりで楽しみながら歩を進める。
途中、耀は六本傷の旗が掲げられた店が目に止まり。
「黒ウサギ・・・あの白牛の焼きたてチーズってーーー」
「ダメですよ。買い食いは主催者への挨拶が済んでから・・・」
「美味しいね」
「いつの間に買ってきたんですか!?」
黒ウサギが驚きの上げる中、耀は焼きたてアツアツのチーズを手で伸ばしながら食べていた。さらに小さくちぎった物をアイの口に運んであげる。
「アイ・・・熱いから気をつけて食べるんだよ?」
「うん!・・・あむ・・ハフ・・・もむもむ・・・美味しいねママ♪」
「ふふ・・・はい、もう一個」
「あーん♪」
その様子は本物の親子のようで、それを見ていたジャックはうんうんと頷きながら微笑ましそうに眺めていた。
黒ウサギは肩を落としながら先に進もうとしたのだが、耀とアイのやり取りに足を止めていたせいか他のみんなも思い思いに食べ物を買って食べているのを見て、とうとう我慢できなくなり目の前にあった店でお菓子を買って食べ始めていた。
その様子にレティシアは苦笑いを浮かべると、ジャックに頭を下げた。
「すまないな・・・どうにもうちの同士は自由な者が多すぎる」
「ヤホホ!構いませんよ。うちのアーシャも混ざってしまっていますしね。所で聞き忘れていたのですが・・・今日は十六夜殿と黒夜殿は一緒ではないのですか?」
「あぁ・・・十六夜は少し修行に出ていてな。黒夜はそれを迎えに行った。今日の夜にはこちらに到着すると思うぞ。例の話も、その時にするそうだ」
「そうでしたか・・・っと、そろそろですね」
そう言ったジャックの声に、一同は向き直った。すると、地表に出た一同は固まってしまった。
「黒ウサギ・・・この木、何mあるの?」
「確か500mほどだったと思います。目的地はその中ほどですね」
耀はそう・・・と言いながらみんなについて行くと、根元付近にある木造のボックスが目に入った。
「このボックスに乗ってください。最後の方はそちらのベルを二回鳴らしてもらえますか?」
ジャックに促され、全員がボックスに乗ると側にあったベルを悠が鳴らした。すると上の方にあった空箱に流れてきた水が溜まっていき、こちらのボックスと入れ替わるように移動を始めた。
随分と原始的な装置だと思ったが、歩くよりはマシだと思った耀や飛鳥は徐々に見えてくる景色を見ながら登り切るのを待った。
さらに、通路を進んでいくと7枚の旗が目に入り、黒ウサギから連盟旗や連盟について説明を受けている間にジンとジャックが受付で手続きを済ませていた。
その時、受付の娘キリノからいつだったか聞いたことのある名前が出てジンたちは驚いた。
「サラ・・・ドラトレイク?」
「もしかして・・・サラマンドラの?」
「え、ええ・・・サンドラの姉であるサラ様だと思います。途中、北側の技術があって疑問だったんですが・・・もしかして流出させたのは・・・」
「流出とは人聞きが悪いな、ジン=ラッセル殿」
突然、声と熱風と共に現れたのは二本の立派な龍角を頭に持った女性だった。しかしその服装は肌を大胆に露出させた物で、ジャックはまだしも悠はサッと顔をそらして頬を赤くしていた。
ちなみにジンは彼女を知っているようで驚きの声を上げた。
「サ、サラ様!」
「久しいなジン。後の皆とは初対面だな。サラ・ドラトレイクだ」
そう言って優雅にお辞儀をするサラに耀たちはそれぞれ名乗りながらお辞儀を返した。
その後はサラがキリノを遊びにいかせると、一同に手招きしながら本陣の中へと案内した。
「さて・・・自己紹介は済ませたし・・・あぁあの技術は私が独自に開発した物だから間違わないでくれ。それと・・・そうだな。先に言っておかなければいけないことがあった」
サラはそう言うと、一度立ち上がりノーネームへ頭を下げた。突然の事に驚く一同だったが、次の言葉で納得した。
「黒死斑の魔王が現れた際は、サラマンドラを救ってくれたこと感謝する」
「いいえ、あの戦いでは危ない場面もありましたが1番得をしたのも僕達でした。全部黒夜さんのおかげでもあるんですけどね・・・」
「そう言えば・・・その黒夜殿は?」
「少し用事がありまして・・・夜には到着する予定です」
「わかった・・・。まぁギフトゲームが開催されるのは3日目以降になるが、それまでもバザーや出店は数多くあるから楽しむといい。南側特有のものもあるから楽しめるはずだ」
サラの言葉に、頷き席を立とうとした一同だったが、耀はふと思い出したようにサラに声をかけた。
「南側特有っていうと、ラビットイーターとかもあるの?」
「な!?そんなものあるわけーーー」
「在るぞ」
「じゃあブラック・ラビットイーターは?」
「だからどうして黒ウサギをダイレクトに狙うような!」
「在るぞ」
「在るんですか!?いったいどこのお馬鹿様ですかそんな物を頼んだのは!!」
「誰って・・・ここに発注書ならあるが・・・」
黒ウサギはサラ手から発注書をバッと奪い取ると、その内容を読んだ。
対黒ウサギ型プラント・ブラック★ラビットイーター。80本の触手で対象を淫靡に改造すーーー
それを読んだ黒ウサギは発注書を握り潰しそうなほどにプルプルと震え、後ろから覗き込んでいた耀と飛鳥は笑いそうになるのを必死に堪えながら感想を言葉にした。
「・・・これ、十六夜君が見たら間違いなく怒るわね・・・」
「というかキレると思う・・・ついでに黒夜も怒るんじゃないかな?この発注書・・・ブラック★ラビットイーターを200本仕入れるように書いてあるもん」
流石にこれには座って聞いていたラグスたちも驚いたようで、顔を引き攣らせながら黒ウサギを慰めようと腰を上げた。
しかしそれよりも早く、黒ウサギは発注書をグシャッっと握りつぶすとサラに顔を向ける。
「申し訳ありませんサラ様!黒ウサギはこれから行かなければいけない用事ができましたので、これで失礼します!」
サラはその剣幕に呆然としてしまったが、黒ウサギは全速力で走り出そうとして一度止まり、耀と飛鳥の腕を掴むと今度こそ走り去って行った。
「どうやら・・・流石に1人で行くのは怖かったようだな」
「まぁ200本ですからね・・・もし私でも流石に怖いですよ」
そう言って苦笑を浮かべるレティシアとラグスに、驚きから回復したサラが声をかけてきた。
「噂通り・・・と言えば良いのかな。随分と苦労しているようだな」
「そうですね・・・それでも今は恋人が出来て随分幸せそうにしているんですよ?」
ラグスがそう答えると、サラはそうかと言って少し頬を染めた。だがすぐに表情を引き締めると、これが本題だと言わんばかりにジンとジャックを見た。
「まぁ向こうは放っておくとして、ジンとジャックには話しておきたいことがある。他の皆にも聞いて欲しいのだが時間はあるだろうか?」
「僕達は大丈夫ですけど」
「まぁ・・・聞くだけなら」
サラはそれに頷くと、まずは・・・と前置きをしてから話し始めた。
簡単に纏めると、10年前に倒した魔王の残党の巨人族が収穫祭を狙って襲撃してくる可能性があるから手を貸してくれないか?というもので、それを聞いたジンたちノーネームはすぐに方針を決めたようだがジャックとアーシャは渋い顔をした。
「話しはわかりましたが・・・その依頼を受けて私たちにメリットはあるのでしょうか?」
「ふむ・・・もし巨人族との戦いで両コミュニティが活躍してくれれば、あるギフトを譲ろうと思っている」
「ギフト・・・ですか?」
疑問の声を上げるジンに、サラは席を立つと後ろにあった巨大な布を取り払った。そして姿を現したのは球状の石のようなものだった。
サラは席に戻ると、これがなんなのかを話し始めた。
「これはバロール死眼というものでな・・・10年前の戦いで手に入れた物の一つだ」
「バ、バロールの死眼!?」
「これはこれは・・・随分と凄いものが出てきましたね・・・」
サラの発した名前に驚いたのはジンとジャックだった。それ以外の者はソレがなんなのかわからなかったり、ラグスやレティシア、リンなんかは知っていたために驚かなかった。
そしてリンはラグスやジンと顔を見合わせると、頷いて話を切り出した。
「すみません。そのバロールの死眼の事で少しお話ししたい事があります。本当は黒夜来てからと思ったのですが・・・」
「どういうことだ?」
「サラさんはウロボロスという名前に聞き覚えはありますか?」
「いや・・・初めて聞いた名前だ」
「では、魔王連盟という名称に聞き覚えは?」
流石にこれにはサラも反応をしめした。
「それには聞き覚えがある・・・というよりも、白夜叉様から気をつけるように言われていたからな・・・」
「そうでしたか。その魔王連盟の正式名称がウロボロス・・・私が一月ほど前まで所属していた組織の名前になります」
「なっ!?」
リンが自身の素性をバラすと、サラは明らかに警戒したような視線を向けた。その眼はノーネームとウロボロスには繋がりがあるのかと疑っている色が見えて、リンは苦笑しながら話を進めた。
「そんなに警戒しないでください。今の私は黒夜に隷属している身です。まぁ・・・情報を得るために繋がりは完全には切っていないんですけどね」
そう言ってあはは〜と笑うリンに、サラはジンや他のノーネームのメンバーを見回すが、全員が一様にリンを信じてるという眼をしていて驚かされた。
一応・・・サラにも信じてもらえるようにと、リンについての話を1時間ほどかけてすることで、サラはもう何が何やらという顔をしながらもようやく肩の力を抜いてくれた。
「黒夜殿という男は色々と規格外すぎるな・・・」
「そうですね・・・けれど今では私を含めて元々敵だったメンバーは全員黒夜に感謝してますよ。っと・・・少し話が逸れ過ぎましたね・・・。えーと・・・ウロボロスの話だったかな?さっきの話の中にも出てきたように、私は私の偽物とリンクしていることで敵の情報を逐一知る事が出来るんです。そして、現時刻から2時間後・・・ウロボロスは巨人族を使ってこのアンダーウッドを襲撃する予定です。しかしそれは表向きの作戦で、彼らの本当の狙いはそこのバロールの死眼なんです。まぁそれも作戦の一部でしかないんですけどね・・・」
そこまで説明すると、リンは話し疲れたのかお茶を一気に飲み干してから一息ついた。
サラは表情を険しくしながらも、今聞いた情報をできるだけ詳しく命令書として書き残し、控えていた兵士に渡した。
「すまないがこれを防衛部隊の指揮官に渡してくれ。これだけでは信じてもらえないかもしれないから白夜叉様からの緊急の連絡があったとでも伝えれば動いてくれるだろう」
「ハッ!」
兵士を見送ると、サラはリンに視線を戻した。
「先程作戦の一部と言ったな?つまりウロボロスの最終的な狙いはこの死眼ですらないということになる・・・本当の狙いはなんだ?」
「それは、階層支配者が現れるのを阻止することです。しかもそのために彼らはかなり大掛かりな作戦を立てています。そして、作戦の要になるのがバロールの死眼と・・・こちらのレティシアさんです」
リンがレティシアに手を向けると、一同の視線がレティシアに集中した。レティシアはわかってはいたもののいざ視線にさらされると居心地が悪そうに身じろぎする。
リンはそんなレティシアの様子にクスクスと笑うと、説明を続けた。
「実は・・・ウロボロスはレティシアさんの主催者権限を持っていまして、今回はレティシアさんを攫いそして主催者権限を使うことでアンダーウッドへ大打撃を与える算段になっているんです」
「なるほど・・・確かにそれで収穫祭が潰れれば階層支配者を立てるための白夜叉様とのゲームも達成出来なくなる。しかしそれがわかっているのならなぜ彼女を連れてきた?主催者権限さえ使わせなければ私達は巨人族の相手だけで事足りるというのに」
「・・・・・これは黒夜から言われた事なんですが・・・今の下層のコミュニティは魔王との戦闘経験が圧倒的に足りません。1ヶ月前のサラマンドラですら、若手が多いせいで簡単に冷静さを失いラッテンに操られる兵士も多くいました。そしてそれは貴方達にも言えます。はっきり言って私達がいない時にウロボロスに襲われていたら確実に滅んでますよ?だからこそ、今回はあえて相手の策略に乗ってゲームに挑むんです。・・・もちろん少なくない犠牲が出るでしょう。それでも今後の事を考えるのなら今回の戦いは貴方達にとって大きな自信に繋がると私や黒夜は考えています」
リンはこれで話は終わりだと言うように椅子にもたれかかると、ラグスが新しく入れてくれたお茶を飲んで一息ついた。
サラはリンの話を真剣に吞み込むと、リンに視線を向けた。
「黒夜殿は・・・今回の犠牲はどれくらい出るとか言っていたか?」
「流石に黒夜でもそこまではわかりませんよ。そもそもレティシアさんの主催者権限のことも本人ですらわかっていないんです。それでも黒夜は自分だけならともかく、仲間を勝ち目のない戦いに巻き込む事はありません。今回の場合で言えば巨人族はペストちゃんがいればほぼ無力化できますし、主催者権限に関しても黒ウサギさんの審判権限を使えば中断させてクリア方法を考える時間も取れます」
「そうか・・・しかしだな・・・」
サラがさらに渋ろうとしていると、突然アンダーウッド全体が揺れているような感覚が全員を襲った。リンはしまったという顔をすると、慌てて時計を確認した。
「あちゃー!長く説明しすぎたみたい・・・今の揺れは多分巨人族の第1波だと思うからペストちゃんはすぐに前線に向かって!相手は私と同じギフトを使って巨人族を運んでるからさらなる奇襲には十分注意!サラさんは今すぐ指揮官として龍角を持つ鷲獅子に指示を出して!他のノーネームのメンバーはとにかく苦戦している戦場に向かって敵を駆逐・・・後は・・・・・私は黒ウサギたち3人に状況を伝えてくるから、できるだけ死者を出さないようにお願いね!私のミスで突然の戦闘になっちゃったけど私達ならやれるよ!!」
リンが次々に指示を出し最後に纏めると、一同は一斉に頷いて行動を開始するのだった。
巨人族の数は約800・・・リンは頭の中で第1波の情報を整理しながらウロボロスの仲間だった殿下やアウラ達に見つからないように、ギフトを使って軍師と伝令役を一度にこなしていくのだった・・・。
今回はここまでとなります!
一応補足として。
前回の最後で黒夜もレティシアが攫われたのを知らなかったと表記しましたが、攫われること自体は黒夜も知っています。
しかし、まだ黒夜は巨人族がこんなに早く襲撃してくる事は知らないのでああいう表記になりました。
誤解を生んでしまったようでしたら申し訳ありません。