主人公を英雄として召喚したら   作:ひとりのリク

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fateGO、茨城童子イベント始まりましたね。
鬼ごろし級、HP400万削ったところで力尽きました。

ガチャは、呼符を4枚だけしました。
2030年の欠片と、イベント清姫礼装が来てくれて感激してます。欠片3枚目やったぜ!


聖杯戦争は動き出す

承太郎は本日二度目にして、クールタイム無しの宝具の連続解放という、並みのマスターであれば悶絶必死の行動を取った。

想像に浮かぶのは、己の魔術回路が火花を散らし、身体が悲鳴を上げるような、避けて通るべき一手。バーサーカーという時点で、出来る限り宝具の解放は遠慮願いたいものだ。クラスの特性上、魔力の消費は何の対策も無しなら、最悪に飛び抜けている。

何を思っての行動なのかを突き詰めれば、出てくる答えは明白にして単純な答えだろう。

『倒すべき悪が近くにいた。ただ、それだけだ』

 

 

イリヤの頭に置いた手を、時が止まってから帽子のツバへと移す。

やや頭部から浮いた帽子を、しっくりくる位置を探し深くかぶる。納得のいく、違和感のない位置に帽子を置くと、承太郎は薄く夜道を照らす街灯道の十字路の曲がり角を見据える。

次に、十字路の丁度真ん中、左右と前後が交差する真上の位置で音もなく静止する、殺意が込められた矢を見て、矢が進む方向を確認。

 

「さて、アーチャーが放った矢は、一体どんな″的″なんだ?皆目見当がつかねえな」

 

10m程上に飛び上がり、死角となっていた曲がり角の先を、真上から見る。

そこには、一人の外国人が立っていた。

黒が目立ち、白の線が縦に両腕に入ったジャケットのような上着を着ていて、下はこれも似たようなデザインの、黒色のズボン。

何と言っても目立つのが、まるで黄金をさらけ出したかのような金髪。その男の視線の先には、あの矢があった。慢心しているかのように両腕を組み、やや口の隅が笑っている。

 

「妙に気配を感じなかったが、コイツ、アサシンか……?まるで戦う気がないように見えるな。武器すら持っていないのは、今から矢を躱すつもりでいるからだろう。アーチャーなんぞに簡単に見つかる程度のアサシンだ、実力は大したことなさそうだぜ」

 

承太郎は、無い足場を蹴ると、物理の法則をぶっちぎりで無視し男、いや、サーヴァントの元へと降り立った。

ここで、1秒が経つ。

承太郎は、何処から湧くのかと思うほどに慢心する顔に、さして興味なさげに見ると、その意識は次に″正体″へと向けられた。

 

「間違いない、サーヴァントだ……!時の止まった世界でも、魔力を感じ取ることは出来る。一般人と間違えて、うっかり風穴まみれになって騒ぎになるのは避けたかったから、有難い」

 

名も知らぬサーヴァントの全身をチェックする。

時間は非常に限られているので、目で見るだけで終わった。同時に承太郎は、残念そうにため意を吐く。

 

「見た目通り、魔力で形成した武装はしてないか。これじゃ、試したいことが満足に試すこともできない……」

 

承太郎は宝具の解放に伴い、一つの特殊な効果が付与されていることに気がついた。

 

「サーヴァントが装備する武具を、俺の宝具が発動している最中で、HBの鉛筆1本を両手で力任せに真ん中からポキッと折るみたいに、砕けるかってことがな」

 

それは、魔力で編み上げられたあらゆる武器、防具等の神秘性を弱めること。

丸々奪える訳ではない。あくまで、効果を薄める程度のものだ。

世の中には、″モノ″または″在るモノ″を奪ることを生業とする英雄に、そういうスキルが付くことがあるらしいのだが、承太郎の効果は違う。

通常の戦闘でまず折れたり、ヒビが入るはずのない武器に、へし折ったり、微かなヒビを入れることが可能になる。

この世界は、あらゆるモノの時が止まる。ならば、あらゆる武器、防具は装備としての意味を成さない。静止した時の中では、着ている装備は紙切れ1枚となんら変わりがない。

という承太郎の認識に加え、もう一つの思考がある。静止した時は皆誰しもが平等である。平等を作り上げた頂点ただ一人を除いて…承太郎はこんなことを思っていない。が、そんな結論を出す支配者がかつていたかのように。または、聖杯がそう認識したのかは知らない。

結果として、以上2つの思想、はたまた認識で成り立つのが空条 承太郎の宝具。″ソレ″が世界の正体。

文字に綴るにしろ、言葉で説明するにしろ。承太郎は自身の宝具について、詳しい原理を突き詰めることはない。ただ、時を止めた世界で、壊しにくい魔力で作られた武器がいとも容易く壊せることは知っている。試したからだ。

そして、ただ時を止めることができる、ということを理解しているだけだ。

 

「まだ試していないのは、サーヴァントが持つ武器…宝具か?それを、それすらも紙切れ並みの防御力に落とせるのか、だ。サーヴァントの武器にはどれ程の効果があるのかを知りたくてな」

 

故に知りたかった。この世界の限界を。

 

「ま、それを持っていないなら仕方ない。金髪のサーヴァント、今回の聖杯戦争は運がなかったと割り切って、潔く消滅してくれ。あぁ、潔くもクソもねえか。なんせこの世界だ、てめえは俺の拳を食らったことすら認識できねえんだからな……!」

 

承太郎の背後に、恐ろしい程に静かな世界を止める像が浮かび上がり、たちまちに体格ががっしりとしたモノへと成った。

正しく頂。空気を揺さぶるように浮かぶ姿は、狂戦士そのもの。だが、拳を打たせれば分かる。その威力、精密の完成度。

加え、スター・プラチナの使い手、空条 承太郎の冷静さ、判断力が圧倒的強さに磨きをかける。世界中、どこを探そうとも、彼ほどにスター・プラチナという最強を生み出すことはできない。

このタッグは、恐らく負けない。

 

2秒…経過。

プツンと、限界まで張った糸が切れた瞬間だった。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!」

 

慢心するサーヴァントを、スター・プラチナは打ち砕く。

一つ一つ、徹底的に、容赦のない打撃が繰り出される。

静止した空気すら歪める。風の流れを捻じ曲げ、拳は金髪のサーヴァントへ流れ落ちる。

情けの無い、ひたすらに勝利を掴むための拳。

堅実、確実。

揺るがない勝利を掴む為に、承太郎は拳を握る。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!」

 

夜の下で放たれる拳は、小規模の流星群と見間違えてもおかしくはない。

ほのかに紫がかり、一人のサーヴァントへと集まる。

地面のコンクリートが徐々に崩れ、浮かび上がる。まるで、夜空に浮かぶ散る星の如く。

見る者を魅了するソレを受ける本人は、状況を知れば絶望を知るだろう。

身体は上へ浮かび、血が飛び散る。飛んだ血はやがて宙で止まり、新たに血が飛び散る。

 

3秒経過。

 

「オラァ‼︎」

 

一際重く、致命的な拳が夜空を駆ける。

金髪のサーヴァントは、大きく浮き上がり、山の方へと放られた。

 

怒涛の流星群は、やがて夜空から消える。

流星群を連想する拳は、止まった。

金髪のサーヴァントは、全身が凸凹になるまで殴られ続け、もはや再起不能だろう。

宙に放り出され、苦悶の声を上げる思考もなく、ただ時が動き出すのを待つ慢心サーヴァント。

 

「終わりってのは、いつでも呆気ないもんだな。さて、これで霊核とやらは大半、砕いたと思うが、念には念を……!」

 

4秒経過。

 

承太郎の視線の先には、今宙に放り出されたサーヴァントを狙う、強力な威力を込めた矢。

地面をひと蹴り、矢が止まる空中まで移動すると、その矢の掴み所を持った。

 

「これ以上のラッシュは、イリヤに負担が大きいんでな。トドメは、こいつだ」

 

全身が砕かれた、見る身体もないサーヴァントに承太郎は、手に持つアーチャーの矢を投げようとしている。

時の止まった世界で、誰かに矢を投げる。その行為が、いつの日かエジプトで戦った時の最大の宿敵、DIOがやった事に似すぎている。過ぎった時、思ったのだ。俺は、畜生にまでなる必要があるのか?と。

ソコに堕ちる理由はない。今はその結論が、承太郎の理性をセーブした。

自分の行っている残虐さが、似たような場面で体験したことがあるのに気づき、手が止まる。

 

「……やめだ。既に霊格は潰してある。必要以上に殺す趣味はない」

 

承太郎はトドメることを止めたのではなかった。

自分がサーヴァントとして、狂化を受け取らなかったバーサーカーとして。越えてはならない一線が、ココだ、と直感が言うのだ。

故にその手の一振りを止めた。

聖杯戦争で、自らを汚す必要はない。

 

5秒経過。

 

「さて、帰るか。時は動き出す」

 

世界全ての心臓が動き出す。例外なく、支障なく。

それは当たり前で、そうでなくてはおかしい。

普通であれば、例外なんて出ることはないのだが、承太郎の干渉次第では、それを生み出すことも可能だ。

支配者の権威執行ということになる。最も恐ろしい手。

彼は気づいていた。望まなくても支配者として存在している自分がいることに。かつてのDIOが、自身をそういう風に名乗っていた姿。状況は違うにしても、承太郎の宝具はそういう在り方で成り立ってしまう。そこに承太郎は、可能性を考えていた。無敵と思っている宝具が外側から打ち破られる、瞬間を。

未来の果てを想像すると、不吉な結末が過る。

 

イリヤの元へ戻ったのと同時に時は動き、聞こえてくるのは士郎の唸り声とセイバーの驚愕した声。

坂の下で、士郎の異常に気がついた凛も駆け寄り、セイバーは承太郎へ怒りを露わにするが、それを流し歩き出す。士郎の容態を、少し気になるのかイリヤは心配そうな視線を士郎へ送り、グッと堪え承太郎の後を追う。

 

「士郎とかいう男さえいなければ、言い様のない不安を抱くこともなかったんだが…」

 

「どうしたの、バーサーカー」

 

承太郎の疲れ気味の呟きに、イリヤは物珍しいとばかりに質問する。

聞かれたからどうこう慌てる訳ではないが、敢えて承太郎は「気のせいだ」と言って夜道を歩いた。

 

 

 

 

 

「がっ……!?うぐぇぅぇえ!?」

 

0秒で吹き飛ぶ身体。

飛んできた矢を見ていたはずの目には夜空が映り、慢心していた自慢の身体はボロ雑巾の如く汚れていた。

 

脳が働かない。思考回路がショートしていた。その瞬間を見ることしか出来ず、抗う術が分からない。

サーヴァントの鼓動は、微々たるモノへ弱まっている。

 

「が………ぁ…………!」

 

血が飛び散り、空を移動する。あまりにも強引な移動に、身体が悲鳴を上げ、痛覚は脳へと信号を送り続ける。

視界が荒れる。赤く、青く、黒く、白く大雑把な色が見える。そして、交差し、直進し、回り、歪み、やがて痛みが襲ってくる。

唸り声を発するも、肺の機能が働いていないようで血を吐き出すポンプの役目を果たしてしまう。

 

「お………のれぇ……」

 

誰にも気づかれることなく、金髪のサーヴァントは森の中腹へとその身を着弾。

肢体から溢れ出る血液。

そして、吹き出す大量の生命魔力。

その意識は、闇に溶け込むように消え、やがて魔力が四散した。

 

サーヴァント、アーチャー・・・

 

真名、ギルガメッシュ。

 

・・・再起不能(リタイア)!!!

 

 

 

〜Fin〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ…?

 

以下より綴った短編は、この異様なスタートとなった聖杯戦争の終盤戦。

ささやかですが、お楽しみください。

 

 

 

 

 

 

【荒原の流星群】

 

 

1人は長身、190はあろう背丈。赤い外套が印象的な、褐色肌の男。

もう1人は、隣に立つ男程でないにしろ、身長は170を優に超える肌色の男。

似ても似つかぬ、人格は違うがどこか雰囲気の似る2人。視線に遊びはなく、あるのは殺意と僅かな後悔。

だが、この状況が異常であることは、疑いもなく誰もが思うだろう。

 

「「投影魔術・開始(トレース・オン)!!」」

 

なにせ、敵対していた中でも、一二を争うくらいに相容れない両者が、肩を並べ、まるで仲間かのように戦地に立っているのだ。

両者、武器を投影する。勿論、お互いにお互いを攻撃する気はない。今は…だが。

アーチャーと士郎は、それぞれが白と黒の双剣を握りしめ、呼吸を整える。

高鳴る緊張は、サーヴァントのアーチャーはともかくとして、士郎には応えるようだ。

当然である。今から繰り広げるのは、確実に″どちらか″が死ぬ戦い。それはアーチャーとではなく、7騎のサーヴァントで、恐らくダントツの強者。バーサーカーだ。

 

バーサーカー本人が語った、壮大な旅。母を救うために日本を発ち、エジプトへ数多の戦いを繰り広げ遂に目的を成した、と。何故話してくれたのか、その心境は今も分からない…だが、会話の時、殺伐とした雰囲気は一切なく、自身が警戒していることが場違いだと思うくらいだった。

バーサーカーは、士郎を知ってから、何処か懐かしんでいるようには見えた。それが理由でないのは、確かだが。

語っている中で、彼は言った。憶測だが、と呟いた後に。

それは彼の″今″。なんと、この日本の何処かに″実在する″ということ。まだ死んでもいない。自身の最期を知らぬ英雄だ、と。

辿り着いた、その真名は……

 

「スター・プラチナ!」

 

一際異彩を放つのは、身長190はあろう学生服姿の男。

背後に出現する、雄々しい戦士。雄叫びを上げ、最大の武器である両拳を握る。

その正体は、スタンド。スター・プラチナ。

 

 

真名を、空条 承太郎。

 

 

時を操り、世界全ての時を止める能力を持つ、神話に出てきても頷ける破格の英雄。

時の停止時間は、およそ5秒。

何キロも離れているなら何度使われても、痛くも痒くもない。だが、それが近距離戦ならば…″敗北″を意味する5秒だ。

 

真名へ辿り着いたことすらも奇跡に等しい。普通であれば知ることもなかった真名に加え、彼の宝具の正体をも暴いた士郎。ならば、もしかすると。万が一、億が一の可能性で希望を掴めるかもしれない。

勝利という、この場で最も縁の無いソレを。

 

「気に食わねえが、俺は敢えてこの戦いを受ける。そして、受ける以上、手加減を忘れる。正真正銘、最期の勝負だ!!!」

 

奇妙な友情が生まれた。

数日前。

敵同士で、夜空の星を見ながら縁側に座った長い夜。側にはセイバー、凛も座り承太郎の話に耳を傾け、時折驚いたり興味を持ったり。士郎は警戒し、自分に肩入れすることに驚き、疑い、そして僅かながら喜んだ。

今に至るまでに、承太郎が士郎に与えた影響が大きかったことを思い返し、渾身の力で持って心の奥底に押し込む。

複雑な心情を頭の隅に残し、承太郎と剣と拳をぶつけ合うのは失礼に他ならない。

 

「さあ、全力でかかってきな…」

 

「あぁ、言われるまでもないさ。俺は、俺たちは。この剣で、あんたの流星を打ち砕く……!お互いに、譲れない物が待っている以上、尚更だ!」

 

「いきがるのは結構だが、お前の身体は戦う前から既に悲鳴を上げているんじゃないのか?それが心配だ、結果として私の足を引っ張らないかとね」

 

「これ以上ノンビリもしてられないだろ、アーチャー。お前こそ、自分が人のことを言える立場じゃないのは分かってるだろ。贅沢はいえない。俺は、一人になっても、バーサーカーを倒す!」

 

「フッ…よく言った!これも運命ってやつだ、士郎。だがな、それを言い訳にはしねえ。もし悔いがあるんなら、俺の拳を捌いてからにしてくれ!!!」

 

一人の英雄と、一人の無銘と、一人の正義の味方。それぞれが置かれた状況を、今は忘れる。忘れ、全てを出すことに専念しなければ、死ぬから。

欠けた者のために。持てる誇り、腕、能力全てを大切な人を守る為に使う。限界を覚悟した、男達の戦いが今、剣と拳の交差で幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

........Another Time!




バーサーカーとして、作品に登場する候補に上がっていた主人公
・男鹿 辰巳 『べるぜバブ』
・綾崎 ハヤテ 『ハヤテのごとく』
・DIO 『ジョジョの奇妙な冒険』
・サイタマ 『ワンパンマン』

次回投稿は、アサシン編を予定しています。
その際、タグが一つ増えます。
バーサーカー、空条 承太郎のお話はここで終わります。別のクラスを書いている合間に、更新している可能性は……あるかもしれません。
引き続き、これからも頑張りますのでよろしくお願いします!


Next story...!

クラス:アサシン
真名:???
キーワード:三代目
クラススキル:騎乗(?)
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