本当に、最近は来客が多いなとしみじみ思ってしまう。
先日は生徒会二人組で、今日は白いローブの二人組。
二人組という点は共通してはいるが――しかし今回の、目の前の二人は悪魔ではなく人間だ。
さて、人間が悪魔になんの用なのか……。もしこれが普段の契約どうこうの話なら良かったのだが、二人組の片割れ――緑色のメッシュを髪に入れている娘さんが携えている、布に巻かれた得物がそれを否定していた。
布に巻かれた得物からは、なんかこう、聖なる力が感じられるのだ。
聖なる力は悪魔にはこれ以上無いぐらいの毒なのだ、わざわざそんな物を持って依頼に来る人間など居はしない筈。
それに、隣の栗毛の娘さんからも同じ力を感じるということは、彼女もまた似たような物を装備しているらしい。恐らくは、この二人組は悪魔と敵対する存在なのだろう。
だけどそうなると判らない、何故そんな人間が悪魔の下を訪れるのかが。
部長と朱乃さんも、この二人を前にして先程から物々しい空気を醸し出している。
特に祐斗に至っては殺気が半端ない。ともすれば今すぐにでも彼女らに斬りかかりそうな――敵対者絶対殺すマンになったかのようだ。
「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会側に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました」
ということは、目の前の二人は教会の人間なのか。しかし、エクスカリバーだって?
「エクスカリバーっていうと、封印城クーザーに封印されていた?」
おっといかん。黙って話を聞くつもりだったが、気になる単語が出てきたせいでつい口にしてしまった。
「……封印城クーザー?」
訝しげに俺の言葉を反芻するのはメッシュの娘さん。彼女は何言ってんだこいつとでも言いたげな視線を俺にぶつけていた。
……気を抜いていたとは言え、次からは安易に考えたことを口にしないよう気をつけよう。これ結構恥ずかしい。
「ごめんなさい。なんでもないです」と彼女らに謝り、話の続きを促す。
「……聖剣エクスカリバーそのものは現存していないわ」
疑問を顔に出していたイッセーを見て、部長がその疑問に答えるように口を開く。
「ゴメンなさいね。私の下僕に悪魔に成り立ての子がいるから、エクスカリバーの説明込みで話を進めてもいいかしら?」
部長の申し出に栗毛の子が頷き、話を続けられる。
なんでもエクスカリバーは、聖剣のくせして大昔の戦争でへし折られたらしい。
――それって本当にエクスカリバーだったん? 実はエクスカリパーだったんじゃないの?
そう思わずにはいられない。アントラー・ソードでさえ、折れることはないというのに。
「今はこのような姿さ」
メッシュの娘さんが携えていた、得物に巻かれていた布を解く。
そうして現れたのは一本の長剣。娘さんが言うにはこれがエクスカリバーらしいが……。
――…………なんかしょぼいな。
そう感じてしまう。VPのシナリオ中盤あたりに手に入る剣とそう変わらないんじゃないか?
話は続く。大昔の戦争でへし折られたエクスカリバーだったが、その際に折れた刃の破片を拾い集め、錬金術によって新たな姿になったと。
その時に七本作られたようで、これはその内の一振りらしい。
「私の持っているエクスカリバーは、『
そう言って、メッシュさんはエクスカリバーに布を巻きなおす。
メッシュさんに続くように今度は栗毛さんが懐から細長い紐を取り出すと、その紐が独りでに動きだし、一振りの日本刀と化した。
そんな日本刀を片手に、栗毛さんが自慢げに言う。
この日本刀もまたエクスカリバーだそうで、『
「イリナ……悪魔にわざわざエクスカリバーの能力を喋る必要もないだろう?」
「あら、ゼノヴィア。いくら悪魔だからといっても信頼関係を築かなければ、この場ではしょうがないでしょう? それに私の剣は能力を知られたからといって、この悪魔の皆さんはもちろん――そこの彼にも遅れを取ることなんてないわ」
――……おい。自信満々なのはいいけど、なんで後半俺の方を見ながら言った?
その不敵な笑みに、俺は栗毛さんに舐められているのだと理解する。
――くそっ! 舐めやがって……イラッとくるぜ!!
そっちがその気なら上等だよ! その挑発に乗ってやる!
「九々! 下がりなさい!」
前に出て、栗毛さんを睨みつける。悪いが部長の言葉は聞こえなかった体で行かせてもらう。
俺の眼光なぞなんのそのらしい。とにかく、依然として不敵な笑みを浮かべる栗毛さんを睨みつけながら、俺は栗毛さんとメッシュさんに見せつけるようにアントラー・ソードを生成する。
「こいつの名はアントラー・ソード。こいつは絶対に折れないし曲がらないという能力を秘めている」
――能力ってのは嘘っぱちだがな!
神々しさだけは一丁前の剣を手に、俺はドヤ顔でそう言った。
「なっ!? まさか……あなたも聖剣を!?」
「待てイリナ! 確かに聖剣に似た力を感じるが、しかしこれは――」
驚いた様子でああでもない、こうでもないと話し合う栗毛さんとメッシュさん。
慌てふためく彼女らを見て、若干ではあるが
――この二人の姿を見て、祐斗も少しは殺気を抑えてくれればいいのだが。
調子こいていた栗毛さんの鼻を明かすというのが九割、残り一割にはもう少し祐斗に冷静になってもらいたいという意図を込めて前に出たのだけれども……。
ちらりと彼の方を見やる。
どうやら全然冷静になれていないみたいだった。やはり殺気は納まらず、どこぞの深王のような眼で栗毛さんとメッシュさんを睨みつけている。
「……はあ。話し合うのは後にしてくれる? 話を進めたいのだけれど」
嘆息しながら部長が言う。
「あ、ああ。すまない」
「いえ、構わないわ。私も九々には聞きたいことができたから」
じとりと俺をねめつける部長。あれ? 聞きたいことっていうのは、アントラー・ソードのことだよな?
――生成した物は絶対に壊れないってこと、伝えてなかったかなぁ?
首を傾げる俺を余所に、エクスカリバーの説明込みでの話が再開される。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「二人だけでそれは可能なのかしら?」
目の前の二人への、部長の訝しむような物言い。
しかしこれは、俺を含めたオカルト研究部員全員の疑問でもある。
ここまで黙って話を聞いていたが、流石教会の人間。神の信仰者。もうね、アホかと。馬鹿かと。
順を追って今までの話を思い返す。
ええと、まず七本になったエクスカリバーは、カトリック教会本部に残っているメッシュさんが今持っているのを含め二本。
プロテスタントのところにも二本で、正教会にも二本。んで、残る一本は先の神、悪魔、堕天使の三つ巴の戦争の際に行方不明。
その内各陣営にあるエクスカリバーが一本ずつ奪われたんだよな。奪った連中は日本に逃れ、この地に持ち運んだらしい。
奪ったのは『
目の前の二人は奪った主な連中を把握しているようで、件の下手人はグリゴリの幹部、コカビエルという者だそうだ。
コカビエルは三つ巴の戦争から生き残っている古株で、その名は聖書にも記されているほどのビッグネームらしい。
すんごく強いらしいが……まあ、ガブリエ・セレスタよりも強いってことはないだろう、多分。
そういえば、先日からこの町にエクソシストを秘密裏に潜り込ませていたとか言ってたけど……此処駒王町って部長の領土なんだよな?
秘密裏ってことは、当然部長から許可なんてもらってはいないのだろう。領主たる部長に無断っていうのは大丈夫なんですかねぇ、教会の方々は。
……部長も気付いていなかったっぽいし、バレなきゃいいんだろうな。
閑話休題。
彼女らの依頼(いや、注文と言い直していたか)とは、彼女らと堕天使のエクスカリバーの取り合いに、この町の悪魔は一切介入しないでほしいというものだった。
メッシュさんの言い方に、次第に部長は穏やかじゃなくなっていく。
教会本部の連中はエクスカリバーを奪った堕天使と逃げ込んだ先の領主、グレモリーが手を組む可能性を危惧しているそうだ。
それを聞かされ、静かに怒る部長。
上の連中は悪魔と堕天使を信用していないらしい。神側から聖剣を取り払うことが出来れば、悪魔も堕天使同様に益がある。それ故に、手を組んでもおかしくはないとのこと。
例え魔王の妹であろうと、堕天使コカビエルと手を組むなら完全に消滅させる。と、彼女らの上司は言っているそうだ。
これに対し、部長は絶対に堕天使とは手を組まないと返した。グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るようなことはしないと。
これでメッシュさんが納得したのはいいのだが、この後の、彼女らのトチ狂った言葉には心底驚いてしまった。まさに、目から牛蒡ってやつだ。
カトリックからはメッシュさん。プロテスタントからは栗毛さん。
しかし正教会からの派遣はなく、なんとたった二人だけでコカビエルからエクスカリバーを奪還するという。
呆れたように死ぬつもりかと問う部長だが、まさか真剣な声音でそうだと返すとは。
我々の信仰を馬鹿にするなと栗毛さんは言うが、いや、しかし馬鹿だろお前ら。
エクスカリバーを堕天使の手から無くすことさえ出来れば、その為なら私達は死んでもいい? これ、べトネス教本渡した方がいいのかな……?
こうして、話はさきほどの部長の訝しげな物言いに戻る。
「ああ、無論、ただで死ぬつもりはないよ」
とは言うが……無理じゃね? 教会本部もこんな年若い娘さん二人しか送り出さないだなんて、奪還する気はあるのか? これじゃあカモにネギ背負わせて特攻させるようなもんじゃないか。
軽くやり取りを交わし、以降、部長とメッシュさんは見詰め合ったまま口を開こうとしない。
しかしどちらからともなく視線を外すと、メッシュさんと栗毛さんがアイコンタクトを交わして立ち上がる。
「それでは、そろそろお暇させてもらおうかな。イリナ、帰るぞ」
どうやら帰るみたいだ。それにしても……エクスカリバーに、堕天使の幹部コカビエルねぇ。……何事も無ければいいけど。
茶菓子ぐらいどうだという部長の厚意を受けず、帰ろうとする二人だったが――二人の視線が、アーシアちゃんの方に集中する。
「――兵藤一誠の家で出会ったとき、もしやとは思ったが、『魔女』アーシア・アルジェントか? まさかこの地で会おうとは」
メッシュさんに『魔女』と呼ばれ、アーシアちゃんはびくりと体を震わせる。
――『魔女』だって? どういうことだ?
『魔女』という言葉に栗毛さんも反応を示し、アーシアちゃんをまじまじと見つめていた。
……内部で噂になっていた? 元『聖女』? 追放され、どこかに流れたと聞いていた?
栗毛さんの口から紡がれる内容は不穏当だ。先のメッシュさんの冷たい口調といい、アーシアちゃんは過去に何をやらかしたのだろう。
堕ちるとこまで堕ちるものだなと吐き捨て、まだ神を信じているのかと問うメッシュさんに、そんな筈はないでしょうと呆れながら言う栗毛さん。
そんな彼女らのやり取りを見て、隣の方から沸々と湧き上がる怒りを感じた。
イッセーだ。二人に好き勝手言われ、悲しげな表情を浮かべているアーシアちゃんを見て
これは恐らく、時機に爆発するだろう。
「――アーシアさんは悪魔になったその身でも、主を信じているのかしら?」
「……捨てきれないだけです。ずっと、信じてきたのですから……」
アーシアちゃんの答えを聞いて、メッシュさんは布に包まれた――エクスカリバーを向ける。
それならば今すぐに私達に斬られるといい、神の名の下に断罪しよう、と。そんなことを言いながら。
――罪深くとも、我らの神なら救いの手を差し伸べてくださる筈だと……?
……筈ってなんだよ。絶対に救ってくれる訳じゃないのかよ。いや――そもそも黙ってアーシアちゃんを斬らせる訳にはいかない。
「なんの真似だ?」
敵意に満ちたメッシュさんの声。
「なんの真似だって? あんたと同じことをしているだけだよ」
再度生成したアントラー・ソードを突きつけ、言い放つ。
俺の行動に、静観していた栗毛さんも構え、いつでも動けるよう体勢をとっていた。
「……さきほどグレモリーがキミに聞きたいことができたと言っていたが、私もキミには聞きたいことがあったんだ」
「あん?」
「キミが今手にしている剣――アントラー・ソードと言ったか。聖剣でないにもかかわらず、聖剣に匹敵するほどの光力と能力を秘めているみたいだが、どうやって手に入れた? そして、何故それほどの剣を持ちながら悪魔と共に居る?」
「ああ、これか? 綺麗な銀髪の女性からもらったんだよ。悪魔と一緒に居る云々も同じ学校に通う、同じ部活に所属する仲間だからってだけだしな」
本当のことを言ってやるつもりなど更々無い。
目の前の彼女もこれが俺の軽口だと理解したのか、小さく舌を打つ。
しかし……虚仮威しの光のオーラが、まさか本職の人間をも騙し通すとは。
「本当のことを言うつもりは無い、ということか」
「おいおい、何をもって今の話を嘘だと判断したんだ? 神の代理人っていうのは、善良なる一般市民の言葉は信じようとしない奴ばかりなのか?」
「悪魔と行動を共にしている時点で、善良かどうか怪しいものだがな」
鼻で笑われる。
――これはある種の差別的な発言ではないのだろうか。
それにしても、煽って怒らせてあっちから手を出させるっていうのは無理そうだな。
彼女らから手を出してくれれば、正当防衛を言い訳にやりたい放題できたのだが。
先の発言が皮切りになったのか、重苦しい空気の中膠着状態が続く。
「……あんた達はアーシアちゃんに対して好き勝手言っているが、アーシアちゃんが何をしたっていうんだよ? こんなにも優しくて良い子なのに」
この重苦しい空気を少しでも霧散させる為に質問を投げかける。
答えてくれるとは思っていなかったのだが、メッシュさんは「知らなかったのか」と小さく呟き、顛末を語ってくれる。
「彼女は教会で『聖女』として崇められていながら、あろうことか負傷していた悪魔を治療してしまったんだよ。まさか悪魔や堕天使すらも癒せる能力を持っていたとはと、教会は大騒ぎだ」
「え?」
「うん?」
悪魔と堕天使も治療――回復できるって普通じゃないの? アズタロサとかJ・D・ウォルスとか、あいつら不死者のくせにめちゃめちゃ回復してたけど。
「いや、なんでもない」
「……本来なら、治療の力は神の加護を受けた者にしか効果を及ぼせない。つまり、悪魔や堕天使には効果が無いのさ。それらを治療できる力は、『魔女』の力として恐れられているからね。今では堕ちて悪魔になっているみたいだし、尚のこと彼女が『魔女』と呼ばれるのも、断罪されるのも当然だと言えるだろう?」
「――っ! ふざけたことを言うな! 救いを求めた彼女を誰一人助けなかったんだろう!? アーシアの優しさを理解できない連中なんか皆馬鹿野郎だ! 友達になってくれる奴もいないなんてそんなの間違ってる!」
アーシアちゃんを庇うようにして立っていたイッセーが、この話に怒りを爆発させた。
怒りを向けられたメッシュさんだったが、しかしそれに臆すことなく『聖女』に友人が必要か? と一蹴する。
『聖女』に必要なのは分け隔てのない慈悲と慈愛であって、他者に友情と愛情を求めたら『聖女』は終わってしまうのだそうだ。
神からの愛さえあれば生きていけるのだから、最初からアーシア・アルジェントには『聖女』の資格など無かったのだ、と。
口にした当人はもちろん、栗毛さんも当然だと言わんばかりの表情だ。
「自分達で勝手に『聖女』にして――」
「――わかったさ、この話はやめるさ。ハイサイ! やめやめ」
イッセーの言葉を遮り、大声で言う。……もうこれ以上、メッシュさんの言葉は聞いていたくない。めんどくさいし不愉快だ。
「九々崎! お前……っ!」
「無駄だって、イッセー。こいつらには何言っても話なんざ通じないよ。口を開けば馬鹿みてえに神様神様って、めんどくさくてしょうがねえ。神の代理人殿にはさ、さっさとパクられたエクスカリバー(笑)でも奪還してもらってヴァチカンの、ええと……アンデルセン神父の下にお帰り願おうぜ」
この場にいる一同の視線が、一気に俺に集まる。
俺の言葉にイッセーと祐斗を除く部員のみんなはどこか驚いた様子で、対して教会の二人は眼つきが鋭くなっている。
――栗毛さんはともかく、メッシュさんも結構キてるみたいだな。こいつのキレどころが判らん。
「ほら、アーシアちゃんを見ろよ。こいつらが喋るたんびに悲しそうにしてんだぜ? 可哀想に。それに、俺自身もこれ以上はこいつらの話なんざ聞いていたくねえんだ。不愉快で仕方ねえよ」
そのアーシアちゃんも、今はさきほどまでの悲しげな表情は浮かべていない。
……代わりに不安げな表情で俺を見ているが。
俺もみんなの方――アーシアちゃんの方に顔を向け、教会の二人には見えないように笑いかける。
――安心しろ、二人のヘイトは今は俺に向けられている!
そういう意味合いで笑いかけたのだが、俺の意図はアーシアちゃんに伝わっているだろうか。あっ、でもなんかイッセーには伝わってるっぽい? 何故だ。
「あれだよあれ。どうせこういう連中が怪しい奴にホイホイ騙されては、人間を殺し回って壁に塗り込んだりするんだよ。だからこれ以上はこいつらに深入りしない方がいいよ絶対。ここまで神様を盲信してる奴ってのは、本当に騙されやすい奴ばっかだからな」
黒夢塔の狂信者然りなっ!
「ふざけるなっ! 私達がそのようなことをする筈ないだろう!」
「そうよ! 大体、私達がそう易々と騙されるとでも!?」
「はっ」
さっきの意趣返しという訳ではないが、馬鹿にするように彼女らの言葉を鼻で笑ってやる。
意外にもこれは効果が大きかったらしい。二人は一度火が点くと一気に燃え上がる
「もう我慢できないわ! ゼノヴィア! 神の名の下に、この異教徒に正義の鉄槌を下しましょう!」
「ああ。こうも舐められては教会の――延いては主の威信に関わるからな。主を冒涜するかのような無礼な物言いのこの男は、断罪する他あるまい」
「はんっ、上等だよ! かかってこい! 神を信仰しているような儚い人間相手に、引く道理なんざ無いからな!」
――まあ、とか言いつつ俺自身もかの大いなる創造神を信仰してやまないのですけども。
「九々! あなたいい加減に――」
今まで沈黙を保ち続けていた部長が、これ以上は見過ごせないと俺を止めようとする。
だが、さっきのイッセーの言葉を遮った俺のように、今度は祐斗が部長の言葉を遮りながら前に出る。
「丁度いい。僕も混ぜてもらおうかな」
剣を片手に、殺意の波動に目覚めそうな祐斗が言う。
「……誰だ、キミは?」
至極どうでもよさそうなメッシュさんの問い。
「キミ達の先輩だよ――失敗だったそうだけどね」
瞬間、部室の至る所に無数の剣が現れ――――無限の剣製!?
栗毛って文字、遠めに見ると鼻毛に見えますよね。